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60代で投資をしている人の割合はどのくらい?60代に適切な投資戦略も合わせて解説

この記事で解決できるお悩み
  • 60代のうち、どのくらいの人が投資をしているのか知りたい
  • 60代に最適な投資の割合が知りたい
  • 60代向けの投資戦略を学びたい

60代で資産運用に興味がある方も多いのではないだろうか。

平均寿命が男女共に80歳を超える日本では60代からの人生も長い。

年金や貯蓄だけに頼らず投資で資産形成をしていこうという考えに至るのも自然な流れだ。

しかし60代で投資をはじめても遅すぎるのではないかと不安を感じたり、具体的な投資法に悩んだりしてしまうこともあるだろう。

60代で投資をしている人がどの程度いるのかも気になるところだろう。

本記事では、60代における投資をしている人の割合や、60代に最適な投資戦略について詳しく解説していく。

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目次

60代で投資をしている人の割合

60代の同世代が実際にどの程度、投資をしているのか気になるのではないだろうか。

本当に60代で投資が必要なのか疑問に感じている人もいるかもしれない。

そこで60代で投資を検討している人が気になる以下の3つのポイントを確認する。

  • 60代で投資をしている人の割合
  • 60代の投資家が増えているのか?
  • 60代に投資は必要なのか

同世代が投資に対してどのように取り組んでいるのかを参考にし、あなた自身の投資を考えるきっかけにしてほしい。

60代で投資をしている人の割合

60代で株式や債券、投資信託を持っている人がどの程度の割合でいるのかをまとめたのが以下の表だ。

金融資産の種類60代が保有している割合
株式33.7%
債券9.6%
投資信託
(MRF、MMF、REITなどを含む)
27.0%
デリバティブ6.3%
参考:金融広報中央委員会

金融広報中央委員会の調査データによると、株式を保有している人が33.7%、投資信託を保有している人が27.0%という結果が確認できる。

この数字から概ね60代の3割程度は元本割れのリスクがある株式や投資信託に投資をしていると言えそうだ

60代以下の他の年代の比較もしてみよう。

スクロールできます
 株式の
保有割合
債券の
保有割合
投資信託(MRF、MMF、REITなどを含む)
保有割合
デリバティブの
保有割合
60代33.7%9.6%27.0%6.3%
50代28.6%6.2%24.9%6.4%
40代28.4%4.1%28.9%6.3%
30代27.6%4.9%29.5%5.9%
20代19.0%4.4%24.7%3.3%
参考:金融広報中央委員会

60代の株式や投資信託の保有割合は若い世代に比べて低くはない。

株式と債券の保有割合に至っては、むしろ他の年代に比べて高いことが確認できる。

データ以外でも意外に60代以上の投資家が多いことを実感できる機会も多い。

投資セミナーや大都市で開かれる投資フェアなどに足を運んでみると高齢者と見られる参加者がかなり多いことが分かるはずだ。

投資を経験したことがないと、もしかしたら働き盛りの若い人がするものだという認識を持っているかもしれない。

しかし60代以上のシニア世代の投資家は若い世代に比べ少ないということはない。

むしろシニア世代の投資家は投資に対して熱心で積極的なところもある。

60代の投資家は増えているのか?

スクロールできます
 令和3年令和4年令和5年
株式40.4%36.0%33.7%
債券8.0%10.3%9.6%
投資信託28.3%26.3%27.0%
デリバティブ6.9%7.1%6.3%
参考:金融広報中央委員会 令和3年 令和4年 令和5年のデータより

令和3〜5年までの直近の動向を見てみると60代で株式や投資信託を保有している割合に大きな変化はない。

株式は減少しているが投資信託に関しては、ほぼ横ばいだ。

公的なデータ以外にNRI(野村総合研究所)で年齢階層別に、2009年〜2021年までの投資をおこなっている人の割合の推移を確認できる。

概要は以下の通り。

  • 25歳〜69歳の幅広い年代で投資をしている人の割合は急増している
  • 20代〜50代で投資を行なっている人の割合は上昇傾向にある
  • 60代で投資をしている人の割合は多いが横ばいからやや減少

