これから株式投資を始める人や、始めたばかりの人の中には、投資判断のためにどんな情報を見れば良いかわからない人も多いのではないだろうか。
本記事では、株価とは何か?から、株価情報や株価に影響を与える情報の見方をまとめて解説する。
株価とは
株価情報について解説する前に、株価とは何かを確認しておこう。
株価とは株式の値段だが、その株価はどのように決まり、どのような要因で変動するのだろうか?
そして、投資家はどのように売買タイミングを判断しているのだろうか。
株価はどうやって決まる?
株価は、株式市場の需要と供給で決まる。株式を買いたい人(需要)の方が、売りたい人(供給)よりも多ければ株価は上がり、逆なら株価は下がる。
では、株価が高い株ほど大きな企業なのだろうか?
企業の規模を見るには、株価そのものよりも時価総額が重要だ。
時価総額とは企業の発行済株式数×株価で算出される企業全体の価値である。
発行済株式数は企業によって異なるため、株価の大小が会社の価値とは言えない。
例えば、ある日のトヨタの株価は2,202円、ホンダの株価は3,468円でトヨタの方が安い。
しかし、時価総額ではトヨタ約36.0兆円に対してホンダは約6.3兆円と、トヨタの方が6倍も大きいのである。
企業の規模を比較する際は、株価そのものではなく、時価総額を比べると良い。
株価の変動要因とは?
株価は何によって変動するのだろうか?
株価の変動要因は、大きく企業個別の要因と、社会や経済全体の要因の2つがある。
企業個別の要因は、企業の業績と言い換えても良い。
一方、社会や経済全体の要因は、景気や金利、為替、国際情勢などさまざまだ。
株式の売買タイミングの判断方法
そんな中、投資家は株式の売買のタイミングをどのように判断しているのだろうか。
判断方法には「テクニカル分析」と「ファンダメンタル分析」がある。
テクニカル分析とは、株価の動きに注目して売買タイミングを判断する手法だ。
株価チャートや、さまざまなテクニカル指標などを用いて投資タイミングを判断する。
一方、ファンダメンタル分析は、企業の財務情報や社会・経済の動向などをもとに株式の売買を判断する。
株価情報の見方
テクニカル分析を行うには、株価の情報が必要だ。
企業の株価情報は、主に新聞の株価欄や、インターネット上で株価チャートを参照することにより知ることができる。
新聞の株価欄
新聞の株価欄では、上場企業の前日の株価情報をまとめてみられる。
複数の銘柄を毎日まとめてチェックする場合などに役立つだろう。
株価欄でわかる情報
新聞の株価欄で見られる主な株価情報は次のとおりだ。終値だけでなく、前日の値動きや出来高を知ることができる。
- 市場:株式が上場している市場。東証プライム、スタンダード、グロースなど
- 業種:水産・農業、鉱業、建設、食品など企業が属する業種
- 証券コード・企業名:4桁の証券コードと企業名
- 始値:1日の最初についた値段
- 高値:1日の中で一番高い値段
- 安値:1日の中で一番安い値段
- 終値:1日の最後についた値段
- 前日比:前日の終値と当日の終値の差
- 売買高:1日に売買された株数
株価チャート
株価チャートは、一定期間の株価の動きをグラフで表したものだ。
株価チャートでは、チャートパターンやテクニカル指標を用いた投資判断ができる。株価チャートはYahoo!ファイナンスなどで誰でも確認できる。また、ネット証券に口座開設すれば、証券会社のWebサイトや専用アプリなどで、さまざまなテクニカル指標も利用可能だ。
チャートパターン
チャートパターンとは株価チャートの特徴的な形状から、その後の株価の動きを予測するものだ。
例えば次のようなものがある。
- ヘッド・アンド・ショルダー
- 真ん中が一番高い3つの高値の山を形づくるチャート形状で、その後下落すると下落トレンド入りを示唆するとされる。
- 三角保ち合い
- ジグザグしたチャートの上値と下値の幅が徐々に小さくなり、横向きの三角形のような形状で、先端にいくと上下どちらかに大きく振れる傾向があるとされる。
このように過去の経験則をもとに、チャート形状から株価の動きを予想するのがチャートパターンだ。
テクニカル指標
テクニカル指標とは、過去の値動きのさまざまな数値から株価のトレンドや、過熱感を把握するものだ。
