新NISAの成長投資枠とは?上限・対象商品・使い方を初心者向けに解説

新NISAの成長投資枠は、個別株だけを買うための枠ではありません。投資信託を積み立てることも、まとまった資金で一括購入することもできる、使い方の自由度が高い非課税投資枠です。ただし、NISAは税金を優遇する制度であり、購入した商品の値上がりや元本を保証するものではありません。

とはいえ、年間240万円を使い切る必要はありません。大切なのは、上限額から投資額を決めるのではなく、生活費や近い将来に使うお金を確保したうえで、「何のために、いつまで運用するか」から使い方を決めることです。

本記事では、2024年以降のNISAを検索時の呼び方に合わせて「新NISA」と表記します。制度情報は2026年8月5日時点です。

この記事でわかること
  • 成長投資枠の上限と非課税の仕組み
  • つみたて投資枠との違いと、どちらを使うべきか
  • 成長投資枠で買える商品・買えない商品
  • 初心者が無理なく使うための判断手順
  • 売却後の枠復活、損失、配当金に関する注意点

先に結論:毎月の投資額が10万円以内で、長期・積立・分散に向く投資信託を買うだけなら、つみたて投資枠だけでも始められます。月10万円を超えて同じ投資信託を買いたい、まとまった資金を投資したい、個別株・REITや、つみたて投資枠では買えないETFを購入したい場合に、成長投資枠を追加で検討すると整理しやすくなります。

目次

新NISAの成長投資枠とは

成長投資枠とは、NISA口座で購入した対象商品の売却益や、一定の条件を満たす配当金・分配金を非課税にできる投資枠です。通常、上場株式や投資信託の利益には20.315%の税金がかかりますが、NISA口座内の利益は原則として非課税になります。

「成長」という名前が付いていても、成長株だけを買う制度ではありません。国内外の上場株式、ETF、REITのほか、対象となる投資信託も購入できます。両方の枠の対象で、金融機関が取り扱っている商品なら、つみたて投資枠と同じ投資信託を成長投資枠で買えます。

成長投資枠の上限と基本ルール

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項目成長投資枠の内容
年間投資枠240万円
NISA全体の年間投資枠つみたて投資枠と併用して最大360万円
非課税保有限度額NISA全体で1,800万円、そのうち成長投資枠は1,200万円まで
非課税保有期間無期限
購入方法積立・一括のどちらも可能
主な対象商品上場株式、ETF、REIT、対象となる投資信託など
枠の計算基準買付代金ベース(購入時の手数料等は含まない)

非課税保有限度額とは、NISAで保有する商品の買付額の合計に設けられた上限です。年間投資枠が「1年間に新しく買える金額」なのに対し、非課税保有限度額は「NISA口座で保有している買付額の合計」を管理する枠だと考えるとわかりやすいでしょう。

年間240万円と非課税保有限度額1,200万円は、どちらも買付額(取得金額)を基準に管理されます。たとえば100万円で買った商品が150万円に値上がりしても、使った枠は100万円のままです。値上がりした50万円分が追加で枠を使うことはありません。

年間投資枠の「1年」は1月1日から12月31日までです。年の途中に始めても、制度上の上限が月割りで減るわけではありません。

ただし、年末の注文は、売買代金や商品を実際に受け渡す日が翌年になることがあります。どの年の枠になるかは金融機関の締切に左右されるため、年末直前の買付けは取扱金融機関で確認してください。

一方、年間240万円は「投資すべき金額」ではなく、あくまで上限です。使い残しに罰則や追加費用はありません。家計に合わなければ、成長投資枠を使わない年があっても問題ありません。

成長投資枠とつみたて投資枠の違い

2つの枠で大きく異なるのは、年間上限、対象商品、購入方法です。どちらもNISAの一部であり、利益が非課税になる点や、非課税保有期間が無期限である点は共通しています。

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比較項目つみたて投資枠成長投資枠
年間投資枠120万円240万円
非課税保有限度額NISA全体で1,800万円まで利用可能NISA全体1,800万円のうち1,200万円まで
対象商品長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託・ETF上場株式、ETF、REIT、対象となる投資信託など
購入方法定期的な積立購入積立購入・一括購入
向いている使い方少額からコツコツ続ける資産形成積立額の追加、まとまった資金、個別株などへの投資

