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30代のための新NISA成長投資枠活用法!おすすめの投資戦略と商品を解説

この記事で解決できるお悩み
  • 30代向けの新NISA成長投資枠の活用術を学びたい
  • 効率的な資産形成戦略を構築する方法が知りたい
  • 長期投資に適した商品選定のコツを理解したい

2024年1月からスタートした新NISAでは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用が可能となった。

より投資の幅を広げるためには、成長投資枠を活用することを検討したい。

しかし、成長投資枠はつみたて投資枠に比べて投資対象が多いことから、銘柄選びに不安を感じる人もいるかもしれない。

そこで本記事では、30代が新NISA成長投資枠を活用するメリットや運用例などを紹介していく。

目次

30代が知っておきたい新NISA成長投資枠の基本

従来のNISA制度では「つみたてNISA」と「一般NISA」の2種類の口座があったが、新NISAではそれぞれ「つみたて投資枠」と「一般NISA」に名称変更され、併用することも可能となった。

まずは、新NISAの制度概要と成長投資枠を利用するメリットについて学んでいこう。

新NISA制度の概要

スクロールできます
つみたて投資枠成長投資枠
年間投資枠120万円240万円
非課税期間恒久化
非課税保有限度額1,800万円
(内、成長投資枠は最大1,200万円)
対象となる金融商品現行つみたてNISAと同様株式、投資信託、ETF(※一部対象外あり)
(※①整理・監理銘柄、②信託期間20年未満、毎月分配型、デリバティブ取引を用いた一定の投資信託は除外)

新NISAの大きな変更点は、非課税期間が無期限化された点である。

従来のNISA制度はつみたてNISAが最長20年、一般NISAが最長5年の非課税期間が定められていたため、投資家は非課税期間を考慮したうえで運用計画を立てる必要があった。

しかし、新NISAでは生涯非課税で投資できるようになったため、より長期投資にも活用しやすくなっている。

また、非課税枠が拡大された点も大きなポイントだ。

従来のNISAの非課税枠は、つみたてNISAが年間40万円、一般NISAが年間120万円となっていたが、新NISAではつみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円まで拡大されている。

