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不動産投資は年収700万円あれば可能?金融機関が審査する3つのポイントを紹介

不動産投資型クラウドファンディングやREITなど小額の不動産投資が可能となり、今までになかった不動産投資方法が増えてきた。

それでも実物不動産投資への人気は根強く、金融機関も融資を積極的に行っている。

しかしどれくらいの年収があればローンが通るか分からない方も多いだろう。

そこで今回不動産投資を始める方の年収やローンの審査ポイントを紹介する。本記事を読むことで金融機関の審査方法が分かり、事前に対策して融資打診が可能となるかもしれない。

目次

不動産投資を始める場合の年収とは?

不動産投資を始める場合の年収とは? 資産運用ナビコラム

不動産投資を始める場合、どれくらい年収があれば融資審査が有利に働くのだろうか。ここでは基準となる年収を紹介する。

700万円が一つの基準

不動産投資を金融機関のローンを借りて投資する場合、融資審査の基準は「年収700万円」と言われている。

しかし不動産投資ローンは申込者の年収だけでなく、「物件の収益性」「物件の資産価値」なども重視するため、上記の年収より少ない方でも融資を受けることは可能だ。

ただしメガバンクともなるとさらに融資審査が厳しくなるため、「年収1,000万円以上」や「金融資産5,000万円を保有」などの一定条件を設定している金融機関もある。

年収700万円以上であれば100%融資が通るわけでもなければ、700万円未満だからと言って不動産投資を諦めるのは早いだろう。

立地も良く収益性が高い物件を見つけることができれば、年収が少なくてもローンを組める可能性も高い。

90%以上の金融機関が年収を加味している

不動産投資ローンは物件の属性だけでなく申込者の年収も加味していることは事実だ。

金融庁が平成30年に発表した「投資用不動産向け融資に関するアンケート調査結果」によると金融機関の90%以上が顧客の給与収入等を考慮していると回答している。

また、金融機関によっては、不動産投資ローンは住宅ローンの延長と捉え、物件収支と給与収入の合算を返済額と比較したうえで返済能力を判定している。

すなわち不動産投資ローンを組むうえで、年収は大きなポイントとなることがわかる。

金融機関が年収以外にも審査している3つのポイントとは

金融機関が年収以外にも審査している3つのポイントとは 資産運用ナビコラム

不動産投資ローンの審査は年収以外にも下記の3つのポイントを重視している。

ポイントをすべてクリアすれば良いという訳でなく、借入額に対し不足しているポイントを補うという意味合いだ。詳しく次の項で紹介する。

物件の収益性

物件の収益性の審査方法は金融機関によって異なるが、97%以上の銀行や信用金庫が収益シミュレーションを行っている。

では実際どのような計算方法で行われるか一例を紹介する。

例えば投資する物件の条件を下記と設定する。

物件価格:5,000万円

年間家賃収入:400万円(入居率100%の場合)

年間返済額:207万円(30年ローン金利1.5%の場合)

毎年200万円近い利益を生むことができるが、不動産投資においてのリスクは一切加味されていない。

不動産投資には「空室リスク」「家賃下落リスク」「金利上昇リスク」がある。金融機関は3つのリスクを加味した上で収支シミュレーションを行い、融資の可否を判断している。

具体的には以下のようなシミュレーションである。

  • 入居率を70%で想定
  • 家賃下落率を加味して年間家賃収入の80%~90%で想定
  • 金利の上昇を加味して4%で返済計画を立てる

上記のシミュレーションで計算すると以下の収支となる。

年間家賃収入:224万円~252万円
年間返済額:286万円

結果的に赤字経営になると判断されるため、金融機関は自己資金の捻出を依頼して借入金額を下げる方法を取れないか交渉する。

もちろん金融機関によって入居率や家賃下落率に相違はある。

また物件の収益性だけで融資判断するわけでなく、次の項で紹介する担保評価計算も同時に行う。

物件の担保評価

不動産投資ローンにおける担保とは借入返済が万が一滞った時に備え、金融機関は担保に設定した土地や建物を差し押さえる権利のことをさし、抵当権ともいう。

差し押さえた後の土地と建物は競売物件として売却し、売却によって得た利益を返済に回す流れだ。

すなわち金融機関は将来の売却時を見据えて土地と建物が売却価格に見合った価値(担保評価)があるかを見極める必要がある。

担保評価は以下の通りで計算できる。

建物…固定資産税評価額
土地…面積×路線価

固定資産税評価額とは各市町村が定め固定資産税の基準となる価格のことを指す。

一方土地評価額の算出に用いられる路線価とは、国税庁で定める1平方メートルあたりの評価額となり、「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」で確認可能だ。

建物の固定資産税評価額は固定資産税納税通知書に記載されているが、新築物件の場合は「本体金額×50%~60%」となるケースが多い。

上記を踏まえ、建物と土地の担保評価を合算し、さらに掛け率をかけて借入金額を超えているかをシミュレーションする。

掛け率は金融機関によって異なりが「40%~60%」が一般的である。

申込者の属性

申込者の年収以外に下記の項目を金融機関は確認する。

  • 勤続年数
  • 他の借入の有無
  • 事業継承者の有無

金融機関は安定的な年収であるかの判断として勤続年数を確認する。勤続年数が短いと「すぐに退職して収入が不安定になるのでは」と懸念材料の一つとなるからだ。

さらに他の借入があると返済割合が多くなるため、金融機関にとってはマイナスポイントだ。

また不動産投資は長期的な事業であるため、万が一経営者が亡くなった後の事業継承者の有無を確認する。

つまり子供が居なければ融資が通りにくくなる。ただし経営者が若ければその限りではない。

融資審査を通すポイントとは

融資審査を通すポイントとは 資産運用ナビコラム

金融機関の融資審査方法を紹介してきたが、クリアする為の方法を知りたい方も多いだろう。

ここでは審査を通す3つのポイントを紹介する。

年収を高める

申込者の年収を高めることで不動産投資ローンの審査を有利に進めることが可能だ。

年収が高くなることは申込者の属性の向上につながる。しかし年収を上げたいために転職すると勤続年数が短くなるため注意が必要だ。

高利回り物件への投資

高利回り物件の基準はないものの、誰が見ても立地が良く収益性が高い物件であれば融資審査が通りやすい。

金融機関は返済が滞ることを最も懸念する一方で、高い賃貸需要と安定した高収入物件には前向きに融資してくれる。

場合によっては年収が少ない方でも融資してくれるため、高利回り物件を見つけることが融資審査を通すポイントとなる。

他の借入を無くす

他の借入がある場合は、完済してから融資申し込みすることが望ましい。

金融機関は申込者に他の借入がある場合、不動産投資ローンの返済額と合わせて月々の生活へ支障がないほどの借入返済であるかを確認する。

金融機関にとっては借入がない方への融資審査がもっとも通りやすいため、申込者は他の借入を減らす方が良いだろう。

なお、使用用途が不明確なカードローンの借入がある場合、ほとんどの金融機関は融資対象外となるため必ず完済してから申込してほしい。

まとめ

まとめ 資産運用ナビコラム

今回不動産投資の基準となる年収と融資の審査方法を紹介した。

不動産投資を始める方の多くは金融機関のローンを利用するため、審査方法を理解してから申し込みした方が良いだろう。

年収は700万円が一つの基準と言われているものの、物件の収益性や担保評価によってはその限りではない。

優良物件を見つけることができれば年収が少なくても融資可能であるため、不動産投資を始める前に諦めず、金融機関へ相談した方が良いだろう。

不動産投資に関して不安や疑問がある方は、「資産運用ナビ」に相談をしてはいかがだろうか。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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