制度上、「必ずつみたて投資枠から使う」という優先順位はありません。成長投資枠だけを利用することも、つみたて投資枠だけでNISA全体の1,800万円を使うこともできます。

ただ、投資経験が少なく、長期の資産形成が目的なら、対象商品が絞られたつみたて投資枠を土台にし、必要な分だけ成長投資枠を足すと管理しやすくなります。これは制度上の決まりではなく、商品を増やしすぎないための考え方です。

つみたて投資枠と成長投資枠を、同じ年に別々の金融機関で使うことはできません。1つのNISA口座内で利用します。金融機関は年単位で変更できますが、変更前の金融機関ですでにその年の買付けをしている場合、その年分の変更はできません。翌年から変更する場合も所定の期限があるため、早めに手続きを確認してください。

成長投資枠で買える商品・買えない商品

成長投資枠は商品選択の幅が広い一方、すべての金融商品を買えるわけではありません。制度上は対象でも、口座を開設した金融機関が取り扱っていなければ購入できません。

成長投資枠で買える主な商品

  • 国内外の上場株式:企業が発行する株式。1社への集中や大きな値動きに注意が必要
  • ETF:証券取引所に上場している投資信託。株式と同様に市場価格で売買する
  • REIT:複数の不動産などに投資し、賃料収入等を原資に分配する上場商品
  • 対象となる投資信託:国内外の株式や複数の資産に投資するものなど。つみたて投資枠と重複する商品もある

成長投資枠で買えない主な商品

  • 上場廃止の可能性がある監理銘柄や、上場廃止が決まった整理銘柄
  • 信託期間が20年未満の投資信託
  • 毎月分配型の投資信託
  • デリバティブ取引を用いた一定の投資信託
  • 預金、国債、社債、公社債投資信託など

投資信託が成長投資枠の対象かどうかは、商品ごとに確認します。国債・社債そのものや公社債投資信託は対象外です。

一方、株式投資信託として設定され、株式と債券を組み合わせて運用するバランス型投資信託には対象商品があります。「債券が入っているか」だけで判断せず、商品画面の対象表示を確認してください。

また、証券会社では上場株式・ETF・REIT・投資信託などを扱う一方、銀行や郵便局では一般に投資信託が中心となります。将来買いたい商品まで考えて金融機関を選びましょう。

対象商品は追加・変更されることがあります。注文前に、金融機関の商品画面で「成長投資枠対象」と表示されているかを確認するのが確実です。

保有中の上場株式等が、監理銘柄・整理銘柄への指定などで後から対象外になっても、直ちに売却を求められるわけではありません。原則として保有は続けられますが、新たな成長投資枠での買付けはできません。

商品種類ごとの特徴を比較

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商品種類主な特徴主な注意点
投資信託少額から買いやすく、1本で複数の資産・地域・企業に分散できる商品がある運用内容、保有中の費用である信託報酬、分配方針を確認する
ETF複数銘柄に分散する商品を、取引所の市場価格で売買できる売買価格、売買単位、手数料、分配金、市場価格が保有資産の価値からずれていないかを確認する
個別株投資先企業を自分で選び、値上がり益や配当を狙える1社への集中、業績悪化、減配、上場廃止などの影響を受けやすい
REIT複数の不動産などに投資し、賃料収入等を原資とする分配金を受け取れる不動産市況、金利、災害、空室、価格変動などの影響を受ける

