資産運用は40歳からでも遅くない!40代のための新NISA活用法と失敗しないコツ

この記事で解決できるお悩み
  • 40代におすすめの投資法が知りたい
  • 40代からの資産運用を成功させたい
  • 初心者でも取り組める運用法や投資のコツが知りたい

40代は、子どもの教育費負担がピークを迎えやすい一方で、自身の老後資金準備も本格化しやすい重要な時期だ。

「今から始めても遅いのでは?」と不安を感じる方も多いだろう。

しかし結論から言えば、40代からの資産運用は決して遅くない。平均寿命が80歳を超える水準の現代では、40代からでも20〜30年以上の運用期間を確保しやすい。

この記事では、40代が資産運用を成功させるためのロードマップ、目的別のおすすめ資産運用法、具体的なポートフォリオ例まで徹底解説する。この記事を読み終える頃には、あなたの家庭に最適な投資額と商品が整理しやすくなるはずだ。

資産運用の相談先に悩む方はこちらの記事をチェック

目次

40代から資産運用を始めても遅くない理由

「40代から始めるのでは遅すぎる」という不安は、過度に心配しすぎる必要はない。

むしろ、今すぐ始めやすいタイミングでもある。

証券アナリスト 平行秀

40代は、家計の見直しやライフプラン設計が必要になる時期です。
このタイミングで資産運用を始めることは、今後の老後資金や教育資金の準備にも直結します。
現実的な収支の把握とリスク許容度を踏まえたポートフォリオ設計が鍵となります。

40代で資産運用を始めるべき3つの理由

40代が今すぐ資産運用を始めるべき理由は3つある。

理由1:運用期間は十分にある

厚生労働省「令和6(2024)年簡易生命表を公表します」(2025年7月25日公表)によると、日本人の平均寿命(0歳の平均余命)は男性81.09年、女性87.13年で、前年差は男性△0.00年(横ばい)、女性△0.01年だ。40代から始めても20〜30年以上の運用期間を確保しやすい

長期運用による複利効果(=利息が利息を生み、雪だるま式に資産が増えること)を十分に活かせる期間だ。

理由2:収入が安定し投資余力がある

40代は収入が安定しやすい時期でもある。

住宅ローンや教育費の負担はあるものの、計画的に余剰資金を投資に回せる年代だ。

理由3:税制優遇制度が充実

2024年からの新NISAやiDeCoなど、税制優遇制度が充実している。

これらを活用することで、効率的な資産形成が可能だ。

40代が資産運用の前にやっておくべきこと

40代の資産運用では、始める前に以下の2点を必ず確認しよう。

  • 生活防衛資金の確保
    生活費の6ヶ月〜1年分は現金で確保する(例:毎月の生活費が30万円のご家庭なら、180万〜360万円が目安)
  • 家計の見える化
    収入・支出・資産・負債を把握し、投資に回せる余剰資金を算出する

