- 退職金運用でよくある失敗やその回避策が知りたい
- 退職金運用を成功させたい
- 退職金運用のリスクを正しく管理したい
退職金としてまとまったお金が手元に入ったことをきっかけに運用を始めようと思う人は少なくない。
しかし、運用方法や運用金額についてよく考えずに安易に運用を始めてしまうと、運用に失敗して後悔してしまうかもしれない。
今回の記事では、退職金運用でよくある失敗例と対策法、退職金運用で注意すべきポイントなどを詳しく解説する。
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退職金運用の失敗例と対策法
まずは、退職金運用でよくある失敗例とその対策について解説していく。
金融機関から勧められた商品にそのまま投資してしまう
退職金運用を検討する際に、まずは銀行や証券会社で相談してみたいと考える人は多いだろう。
しかし、銀行や証券会社などの金融機関から勧められた商品に何も考えずにそのまま投資してしまうと、失敗するリスクが高まる。
特に注意が必要なのは、銀行が提供する退職金運用プランや外貨建ての保険商品だ。
退職金運用プランとは、定期預金と一緒に投資信託やファンドラップなどを購入することで、定期預金の適用金利を上げるという仕組みのプランだ。
「定期預金の金利が高くなるから」と安易に申し込んでしまうと、退職金運用のリスクをよく理解せずに投資を始めてしまうことになり、相場が急に変動した際に大きな損失が発生してしまう可能性もある。
また、外貨建ての保険商品や債券などの商品にも注意が必要だ。
「外貨ベースで元本が保証される」という説明があったとしても、それはあくまで外貨建てでの元本保証に過ぎない。
為替相場によっては、円に戻したときに損失が発生してしまうリスクもある点に注意しよう。
また、投資信託やファンドラップ、保険商品などには申し込み・運用の際に手数料や費用が発生する。
しっかりと理解した上で申し込む分には問題ないが、よくわからずに始めてしまうと思ったよりも運用コストが嵩んでしまい、期待したリターンを得られない可能性もあるだろう。
リスク商品が悪いというわけではなく、購入する金融商品の仕組みやリスクをよく理解せずに投資を始めてしまうことが問題だと言える。
老後の支出を考慮せずに運用を始めてしまう
老後の収支をよく考えずに、「なんとなくこれくらいは大丈夫だろう」と安易に運用額を決めてしまうのも失敗につながりやすい。
退職後は収入が減少するのが一般的で、再就職しない方の場合は年金収入が主な収入源となる。
毎月どれくらいの収入と支出があるかを把握しておかないと、想像以上に貯蓄がすぐになくなってしまい、せっかく始めた運用資金を取り崩さないといけなくなる可能性もある。
加えて、老後に必要なお金は日々の生活費だけではない。
病気やケガ、介護、冠婚葬祭など予期せぬ支出に備えるためにも、すぐに使えるお金を準備しておくのが重要だ。
退職金の運用を始める前に、現在の金融資産と収入・支出を把握して、想定外の支出にも余裕を持って対応できるようにある程度は現金も確保しておこう。
不測の事態に備えられるように、まとめて退職金を運用に回すのではなく「毎年いくらまで購入する」といったように金額を決めて積み立てていくのもおすすめだ。
極端にリスクを恐れてリターンを得られない
資産運用には一般的にリスクが伴う。
適切にリスクを管理して運用を行わないと、せっかくの退職金が減少してしまう可能性もあるだろう。
しかし、極端にリスクを恐れていると、資産運用によってお金を増やすことはできない。
例えば、メガバンクの定期預金の金利は、2024年3月現在で0.002%程度だ。
1,000万円を1年間預けたとしても、得られる利息は税引き前で200円となる。
ネット銀行の定期預金だと0.01%〜0.1%程度の金利がつく場合もあるが、それでも大きく資産を増やす効果は見込めない。
せっかく運用に回せるお金があるのであれば、自分の許容できるリスクの範囲で運用を始めるのをおすすめする。
仮に、1,000万円の資産を投資して、1%・3%・5%の運用利回りで運用ができたとすると、10年後の予想資産額は下記の通りとなる。
運用利回り | 10年後の予想資産額 |
---|---|
1% | 11,046,221円 |
3% | 13,439,164円 |
5% | 16,288,946円 |