年間最大360万円まで投資できるため、従来の非課税枠では物足りないと感じていた人にも嬉しい改正ポイントだ。

30代が成長投資枠を活用するメリット

30代が新NISAの成長投資枠を活用するメリットとして、次の3点が挙げられる。

30代が成長投資枠を活用するメリット
  • ハイリスクハイリターンの投資が行える
  • 非課税投資枠が大きい
  • 配当銘柄に投資できる

それぞれくわしく解説していこう。

ハイリスクハイリターンの投資が行える

成長投資枠では上場株式と投資信託が非課税投資の対象となっており、つみたて投資枠に比べて対象商品の数が多くなっている。

中にはリスクの高い銘柄もあり、ハイリスクハイリターンの投資にチャレンジすることも可能だ。

長い運用期間を確保しやすい30代では、守りの運用ばかりではなくリスクを取った運用を行うこともできる。

たとえば、中小型株や新興国株式など、比較的リスクが高い銘柄をポートフォリオの一部に組み入れてみるのもよいだろう。

非課税投資枠が大きい

成長投資枠は年間240万円の非課税枠があり、つみたて投資枠よりも非課税枠が大きく設定されている。

従来の一般NISAと比べても、2倍の非課税枠を利用することが可能だ。

従来の一般NISAでは、「上場株式を1単元購入するとそれだけで非課税枠を消費してしまう」ということも少なくなかった。

たとえば、1株1万円の株式を1単元(100株)買うと非課税枠を100万円消費してしまい、残りの非課税枠は20万円しか残らないこととなる。

一方、新NISAの成長投資枠は年間240万円まで非課税枠が拡大されているので、1単元あたりの株価が高い銘柄でも購入しやすくなっている。

配当銘柄に投資できる

上場株式の中には、年に数回配当金を出すものもある。

配当金は通常20.315%の税金が課税されるが、新NISAで購入すると配当金も非課税となる。

たとえば、1回あたりの配当金が5,000円の場合、課税口座では約1,000円の税金が差し引かれて4,000円が手元に残る。

しかし、新NISAでは税金がかからないため、5,000円をそのまま受け取ることができる。

しかも生涯非課税で受け取れることから、新NISAの成長投資枠では配当銘柄を中心に投資する人も少なくない。

30代におすすめしたい新NISA成長投資枠における投資信託選び

新NISAの成長投資枠では、約1,800本(2024年2月現在)の投資信託が対象となっており、銘柄選びに悩むことも少なくない。

30代が投資先を選定する際は、次の4つのポイントから絞っていくことが重要だ。

  • ファンドの種類
  • 投資地域
  • 運用手法
  • 運用にかかるコスト

それぞれくわしく解説していこう。

ファンドの種類

ひとくちに投資信託といっても、どのような銘柄を組み入れるかによって下記のような種類がある。

種類特徴
株式国内株式や海外株式を組み入れて運用するファンド
リターンが期待できる一方、リスクが高い銘柄もある
債券国内債券や海外債券を組み入れて運用するファンド
値動きが安定している特徴があるが、その分大きなリターンを狙うことは難しい
REIT投資家から集めた資金をもとに不動産投資を行うファンド
得られた利益を分配金として還元するものが多い
バランスファンド株式や債券、REITを組み入れて運用するファンド
ひとつのファンドで分散投資ができるメリットがある

たとえば、「リスクを取りながらリターンを追求したい」という人は株式ファンド、「安定的に運用したい」という人は債券ファンドを検討してみるとよいだろう。

投資信託はどれか1つだけでなく、複数のファンドを組み合わせてポートフォリオを作る必要があるが、「銘柄選びが難しい」という人はバランスファンドを購入するのもひとつの方法だ。

投資地域

ファンドの種類が決まったら、次は投資地域を絞ろう。

たとえば株式型のファンドに投資する場合、国内株式で運用するのか、海外株式で運用するのかによって得られるリターンやリスクが異なる。

また、海外株式の中でも先進国と新興国によって違いがある。

国内株式を選んだ場合は為替リスクが生じないメリットがあるが、日本株の成長性からしか恩恵を受けられない。

一方、先進国や新興国株式は世界各国に投資できるメリットがあるが、為替の変動リスクに注意する必要がある。

自分のリスク許容度を考慮したうえで、どの地域に投資するか考えてみるとよいだろう。

運用手法

投資信託には、「インデックス運用」と「アクティブ運用」の2つの運用方法がある。

それぞれの違いは下記の通りだ。

運用手法特徴
インデックス運用目標とする指数(ベンチマーク)に連動することを目指す運用
アクティブ運用目標とする指数を上回ることを目指す運用
ベンチマークを設定しない場合もある

インデックス運用は値動きが分かりやすいメリットがあるものの、ベンチマークを上回るリターンは期待できない。

一方、アクティブ運用はプロが選定してくれた銘柄に投資できるメリットがあるが、インデックス運用に比べてコストが高い傾向にある。

どちらの運用手法を選ぶかでコストやリターンに違いがあるため、よく特徴を理解してファンドを選定しよう。

運用にかかるコスト

運用にかかるコストも重要なポイントだ。投資信託には、「購入手数料」と「信託報酬」、「信託財産留保額」の3つのコストが発生するが、中でも重視したいのが信託報酬である。