これらが整っていないと、いざという時に投資資産を取り崩すことになり、長期運用のメリットを活かせなくなってしまう。

生活防衛資金の確保

生活費の6ヶ月〜1年分は、いつでも引き出せる現金(普通預金など)で確保しておこう。

これは、病気やケガ、失業など予期せぬ事態に備えるための資金だ。

生活防衛資金がないまま投資を始めると、緊急時に投資資産を売却せざるを得なくなる。市場が下落しているタイミングで売却すれば、損失を確定させてしまうことになる。

家計の見える化

収入・支出・資産・負債を把握し、毎月いくら投資に回せるかを算出しよう。家計簿アプリなどを活用して、固定費と変動費を整理するのがおすすめだ。

このタイミングで、保険料や通信費、サブスクリプションなど固定費の見直しも行うとよい。不要な支出を削減できれば、その分を投資に回すことができる。

投資は余剰資金で行うのが鉄則だ。

生活費や近い将来に使う予定のお金を投資に回してしまうと、市場の下落時に売却を余儀なくされ、損失を確定させてしまうリスクがある。

40代の資産運用を成功させる4つのステップ

40代が資産運用を始める際は、以下の4ステップで進めよう。

いきなり商品を選ぶのではなく、まず「設計」から始めることが成功のカギだ。

ステップ1:資産運用の目的を明確にする

まず、資産運用の目的を明確にし、お金を「使う時期」ごとに分けて管理することが重要だ。

目的が曖昧なまま投資を始めると、必要な時にお金が足りなかったり、逆に使う予定のないお金を過度に安全資産で持ち続けたりと、非効率な運用になりやすい。

40代が管理すべきお金は、大きく以下の4つに分類できる。

  • 教育資金:5〜10年以内に使う予定のお金(大学入学費用など)
  • 老後資金:20年以上先に使うお金
  • 近い将来の出費:車の買い替え、リフォームなど5年以内に使うお金
  • 生活防衛資金:緊急時のための現金(生活費6ヶ月〜1年分)

たとえば、「老後資金として2,000万円を25年後までに準備したい」「10年後の大学入学費用として500万円を確保したい」といった形で、具体的な金額と時期を設定しよう。

老後資金なら株式中心でリターンを狙い、教育資金ならリスクを抑えた運用が適している。

この「使う時期で分ける」という発想が、40代の資産運用成功のカギだ。

ステップ2:自分のリスク許容度を把握する

次に、自分がどの程度のリスクを取れるかを把握しよう。

リスク許容度とは、投資で損失が出た場合にどの程度まで耐えられるかという度合いのことだ。

リスク許容度は人によって異なり、以下のような要素で判断する。

判断要素リスク許容度が高いリスク許容度が低い
投資経験ありなし
運用期間長い(15年以上)短い(10年未満)
資産額多い少ない
扶養家族なし/少ないあり/多い
近い将来の
大きな支出
予定なし予定あり

リスク許容度が高い方は、株式中心のポートフォリオで高いリターンを狙うことができる。まずは「どれくらいの値下がりまで耐えられるか(リスク許容度)」を基準に配分を決めよう。

一方、リスク許容度が低い方は、債券や預貯金の比率を高めた安定重視の運用が適している。

※期待リターンは市場環境や資産配分、手数料等で変動するため一律に断定できない。資産配分とリスク許容度に応じて判断することが大切だ。

自分のリスク許容度がわからない場合は、専門家に相談するのも一つの方法だ。客観的な視点から、適切なリスク水準を判断してもらえる。

ステップ3:NISA・iDeCo・預貯金を使い分ける

目的とリスク許容度が決まったら、次は「どの口座で運用するか」を考えよう。

NISA・iDeCo・特定口座・預貯金にはそれぞれ特徴があり、目的に応じて使い分けることで税制優遇を最大限に活用できる。

口座特徴向いている目的引き出し
新NISA運用益非課税、年間360万円まで教育費・老後資金いつでも可
iDeCo掛金全額所得控除、運用益非課税老後資金原則60歳まで不可
特定口座NISA枠超過分の運用余剰資金の運用いつでも可
預貯金元本保証生活防衛資金・5年以内の出費いつでも可

金融庁「NISAを知る」によると、新NISAの年間投資枠は「つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円=合計360万円」で、非課税保有限度額(総枠)は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円)だ。

iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)によると、iDeCoは掛金全額が所得控除になるなど税制上の優遇措置がある一方、原則として60歳になるまで資産を引き出せないため、使う時期が決まっている資金には向かない。

迷ったら、教育費など途中で使う可能性があるならNISA、絶対に使わない老後資金ならiDeCoを優先しよう。

どの口座を選ぶか悩んだ際は、以下の順番で使用するとよい。

基本的な優先順位

  1. 生活防衛資金を現金で確保
  2. 新NISAのつみたて投資枠
  3. iDeCo
  4. 新NISAの成長投資枠
  5. 特定口座

まずは生活防衛資金を確保し、その後に新NISAのつみたて投資枠から始めるのが王道だ。

余裕があればiDeCoも併用し、それでも投資余力があれば成長投資枠や特定口座を活用しよう。

ステップ4:年に1回は運用状況を見直す

資産運用は「設定して終わり」ではない。年に1回は見直しを行おう。

  • リバランス
    当初の資産配分比率からずれていたら調整する
  • ライフイベントの確認
    子どもの進学、住宅ローンの状況変化などに応じて戦略を調整
  • リスク許容度の再評価
    年齢が上がるにつれ, 徐々にリスクを下げる方向で調整

