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信用取引とは?投資の仕組みから危険性、向いている投資家の特徴までを徹底解説

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信用取引について話していると、親から「信用取引には手を出すな!」や、「信用取引は、危ないのでは?やめておきなよ!」といわれた経験をした方もいるだろう。そのため、信用取引と聞くだけで、危ないというイメージを持っている方は非常に多い。

 しかし、信用取引はなぜ危険なのか、その仕組みや特徴については意外とわかっていないのではないだろうか。今回は、わかってしまうと簡単な信用取引の具体的な特徴や仕組みについてわかりやすく解説していく。

目次

信用取引の仕組み

まずは、信用取引とはどのような取引方法なのか、取引の特徴や仕組みについて説明していく。

信用取引とは?

信用取引とは、口座開設先の証券会社から株券やお金を借りて、株式を売買することをいう。信用取引の最大の特徴は、取引を上手くできれば、少額でも大きな利益を上げることができることである。

信用取引は、証券口座を開設したばかりの状態では、取引できるようにはならない。口座開設先の証券会社で、信用取引の口座開設を申請することで、利用の開始ができる。信用口座の申請手続きには、特別資格が必要というわけではない。しかし、開設には条件がありますので、各証券会社に確認するようにしよう。

信用取引口座では、自分が証券口座の中で保有しているお金の約3倍まで取引ができるようになる。つまり、証券口座の信用取引口座に100万円が入っている方は、約300万円を有している時と同様の取引が可能となる。

信用取引の基本的な仕組み

信用取引の仕組みを利用すれば、手持ちのお金以上の取引ができる。てこの原理のように少ないお金で大きなお金を動かす様子からレバレッジ取引と呼ばれている。レバレッジとは、日本語訳すると『てこ』のことである。

一般的に現物取引の場合は、買いでしかポジションを保有することができない仕組みとなっている。そのため、現物取引の場合は、上昇相場でしか利益が上がらない。一方で、信用取引の場合は、売りからポジションを保有できる仕組みがあるため、下落相場でも利益を伸ばすことができる。

信用取引のメリット・デメリット

信用取引って危険なの?仕組みや向いている人を徹底解説 わたしのIFAコラム

次に、信用取引のメリットとデメリットについて説明していく。

信用取引のメリット

【メリット1】投資資金が少額でも大きな取引ができる

信用取引の最大のメリットは、少額であったとしても、非常に大きな取引が可能なことである。仮に投資資金が50万円であっても、約3倍にできれば150万円となる。つまり、上手く取引ができれば、利益を3倍のスピードで増やせるため資産効率が上昇するメリットがある。

 【メリット2】空売りから始めることができる

信用取引は、現物取引と違って空売りという取引ができる。つまり、売りから入って買い戻しをすることで、その値幅分が利益となるのだ。信用取引をしたことがない方はイメージしづらいかもしれないが、下落幅分だけ稼げると思っておくと良いだろう。

 【メリット3】回数制限なく取引ができる

現物取引の場合、同日に同銘柄を同一資金で「買付⇒売付⇒買付」もしくは「売付⇒買付⇒売付」することはできない。しかし、信用取引であれば、余力がある限りは何度でも取引ができる。

つまり、取引に回数制限はないというメリットがあるのだ。

信用取引のデメリット

【デメリット1】損失が非常に大きくなりやすい

信用取引は、自分の技量以上の資金量で取引ができるため、誤った判断をしてしまうと、非常に損失額が大きくなってしまう。そのため、投資した金額以上にマイナスとなるリスクがあるため注意が必要である。

 【デメリット2】さまざまな手数料が発生する

信用取引を利用するには、さまざまな手数料を支払わなければいけない。たとえば、信用金利や貸株料、権利処理等手数料などの手数料が発生する。信用金利は、買いの約定時にその代金に発生する手数料で、信用買いの時に約年利3%前後の手数料が発生するケースが多い。

 また、貸株料とは、口座開設先の証券会社から株を借りるときに手数料として支払うもので約1%前後が手数料として発生する。権利処理等手数料については、どのような金融商品を扱うかによって個別に決められているため、ぜひ取引する前にチェックしてほしい。権利処理等手数料の売買単位の目安としては約55円となる。

 【デメリット3】追加証拠金の支払いが発生する

信用取引に失敗してしまうと、追加証拠金の支払いが発生してしまうため注意が必要である。たとえば、買いのポジション保有中に大幅な下落に遭遇して証拠金維持率が大きく下がってしまうと、追加証拠金の支払いを要求される。

 追加証拠金の支払いを求められた場合は、翌日までに速やかに振り込まなければいけない。この点については、現物取引にはないポイントなので、必要以上にポジションを持たないようにしよう。

信用取引に向いている投資家の特徴

信用取引って危険なの?仕組みや向いている人を徹底解説 わたしのIFAコラム

信用取引には一定のリスクが伴うが、間違いなく向いている人も存在する。どのような人なら信用取引に向いているのだろうか。向いている人について説明していく。

信用取引に向いている投資家の特徴①リスク管理を徹底している

信用取引を行う場合は、徹底したリスク管理が求められる。なぜなら、リスク管理ができなければ、ポジションとは逆の方向に進んだ際に、非常に大きくマイナスが膨らんでいくからである。

 仮に約3倍で信用取引を行っていた場合、マイナスが増えていく速度も3倍となるため、逆行した時点で取引を停止するといった判断ができなければいけない。そのため、投資における自分の規則に従って取引できる方であれば、信用取引によって損失を抑えながら大きく利益を伸ばすことができるため、リスク管理できる方に向いている投資法といえる。

信用取引に向いている投資家の特徴②少額の投資資金で大きく利益を上げたい

信用取引は、自分の投資資金の約3倍の資金を保有している状態で取引ができる。そのため、少額の投資資金で大きく利益を上げていきたい人に向いている。逆に、数ヶ月~数年、数十年単位の長期投資で利益を上げていきたい方には向いていない。

 なぜなら、長期保有すればするほど手数料が膨らんでしまうからである。信用取引では、相場の転換地点や短期的に大きな変動がありそうなタイミングだけ、限定的に取引を行っていく。そうすれば、現物取引には出せないような利益の増やし方ができる。

信用取引に向いている投資家の特徴③投資の幅を広げたい

現物取引だけであれば、相場の上昇のタイミングでしか利益を得ることができない。これでは、数年続く下落相場では、ほとんど利益が得られないことになる。これは大きな機会損失といえるだろう。

しかし、信用取引を利用すれば、数年続く下落相場でも、しっかりと利益を出していくことができる。そのため、投資手法の幅を広げたい方に向いている投資法といえる。

まとめ

まとめ わたしのIFAコラム

信用取引とは、どのようなものかイメージしやすくなっただろうか。一般的には危険といわれがちであるが、その特徴や仕組みを理解すれば、それほど危険なものではないとわかる。だからといって、リスクがないわけではない。

しっかりとしたリスク管理ができていなければ、大きな損失に繋がってしまう。もし、信用取引を利用したい場合は、取引の専門家にアドバイスをもらうとよい。どのようなタイミングで信用取引を利用すればよいか具体的なアドバイスがもらえる。

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※本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

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執筆者

法政大学卒業後、野村證券株式会社に入社。リテール部門に配属し、中小・中堅企業、公益財団法人、社会福祉法人などの資産運用・防衛業務に従事。過去役員表彰経験。
2020年にIFA(独立系金融アドバイザー)として独立し、事業法人、事業法人オーナー、バイアウト経験元事業オーナーのお客様を中心とした金融資産運用業務に従事。

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