- 公務員におすすめの資産運用法が知りたい
- 資産運用の戦略を立てる時に重要なポイントを理解したい
- 公務員が資産運用で利益を得ても良いのかが分からない
公務員の副業は法律で禁止されているが、資産運用は副業に該当しないため、公務員であっても資産運用は可能だ。
将来に向けてコツコツ資産運用を行うことで、老後の生活も豊かに送れるだろう。
ただし、公務員が資産運用を行う場合は、いくつか注意したいポイントも存在する。
今回の記事では、公務員におすすめの資産運用方法や、最適な運用計画の立て方、資産運用にあたって注意すべき点などを詳しく解説する。
また、職業別のおすすめの資産運用方法を知りたい方は以下の記事を参考にしてほしい。
各職業の特性にあわせた資産運用戦略を解説している。
公務員が資産運用を行う意義
そもそも公務員は資産運用を行っても良いのだろうか。
公務員が資産運用を行うことの可否や意義について解説していく。
公務員は副業禁止だが資産運用は可能
公務員の副業については、一部の例外を除いて基本的に禁止となっている。
国家公務員の場合、国家公務員法によって、営利企業を運営する、報酬を得るといった副業は禁止されている。
ただし、執筆や講演といった学術・文化的な副業や農業などの職務専念義務を損なわない範囲の副業であれば、許可を得た上で実施できる可能性はある。
地方公務員の場合、各自治体の条例によって副業の可否が定められている。
一定の範囲内で副業を認める自治体も存在するが、営利企業への従事などは制限を受けることが一般的だ。
このように、公務員の副業には一定の制限が課せられるが、公務員の資産運用については副業に該当しないと考えられている。
単なる金融資産の運用は報酬を得るための営利的な事業活動とはみなされないためだ。
そのため、公務員であっても余剰資金の範囲内で資産運用を行うことは可能だ。
ただし、利益の金額によっては確定申告が必要となる場合もあるため注意しよう。
公務員の年収と退職金の実態
公務員はどのくらいの年収と退職金を受け取っているのだろうか。
国家公務員と地方公務員に分けてチェックしていこう。
まず、人事院の「令和5年国家公務員給与等実態調査報告書」によると、国家公務員の行政職俸給(一)適用職員の平均的な給与月額は40万4,015円となっている。
年収に換算すると、平均的な年収は約663万円だ。
また、内閣官房の「令和4年度退職手当の支給状況」によると、行政職俸給表(一)適用者における退職手当の平均支給額は約2,111万円となっている。
続いて、地方公務員についても年収と退職金の平均的な金額を確認してみよう。
総務省の「令和4年地方公務員給与実態調査結果」によると、全国(すべての地方公共団体)の地方公務員(一般行政職)の平均的な給与月額は40万1,372円だ。年収換算すると平均で約638万円となる。
また、同じ地方公務員給与実態調査によると、全地方公共団体において25年以上勤務実績のある一般職員の退職金は平均で約2,123万円となっている。
国家公務員と地方公務員で年収や退職金の水準は大きく変わらないことがわかる。
ただし、上記の数値はあくまでも平均的な数値であり、実際には職種や等級、勤続年数によって受け取り金額は変わってくる。
公務員の給与水準は民間と比べて大幅に高いわけではないが、雇用の安定性と手厚い退職金は魅力的だと言える。
公務員が資産運用を行うメリット
公務員は、安定した雇用と退職金が魅力的な職業だ。
公的年金の金額も手厚いため、資産運用を行わなくても良いと考える人がいるかもしれないが、それは誤りだ。
少子高齢化の影響で年金の受給年齢は引き上げが続いており、受け取り金額も徐々に減少してしまう可能性がある。
自分の老後資金は自分でしっかりと確保しておく必要があり、給与収入や年金収入だけに頼っていたのでは豊かな老後の生活を送るのは難しいかもしれない。
公的年金のみに頼るのではなく、資産運用も併せて行うことで、安定した老後生活を送りやすくなるだろう。
また、貯めたお金をすべて銀行預金に入れている人も注意が必要だ。
銀行預金は元本が保証されるため安心だと考えるかもしれないが、預金ではインフレリスクに対応できないというデメリットがある。
日本の低金利ではインフレ率をカバーするのは難しいため、お金にも働いてもらうことでインフレにも対応できる体制を整えておくことが重要だ。
公務員の場合は、雇用や収入が業績に左右されにくいという特徴があるため、毎月定額をコツコツ積み立てていく積立投資も行いやすいだろう。
まずは少額からでも良いので、なるべく早いうちから投資を行うことをおすすめする。
公務員におすすめの資産運用の基本戦略
公務員が資産運用を行うにあたって、基本的な戦略や押さえておきたいポイントを紹介する。
運用目的の明確化と目標に応じた運用計画の立案
資産運用を始める際は、運用目的を明確にしておこう。
運用目的を定めた上で、運用期間や必要な金額、求めるリターン、許容できるリスクなどを逆算していく。
例えば、老後資金の準備を目的とする場合、現在の支出や将来受け取れる年金収入などから、資産運用で準備したい金額をおおまかに計算する。
「定年退職までに準備する」「75歳から資産の取り崩しを始める」など、いつ頃までに資産を確保するかを決めると、必然的に運用期間も決まる。
資産運用を行う上での具体的な目標が決まったら、それを達成するために必要な運用計画を立てていこう。
