- 新NISAで投資対象外となっている銘柄について知りたい
- 新NISA制度の基本を改めて確認したい
- 新NISAを活用した効果的な資産運用の方法が知りたい
2024年から始まった新NISA制度ではさまざまな種類の商品への投資が可能となっているが、すべての商品を取引できるわけではない。
新NISA制度の対象外となっている商品も存在しているため、基準を把握しておくことが大切だ。
本記事では、新NISAで投資対象外となった商品の種類や新NISA制度の効果的な活用法について解説を行う。
ぜひ記事を参考にし、自分に合った商品で資産を運用していこう。
新NISAで投資対象外となった商品とは
新NISAは旧NISA制度を引き継ぐ形で始まっているものの、改正されるタイミングで投資対象となる商品が変更された。
従来のNISA制度で運用できていた商品が対象外となっているケースもあるため、投資対象商品を比較して確認しておくと良いだろう。
ここでは、新NISAで投資対象となる商品の種類や投資対象から外れた商品の特徴について解説を行う。
新NISAで投資対象となる商品
新NISAは「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の2つの非課税枠が設けられている。
旧NISA制度における一般NISAが成長投資枠、つみたてNISAがつみたて投資枠へと変更されている。
従来のNISA制度を引き継ぐ形で新NISA制度が始まっており、基本的な対象商品は変わらない。
成長投資枠は上場株式や投資信託、ETFが対象であり、つみたて投資枠は長期の積立・分散投資に適していると金融庁に判断された投資信託のみが対象である。
しかし一般NISAで取引できた上場株式や投資信託のうち、一部の商品は成長投資枠において対象外となっている。
投資対象から外れた商品の特徴を踏まえ、運用戦略を検討していこう。
新NISAで投資対象外となる主な商品の特徴
新NISAの成長投資枠で投資対象から外れた商品の特徴は以下の通りだ。
- 整理・監理銘柄
- 信託期間20年未満の投資信託
- 毎月分配型の投資信託
- デリバティブ取引を用いた一定の投資信託
まず、証券取引所が定める上場廃止基準に該当して上場廃止が決まった「整理銘柄」や、上場廃止基準を満たす恐れがある「監理銘柄」が対象外となっている。
長期的な資産形成に向かない銘柄であり、投機的な取引に用いられる可能性があるため除外された。
また、設定から償還までの「信託期間」が20年未満に設定されている投資信託も、長期投資に向かないという理由で除外されている。
毎月分配型の投資信託は、毎月決算を行って分配金を投資家に払い出すタイプの商品だ。
元本を取り崩して分配金が払い出されるケースが多く、資産形成において重要な複利効果を得られないという理由から対象外となった。
デリバティブ取引は、先物取引やオプション取引といったリスクが大きい投資手法のことだ。
短期的に資産が大きく減少する可能性があるため、デリバティブ取引を用いた投資信託も投資対象から除外されている。
対象外となった商品の特徴を踏まえると、長期間にわたる安定的な資産形成に向かないと判断される銘柄・商品が新NISAで投資できないことが分かるだろう。
毎月分配型の投資信託が対象外に?新NISAでインカムゲインを獲得する方法
新NISAで対象外となった商品のひとつに「毎月分配型の投資信託」がある。
毎月決算が行われて分配金が支払われるため、安定的なインカムゲイン(資産収入)を獲得できる投資先だったが、新NISAでは購入できない。
新NISAでインカムゲインを得るためにはどういった投資先を選べば良いのだろうか。
ここでは、インカムゲインを得られる投資先と運用時の注意点、課税口座を活かしたインカムゲインの獲得について解説していく。
新NISAでインカムゲインを得られる投資先
新NISAで定期的なインカムゲインを得られる投資先として以下の2つが挙げられる。
- 株式
- ETF・REIT
株式を保有している場合、企業から配当金が支払われるケースが多い。
日本株の場合は年1回または2回のケースがほとんどで、米国株等は年に4回支払われる。
多くの配当金が支払われる「高配当株式」を新NISAで保有していれば、非課税で多くの配当金を受け取ることが可能だ。
また、ETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)といった商品も分配金が支払われる投資先として挙げられる。
決算時に収益が分配される仕組みとなっており、定期的なインカムゲインを得ることができる。
特に、REITの場合は利回りが高く設定されているケースが多く、安定した多くの分配金を受け取れる可能性が高い。
新NISAであれば税金が引かれることもないため、お得に不労所得を得られる。
運用時の注意点
インカムゲインを目的とした運用を行う際、配当金・分配金が減らされたり、無くなったりするリスクがある点に注意が必要だ。