実は20代〜60代の中でも60代は投資を行なっている割合が多かった。

しかし、近年は若い世代が投資を新しく始めることが増えている。

60代はもともと投資をしている人の割合が高いこともあり、増えているかどうかという観点でいくと横ばいと言えるだろう。

ただ、老後の不安や投資ブームの影響で若い世代の投資への新規参入は増えているが、60代の投資家はもともと若い世代に比べて多かった。

全世代の中でも60代投資家の存在感は依然として大きいことに変わりはない。

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60代に投資は必要なのか

60代で投資が必要とは言い切れないが、投資ができることで様々なメリットがある。

具体的には以下のような理由で投資をすることをおすすめする。

  • 公的年金の受給額減少に備えられる
  • インフレから資産を守る手立てができる
  • 老後の備えとなる資産を増やせる

日本人の平均年齢は男女共に80歳を超えており60代以降の人生も長い。

60代は会社員ならば定年退職というこれまでの家計や生活を大きく変える大きなイベントがある年代だ。

働いて得られる安定的な収入に頼れなくなる人も出てくることだろう。

しかし、投資という選択肢を持つことで年金や働くこと以外で資産を増やすことができる。

また近年、話題になっている物価上昇や円安などによる資産の実質的な目減りも、投資のやり方次第で抑えることも可能だ。

退職金のようにまとまった投資資金も入ってくるため、投資で上手く資産を守りながらも堅実な運用で老後資金の形成につなげていきたい。

60代向け!保有資産における理想的な投資の最適な割合とは

投資と言っても株式や債券、不動産、コモディティなど様々な運用先がある中、何をどのような比率で投資すれば良いのか迷う方も多いのではないだろうか。

複数の資産を組み合わせることをアセット・アロケーションと呼び、構成された組み合わせを投資の世界ではポートフォリオと呼ぶ。

投資では、自分に合ったポートフォリオを考えられるかが成功を左右する。

  • 60代における投資の役割
  • 運用額の決め方
  • 60代に最適な保有資産における投資の割合

以上3つの観点から60代の投資の最適な割合を考えていこう。

60代における投資の役割

60代における投資は、老後の生活を経済的に支える上で重要な役割を果たす。

定年退職後には、収入が大きく減少する一方、生活費や医療費などの支出は続いていく。

公的年金や退職金だけでは生活費を賄うことが難しいこともあるだろう。

老後に必要な資金は、「年金の受給総額と退職金−想定される支出」でおおよその値が導き出せる。

会社員なのか、自営業なのか厚生年金なのか基礎年金のみなのか等、置かれた事情によって老後に必要な資金は、かなり左右される。

ただ、2019年の金融審議会で話題になった老後に2,000万円が不足するという試算が話題になったことも踏まえると余裕を持った老後の備えは必要だろう。

年金や退職金などの不足分を補うためにも投資は欠かせない。

ただし、60代は働ける期間が現役世代に比べて限られてくるため、資産を上手く守りつつ堅実な運用で増やしていく慎重な姿勢も必要となる。

運用額の決め方

60代における投資の運用額を決める際には以下のようなポイントを抑えたい。

  • 現在の貯蓄額
  • 年金や退職金がいくら燃えるのか
  • 必要な生活費
  • 投資に対するリスク許容度

つまり、持っているお金と将来入ってくるお金、そして支出しなければいけないお金がどの程度なのかを検討することが大切だ。

投資の目標リターンが定まることで必要な運用額が見えてくるだろう。

ただし60代の投資には慎重さも必要だ。

必要な生活費やいざというときの備えの資金は投資には使わずに控除しておくべきだ。

無理のない範囲で余剰資金の中から捻出できる範囲で投資をすることが原則だ。

もし、資産運用だけでは賄いきれないとなれば、働く期間を延ばすなど別の方法で資産寿命を延ばす必要もあるだろう。

また投資に対するリスク許容度についても考えておきたい。

投資に回す資金が増えれば増えるほど、資産全体に対する増減の影響は大きくなる。

そのためリスク資産にどの程度、自分の資産を回しても日々、値動きにストレスを感じずに過ごせるのかも長く投資を続ける際には重要だ。

余剰資金で無理のない範囲で目標リターンを達成できるちょうど良い額を探っていくことで、具体的な運用額が決められるだろう。

60代に最適な保有資産における投資の割合

60代の場合、資産を増やすだけではなく守ることも必要だ。

そのため、資産クラスで考えると株式やデリバティブのようなハイリスク・ハイリターンな資産のみでポートフォリオをつくるのは、一般的におすすめできない。

例えば債券のようなリスクが低めの資産の割合も高めておきたい。

リスク許容度と目標とするリターン次第でリスク資産と安全性の高い資産の比率は変わってくる。

60代全ての人に最適なアセット・アロケーションは存在しないが、リスクを抑える観点から債券などのリスクが低い資産を全体の50%程度保有し、リスク許容度や余剰資金が大きくなったら株式などのリターンが狙える資産クラスの比率を高めていくと良いだろう。