例えば、「積立投資を行って30年後までに2,000万円を資産運用で確保する」ことが目的である場合、運用利回りによって毎月の積立金額が変わる。
上記の例では、年率3%で運用する場合の毎月の積立金額は34,321円、年率5%で運用する場合は24,031円となる。
リスクとリターン、毎月の余剰資金のバランスを見た上で、自分に適した運用金額を決めるのが重要だ。
長期・分散・積立投資の実行
安定した資産運用を行う上で重要な考え方が「長期・分散・積立」投資だ。
まず、長期間の投資を行うことで、短期的な値動きに一喜一憂せずに安定して投資を継続できる。
株式や投資信託などは長期的には上昇基調にあるため、長く運用を継続するほどリターンが大きくなる傾向がある。
一時的な相場の下落に動じずに、長期的に運用を継続することが重要だ。
次に、複数の資産に投資資金を分散することで、特定の銘柄や資産にリスクが集中するのを防ぎやすくなる。
相場が下落した際も資産全体が急落するリスクを押さえて安定的に運用しやすくなるというメリットがある。
加えて、まとめて大きな資金を投資するよりも、毎月など定期的に少額ずつ投資を行うことで、購入単価を分散する効果を得られる。
高値では少なく買い、安値では多く買うことで、長期的に見るとリターンを得やすくなるだろう。
適切なポートフォリオの構成と定期的なリバランスの実施
具体的な投資先を決めるにあたっては、自分のリスク許容度に合わせて、適切なリスク・リターンを設定することが重要だ。
ハイリスク・ハイリターンな運用を行いたいのか、なるべくリスクを抑えて安全な運用を行いたいのかによって、投資すべき商品や配分比率が変わってくる。
先述の通り、銘柄選定や配分比率の決定にあたってはなるべく異なる資産クラスの商品に分散投資を行うのがおすすめだ。
値動きの異なる複数の資産に分けて投資することで、リスクを抑えつつ安定的な運用を期待しやすくなる。
運用を始めた後も、定期的に運用実績や配分比率のチェックを行おう。
金融商品の価格は日々変動するため、時間の経過とともに理想的なポートフォリオからはずれていってしまう。
定期的に自分の資産を確認して、元の配分比率に戻すことで、理想的なリスク・リターンでの運用を継続できる。
ちなみに、弊社が資産運用を行っている公務員へ実施したアンケートでは、投資信託や株式を中心に、債券やETF・REITなど多種多様な商品を組み合わせてポートフォリオを構築している公務員が多かった。
あなたがポートフォリオを決める時の材料として参考にしてみるのもいいだろう。
公務員でもできる!おすすめの投資手法
公務員におすすめの投資手法について解説していく。
安定的な投資を行いたい方や、定期的な運用収入を得たいと考えている方は、ぜひ参考にしてほしい。
リスクを抑えた安全な投資手法
リスクを抑えてなるべく安全に運用する投資手法としては、以下のようなものが挙げられる。
- 定期預金
- 個人向け国債
- 債券ファンド
- バランスファンド
銀行の定期預金や個人向け国債は、リスクを抑えて安全に資産を守れる投資手法だ。
ただし、安全に運用できる分リターンはほとんど期待できない点に注意しよう。
リスクを抑えつつ、長期的にリターンも期待したい場合は、債券ファンドやバランスファンドといった投資信託での運用もおすすめだ。
手軽に複数の銘柄への分散投資が可能で、プロに運用を任せられるため、手軽に運用を始めたい方にも適しているだろう。
定期的なインカムゲインが期待できる投資手法
定期的なインカムゲインが期待できる投資手法としては、以下のようなものが挙げられる。
- 社債、外貨建て債券
- 高配当株
- 分配型投資信託
社債や外貨建て債券は、個人向け国債などに比べて高い利回りが期待できる。
ただし、発行体によっては信用リスクが高い点や、外貨建て債券には為替リスクがある点に注意が必要だ。
高配当株への投資を行えば、毎年2回程度の配当収入を期待できる。
銘柄によっては4〜5%程度の配当利回りが得られるものもあるため、配当を楽しみたい方におすすめだ。
分散投資を行いつつ定期的なインカムゲインが欲しいという方は、分配型の投資信託も選択肢に入るだろう。
しかし、銘柄によっては元本から分配金を払い出すものもあるため、投資信託の運用実績はよく確認するようにしよう。
新NISAやiDeCoの活用
老後の資金確保のために長期的に運用を行うのであれば、新NISAやiDeCoを活用するのもおすすめだ。
新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能で、合計で毎年360万円まで運用できる。
NISA口座での運用から生まれた利益は非課税で受け取れるため、税制メリットを享受しながら将来に向けての資産形成を図れるというメリットがある。
また、iDeCo(個人型確定拠出年金)は、NISA同様に運用益を非課税で受け取れるだけでなく、掛け金の拠出・受取時にも所得控除を受けられる制度だ。
原則として60歳以降でないと資金を引き出せないなど、新NISAに比べて資金の自由度はやや低いが、税制上のメリットは大きいといえる。
ただし、公務員の場合はiDeCoの掛け金上限は月額12,000円となるため、iDeCoだけでの資産運用だとやや物足りないかもしれない。
公務員は資産運用の相談を誰にするべき?