成長投資枠を使うべき人・使わなくてよい人

成長投資枠は便利ですが、全員が使う必要はありません。次の表を目安に、「成長投資枠でなければ実現できないことがあるか」を考えてみてください。

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状況考え方
毎月10万円以内で、対象の投資信託を積み立てたいつみたて投資枠だけでも対応可能
毎月10万円を超えて、同じ投資信託を買いたい超える分を成長投資枠で買う方法がある
ボーナス・退職金・相続資金など、まとまった資金を投資したい成長投資枠の一括購入を検討できる。ただし投資時期と金額は慎重に決める
個別株・REITを買いたい、またはETFを一括購入したい原則として成長投資枠を使う。一部のETFはつみたて投資枠でも積立購入できる
数年以内に使う予定のお金しかない無理に使わない。元本割れで必要額が不足する可能性がある
値下がりしたときに保有を続けられる自信がない投資額を下げるか、許容できる値下がり幅に合う商品へ見直す
何を買うか決まっていないが、枠を余らせたくない買う理由が決まるまで使わなくてよい

迷ったときの判断フロー

  1. 生活費・緊急予備資金・近い将来の支出を分ける:投資に回してよいお金だけを確認する
  2. 投資の目的と使う時期を決める:老後、教育、住宅など、目的ごとに必要時期を整理する
  3. 年間120万円以内の積立で足りるか確認する:足りるなら、まずつみたて投資枠だけでもよい
  4. 成長投資枠でしか買えない商品が必要か考える:個別株・REITなどを買う明確な理由があるか確認する
  5. 下落時にも続けられる金額に抑える:上限ではなく、家計と気持ちの両方が耐えられる金額を選ぶ

初心者向け|成長投資枠の使い方3パターン

成長投資枠を使うからといって、商品数を増やす必要はありません。個別株を選ぶ明確な理由がなければ、分散された投資信託だけでも活用できます。次の3パターンから自分に近いものを選ぶと、使い方を整理しやすくなります。

1.つみたて投資枠と同じ投資信託を追加購入する

最もシンプルなのは、つみたて投資枠で選んだ分散型の投資信託を、成長投資枠でも買う方法です。たとえば毎月15万円を同じ商品に投資したいなら、金融機関が成長投資枠での積立に対応していることを確認したうえで、月10万円をつみたて投資枠、残り5万円を成長投資枠に分けられます。

枠が違っても中身が同じなら、資産配分は複雑になりません。「成長投資枠だから別の商品を買わなければ」と考える必要はありません。

2.まとまった資金を一括または分割して投資する

成長投資枠は一括購入ができるため、ボーナスなどの余裕資金を投資する場面にも使えます。一括投資なら早く運用を始められますが、購入直後に値下がりする可能性もあります。

特に退職金や相続資金は、年間枠に合わせて投資額を決めないことが大切です。今後の生活費、住宅修繕、医療や介護などに使う分を先に分けましょう。

値下がりへの不安が強いなら、数回に分けて買う方法もあります。一括と分割のどちらが必ず有利とは限りません。期待できる利益だけでなく、下落時にも計画を続けられるかで決めましょう。

3.資産全体の一部で個別株・ETF・REITを持つ

企業を自分で選びたい、配当や分配金を受け取りたいなど、明確な目的がある場合は、成長投資枠で個別株・ETF・REITを持つ選択肢があります。

ただし、1銘柄に偏るほど、その企業や市場の影響を強く受けます。長期の資産形成を土台にする資金と、個別の判断で運用する資金を分けましょう。個別に運用する金額の上限を先に決めておくと、値動きに振り回されにくくなります。

成長投資枠の商品を選ぶ6つの基準

「何が上がりそうか」だけで選ぶと、購入後の判断がぶれやすくなります。商品名を見る前に、次の6点を確認しましょう。

1.目的と運用期間に合っているか

いつ使うお金かによって、受け入れられる値下がり幅は変わります。使う時期が近い資金ほど、価格変動の大きい商品に回しすぎないことが重要です。

2.資産全体で分散できているか

商品数が多くても、同じ国・業種・企業に偏っていれば分散にはなりません。つみたて投資枠、成長投資枠、課税口座、預貯金まで含め、資産全体の中身を確認します。

3.保有商品の重複を理解しているか

複数の投資信託やETFが同じ指数に連動していたり、個別株が投資信託の上位構成銘柄に含まれていたりすることがあります。重複自体が悪いわけではありませんが、意図せず集中していないかを確認しましょう。

