成長投資枠のおすすめ5選|初心者向け銘柄と失敗しない選び方【2026年】

目次

成長投資枠で迷ったら、最初の候補は低コストの分散型投資信託

成長投資枠で何を買うか迷っている人は、まず低コストで広く分散されたインデックスファンドから検討するとよいでしょう。

「成長投資枠」という名前ですが、成長株だけを買う制度ではありません。つみたて投資枠で購入できる投資信託の一部も、成長投資枠で購入できます。そのため、つみたて投資枠と成長投資枠で同じ投資信託を買っても問題ありません。

先に結論を整理すると、目的別の候補は次のとおりです。

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目的・考え方最初に検討しやすい候補主な注意点
投資先の国を自分で決めたくないeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)株式100%なので大きく下落することがある
米国の大型株を中心に投資したいeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)米国一国への集中になる
米国の大型株から小型株まで保有したいSBI・V・全米株式インデックス・ファンド米国一国への集中になる
株式100%の値動きが不安eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)株式型より上昇が緩やかになる可能性がある
NASDAQの成長企業に集中したいニッセイNASDAQ100インデックスファンド値動きが大きく、主力資産にはしにくい
特に投資先への強いこだわりがない初心者には、全世界株式を1本で保有できる「オール・カントリー」がわかりやすい候補です。

一方で、米国への集中投資を自分の意思で選ぶならS&P500や全米株式、株式100%の値動きが怖いならバランス型が候補になります。

ただし、上の5本をすべて買う必要はありません

似た投資信託を何本も持つより、まずは自分の中心となる商品を1本決めるほうが、資産配分を把握しやすくなります。

本記事で紹介する5本は、初心者が比較しやすいように、投資対象・分散範囲・値動きの特徴が異なる投資信託を目的別に選んだものです。過去の運用成績や販売ランキングだけで順位を付けたものではなく、成長投資枠の全対象商品を網羅するものでもありません。

成長投資枠とは?つみたて投資枠との違い

新NISAには、つみたて投資枠と成長投資枠があります。

両方を同時に利用できますが、年間投資枠と購入できる商品の範囲が異なります。

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比較項目つみたて投資枠成長投資枠
年間投資枠120万円240万円
購入方法積立投資積立・一括投資
主な対象商品長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託投資信託、国内外の株式、ETF、REITなど
非課税保有限度額成長投資枠と合わせて1,800万円1,800万円のうち最大1,200万円
非課税保有期間無期限無期限

2つの投資枠を合わせると、年間最大360万円まで投資できます。ただし、生涯にわたって保有できる非課税枠は合計1,800万円で、そのうち成長投資枠で使えるのは最大1,200万円です。

商品を売却した場合は、その商品の購入時の金額に相当する非課税枠が翌年以降に復活します。売却した年の年間投資枠がその場で戻るわけではありません。

成長投資枠だから成長株を買う必要はない

「成長投資枠では、値上がりしそうな個別株を選ばなければならない」と思う人もいますが、その必要はありません。

成長投資枠は、つみたて投資枠よりも購入できる商品の範囲が広い投資枠です。名称の「成長」は、成長株への投資を義務付ける意味ではありません。

たとえば、つみたて投資枠でオール・カントリーを積み立てながら、年間120万円を超える分を成長投資枠で同じ商品に投資する使い方もできます。

成長投資枠を240万円すべて使う必要もない

年間240万円は、必ず使い切らなければならない金額ではありません。

生活費や近いうちに使う予定のお金まで投資に回してしまうと、相場が下落したときに損失を抱えたまま売却しなければならなくなることがあります。

「非課税枠が余るともったいない」ではなく、無理なく長期間保有できる金額かどうかを優先して判断しましょう。

成長投資枠で検討したいおすすめ投資信託5選

ここでは、成長投資枠で購入できる投資信託のうち、初心者が目的別に比較しやすい5本を紹介します。

信託報酬は年率・税込の数値です。SBI・V・全米株式は投資先ETFの経費を含む実質的な負担、ニッセイNASDAQ100は信託報酬とは別に監査費用があります。費用や取扱状況は今後変更される可能性があるため、購入前に最新の目論見書と金融機関の画面を確認してください。

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投資信託主な投資対象信託報酬等の目安
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)日本を含む全世界の株式年0.05775%以内
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)米国の大型株年0.08140%以内
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド米国の大型株・中型株・小型株年約0.0938%
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)国内外の株式・債券・REIT年0.143%以内
ニッセイNASDAQ100インデックスファンドNASDAQ上場の主要な非金融企業年0.2035%+監査費用年0.0011%