信託報酬とは、投資信託の運用や管理にかかるコストで、信託財産から日々差し引かれる形で投資家が負担するものである。

信託報酬はファンドを保有する限りかかり続けるものであるため、あらかじめどれくらいのコストがかかるのかよく確認しておく必要がある。

信託報酬は「交付目論見書」にて確認できるため、購入前に必ずチェックしておこう。

30代におすすめ!新NISAの成長投資枠を活用した運用例を紹介

より多くの銘柄が投資対象となっている成長投資枠では、さまざまな運用方法で非課税枠を活用できる。

ここでは、30代におすすめの運用例を3パターン紹介しよう。

なお、いつ新NISAを始めるかによって適切な運用法は変化する可能性が高い。

年代別の新NISA成長投資枠での運用戦略についてまとめた記事もあるので、比較してみるとより30代で重視するべきポイントが明確になるはずだ。

運用例①成長投資枠でも積立投資

成長投資枠はスポット購入に対応しているものの、買い時に悩む人も少なくない。

ベストなタイミングを狙うのは、プロの投資家でも難しいものだ。

よりリスクを低減するには、積立投資でタイミングを分散することが有効だ。

積立投資は月に1回など決まったタイミングで買付を行うため、感情に振り回されずに投資を続けられるメリットがある。

価格が高いときは口数を少なく、価格が安いときは多くの口数を仕入れられる仕組みとなっており、平均購入単価を下げられるのも大きな特徴だ。

成長投資枠を利用するときは最初からスポット購入にこだわるのではなく、積立投資から始めてみることを検討しよう。

積立投資を行う中で、市場が下落するなど良いタイミングがあればスポット購入を並行して行うのもひとつの方法だ。

運用例②配当銘柄で不労所得を構築

成長投資枠では、上場株式も投資対象となっている。

株式の中には定期的に配当金を出すものがあり、配当金の受け取りを投資の目的としている人も少なくない。

たとえば、成長投資枠で年間150万円の配当銘柄に投資したとしよう。

配当利回りが3%の場合、年間の配当収入は4万5,000円となる。

最初はそれほど大きな収入とはいえないが、これを20年続けるとどうだろうか。

投資元本は3,000万円となり、配当収入は年間90万円となる。

これだけの不労所得を構築できれば、収入が減少するセカンドライフにおいても心強い収入源となるだろう。

もちろん銘柄選定をしっかり行う必要はあるものの、非課税のメリットを活用したい人は配当銘柄を中心にポートフォリオを組むことを検討してみよう。

運用例③リスクを取って大きなリターンを狙う

つみたて投資枠では金融庁の基準をクリアした投資信託のみが採用されているため、初心者でも運用しやすいファンドが中心となっている。

しかし、成長投資枠についてはデリバティブ取引などの銘柄は除かれているものの、新興国を中心としたものやテーマを絞って特定の分野に投資したものなど、リスクの高いファンドも多い。

長い運用期間が確保できる30代では、こうしたリスクの高いファンドでリターンを狙うのもひとつの運用手法である。

近いうちに大きな出費の予定がない場合など、リスク許容度が高い人は、ポートフォリオの一部にハイリスク商品を組み入れることを検討してみよう。

30代から新NISA成長投資枠で運用を始めるなら誰に相談するべき?

30代から新NISAで資産運用を始める際は、金融のプロであるIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)へ相談することがおすすめだ。

ここからは、IFAの概要や相談先の探し方について紹介していこう。

30代からの資産運用はIFAへ相談しよう

30代から資産運用を始めるにあたって、銘柄選びや売買のタイミングなど不安な点も多いだろう。

そんなときはIFAへ相談することを検討したい。

IFAは「独立系ファイナンシャルアドバイザー」と呼ばれる金融アドバイザーで、特定の金融機関に所属していないことが特徴だ。

IFAは金融機関から切り離された立場であるため、顧客目線でアドバイスが受けられるメリットがある。

もちろん金融機関でも顧客の意向を優先した営業活動を行っているが、企業利益を追求する必要がある以上、完全に顧客の意向のみを優先することは難しいだろう。

その点、IFAは金融機関の職員ではないため、顧客の意向に沿った提案を行ってくれる安心感がある。

「中立な立場でのアドバイスが聞きたい」という人は、ぜひIFAへ相談してみよう。

IFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用がオススメ

IFAはそれぞれIFA法人に所属して活動を行っている。

利用者はIFA法人から相談先を探すこととなるが、ひとくちにIFA法人といっても得意としている分野やメインの顧客層などに違いがある。

自分のニーズに合うIFAを探すためには、IFA検索サービスの「資産運用ナビ」を活用してみよう。

「資産運用ナビ」では、簡単な質問事項に回答するだけで、投資意向や投資経験、資産の状況などに応じて相性の良いIFAを紹介してくれる。

自らIFAを探す手間がかからないので、効率よく相談先を探せるメリットがある。

無料で利用できるので、ぜひ気軽に活用してみよう。

30代から新NISA成長投資枠で運用を始めよう

30代の資産運用では、新NISAの成長投資枠を活用して取り組みたい。

配当銘柄やつみたて投資枠では買えない投資信託など、自分の投資意向に合った銘柄を探してみよう。

また、より適切な資産運用に取り組むためには、金融のプロであるIFAへ相談することがおすすめだ。

IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用して、資産運用のパートナーとなるような相談先を探してみよう。

30代、新NISA、成長投資枠に関するQ&A

30代が成長投資枠を活用するメリットは何ですか?

30代で成長投資枠を活用することには、ハイリスクハイリターンの運用にチャレンジできるメリットがある。

長い運用期間が確保できる30代だからこそ、つみたて投資枠ではできないような運用方法にチャレンジしてみよう。

また、配当金を非課税で受け取れることも大きなメリットだ。

成長投資枠での銘柄選びのポイントは何ですか?

成長投資枠で銘柄選定を行う際は、ファンドの種類や投資地域、運用手法、コストなどから絞っていくようにしよう。

その際は、自分の投資意向を明確にしておくことも大切だ。

30代は成長投資枠でどう運用するべきですか?