例えば次のようなものがある。
- 移動平均線
- 一定期間の株価の平均をつないでグラフ化したもので、最もポピュラーな指標。短期の移動平均線が長期の移動平均線を上抜くゴールデンクロスは上昇相場への転換を示唆するとされる。
- RSI
- RSIは一定期間の株価の上昇と下落の変動幅のうち、上昇した値幅の割合で、70%以上なら「買われ過ぎ」、30%以下なら「売られ過ぎ」を示唆するとされる
テクニカル指標は、株式の買い時や売り時を判断するための材料として用いられる。
株価に影響を与える情報の見方
続いて、ファンダメンタルズ分析の材料として用いられる、株価に影響を与える情報の見方だ。
株価に影響を与える情報には、主に次の2つがある。
- 企業業績
- 社会や経済の状況
企業の株価はその企業の業績が反映されるのはもちろんだが、それだけではなく社会や経済の状況にも影響を受ける。
情報の見方のポイントを解説する。
企業業績
企業業績は株価を決めるもっとも大きな要因だ。
一般に、業績が好調であれば株価は上昇し、不調であれば下落する。
しかし、市場にはさまざまな情報や思惑を持つ投資家が参加しているため、必ずその通りに動くとは限らない。
企業業績は、主に「財務諸表」「財務指標」「株価指標」などから把握できる。
財務諸表
財務諸表とは、企業の決算年度ごとに作成される、企業活動をまとめた資料である。
財務諸表は、主に次の3つの資料からなる。
- 損益計算書
- 企業の経営成績がわかる。売上高や売上原価、営業外収益・費用などから最終的な儲けである当期純利益を算出する。
- 貸借対照表
- 企業の財務状態がわかる。右側に負債と資本、左側に資産を並べ、どのように資金調達して何に使われたかを表す。
- キャッシュフロー計算書
- 企業のお金の流れがわかる。期初から期末にどのようなお金の出入りがあったかを表す。
財務諸表を見ることで、企業の資金調達方法や、調達した資金をどのような資産に変えたか、そしてどれだけの利益を生み出したか、といった企業の活動状況がわかる。
財務指標
財務諸表の数値をもとに算出した財務指標を活用するのも有効だ。
財務指標は、収益性や安全性、成長性などを数値化し、規模が異なる企業同士で比較したりするのに役立つ。
主な財務指標には次のようなものがある。
- ROE(自己資本利益率)
- 企業の自己資本に対する当期純利益率の比率。株主が投資した資金で、どのくらい効率的に利益を生み出したかを表す。投資家目線の指標。
- 流動比率
- 1年以内に返済が必要な負債に対する、1年以内に現金化できる資産の比率。短期的な支払い能力を表し、200%を超えていれば安全性が高いといわれる。
株価指標
また、企業の資産や収益と株価の関係から、割高・割安を判断する株価指標もある。
よく使われる次の株価指標2つはぜひ覚えておきたい。
- PER(株価収益率)
- 株価が企業の収益の何倍かを表す。企業業績に対して株価が割安か、割高かを判断するのに使われる。値が低いほど割安。
- PBR(株価純資産倍率)
- 株価が企業の1株あたり純資産の何倍かを表す。1株あたり純資産は企業が解散したときに株主に残る価値と考えると、PBR=1を基準として、1を上回ると割高、1を下回ると割安といえる。
社会や経済の状況
株価は、企業業績だけで決まるわけではなく、その時々の社会や経済の状況にも左右される。
株価に影響を与える主な要因には次のようなものがある。
- 景気動向:一般に景気が良くなれば株価は上がり、景気が悪くなれば株価は下がる。
- 金利:一般に金利と株価は逆方向に動くと言われる。金利が高ければリスクを取って株式投資する必要がないためだ。
- 為替:為替は、円安に触れると輸出企業、円高に振れると輸入企業に有利に働く。
ほかにも、国際情勢や自然災害など、株価はいろいろな出来事の影響を受ける。
わからない時はプロに相談しよう
本記事では株価情報の見方について解説した。
株価の動きを予測するには、株価そのものの情報に加えて、株価に影響を与えるさまざまなニュースに対してもアンテナを張ることが大切だ。
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