各商品の投資対象、NISA対象区分、費用は運用会社の公表資料に基づいています。

1.eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

投資先の国や地域を自分で決められない人は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)から検討するとよいでしょう。

1本で日本、米国、欧州、新興国などの株式に分散投資できます。特定の国が長期的に成長するかを自分で予想する必要がないため、初心者でも運用方針を維持しやすい商品です。

また、信託報酬が低く、つみたて投資枠と成長投資枠の両方で利用できます。

ただし、世界中に分散されているからといって、元本割れしにくい商品とは限りません。投資対象は基本的に株式なので、世界的な株安が起きれば大きく下落します。

向いている人

  • 投資先の国を自分で選びたくない人
  • 1本で幅広く分散したい人
  • 長期間保有できる人

慎重に考えたい人

  • 数年以内に使うお金を運用したい人
  • 一時的な大幅下落に耐えられない人
  • 元本保証を求める人

2.eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

米国の大型株を中心に投資したい人には、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が候補になります。

S&P500指数への連動を目指す投資信託で、米国を代表する大型企業にまとめて投資できます。信託報酬が低く、つみたて投資枠と成長投資枠の両方で購入できます。

一方で、投資先は米国に集中します。

過去に米国株が好調だったという理由だけで選ぶのではなく、今後も米国への集中投資を続ける方針を自分で受け入れられるかが重要です。

向いている人

  • 米国の大型企業を中心に投資したい人
  • 米国一国への集中を理解している人
  • 相場が下落しても長期保有を続けられる人

慎重に考えたい人

  • 投資先の国を自分で判断したくない人
  • 米国以外の国にも幅広く投資したい人
  • 最近の値上がりだけを見て選ぼうとしている人

3.SBI・V・全米株式インデックス・ファンド

米国の大型株だけでなく、中型株や小型株も含めて投資したい人には、SBI・V・全米株式インデックス・ファンドが候補になります。

米国の投資可能な株式市場を広くカバーするCRSP USトータル・マーケット・インデックスへの連動を目指す商品です。主にバンガード・トータル・ストック・マーケットETFを通じて、米国の大型株から小型株まで投資します。

S&P500よりも投資対象の企業規模は広がりますが、投資先の国は米国です。

S&P500と全米株式の両方を保有しても、投資先の多くが重なります。「2本持てば大幅に分散できる」とは限りません。

向いている人

  • 米国市場全体に投資したい人
  • 中型株や小型株も保有したい人
  • 米国集中のリスクを理解している人

慎重に考えたい人

  • S&P500をすでに中心資産として保有している人
  • 国際分散を重視する人
  • ファンドを何本も増やしたくない人

4.eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

株式100%の値動きが不安な人には、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)が候補になります。

国内・先進国・新興国の株式、国内・先進国・新興国の債券、国内・海外のREITという8資産に、均等に投資する商品です。つみたて投資枠と成長投資枠の両方で購入できます。

株式だけでなく債券にも投資するため、株式100%の商品より値動きを抑えやすいと考えられます。ただし、元本が保証されるわけではなく、債券やREITも値下がりすることがあります。

また、株式市場が大きく上昇した局面では、株式100%の商品より運用成果が低くなる可能性があります。

向いている人

  • 株式100%の値動きに不安がある人
  • 資産配分を自分で調整したくない人
  • 株式・債券・REITにまとめて分散したい人

慎重に考えたい人

  • 長期的な値上がりを最優先したい人
  • 債券やREITを別に保有している人
  • 自分で資産配分を設計したい人

5.ニッセイNASDAQ100インデックスファンド

値動きの大きさを受け入れたうえで、NASDAQ上場の成長企業に投資したい人には、ニッセイNASDAQ100インデックスファンドが候補になります。

NASDAQ100指数は、NASDAQ市場に上場する金融業を除いた主要企業で構成されます。情報技術や通信サービスなど、成長性が注目されやすい企業の影響を強く受ける指数です。

全世界株式やS&P500よりも投資先の偏りが大きくなりやすく、相場環境によっては大幅に下落します。

初心者が資産の大部分を預ける中心商品というより、値動きと集中リスクを理解した人が、補助的な位置付けで検討する商品です。

向いている人

  • NASDAQ100の特徴を理解している人
  • 大きな値動きを受け入れられる人
  • すでに分散された中心資産を保有している人

慎重に考えたい人

  • 初めて投資信託を購入する人
  • 値下がりするとすぐに売りたくなる人
  • 最近の高いリターンだけを理由に選ぶ人

オルカンとS&P500はどちらがおすすめ?