60代のための投資戦略

60代は退職前後期と重なる年代で、これまで蓄えてきた貯蓄や退職金を有効活用しながら、老後に備える資金を用意する必要がある。

しかし、現役世代のように働き続けることができる期間は限られているため資産を守るという視点も欠かせない。

多少、損をしても働いて取りかえせる若い世代よりも慎重な態度で投資をするべきだ。

60代の投資戦略を以下3つの観点から解説する。

  • 低リスク投資な資産をポートフォリオに組みこむ
  • 株式や不動産などリスクを伴う投資の扱い方
  • 資産の分散方法と具体的な投資例

特にリスクを抑えた運用をするために資産の配分に気を配ってほしい。

低リスク投資な資産をポートフォリオに組みこむ

図:著者作成

株式だけで構成されたポートフォリオはリスク資産100%だ。

分散投資をすることで、ある程度のリスクは抑えられるが株式市場全体が下げてしまうリスクには無防備だ。

例えばリーマンショックのような株式市場全体が大きく下がってしまうような危機が訪れた場合、いくら株式だけを分散投資しても資産が大きく目減りする恐れがある。

そこで低リスク資産の割合を増やしていくことで投資資金の日々の値動きを和らげ、大きく資産を減らさない戦略が有効だ。

ただし、いくらリスクが不安だからと低リスク資産100%にしてしまうと預貯金をしているのと、ほぼ変わらなくなってしまう。

リスク許容度と目標リターンに応じて、リスク資産と低リスク資産の割合を配分することが大切だ。

株式や不動産などリスクを伴う投資の扱い方

株式や不動産のような債券や預貯金に比べて、値動きが激しい資産クラスはリスクが高いもののリターンを狙える。

リスクを恐れすぎて株式や不動産に投資しないとなると資産形成は難しいだろう。

リスクが高い資産クラスを扱う場合、適度な分散投資がおすすめだ。

例えば個別株投資をする場合でも1つの銘柄に集中投資せず、10銘柄程度に適度に分散するだけでもかなりリスクを抑えられる。

株式で構成された投資信託を買えば分散投資はさらに容易になる。

不動産投資の場合、REITや不動産クラウドファンディングなど小口から投資できる商品もある。

リスクの高い資産クラスは原則、分散投資をすることでリスクをうまく抑えてポートフォリオに組み入れよう。

資産の分散方法と具体的な投資例

最も手軽な分散投資の方法は投資信託やラップ型の投資一任サービスを活用することだ。

例えば人気の投資信託シリーズeMAXIS Slimならば8資産均等型というバランスファンドが販売されている。

  • 国内株式
    • 12.5%
  • 先進国債券
    • 12.5%
  • 新興国株式
    • 12.5%
  • 国内債券
    • 12.5%
  • 先進国債券
    • 12.5%
  • 新興国債券
    • 12.5%
  • 国内リート
    • 12.5%
  • 先進国リート
    • 12.5

このような個人では難しい幅広い資産クラスへの分散投資が、投資信託を買うだけで実現できる。

様々なバランス型ファンドがネット証券などで簡単に購入できるため、リスク許容度と目標リターンに応じて理想とするポートフォリオに近いバランス型の投資信託を探してみるのがおすすめだ。