【目的別】40代におすすめの資産運用方法

運用期間によって、適切な投資方法は大きく異なる。

「老後資金」「教育資金」「5年以内に使うお金」の3つに分けて、それぞれに最適な運用方法を解説する。

老後資金(20年以上先)はインデックス積立が基本

おすすめの運用方法
  • 全世界株式インデックスファンド(オールカントリー)への積立投資
  • 新NISAのつみたて投資枠とiDeCoを併用
  • 株式比率70〜80%程度のポートフォリオ

20年以上の運用期間があれば、株式中心のインデックス投資(=日経平均などの指数と同じ動きを目指す、低コストで平均点を狙う手法)が代表的な選択肢だ。

株式は短期的には値動きが大きいものの、長期で保有すれば価格変動のリスクを吸収しやすく、預貯金や債券よりも高いリターンが期待できる。

おすすめは、全世界株式インデックスファンドへの積立投資だ。1本で世界中の株式に分散投資でき、手間をかけずに市場全体の成長を取り込める。

新NISAのつみたて投資枠とiDeCoを併用すれば、税制優遇を最大限に活かしながら効率よく資産を増やせる。

iDeCoは所得控除による節税効果もあるため、老後資金の準備には特に有効だ。

積立額のシミュレーション(年利5%想定・税・手数料考慮なし)

毎月の積立額20年後の資産額うち運用益
1万円約411万円約171万円
3万円約1,233万円約513万円
5万円約2,055万円約855万円

※上記は年利5%で運用できたと仮定した場合のシミュレーションであり、税金・手数料は考慮していない。実際のリターンは市場環境により変動する。

上のシミュレーションのとおり、月3万円の積立でも20年続ければ運用益は概算で500万円以上となる計算だ

長期運用では複利効果が大きく働くため、早く始めるほどその恩恵を受けられる。

教育資金(5〜10年先)はリスクを抑えた運用を

おすすめの運用方法
  • バランス型ファンド(株式50%:債券50%程度)
  • 新NISAのつみたて投資枠を活用
  • 使う時期が近づいたら、徐々に現金比率を高める

教育資金は「10年後に大学入学費用として300万円」など、いつ・いくら必要かが比較的明確な支出だ。

ただし、運用期間が10年程度と限られるため、老後資金ほどリスクは取れない。

株式100%のポートフォリオだと、使うタイミングで市場が下落していた場合、元本割れのまま取り崩すことになりかねない。

そこでおすすめなのが、株式と債券を半々程度で組み合わせたバランス型ファンドだ。値動きを抑えながらも、預貯金よりは高いリターンを狙える。

また、使う時期が近づいてきたら徐々に現金比率を高めることも重要だ。「あと5年」を目安に、新規の積立先を安全資産へ切り替えていこう。

5年以内に使うお金は運用せず現金で確保

おすすめの運用方法

「基本的に運用しない」が大前提。
以下へ預けるのがおすすめ

  • 普通預金・定期預金
  • 個人向け国債(変動10年)
  • ネット銀行の高金利定期預金 など

車の買い替えやリフォームなど、5年以内に確実に使う予定のお金は、基本的に運用すべきではない

理由はシンプルで、運用期間が短いと価格変動のリスクを吸収しきれないからだ。

たとえば投資した直後に市場が20%下落した場合、5年では回復しきらない可能性がある。必要なタイミングで必要な金額を用意できなければ本末転倒だ。

こうしたお金の置き場所としては、普通預金・定期預金が基本となる。

少しでも金利を得たい場合は、個人向け国債(変動10年)やネット銀行の高金利定期預金を検討しよう。財務省「個人向け国債の発行条件等」(2026年2月4日公表)によると、個人向け国債は募集の価格・償還金額が額面金額(100円につき100円)とされている。発行から1年経過後(第2期利子支払日以後)であれば中途換金が可能だが、中途換金時には中途換金調整額(直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685)が差し引かれる点に注意しよう。