オール・カントリーとS&P500のどちらを選ぶかは、「今後どの国が上がるか」ではなく、どの運用方針なら下落時にも続けられるかで考えると判断しやすくなります。

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比較項目オール・カントリーS&P500
投資地域日本を含む全世界米国
国の選択市場全体に任せる米国を自分で選ぶ
向いている考え方将来の成長国を予想したくない米国を長期的に重視したい
主な注意点米国株の影響も大きい米国への集中度が高い

将来どの国が強くなるかわからないと考えるなら、オール・カントリーのほうが方針は明確です。

米国が今後も世界経済をけん引すると考え、その集中リスクも受け入れられるなら、S&P500が候補になります。

両方買えば分散できるとは限らない

オール・カントリーの中にも米国株が含まれています。そのため、オール・カントリーとS&P500を半分ずつ買うと、単純に投資先が2倍に増えるわけではありません。

実質的には、オール・カントリーより米国株の割合を高めた運用になります。

両方を持つこと自体が間違いではありませんが、「なぜ米国株の割合を増やすのか」を説明できない場合は、どちらか1本に絞ったほうが管理しやすいでしょう。

成長投資枠では投資信託・ETF・個別株のどれを選ぶ?

成長投資枠では、投資信託だけでなく、ETFや個別株も購入できます。

ただし、選択肢が多いからといって、すべてを組み合わせる必要はありません。

初心者は投資信託を中心に考えやすい

投資信託は、多数の株式や債券を一つの商品にまとめた金融商品です。

少額から購入でき、積立設定や分配金の再投資を自動化しやすいため、初心者の中心資産として利用しやすい特徴があります。

どの商品を選ぶか迷う場合は、まず分散された投資信託を中心に置き、ETFや個別株が本当に必要かを後から考える順序がわかりやすいでしょう。

ETFは売買方法や分配金まで理解して選ぶ

ETFは株式市場に上場しており、取引時間中に価格を見ながら売買できます。

一方で、売買単位、売値と買値の差、分配金の受取方法など、投資信託より確認する事項が増えます。

リアルタイムで売買したい、定期的に分配金を受け取りたいなど、ETFを使う目的が明確な人に向いています。

個別株は企業固有のリスクが大きい

個別株には大きな値上がりを期待できる可能性がありますが、業績悪化、不祥事、競争力低下など、一社固有の問題によって大きく下落することがあります。

投資先企業の決算や事業内容を継続的に確認できない場合は、個別株を資産の中心にするより、分散された投資信託を中心にしたほうがリスクを管理しやすくなります。

高配当株は配当利回りだけで選ばない

配当利回りが高く見えても、株価の急落によって計算上の利回りが上がっているだけの場合があります。

確認したいのは、現在の配当利回りだけではありません。

  • 利益やキャッシュフローに無理がないか
  • 配当を継続できる事業基盤があるか
  • 一社や一業種に偏っていないか
  • 配当を受け取った後、どのように再投資するか

国内上場株式・ETF・REITの配当や分配金をNISAで非課税にするには、証券会社の口座で受け取る「株式数比例配分方式」を選択する必要があります。別の受取方法では課税されることがあります。

米国株や米国ETFの配当には、NISAでも米国での源泉税がかかることがあります。NISA口座では日本側の所得税が発生しないため、通常は外国税額控除も利用できません。

成長投資枠のおすすめ商品を選ぶ7つの基準

商品名を比べる前に、自分の運用条件を整理しておくと、人気商品を何となく買う失敗を防ぎやすくなります。

1.いつ使うお金なのかを決める

最初に確認したいのは、運用成績ではなく、お金を使う時期です。

数年以内に使う予定のある生活資金、住宅購入資金、教育資金などを株式投資に回すと、必要な時期に相場が下落している可能性があります。

目安としては、次のように分けて考えます。

お金を使う時期基本的な考え方
2年以内預金など、値下がりしにくい方法を優先する
2年超~10年程度預金との併用や、値動きを抑えた資産配分を検討する
10年以上先株式型投資信託を検討しやすい