もちろん、運用利回りが高いほど予想資産額も大きくなるが、リスクを抑えた年1%の運用でも10年後には約100万円も資産を増やせる可能性がある。
資産運用には当然リスクを伴うが、適切にリスクを管理して運用を行えば、老後の生活に向けて効果的にお金を増やしていけるだろう。
退職金運用で失敗しないための注意点
退職金で投資を行う際は、いくつか注意したいポイントがある。順番に確認していこう。
退職金運用は安全な投資法を選択しよう
退職金で運用を行う際は、適切にリスクを管理することが重要だ。
退職金は老後の生活を豊かに送るための大切な資産であるため、むやみにリスクの高い金融商品を購入するのはおすすめしない。
まずは、どのくらいの金額を資産運用に回すのかを決め、どのくらいのリスクを取って運用するかを考えていこう。
リスクとリターンは表裏一体の関係にあるため、リスクを抑えると得られるリターンも小さくなる。逆に、高いリターンを求めるとリスクも大きくなるため注意しよう。
例えば、最もリスクの低い運用方法としては「預貯金」が挙げられる。
預貯金での運用は、元本が保証されるため安心感があるが、利息も非常に低いため運用益はほとんど期待できない。
次にリスクが低いと言われるのが「債券」だ。
債券には、国債や地方債、社債などの種類があるが、国が元本や利息の支払いを行う国債が最も低リスクだと言われている。
運用期間と運用利回りがあらかじめ決まっているため、定期預金と似た仕組みとなっており、投資の初心者にも適しているだろう。
「投資信託」は、複数の金融商品をパッケージ化した金融商品で、銘柄によってリスク・リターンはさまざまだ。
手軽に複数の資産に分散して投資ができるというメリットがある。
「株式」は、一般的な金融商品の中ではハイリスクだと言われている。
銘柄によって値動きの要素が大きく異なり、相場の予測も難しいためだ。
銘柄によっては資産が数倍に膨れ上がる可能性もあるが、逆に大きな損失が発生する可能性もある。
「債券を中心として1割程度は投資信託で運用する」「投資信託と個別株の割合を半々で運用する」など、自分の許容できるリスクに合わせて運用のイメージを持つことが大事だ。
退職金運用における分散投資の重要性
資産運用のリスクを管理するという観点では、「分散投資」が重要となる。
分散投資は、複数の資産や銘柄に資産を分けて投資するという投資手法だ。
一つの銘柄のみに投資を行っていると、その銘柄が大きく下落した際に、資産全体が大きなダメージを受けてしまう。
しかし、複数の銘柄に分けて投資を行うことで、損失の大きさを限定しつつ、他の銘柄の値動きでダメージをカバーしやすくなるのだ。
退職金運用における短期的な市場変動への対処法
金融商品の価格は常に変動しているため、短期的な目線でみると資産の価格はマイナスになることもあるだろう。
しかし、退職金運用を行う際は、短期目線で一喜一憂するのではなく、長期目線でどのくらい利益・損失が出たかをチェックするのが大事だ。
数日スパンで資産価格が5%下落したとしても、1年経過した後に10%上昇していれば、運用成績は順調だと言える。
長期目線で運用を行う際に大事なのは、投資するタイミングも分散するということだ。
一度にまとめて投資するのではなく、複数回に分けて投資することで、高値で大量に購入してしまうことを防ぎやすくなる。
NISA口座などを活用した積立投資もおすすめだ。
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退職金運用に失敗しないためにリスクはどのように管理すべきか
退職金運用のリスクを管理するための具体的な方法を紹介していく。
退職金運用で想定されるリスク
退職金を運用する際に想定されるリスクには、下記のようなものがある。
価格変動リスク | 投資したときよりも価格が変動するリスク |
---|---|
金利変動リスク | 金利が変動することによって債券価格が変動するリスク |
信用リスク | 投資した会社が破綻してしまうリスク |
為替変動リスク | 為替相場の変動によるリスク |
カントリーリスク | 投資した国や地域独自の理由で生じるリスク |
リスクの種類や大きさは、金融商品によって異なるため、投資を始める際はどのようなリスクがあるかをきちんと認識しておこう。
リスクを管理しつつ効果的に運用するための方法としては「長期・積立・分散」が挙げられる。
これは世界的にも資産運用の王道とされる考え方だ。