利回りは低くなるが、5年以内に使うお金は元本保証を最優先しよう。わずかなリターンを求めてリスクを取るより、確実に必要額を確保することが大切だ。

40代におすすめの運用ポートフォリオ3選

リスク許容度や目的に応じた、3つのポートフォリオ例を紹介する。自分の状況に近いものを参考に、資産配分を考えてみよう。

成長重視型ポートフォリオ

※15年以上の長期運用が前提だ。一時的に資産が30%以上減る可能性も受け入れられる方向けのポートフォリオである。

老後資金の準備を最優先し、大きな資産成長を目指すポートフォリオ。

株式比率を高めに設定し、長期的な成長を狙う。

資産クラス配分比率
国内株式20%
先進国株式50%
新興国株式10%
国内債券10%
先進国債券10%

株式比率は80%で、成長性を重視した配分だ。

株式は国内・先進国・新興国に分散し、特定の地域に依存しない構成にしている。新興国株式を10%組み入れることで、これからの経済成長も取り込める。

債券を20%組み入れることで、株式市場が下落した際のクッションになる。株式100%よりも値動きがマイルドになり、精神的にも続けやすい。

向いている人

  • 扶養家族が少ない
  • 資産に余裕がある
  • 運用期間20年以上
  • 投資経験がある
  • 多少の値動きに動じない

バランス型ポートフォリオ

成長と安定のバランスを取り、着実な資産形成を目指すポートフォリオ。

40代の投資初心者にもおすすめできる、王道の配分だ。

資産クラス配分比率
国内株式15%
先進国株式35%
国内債券25%
先進国債券25%

株式と債券を50%ずつ組み合わせた、教科書的なバランス配分だ。

株式で成長を狙いつつ、債券で値動きを抑える効果がある。

この配分(株式50%・債券50%)で、仮に株式部分が30%下落し債券部分が横ばいだとすると、全体の下落は概ね15%(=30%×50%)に抑えられる計算だ。ただし、金利上昇局面など債券価格も同時に下落する場合は、全体の下落幅が拡大し得る点には留意しよう。

リスクを取りすぎず、かといってリターンも諦めない、バランスの取れた運用ができる。

【向いている人】

  • 子どもの教育費と老後資金の両方を準備したい
  • 投資初心者
  • 運用期間が15年程度ある
  • 大きな損失は避けたい

安定重視型ポートフォリオ

価格変動を抑え、安定した運用を優先するポートフォリオ。

近い将来に大きな支出を控えている方や、損失に敏感な方に適している。

資産クラス配分比率
国内株式10%
先進国株式20%
国内債券40%
先進国債券30%

債券比率を70%に高め、安定性を重視した配分だ。

株式は30%に抑えているため、大きなリターンは期待しにくいが、市場が下落しても損失は限定的になる。

大きなリターンは期待しにくいものの、預貯金よりは高い利回りを狙える。「大きく増やす」よりも「減らさない」ことを重視する方に向いている。

【向いている人】

  • 近い将来に大きな支出がある
  • 損失に敏感
  • 運用期間が10年程度
  • 投資経験がない

40代が避けるべきNGポートフォリオとは

以下のような配分は避けよう。

知らず知らずのうちに陥りやすい失敗パターンだ。

NG1:一つの銘柄・資産に集中

「この会社は絶対に成長する」と思って、個別株1社に全額投資するのは危険だ。

どんな優良企業でも、業績悪化や不祥事で株価が急落するリスクはある。必ず複数の銘柄・資産に分散しよう。


NG2:目的の異なるお金を混在

教育費と老後資金を同じ口座・同じ配分で運用するのは非効率だ。

教育費は使う時期が決まっているため、老後資金とは別に管理し、リスクを抑えた運用をすべきだ。


NG3:設定後の放置

一度設定して何年も見直さないと、配分が大きくずれてリスクが増大することがある。

年に1回はリバランスを行い、当初の配分に戻そう。


NG4:SNSで流行っている特定の個別株への集中投資

40代は失敗した時のリカバリー時間が限られているため、SNSの話題だけで特定の個別株に集中投資するのは避けるべきだ。

ギャンブル的な投資ではなく、分散投資を基本に据えよう。

40代の資産運用で失敗しないためのコツ

資産運用で成功するには、よくある失敗パターンを知り、事前に対策を講じることが重要だ。

よくある失敗パターンと対策

失敗パターンなぜ起きるかどう対策するか
暴落時の
パニック売り
下落に不安を感じて売却「安く買えるチャンス」と捉える
高値での
一括投資
「今がチャンス」と焦る積立投資で時間分散する
情報に
振り回される
SNSやニュースに反応自分のルールを決めて従う
失敗1:暴落時のパニック売り