年数だけで機械的に決めるのではなく、予定より早く必要になる可能性も考えておきましょう。

2.下落したときに保有を続けられるか考える

株式型投資信託は、長期的な成長を期待できる一方で、短期間に大きく下落することがあります。

たとえば、100万円を投資した直後に30%下落すると、評価額は70万円です。

そのときに不安で売却してしまうと思うなら、投資額を減らす、預金を多めに残す、バランス型を選ぶといった調整が必要です。

「どれだけ増えるか」よりも先に、どれだけ減っても運用を続けられるかを考えましょう。

3.中心となる商品を1本決める

複数の商品を買うほど分散できるとは限りません。

オール・カントリー、S&P500、全米株式、NASDAQ100などは、保有する米国企業の一部が重なります。商品数だけ増やしても、同じ企業への投資比率が高くなることがあります。

まずは、資産全体の中心となる商品を1本決めましょう。そのうえで、中心商品では不足する役割がある場合に限り、別の商品を追加します。

4.信託報酬などの保有コストを確認する

信託報酬は、投資信託を保有している間、継続的に差し引かれる費用です。

仮に100万円を1年間保有した場合、単純計算では次の差になります。

  • 年1.0%:約1万円
  • 年0.1%:約1,000円
  • 差額:約9,000円

実際の費用は運用残高の変動などによって変わりますが、長期間保有すると、わずかなコスト差が積み重なります。

同じ指数への連動を目指す商品を比較する場合は、信託報酬だけでなく、実際の運用成果が指数からどの程度ずれているかも確認しましょう。

5.投資対象と分散範囲を確認する

商品名に「全世界」「米国」「先進国」と書かれていても、具体的な投資範囲は異なります。

少なくとも、次の点を確認しましょう。

  • 投資する国や地域
  • 大型株だけか、小型株も含むか
  • 株式だけか、債券やREITも含むか
  • 特定の業種に偏っていないか
  • 為替変動の影響を受けるか