配当金や分配金は企業の収益をもとに支払われるため、収益が悪化すれば当然ながら支払う金額も減少するリスクがある。
予定していた金額が必ずしも支払われるとは限らないため、慎重に運用を行うことが大切だ。
配当利回りが高い「高配当株式」の場合、投資家の多くが配当金目当てで投資を行っている。
配当金が減ったり、無くなったりすると魅力を感じなくなった投資家が一気に売却し、株価が大幅に下落してしまう危険性もある。
1つの銘柄に集中投資させていると減配・無配によるダメージが大きくなるため、複数の銘柄に分散させておくと良いだろう。
課税口座を活用したインカムゲインの獲得
毎月分配型の投資信託は新NISA口座で運用することはできないものの、特定口座や一般口座などの課税口座であれば問題なく取引できる。
課税口座を活用してインカムゲインを補うという考え方もあるだろう。
ただし、毎月分配型の投資信託は分配金を支払うために元本を取り崩していくケースが多く、投資効率が低くなる可能性が高い。
仕組みをきちんと理解して活用する分には問題ないが、特徴を知らずに投資をすると失敗する可能性があるため注意しておこう。
対象外の商品があっても大丈夫!新NISAの効果的な活用法
新NISAになって制度が改正されたことにより、柔軟に戦略を検討できるようになった。
効果的な活用法を理解し、新NISAの魅力を最大限に活かした運用を実践しよう。
ここでは、新NISAの主な改正点とメリット、資産成長を目指すための運用戦略のポイントなどを解説していく。
新NISAの主な改正点
新NISAになって改正されたポイントとして主に以下の3点が挙げられる。
- 非課税投資枠が拡大された
- 非課税期間が無期限化された
- 2つの投資枠が併用可能となった
従来のNISA制度では一般NISAで年間120万円・最大600万円、つみたてNISAで年間40万円・最大800万円だった。
しかし新NISAでは成長投資枠が年間240万円、つみたて投資枠で年間120万円まで拡大され、総枠で1,800万円となっている。
より大きな金額で非課税運用を行えるようになった点が新NISAのメリットだ。
また、非課税期間も一般NISAでは最長5年、つみたて投資では最長20年だった。
しかし新NISAでは非課税期間が無期限化されており、より長期での非課税運用が可能となっている。
そして、旧NISAでは一般NISA・つみたてNISAのどちらか一方を選ばなければならなかった。
新NISAは成長投資枠・つみたて投資枠の併用が可能となっており、それぞれの特性を活かした運用を行える。
このように、さまざまな運用戦略を柔軟に行える点が新NISAの強みだ。
資産成長を目指すための運用戦略
新NISAにおいて資産成長を目指すためには、長期・分散投資の実践が重要となる。
安定したリターンを狙いつつ、効率良く資産を成長させていける運用戦略だ。
長期投資を行うことで、複利効果の恩恵を受けられるというメリットがある。
複利効果とは、投資で得た利益を再び投資に回すことで元本が雪だるま式に膨らんでいき、利益がどんどん増えていく仕組みのことだ。
複利効果は運用期間が長くなるほど威力を発揮する。
新NISAでは非課税期間が無期限となっているため、長期的な運用で効率良く資産を増やしていこう。
また、投資先を複数に分散させることで、仮に投資先のひとつが下落してもダメージは小さく抑えられる。
ほかの投資先で利益が生じていれば、損失と相殺させることも可能だ。
万が一のダメージを軽減させながら安定したリターンを得られる点が分散投資のメリットである。
長期・分散投資を実践し、リスクを抑えながら効率良く資産を成長させていこう。
なお、新NISAで実践可能な代表的な投資手法についてまとめた記事もあるので、「どのような組み合わせが良いのか分からない」という方がいればぜひ参考にしてほしい。
資産売却のタイミングとは
新NISAでは非課税期間が無期限化されたことにより、かえって商品を売却するタイミングを見極めにくくなった。
どういったタイミングで資産を売却すれば良いのだろうか。
基本的には「目標金額を達成したタイミング」での売却をおすすめする。
新NISAを活用して準備したかった金額に到達できたのであれば、資産の売却を検討してみると良いだろう。
新NISAでは金融商品を売却することで翌年以降の非課税枠が復活するため、1つの目標を達成した後に次の目標に向けて非課税枠を再利用することも可能だ。
目標金額に到達した時点で売却して非課税投資枠を空け、次の運用目標を設定すると良いだろう。
しかし、目標金額を決めるためには自分のライフプラン・ライフイベントを明確にした上で、支出を把握しておく必要がある。
希望するライフプランをイメージし、今後のライフイベントに必要な金額を算出した上で目標金額を設定しよう。
新NISAや対象外の商品に関する疑問はどこに相談するべき?