40代の資産運用でとくに多いのが、暴落時のパニック売りだ。

市場が下落すると「もっと下がるかも」と不安になり、保有資産を売却してしまう。

しかしこれは「安く売る」ことを意味し、損失を確定させる行為だ。長期投資では、下落局面こそ「同じ金額でより多く買える」チャンスと捉えたい

失敗2:高値での一括投資

また、「今がチャンス」と思ってまとまった資金を一度に投資するのも危険だ。

その直後に下落すれば、大きな含み損を抱えることになる。積立投資で購入タイミングを分散すれば、高値掴みのリスクを軽減できる

失敗3:情報に振り回される

SNSやニュースの情報に振り回されるのも、よくある失敗だ。

「おすすめ銘柄」を見て飛びついたり、悲観的な報道で慌てて売却したりすると、結果的に損をしやすい。

最初に自分の投資方針とルールを決め、それに従うことが重要だ。

資産運用を長く続けるための仕組みづくり

投資で最も重要なのは「続けること」だ。

相場の上げ下げに一喜一憂せず淡々と続けるために、感情に頼らない仕組みを作っておこう。

仕組み効果
自動積立の設定毎月自動で買付け、感情に左右されず継続できる
投資ルールの明文化「下落時も売らない」など決めておけば迷わない
情報源を2〜3個に絞るノイズを減らし、冷静な判断を保てる
チェックは月1回程度毎日見ると感情が揺さぶられる

とくに効果が高いのが、自動積立の設定だ。

一度設定すれば、相場がどう動こうと毎月同じ金額を淡々と投資できる。「今月は下がっているから買い増そう」「上がっているから様子を見よう」といった判断を挟む余地がなくなり、結果的に長く続けやすい。

また、投資ルールをあらかじめ紙に書き出しておくのもおすすめだ。

「〇〇%下落しても売らない」「年1回だけリバランスする」など明文化しておけば、いざという時に感情で判断せずに済む。

情報源を絞ることも重要だ。

信頼できる情報源を2〜3個に限定し、それ以外のノイズは遮断しよう。また、毎日の値動きをチェックすると感情が揺さぶられるため、確認は月1回程度で十分だ。

40代の資産運用は専門家に相談するのがおすすめ

40代の資産運用は、投資商品選びだけでなく「設計」が重要だ。

家計全体を見渡し、目的別に最適な戦略を立てるには、専門家のサポートが有効である。

専門家に相談するメリット

資産運用の専門家に相談すると、以下のようなことが整理できる。

自分一人で悩んでいた問題が、1〜2回の相談でクリアになることも多い。

  • 積立額の決定
    家計状況を分析し、無理なく続けられる金額を算出してもらえる
  • 資産配分の最適化
    目的・期間・リスク許容度に合ったポートフォリオを設計してもらえる
  • 税制優遇の活用
    NISA・iDeCoの使い分け、節税効果の最大化をアドバイスしてもらえる
  • 家計の最適化
    固定費の見直し、投資余力の捻出についても相談できる
  • リスク管理
    保険の過不足チェック、万一の備えの整備までサポートしてもらえる

とくに40代は、教育費・住宅ローン・老後資金が重なり、お金の優先順位をつけるのが難しい時期だ。

専門家に相談することで、限られた資金を最も効率よく配分する方法が見えてくる。

資産運用を続けるために「守り」も整えよう

投資は「攻め」の資産形成だが、継続するためには「守り」も重要だ。

ここで言う「守り」とは、万一の事態に備えた保険や生活防衛資金のことである。

万一の病気やケガ、死亡時に備えた保険が適切でないと、いざという時に投資資産を取り崩す必要が出てくる。これでは長期投資のメリットを活かせない。

たとえば、入院や手術で急に100万円が必要になり、含み損を抱えた投資信託を売却せざるを得ない、といった事態は避けたい。

一方で、保障が過剰でも問題だ。

必要以上に高い保険料を払っていると、その分だけ投資に回せるお金が減ってしまう。40代は保険料が上がりやすい時期でもあるため、保障の過不足を点検することが重要だ。

資産運用と保険の見直しを一体で相談できる専門家を選ぶことで、「攻め」と「守り」を一気通貫で設計できる。投資を安心して続けられる土台を整えよう。

40代の資産運用は専門家と二人三脚で進めよう!