投資対象を理解できない商品は、下落したときに保有を続ける理由も見失いやすくなります。

6.分配金の有無と再投資方法を確認する

資産形成を目的にする場合、分配金を頻繁に受け取る商品が必ず有利とは限りません。

分配金が支払われると、その分だけ投資信託の資産が外に出ます。受け取ったお金を使わずに運用を続けたい場合は、自分で再投資しなければならないこともあります。

長期的に資産を増やす目的なら、分配を抑え、ファンド内で運用を続ける商品が管理しやすいでしょう。

7.利用する金融機関で購入できるか確認する

成長投資枠の対象商品であっても、すべての金融機関で購入できるわけではありません。

銀行のNISA口座では、一般的に投資信託を購入できますが、上場株式やETFは購入できません。証券会社でも、取り扱う投資信託や外国株は異なります。

商品を決める前に、利用中または利用予定の金融機関で取り扱いがあるかを確認しましょう。

つみたて投資枠と成長投資枠のおすすめの使い分け

成長投資枠だけを単独で考えるより、つみたて投資枠と合わせて設計するほうがわかりやすくなります。

年間120万円以内なら、つみたて投資枠だけでもよい

つみたて投資枠の対象商品を年間120万円以内で積み立てるなら、成長投資枠を無理に使う必要はありません。

たとえば、オール・カントリーを毎月5万円積み立てる場合、年間投資額は60万円です。つみたて投資枠だけで対応できます。

将来、積立額を増やす、一括投資をする、個別株やETFを買うといった必要が生じたときに、成長投資枠を使えばよいでしょう。

年間120万円を超えて投資するなら、同じ商品を買ってもよい

たとえば、年間180万円をオール・カントリーに投資する場合は、次のように分けられます。

  • つみたて投資枠:120万円
  • 成長投資枠:60万円

投資枠が違っても、投資する商品を変える必要はありません。

「せっかく成長投資枠があるから別の商品を買おう」と考えると、必要のない商品まで増やしてしまうことがあります。

個別株やETFを買う予定があるなら、成長投資枠を残す方法もある

個別株や一部のETFは、つみたて投資枠では購入できません。

将来、個別株やETFを購入したいと考えているなら、つみたて投資枠の対象商品はなるべくつみたて投資枠で買い、成長投資枠を残しておく方法もあります。

ただし、使う予定が定まっていない枠を残すために、必要な投資を控える必要はありません。実際の投資額と商品構成に合わせて決めましょう。

成長投資枠の使い方を目的別に考える

毎月の積立を中心にしたい場合

つみたて投資枠で低コストの分散型投資信託を積み立て、年間120万円を超える分だけ成長投資枠を利用します。

投資枠ごとに商品を変えず、同じ商品を積み立てる方法がシンプルです。

まとまった余裕資金を投資したい場合

成長投資枠では一括投資もできます。

ただし、一括投資後の下落が心理的に不安なら、数回に分けて投資する方法もあります。期待リターンだけでなく、自分が計画を維持できる方法を選びましょう。

個別株や高配当ETFにも投資したい場合

資産の中心を分散型投資信託に置き、個別株や高配当ETFは目的を限定して追加します。

中心資産と補助的な投資を分けておくと、個別株が下落したときに資産全体への影響を把握しやすくなります。

50代・60代から始める場合

年齢だけで投資商品を決めることはできません。

重要なのは、運用期間、今後の収入、年金額、毎月の生活費、預金額、相場下落時に取り崩す可能性です。

同じ60歳でも、数年後に使う予定のお金を運用する人と、子どもや孫に残すお金を20年以上運用する人では、適切な資産配分が異なります。

退職金などのまとまったお金を一度に投資する前に、生活費として残す金額と投資に回せる金額を分けましょう。

成長投資枠で避けたい7つの失敗

1.直近の運用成績だけで選ぶ

過去1年間で大きく上昇した商品が、今後も同じように上昇するとは限りません。

上昇後に買った直後から下落することもあります。過去の運用成績は商品の値動きを理解する材料にはなりますが、将来の成果を保証するものではありません。

2.人気ランキングをそのまま正解だと思う

販売ランキングは、その期間に多く買われた商品を示すものです。

自分の運用期間、資産状況、下落への耐性に合っていることを保証するものではありません。

ランキングを見る場合も、「なぜ人気なのか」「自分の目的に合うのか」を分けて考えましょう。

3.似た投資信託を何本も買う

オール・カントリー、S&P500、全米株式、NASDAQ100をすべて買うと、米国の大型企業への投資が重なります。

商品数が多いほど安全になるわけではありません。資産全体で、どの国や企業にどれだけ投資しているかを確認しましょう。

4.生活費や近く使うお金を投資する

株式市場は、必要な時期に下落する可能性があります。

生活費や数年以内に使うお金まで投資すると、回復を待てずに売却することになりかねません。投資前に、預金として残すお金を決めることが重要です。

5.非課税枠を使い切ることを目的にする

NISAは、投資をしなければ損をする制度ではありません。

無理に年間240万円を投資して家計が苦しくなれば、制度のメリットより資金不足のリスクが大きくなります。

投資枠ではなく、余裕資金を基準に金額を決めましょう。

6.短期売買を繰り返す

成長投資枠で商品を売却しても、その年の年間投資枠は復活しません。

売却した商品の購入金額に相当する非課税保有限度額が再利用できるのは、翌年以降です。頻繁に商品を乗り換えると、その年に使える枠が不足することがあります。

7.NISAなら損をしても税制上有利だと思う

NISA口座で生じた損失は、課税口座の利益との損益通算や、翌年以降への繰越控除に利用できません。

値下がりした商品をNISAで持てば税制上有利になるわけではないため、値上がり期待の大きさだけで高リスク商品を選ばないことが大切です。

成長投資枠で商品を買うまでの手順

1.生活費として残す金額を決める

まず、日常生活や急な支出に備える預金を確保します。

投資額は、相場が下落してもすぐに売却する必要がない金額に抑えましょう。

2.投資する目的と期間を決める

老後資金、将来の余裕資金、子どもに残す資金など、何のために運用するのかを整理します。

使う時期が決まると、株式型、バランス型、預金のどれを中心にするか判断しやすくなります。

3.中心となる商品を決める

投資先の国を選びたくないなら全世界株式、米国を重視するならS&P500や全米株式、株式100%が不安ならバランス型というように、運用方針から商品を絞ります。

初心者は、中心商品を1本決めるところから始めると管理しやすくなります。

4.目論見書で商品内容と費用を確認する

購入前に、運用会社が公表する目論見書で次の内容を確認します。

  • 連動を目指す指数
  • 投資する国や資産
  • 為替ヘッジの有無
  • 信託報酬などの費用
  • 分配方針
  • 主なリスク

内容を自分の言葉で説明できない商品は、いったん購入を見送る判断も必要です。

5.無理のない金額で購入する

最初から年間240万円を使い切る必要はありません。

相場の値動きに慣れていない場合は、少額の積立から始めると、自分がどの程度の下落に耐えられるかを確認できます。

6.年に1回程度、資産全体を確認する

毎日の値動きを見て売買を繰り返すのではなく、年に1回程度、次の点を確認します。

  • 投資目的や使用時期が変わっていないか
  • 預金が不足していないか
  • 特定の国や商品に偏り過ぎていないか
  • 無理なく積立を続けられているか

商品の短期的な順位ではなく、当初の計画とのずれを確認しましょう。

成長投資枠のおすすめに関するよくある質問

成長投資枠で一つだけ選ぶなら何がおすすめですか?