世界の経済に対して資産を分散してコツコツと投資を継続することで、中長期的に世界経済の成長率を上回るリターンを目指すという考え方だ。
投資タイミングや投資資産を分散してリスクを抑えつつ、積立投資を長期で実践することで、リスク・リターンのバランスをとって運用しやすくなるだろう。
自分のリスク許容度の把握
退職金運用におけるリスクを管理するためには、自分のリスク許容度を把握するのも重要だ。
リスク許容度とは、自分がどれだけリスクを許容できるかという水準のことだ。
例えば、20代で独身の人が老後に向けて資産運用を行う場合、ある程度積極的にリスクを取った運用も可能だろう。
一方、定年退職後に退職金で資産運用を行うという人の場合は、前者よりも取れるリスクは低くなるのが一般的だ。
リスク許容度は、個人の年齢や性格、収支状況、金融資産などによって異なるため、「自分はどれくらいの損失までは許容できそうか」を考えてみるのをおすすめする。
運用計画の策定と定期的な見直し
自分のリスク許容度を把握したら、リスク許容度に基づく適切な運用計画を策定しよう。
「どのくらいの金額をどのような資産にどんな割合で投資するか」という計画を立てて運用を行うことで、偏った運用になるのを防ぎつつ、安定的に運用を継続しやすくなる。
「投資信託50%:債券50%」「インデックスファンド70%:アクティブファンド30%」などといったように、運用ニーズに合わせて投資する金融商品を決めよう。
運用計画に従って投資を始めた後は、定期的にリバランスや投資計画の見直しを行う必要がある。
金融商品の価格は常に変動しているため、時間の経過に応じて資産配分も変わっていくためだ。
半年に一度など、定期的なタイミングで配分比率をチェックして、理想とする配分からずれている場合は商品の入れ替えを行って元の配分に戻すように調整しよう。
退職金運用で失敗したくないなら誰に相談するべき?
退職金運用を始める際は、自分に合った専門家に相談するのがおすすめだ。
退職金運用に関する専門家の重要性
退職金運用について重要なのは「自分のリスク許容度を把握する」ということと「リスク許容度や運用ニーズに適した運用計画を立てる」という点だ。
自分のリスク許容度を把握して、それに合った運用計画を立てるためには、金融商品の仕組みやリスクに対する正しい知識が必要となる。
そのため、自分に合った適切な運用計画を立てるためには、資産運用の専門家の手助けは不可欠だと言えるだろう。
資産運用の専門家に運用計画についてアドバイスを求めることで、老後の生活を支える退職金運用についても安心して行えるはずだ。
自身に適した専門家の判断基準
自分に合った専門家がどうかを判断する際は、以下のポイントに注目しよう。
- 担当者の実績・経歴
- 対応可能な業務範囲・保有資格
まずは、担当者の実績や経歴に注目しよう。「資産運用の専門家としてどの程度の期間活動しているのか」「金融に関する職業をどのくらい経験しているのか」を確かめるのが大事だ。
また、自分と似たような属性の顧客を多く担当してきたかも、自分に適した専門家かどうかの判断基準となるだろう。
加えて、対応可能な業務範囲もしっかりとチェックするのをおすすめする。
できれば、一般的な資産運用のアドバイスだけではなく、具体的な金融商品の提案や仲介まで一気通貫で行える相談先の方がより専門的なレベルのアドバイスを期待できる。
この他、サービス内容や報酬形態なども併せて確認すると良いだろう。
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退職金運用でよくある失敗例としては、「勧められたものにそのまま投資してしまう」「受け取った退職金をまとめて投資してしまう」「リスクを恐れて定期預金にすべて預けてしまう」などといったことが挙げられる。
退職金運用で失敗しないためには、自分の許容できるリスクや金融商品の仕組みをしっかりと把握して、老後に向けた適切な運用計画を立てることが重要だ。
リスクを管理して運用するためには「長期・分散・積立」投資の考え方が基本となる。
複数の資産や銘柄に分散して投資を行いつつ、長期目線で投資を継続することで、短期的な価格のブレにも一喜一憂せずに投資を継続できるだろう。
ただし、退職金運用の最適解は人によって異なる。
そのため、自分にとって最適な運用方法を見つけるためには、専門家への相談を推奨する。
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