4.保有中も含めたコストは妥当か

投資信託の信託報酬、ETFや株式の売買手数料、外国商品の為替関連コストなどを確認します。長く保有する商品では、保有中に継続してかかる費用の差が積み重なります。

5.値下がり・為替・流動性のリスクを理解できるか

株価の下落、為替変動、売りたい価格で売れない可能性など、主なリスクを自分の言葉で説明できる商品を選びます。高い配当利回りや直近の値上がりだけで判断しないことが大切です。

6.買う理由と売る条件を言葉にできるか

「なぜ買うのか」「何が変わったら見直すのか」「いつ使うのか」を購入前に決めておきます。価格が下がったという理由だけで慌てて売ることも、根拠なく持ち続けることも減らせます。

売却すると成長投資枠はどうなる?枠復活の仕組み

NISAの商品はいつでも売却できます。ただし、売却後に戻る「非課税保有限度額」と、その年の「年間投資枠」は別物です。ここを混同すると、売却後に予定していた買付けができないことがあります。

売却した商品の取得金額分が翌年以降に再利用できる

売却すると、売却代金ではなく、その商品の取得金額(簿価)に相当する非課税保有限度額が翌年以降に再利用できます。

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売却時の結果翌年以降に再利用できる総枠
100万円で購入し、150万円で全て売却50万円の利益は非課税100万円分
100万円で購入し、70万円で全て売却30万円の損失が発生100万円分

値上がり後に150万円で売っても150万円分が戻るわけではなく、値下がり後に70万円で売っても戻る総枠が70万円に減るわけではありません。基準は取得金額の100万円です。

年間投資枠は売却した年には戻らない

その年に一度使った成長投資枠は、同じ年に売却しても再利用できません。たとえば、その年に成長投資枠で100万円を買い、すぐ売却した場合でも、その年に使える残りの成長投資枠は140万円です。

また、年間240万円を使い切らなかった場合でも、未使用分を翌年へ繰り越すことはできません。翌年の年間投資枠は通常どおり240万円で、売却によって復活した総枠があっても、年間240万円を超えて買えるわけではありません。

NISAの損失は損益通算・繰越控除ができない

NISA口座で生じた損失は、税務上「なかったもの」として扱われます。損益通算とは、ある商品の損失を別の商品の利益と相殺し、課税対象を減らす仕組みです。

NISAの損失は、特定口座や一般口座の利益・配当との損益通算ができません。損失を翌年以降に繰り越すこともできません。

利益が非課税になる一方、損失を税金の計算に使うことはできません。値動きの大きい商品ほどNISAに入れればよい、とは限りません。

配当金・分配金を非課税で受け取るときの注意点

成長投資枠で国内取引所に上場する株式・ETF・REITを買う場合は、購入後の配当金・分配金の受取方法まで確認しましょう。株式数比例配分方式以外を選ぶと、NISA口座で保有していても国内で課税されます。外国株・海外ETFは、投資先の国や地域で差し引かれる税金も別に確認が必要です。

上場株式・ETF・REITは「株式数比例配分方式」を選ぶ

国内取引所に上場する株式の配当金やETF・REITの分配金をNISAで非課税にするには、証券会社の口座で受け取る「株式数比例配分方式」を選ぶ必要があります。

郵便局で受け取る方式や、指定した銀行口座で受け取る方式では、20.315%が源泉徴収されます。後から確定申告をしてNISAの非課税扱いに戻すことはできません。

株式数比例配分方式の設定は、他の証券会社で保有する上場株式にも共通して適用されるため、複数の証券会社を使っている人は受取先の変化も確認してください。

投資信託の分配金は仕組みが異なる

株式投資信託の普通分配金は、NISA口座であれば受取方式の手続きをしなくても非課税です。一方、元本払戻金(特別分配金)は利益ではなく、投資元本の一部が戻っているものなので、そもそも課税対象ではありません。

分配金が多いことだけで、運用成績がよいとは判断できません。分配後の商品価格である基準価額や、値上がり益を含めた資産全体の増減で確認しましょう。

外国株・海外ETFは現地課税が残る場合がある

外国株や海外ETFの配当・分配金は、日本国内ではNISAにより非課税でも、投資先の国や地域で税金が差し引かれる場合があります。国・商品・租税条約によって扱いが異なるため、購入前に金融機関の案内を確認してください。