新NISAは旧制度からの改正点も多く、さまざまな運用戦略を検討できるようになった。
その分、自分に合った最適な戦略を見極めることのハードルも高くなっているため、資産運用の相談を行う重要性も高まっている。
信頼できる専門家に相談し、効果的な資産運用を実践しよう。
ここでは、新NISA投資における専門家の重要性や相談先としておすすめの「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)」の特徴、アドバイザー検索サービス「資産運用ナビ」の活用方法を解説していく。
新NISA投資における専門家の重要性
新NISA投資において専門家に相談すべき理由として「最適化された運用戦略の提案を受けられる」という点が挙げられる。
運用戦略の選択肢が増えた新NISAにおいては、的確なアドバイスを提供してくれる専門家の存在が必要不可欠だ。
資産運用は、個人の運用目的や年齢、資産状況、投資経験、リスク許容度などのさまざまな要素を総合的に考慮して戦略を立てなければならない。
「どういった投資先を選ぶべきか」「どの程度の比率で資産配分を行うか」という点が人によって異なるため、自分にとっての最適解を見つけ出さなければならないのだ。
専門家に相談することで、運用目的や資産状況などを踏まえた最適な運用戦略を提案してもらえる。
カスタマイズされた戦略により、資産成長を目指せる点が大きなメリットだ。
自分にぴったりの運用戦略を見つけ出したい方は、ぜひ専門家に相談することを検討してみよう。
IFAの役割と相談するメリット
資産運用の専門家に相談するのであれば、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)をおすすめする。
IFAとは、金融機関に所属せずに顧客の資産運用をサポートする専門家のことだ。
運用戦略の策定や商品提案、継続的なフォローを行うことが主な役割となっている。
IFAに相談するメリットとして以下の2点が挙げられる。
- 高いスキルを有するアドバイザーが多い
- 中立な目線で投資助言を提供してくれる
IFAの多くは金融機関出身者であり、豊富な知識と経験を有している。
高いスキルを持つプロフェッショナルからアドバイスしてもらえる点がIFAに相談する大きなメリットだ。
また、IFAは自社で金融商品を持たず、どの商品を提案しても得られる手数料は基本的に変わらない。
特定の商品ばかりを推奨されたり、手数料が高い商品を提案されたりするリスクがなく、中立な目線からの投資助言を得られる点も魅力となっている。
高度な専門スキルを有するプロフェッショナルから中立な目線によるサポートを受けられる点がIFAに相談するメリットだ。
「資産運用ナビ」の活用方法
IFAに相談したい場合は「資産運用ナビ」の利用をおすすめする。
「資産運用ナビ」とは、投資家とIFAをマッチングさせるサービスのことだ。
「資産運用ナビ」では、あなたの希望条件をたった60秒入力するだけで、運用目的や資産状況、性格の相性が良いアドバイザーを自動診断して紹介を行う。
紹介されたアドバイザーのプロフィールに納得ができれば、そのまま面談を申し込むことも可能だ。
もちろん全国47都道府県どこでも相談に対応しており、WEBや好きな場所で自由に面談できる。
近くで相談できるIFAを探したり、アドバイザーを比較して選んだりする手間がかからず、手軽に自分に合うアドバイザーを見つけ出せる。
アドバイザーの紹介料や相談料は無料、繰り返しの相談も可能となっている。
ぜひこの機会に「資産運用ナビ」を利用し、信頼できるアドバイザーを探してみよう。
新NISAで投資対象外になるのは長期の資産形成に向かない商品
新NISAでは、整理・監理銘柄や信託期間が20年未満の投資信託、毎月分配型やデリバティブ取引を用いた一定の投資信託が投資対象外となっている。
毎月分配金の代わりにインカムゲインを得たいのであれば、高配当株式やETF・REITといった投資先を活用しよう。
また、本記事では新NISAを活用した効果的な運用方法も紹介した。
新NISAによる資産運用に悩みや疑問があれば、専門家に相談して最適化されたアドバイスを受けると良いだろう。
特に、IFAは中立な立場からあなたに最適なアドバイスを提供してくれるため、資産運用の相談先として最適だ。
「資産運用ナビ」を活用し、自分に合うアドバイザーを探してみてはいかがだろうか。