40代で資産運用を始めれば、20年から30年の投資期間を確保できる。

十分な老後の資金の準備をするなら、ある程度収支のバランスが安定してくる40代から資産運用をスタートさせることが重要だ。

40代におすすめの運用法と投資のコツとは、「長期・分散・積立投資」を基本とし、長いスパンでリスクを分散しながら、無理のない金額で積立を続けることだ。

そして、自分にぴったりの運用方法を効率よく見いだし、必要に応じて軌道修正しながら資産を大きく育てるなら、専門家に相談しながら進めることをおすすめする。

証券アナリスト 平行秀

40代は将来に向けた資産形成を本格的に始める絶好のタイミングです。また、将来のための資産形成を本格化させる好機でもあります。
ご自身のライフプランに合った運用設計とリスク管理で、安心して長期的に投資を続けられます。

40代の資産運用に関するQ&A

40代の平均的な貯蓄・負債の状況はどうなっていますか?

総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2024年(令和6年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」(2025年5月16日公表)によると、世帯主が40〜49歳の世帯では、貯蓄現在高は1,314万円、負債現在高は1,445万円で、平均では純貯蓄額は▲131万円(負債超過)となっている。

世帯主40〜49歳(二人以上の世帯)
貯蓄現在高1,314万円
負債現在高1,445万円
純貯蓄額▲131万円(負債超過)

40代は住宅ローンの返済期間中であることが多く、負債保有世帯割合は69.0%に達する。純貯蓄がマイナスだからといって「手遅れ」というわけではなく、住宅ローンの影響が大きい。金利・返済計画・緊急資金の確保を整理したうえで、投資に回せる余剰資金を算出しよう。

※ 出典:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2024年(令和6年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」(2025年5月16日公表)図III-1-1

新NISAとiDeCoはどちらを優先すべき?

結論から言えば、資金の自由度を優先するなら「新NISA」が先だ。ただし、所得税が高い方はiDeCoの節税メリットが大きくなる。

新NISAを優先する理由は以下の3点だ。

  • いつでも引き出せる(iDeCoは60歳まで原則不可)
  • 非課税枠が大きい(年間360万円、生涯1,800万円)
  • 商品の選択肢が広い

新NISAはいつでも引き出せるため、教育資金など途中で使う可能性があるお金にも活用できる。一方、iDeCoは60歳まで引き出せないため、老後資金専用と割り切る必要がある。

ただし、所得が高く節税メリットを最大化したい場合は、iDeCoを優先する選択肢もある。iDeCoの掛金は全額所得控除になるため、所得税・住民税の節税効果が大きい。自分の年収や家族構成に応じて判断しよう。

40代の資産運用初心者は何から始めればいい?

投資初心者は、以下の順序で始めることをおすすめする。

  1. 生活防衛資金(生活費6ヶ月〜1年分)を現金で確保する
  2. 証券口座を開設する(新NISA対応のネット証券がおすすめ)
  3. 全世界株式インデックスファンドを月1万円から積立開始
  4. 慣れてきたら積立額を増やす

最初から完璧を目指す必要はない。まずは少額から始めて、投資に慣れることが大切だ。市場の値動きを実際に体験することで、自分のリスク許容度もわかってくる。

「商品選びや金額設定に自信がない」「自分に合った運用方法を知りたい」という方は、専門家に相談するのも一つの方法だ。初めの一歩を踏み出すサポートをしてもらえる。

40代におすすめの投資信託の選び方は?

40代の長期投資には「全世界株式インデックスファンド」が代表的な選択肢だ。

1本で世界中の株式に分散投資でき、銘柄選びに悩む必要がない。

投資信託を選ぶ際は、以下の3点を基準にしよう。

  • 信託報酬が低い:年0.1%台以下が目安。長期運用では、わずかなコスト差が大きな違いを生む
  • 純資産総額が大きい:100億円以上が目安。規模が小さいと繰上償還(運用終了)のリスクがある
  • インデックス運用:市場平均に連動し、アクティブ運用よりコストを抑えられる

具体的な商品名は時期によって変わりうるため、上記の基準で自分で選ぶ力をつけることが重要だ。迷ったら、新NISAのつみたて投資枠の対象商品から選べば、一定の基準をクリアした商品に絞られる。

老後に必要な貯蓄額はいくらですか?