30代で成長投資枠を活用する際は、配当銘柄を中心に投資したり、リスクを取ってリターンを狙ったりする方法がある。

また、成長投資枠であっても積立投資で購入し、リスクを低減した運用に取り組むことも可能だ。

成長投資枠を使用する際の注意点やデメリットは何ですか?

成長投資枠では個別株式への投資も可能だが、課税口座と異なり、損益通算や繰越控除ができないので気をつけよう。

また成長投資枠にある投資資産を売却した場合、空いたNISA枠が再利用できるのは翌年以降になる。

課税口座と同じように個別株式の売買を繰り返していると、新NISAで新規購入できる枠がなくなってしまうので注意しよう。

※損益通算:所有している資産のうちで、ある金融商品の利益から、他の金融商品の損失を差し引くことで、課税される所得を減らすこと
※繰越控除:損益通算を行っても損失が残った場合に、その損失に対して、最長3年間にわたって損益通算ができること

30代が成長投資枠での運用で実践するべきリスク管理法を教えてください。

成長投資枠では、つみたて投資枠と比べて投資できる金融商品の種類が多いため、幅広い分散投資ができる。

分散投資の幅が広ければ広いほど、一部の市況が下落しても他が補うため、リスクが抑えられる。

つみたて投資枠では投資ができない債券・不動産(REIT)・金の投資信託やETFも、成長投資枠では投資ができる。

なかでも債券の投資信託やETFでは価格変動リスクも低く、国内債券の投資信託やETFでは為替リスクもない。

このように成長投資枠では、さまざまな種類の投資商品を所持することで、投資資産のリスクを全体的に低減できる。

30代におすすめの成長投資枠で選べるETFや投資信託の銘柄を教えてください。

ここでは「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」をおすすめする。

2027年にGDP世界3位になることが確実視されている、インドをはじめとする新興国の成長に、期待が集まっている。

経済成長が今後見込まれている新興国市場に投資することで、自分の資産も拡大できる可能性が広がる。

投資信託である「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」は、投資先も分散されているため、国ごとのカントリーリスクも抑えられる。

 eMAXIS Slimシリーズは、業界最低水準の運用コストを目指し続けるファンドであり、信託報酬も0.1518%と新興国株式としては割安だ(2024年5月時点)

30代は成長投資枠での運用期間をどのくらいに設定するべきですか?

新NISAの非課税保有限度額(1,800万円)を目指して、資産形成を行おう。

どのくらいの期間をかけて資産を1,800万円にするかは、投資の目的や年間の投資予算によっても異なる。

投資目的を定年後の生活費の備えとする30代の人ならば、20~30年かけて1,800万円に達するように努めればよい。

急ぐ必要はないので、着実に投資を続けるように心がけてほしい。

成長投資枠内での分散投資の戦略はどう構築すれば良いですか?

成長投資枠内では、「リターンを狙う部分」と「リスクを抑える部分」とのバランスを考えて投資を行うべきだ。

投資の目的や市場動向に応じて、そのバランスを考慮し、金融商品を選ぶと良いだろう。

投資信託やETFでは、前者にあたるものをアクティブファンド、後者にあたるものをパッシブファンドと呼ぶ。

  • アクティブファンド
    • 運用会社やファンドマネージャーが専門知識を活かしながら、運用方針を定める
    • その方針に沿ってベンチマーク(日経平均株価やTOPIXなどの指標)を上回る投資成果を目指す投資信託やETF
  • パッシブファンド
    • ベンチマークに連動する運用成果を目指す投資信託やETF。

また個別株の場合は、前者にあたるものをシクリカル銘柄、後者にあたるものをディフェンシブ銘柄と呼ぶ。

  • シクリカル銘柄
    • 景気の動向によって業績が大きく変動する企業の株式銘柄
    • 「景気敏感銘柄」とも呼ばれる
    • 具体的には、景気が良いとモノが売れるため、それにともなう工業製品・材料・半導体・機械の関連企業の銘柄を指す
    • さらには銀行・不動産・商社などが、この銘柄にあたる
  • ディフェンシブ銘柄
    • 業績が景気動向に左右されにくい企業の株式銘柄
    • 成熟している企業が多いため、安定性が高い反面、著しい成長性は期待できない
    • 具体的には生活必需品(食品・医薬品)、社会インフラ(電力・ガス・鉄道・通信)に関わる企業の株式が、この銘柄にあたる

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

・本サイト「資産運用ナビ」はアドバイザーナビ株式会社が運営しております。
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・本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

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