投資先の国を自分で決めたくない初心者には、全世界の株式に分散するオール・カントリーがわかりやすい候補です。

ただし、株式100%の商品なので、大幅に下落することがあります。数年以内に使うお金や、値下がりに耐えられない金額を投資するのは避けましょう。

成長投資枠でS&P500を買ってもよいですか?

成長投資枠でS&P500連動型の投資信託を購入できます。

米国への集中投資を理解し、長期保有を続けられる人には候補になります。過去の上昇率だけでなく、米国以外への分散が少なくなる点も確認してください。

つみたて投資枠と同じ商品を買ってもよいですか?

問題ありません。

つみたて投資枠でオール・カントリーやS&P500を積み立て、年間120万円を超える分を成長投資枠で同じ商品に投資することもできます。

成長投資枠だけを利用できますか?

成長投資枠だけでも利用できます。

ただし、NISA全体の非課税保有限度額1,800万円のうち、成長投資枠で利用できるのは最大1,200万円です。

成長投資枠でも積立投資はできますか?

できます。

成長投資枠では、一括購入だけでなく、毎月などの積立設定も利用できます。具体的な設定方法や購入頻度は、利用する金融機関によって異なります。

成長投資枠の商品はいつでも売却できますか?

原則として、必要なときに売却できます。

ただし、売却した年の年間投資枠は戻りません。購入金額に相当する非課税保有限度額が再利用できるのは翌年以降です。

成長投資枠で損失が出たら損益通算できますか?

できません。

NISA口座の損失は、特定口座や一般口座で生じた利益と相殺できず、翌年以降に繰り越すこともできません。

成長投資枠は毎年240万円使ったほうがよいですか?

使い切る必要はありません。

投資額は、年間投資枠ではなく、家計の余裕、今後使う予定、相場下落時に保有を続けられる金額から決めましょう。

50代や60代でも株式型投資信託を買ってよいですか?

年齢だけで判断するのではなく、お金を使う時期と資産全体で判断します。

10年以上使う予定がなく、十分な預金や収入があるなら、株式型投資信託を保有する選択肢があります。一方、数年以内に生活費として取り崩す資金は、預金など値動きの小さい資産を優先したほうが管理しやすくなります。

成長投資枠のおすすめは「人気」ではなく自分の運用方針で決めよう

成長投資枠で何を買うか迷ったら、まずは次の順番で考えましょう。

  1. 近く使うお金を預金として残す
  2. 運用する目的と期間を決める
  3. 相場が下落しても保有できる金額を決める
  4. 中心となる分散型投資信託を1本選ぶ
  5. 必要な場合だけ、ETFや個別株を追加する

投資先の国を自分で決めたくないなら、オール・カントリーが最初の候補です。

米国に集中する理由を自分で説明できるならS&P500や全米株式、株式100%の値動きが不安ならバランス型を検討できます。NASDAQ100のような集中度の高い商品は、特徴とリスクを理解したうえで、中心資産とは分けて考えましょう。

成長投資枠は、240万円を使い切ることや、多くの商品を買うことが目的ではありません。

自分が理解できる商品を、無理のない金額で、長く保有できる形にすることが大切です。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定商品の購入を勧誘するものではありません。投資商品には元本割れの可能性があります。最終的な投資判断は、最新の目論見書や金融機関の情報を確認したうえで行ってください。

参考資料・出典

この記事を書いた人

NISAメディア編集部は、新NISA制度を「最大限に活かす」ための実践知をお届けしています。野村證券出身者・金融機関出身者を中心としたメンバーが、統計データと市場データを読み解きながら、新NISAのおすすめ口座新NISAのおすすめ銘柄新NISAの相談先などの情報を提供。運営元であるアドバイザーナビ株式会社は、資産運用アドバイザーを紹介するプラットフォーム「資産運用ナビ」を展開しており、読者が信頼できる専門家にスムーズに相談できるプラットフォームづくりをしている。