公務員が資産運用を始める場合、専門家に相談しながら投資戦略を立てるのがおすすめだ。
ここでは、専門家への相談を推奨する理由や、おすすめの相談先を紹介する。
公務員が資産運用を専門家へ相談する重要性
資産運用をこれから始める場合や、資産運用に疑問や不安がある場合は、運用の専門家に相談してみよう。
専門家に相談することで、自分の投資目的や職業に合わせた適切な運用方法を検討しやすくなるだろう。
本記事では公務員におすすめの投資手法をいくつか紹介したが、実際に自分に合う投資方法を具体的に選ぶのは容易ではない。
人によって家族構成や金融資産、ライフプランが異なるため、適切な投資方法もそれによって変わってくるためだ。
資産運用の専門家に相談することで、自分のニーズや状況に合った最適な運用戦略の設定や銘柄選びをサポートしてくれるだろう。
IFAの役割とメリット
資産運用の専門家には、銀行や証券会社の営業担当者やFP(ファイナンシャルプランナー)などがいるが、特におすすめなのはIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)だ。
IFAは、銀行や証券会社などの金融機関に属さずに、顧客の資産運用をサポートする専門家のことだ。
IFAの多くは金融機関の出身者であるため、豊富な知識や経験に基づいたアドバイスが期待できるというメリットがある。
加えて、会社の営業方針やノルマに左右されず、顧客目線での運用提案が行える点も魅力的だ。
会社都合での転勤や担当替えも原則として発生しないため、長期間にわたるサポートを受けやすいのも特徴だ。
資産運用について高いレベルのアドバイスが欲しい方や、中立的な目線での提案を期待したい方は、ぜひIFAへの相談を検討してみよう。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用法
自分にぴったりのIFAを見つけたいなら、IFA検索サービス「資産運用ナビ」の利用がおすすめだ。
年齢や住まい、投資ニーズなどの項目を入力するだけで、自分に最適なアドバイザーが無料で診断・表示される。
アドバイザーの実績や過去の経歴などはプロフィールページから確認できるため、納得の上で面談に臨めるのも嬉しいポイントだ。
相談料は原則として無料となっているため、複数のアドバイザーと会ってみた上で、自分に最も合うアドバイザーに資産運用の相談を依頼するという使い方も良いだろう。
長期的に資産運用を相談できるパートナーを見つけたいと考えている方は、ぜひIFA検索サービス「資産運用ナビ」を利用してみてほしい。
公務員も資産運用を積極的に活用しよう
公務員が資産運用を行えるか疑問に感じている方がいるかもしれないが、資産運用は副業ではないため、公務員でも問題なく行うことができる。
公務員は雇用や収入が安定しているというメリットがある一方、個人の評価が良くてもそれほど大きく収入が増加しにくいというデメリットがある。
そのため、豊かな老後生活を送るためには、早いうちからコツコツ資産形成を行い、老後資金を準備しておく必要がある。
今回の記事では、公務員に適した運用戦略の立て方や、公務員におすすめの投資方法をいくつか紹介した。
具体的な金融商品も取り上げたが、これらはあくまで一例であり、運用の最適解は個人によって異なる。
資産運用について疑問や不安があれば、専門家に相談して解決するのをおすすめする。
数ある資産運用の専門家の中でも、特にIFAは、中立的な立場からあなたに最適なアドバイスを長期にわたって提供してくれるというメリットがある。
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