成長投資枠で失敗しやすい7つの使い方

1.年間240万円を埋めることを目標にする

枠を使い切ることより、投資後も生活に支障がないことが優先です。枠を余らせないために、無理をして投資する必要はありません。

2.「成長」という言葉だけで値動きの大きい商品を選ぶ

成長投資枠は制度上の名称です。将来の成長が保証された商品を集めた枠ではなく、元本割れもあります。

3.近い将来に使うお金まで投資する

必要な時期に相場が下落していると、損失を抱えたまま売却することになります。生活費、緊急予備資金、数年以内の大きな支出は投資資金と分けましょう。

4.商品を増やしすぎて、実際の資産配分が見えなくなる

複数の商品を買っても、中身が重複していれば偏りは小さくなりません。追加購入のたびに、資産全体の国・業種・通貨などを確認します。

5.短期間の売買を繰り返す

売却した年に年間投資枠は戻らないため、短期売買を重ねると、その年の非課税枠を早く使い切ります。手数料や判断回数も増え、長期の資産形成という目的から離れやすくなります。

6.配当金の受取方式を確認しない

上場株式・ETF・REITの配当金等は、株式数比例配分方式を選ばないと国内で課税されます。購入前後に設定を確認しましょう。

7.損失も税金面で有利になると思い込む

NISAで損失が出ても、課税口座の利益との損益通算や繰越控除はできません。非課税になるのは利益であり、損失が補填される制度ではありません。

成長投資枠を始める手順

すでにNISA口座を持っていれば、成長投資枠のために別口座を作る必要はありません。実際の画面名や注文方法は金融機関によって異なりますが、考える順番は共通しています。

  1. 投資に回せる金額を決める:生活費・緊急予備資金・近い将来の支出を除く
  2. つみたて投資枠だけで目的を満たせるか確認する:積立額と購入したい商品から判断する
  3. 商品と金融機関の取扱いを確認する:成長投資枠の対象か、手数料や最低購入金額はいくらかを見る
  4. 注文時に「NISA・成長投資枠」を選ぶ:特定口座・一般口座で注文しないよう確認する
  5. 購入後は資産全体を定期的に点検する:相場の上下だけでなく、目的・期限・配分が変わっていないかを見る
購入前の最終チェック
  • このお金は、値下がりしても当面使わずに済むか
  • なぜこの商品を成長投資枠で買うのか説明できるか
  • 保有中の資産と中身が重複しすぎていないか
  • 手数料・為替・値下がりなどの主なリスクを理解したか
  • 上場株式等なら配当金の受取方式を確認したか

新NISAの成長投資枠に関するよくある質問

成長投資枠は使わないと損ですか?

使わなくても損ではありません。非課税枠は投資可能額の上限であり、使い切る義務はありません。家計に余裕がないときや、買う理由が定まっていないときは、使わない判断が適切です。

成長投資枠だけを使うことはできますか?

できます。ただし、成長投資枠で保有できる買付額ベースの上限は1,200万円です。つみたて投資枠を使わず、成長投資枠だけでNISA全体の1,800万円を埋めることはできません。成長投資枠を1,200万円まで使った場合、残る600万円分を利用するにはつみたて投資枠を使います。

つみたて投資枠だけで1,800万円まで使えますか?

使えます。年間120万円の範囲で積み立てれば、つみたて投資枠だけでNISA全体の非課税保有限度額1,800万円まで利用できます。

成長投資枠では一生に1,200万円しか買えないのですか?

1,200万円は、売却後も含めた一生涯の買付累計ではありません。成長投資枠で保有する商品の取得金額ベースの上限です。商品を売却すると、その取得金額分を翌年以降に再利用できるため、長期で見た買付累計が1,200万円を超えることはあります。ただし、毎年の買付けは年間240万円の範囲内です。

成長投資枠でも投資信託を積み立てられますか?

対象商品であり、金融機関が積立購入に対応していれば可能です。つみたて投資枠と同じ投資信託を成長投資枠で積み立てることもできます。

成長投資枠は個別株専用ですか?