老後資金の必要額は「生活費−(年金等の収入)×期間+医療・介護・住居費」で算出するため、家庭状況により大きく変わる。

参考として、総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2024年(令和6年)結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、月次平均で可処分所得が222,462円、消費支出が256,521円で、差額は34,058円の支出超過となっている。

単純計算でこの差額が20年続くと約817万円(=34,058円×12か月×20年)になる。

ただし、これは平均値に基づく一例であり、物価上昇や住居形態(持ち家か賃貸か)、就労の有無、医療・介護の有無によって必要額は大きく変動する。自分自身の前提条件を当てはめて試算することが重要だ。

新NISAを始める場合、毎月いくら積立すればいいですか?

積立金額は下記2つの要素から判断しよう。

  • 運用期間
  • 想定利回り

たとえば、「20年後までに2,000万円を作りたい」という目標があり、年率5%で運用できた(税・手数料を考慮しない)と仮定しよう。この場合、逆算すると毎月の積立金額は約5万円となる。

しかし投資初心者の中には、いきなり毎月数万円の投資は怖いと感じる方もいるだろう。

そのような方は、無理のない月1,000円〜5,000円程度の少額から始めよう。投資の値動きに慣れてきたら、家計と相談しながら月1万円・3万円・5万円と積立金額を徐々に増やしていくのがおすすめだ。

資産運用で失敗する人の特徴は何ですか?

短期間で成果を出そうとする人と、感情でルールを破ってしまう人だ。

運用期間が短くなるほど、相場の短期的な動きや経済状況の変化の影響を受けやすくなる。デイトレードなどで短期的に成果を出せる方もいるが、豊富な知識と正確な相場予想が必要なため、投資初心者が手を出すのは危険だ。

また、本記事の「よくある失敗パターン」でも触れた通り、市場が暴落した際に不安になって「パニック売り」をしてしまったり、SNSの断片的な情報に振り回されて「特定の個別株に集中投資」をしてしまったりするのも、失敗する人の典型的な特徴だ。

資産運用は、最初に決めた「長期・分散・積立」のルールを淡々と守り抜ける人が最後に勝つ世界である。

40代の投資家はどのようなタイミングで運用戦略の見直しをするべきですか?

40代の投資家における運用戦略の見直しは、以下のタイミングで行おう。

  • ライフイベントの発生が想定されるとき
  • 家族構成(扶養家族)に変化があったとき

ライフイベントの発生が想定されるときは、比較的リスクの低い商品で運用し、着実に資産成長を目指すことが重要となる。

今までハイリスクな商品で運用を行っていた場合は、もし損失が出てしまったときに生活に影響を与えないためにも、運用戦略を見直してほしい。

一方で、子どもの独立などで扶養家族が減ることもあるだろう。

扶養家族がいると、リスク許容度は低くなる傾向にあるため、ローリスクな運用戦略をとっているケースが多い。

扶養家族が減ったのであれば、リスク許容度も変化する可能性が高いことから、改めて自分のリスク許容度を評価し、運用戦略を見直すことがおすすめだ。

40代の投資家はどのような専門性を持った資産運用アドバイザーに相談するべきですか?

40代の投資家においては、以下のような専門性をもつアドバイザーに相談すると良いだろう。

  • 退職後の生活に向けたプランニング
  • 最適なポートフォリオの構築とリスク管理
  • 税金対策による運用成果の最大化

上記のような専門性を持つアドバイザーに相談することで、長期的な運用そして資産形成が可能となるはずだ。

参考・出典

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資産運用メディア編集部は、初心者から上級者までが「将来に備える確かな運用判断」を得られるよう、公的統計や最新市場データに加え、自社アンケートを基に中立的な情報を発信しています。記事は資産運用アドバイザーと投資家を結ぶプラットフォーム「資産運用ナビ」を運営するアドバイザーナビ株式会社が監修。おすすめの資産運用やおすすめのIFAなど、読者が自身に最適な資産運用の相談先を見つけることができるよう、適切な情報発信に努めている。