リスク許容度と目標リターンに合った投資信託を選ぶのが難しいという人は、ラップ型の投資一任サービスを検討してみるのも手だ。

リスク許容度や目標リターン、運用できる額に応じたポートフォリオで投資を任せることができる。

大手証券や銀行などの投資一任サービスなら最低投資額が数百万円程度、必要になる。

そこまで投資資金をいきなり用意できないという人は、簡易的なロボアドバイザー型のサービスを利用してみるのも有効だろう。

60代の投資割合と戦略は誰に相談するべきか

投資でどのような割合のポートフォリオを組むかは難しい問題だ。

特に資産を守るという視点も大切な60代に最適なポートフォリオや具体的な投資戦略を一人で考えるのは専門的な知識と経験が必要だ。

そこで専門家に相談することをおすすめする。

なぜ専門家に相談するべきなのか

60代の投資戦略をするには以下のことをする必要がある。

  • 必要な老後資金の把握
  • 目標となるリターンの設定
  • 許容できるリスクの設定
  • リスクとリターンのバランスを踏まえたポートフォリオの作成

これらを全て実行するためには、資産運用の専門知識や家計の資金計画を立てられるだけの経験と専門知識がなければ難しい。

投資未経験の人が手間と時間をかけて自分なりに投資戦略を考えたとしても、本当にうまくできるだろうか。

自分では気づかない問題やリスクを抱えたまま投資をはじめてしまう恐れもあるだろう。

専門家に相談すれば一般論ではなく、60代のあなたに最適な投資戦略や資金計画のアドバイスがもらえる。

大切な資産を失わないためにも専門家に相談して、取る必要のないリスクを避けて効果的な投資をするべきだ。


IFAとは何か 

IFAとは独立系ファイナンシャルアドバイザーのことだ。

証券会社や銀行などの特定の金融機関に所属せず、中立な立場で投資の提案ができるところに強みがある。

IFAは金融商品仲介業で金融機関と直接の雇用関係にはないが、投資家と証券会社等との間に入って取引の仲介をしてくれる。

直接、金融機関に雇用されているアドバイザーは、金融機関の営業方針に縛られてしまうため、顧客と利益相反する提案をせざるを得ないこともある。

IFAならば、そのような営業方針から自由な立場で投資家の利益を最優先にした提案をしやすい。

60代で投資の相談をするなら、中立な立場から顧客の利益を最優先に考えてくれるIFAがおすすめだ。

IFA検索サービス「資産運用ナビ」がおすすめ

IFAが身近にいないという60代の方も多いのではないだろうか。

そこで活用してほしいサービスが「資産運用ナビ」だ。

投資家とIFAをつなげるサービスで使い方はとても簡単だ。

年齢や相談したい悩みなどの必要事項をフォームに入力すれば、おすすめのIFAのプロフィールが閲覧できる。

そして、IFAの得意分野や経歴などを確認の上、気になるアドバイザーがいれば対面もしくはオンラインで面談ができる。

60代の投資について専門家に相談したいという方は、「資産運用ナビ」を活用してアドバイザーを探してみてはいかがだろうか。

60代の投資割合や戦略はIFAに聞いてみよう

本記事では、60代で投資を始めたい人が気になる同年代の投資家の割合や近年の推移について解説した。

また、資産形成とリスク管理について60代の投資家が気をつけるべきポイントについても触れた。

しかし、本記事の内容は一般論のため、より詳しい説明やあなたに適したアドバイスを希望するならIFAに相談してみてほしい。

より具体的で詳しい説明を投資のプロから直接、聞ける。

IFAを探すなら「資産運用ナビ」を活用してほしい。きっとあなたに合ったアドバイザーが見つかるはずだ。

60代の投資の割合に関するQ&A

60代での理想的な運用額はどのくらいですか?

60代の理想的な運用額は、個別具体的に判断する必要がある。

年金や退職金、老後に必要な資金次第で理想的な運用額が左右されてしまうからだ。

リスク許容度によっても変わってしまうだろう。

そのため60代のあなたにとって理想的な運用額はIFAに相談してみよう。

60代の投資で特に考慮するべきリスクは何ですか?

資産を大きく失うリスクは避けるべきだろう。

働ける期間が現役世代に比べて短いことを考えると損を働くことで取り返すことが難しいためだ。

資産運用で失った損を資産運用だけで取り返すのは時間もかかり難しいだろう。

大きな損を避ける手堅い投資をおすすめする。

60代から投資を始める際、資産クラスごとの割合を決める方法を教えてください。

投資の世界には有名な方法として「100―年齢=リスク資産の上限」という計算式がある。

この考え方に従えば60歳ならば、100―60でリスク資産は40%程度が目安になる。

ただ60歳と言ってもリスク許容度や投資できる額にかなり幅があるため、IFAに相談してみてほしい。

もっとあなたに合った最適な割合が見つかるかもしれない。

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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