個別株専用ではありません。上場株式のほか、ETF、REIT、対象となる投資信託などを購入できます。

余った年間投資枠は翌年に繰り越せますか?

繰り越せません。ある年に成長投資枠を100万円しか使わなくても、残り140万円を翌年の240万円に足すことはできません。

売却したら、その年に成長投資枠をもう一度使えますか?

同じ年には使えません。売却した商品の取得金額分の非課税保有限度額は翌年以降に再利用できますが、売却した年の年間投資枠は復活しません。

成長投資枠の商品は一部だけ売却できますか?

金融機関が定める売却単位に応じて、一部だけ売却することもできます。一部を売却した場合は、その部分に対応する取得金額分の非課税保有限度額が翌年以降に再利用できます。年間投資枠が同じ年に戻らない点は、全部売却した場合と同じです。

成長投資枠のお金は必要なときに引き出せますか?

保有商品を売却し、受渡しが完了すれば現金として引き出せます。年齢や保有年数による引出制限はありません。ただし、必要な時期に値下がりしている可能性があるため、近い将来に確実に使う資金は投資に回しすぎないことが重要です。

値上がりした分も非課税保有限度額を使いますか?

使いません。非課税保有限度額は買付額で管理されるため、100万円で買った商品が150万円になっても、使っている枠は100万円です。

特定口座で持っている株や投資信託を、そのまま成長投資枠へ移せますか?

そのまま移すことはできません。NISAで保有したい場合は、課税口座の商品を売却し、NISA口座で新たに買い直す必要があります。売却益への課税、価格変動、手数料、年間投資枠の消費を考えて判断してください。

旧NISAの商品を新NISAの成長投資枠へ移せますか?

移管(ロールオーバー)はできません。2023年までの一般NISA・つみたてNISAで保有する商品は、新NISAの1,800万円とは別枠で、旧制度の非課税期間が終わるまで保有できます。

成長投資枠の商品はいつ売ればよいですか?

制度上の非課税期限を理由に急いで売る必要はありません。資金を使う時期が近づいた、当初の投資理由が崩れた、資産配分が偏った、許容できるリスクが変わったときなどに見直します。

まとめ|成長投資枠は「使い切る枠」ではなく「選択肢を広げる枠」

新NISAの成長投資枠は、年間240万円、NISA全体の非課税保有限度額1,800万円のうち1,200万円まで利用できます。個別株だけでなく、ETF、REIT、対象となる投資信託も購入でき、積立と一括の両方に対応します。

  • 毎月10万円以内の投資信託の積立なら、つみたて投資枠だけでも始められる
  • 積立額を増やしたい、まとまった資金を投資したい、個別株等を買いたいときに成長投資枠を検討する
  • 年間240万円は目標ではなく上限。生活費や近い将来に使うお金を優先する
  • 売却で戻るのは翌年以降の非課税保有限度額であり、その年の年間投資枠ではない
  • 上場株式等の配当金は受取方式、NISAの損失は損益通算できない点に注意する

迷ったときは、「成長投資枠をどう埋めるか」ではなく、「自分の目的に必要な投資はいくらで、どの商品なら無理なく続けられるか」から考えてください。成長投資枠は、必要なときに選択肢を広げるための枠です。

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資には元本割れの可能性があります。制度・税務・商品の最新情報は、金融庁、国税庁、各金融機関などで確認し、最終的な判断はご自身の状況に合わせて行ってください。

参考文献・出典

制度・税務・対象商品に関する確認先は以下のとおりです。

この記事を書いた人

NISAメディア編集部は、新NISA制度を「最大限に活かす」ための実践知をお届けしています。野村證券出身者・金融機関出身者を中心としたメンバーが、統計データと市場データを読み解きながら、新NISAのおすすめ口座新NISAのおすすめ銘柄新NISAの相談先などの情報を提供。運営元であるアドバイザーナビ株式会社は、資産運用アドバイザーを紹介するプラットフォーム「資産運用ナビ」を展開しており、読者が信頼できる専門家にスムーズに相談できるプラットフォームづくりをしている。