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保険加入時の告知義務とは?告知書の記入事項や告知漏れを防ぐポイントを解説

この記事で解決できるお悩み
  • 保険の告知義務の概要とその重要性を知りたい
  • 告知漏れによるトラブルを避けるための注意点が知りたい
  • 告知書へ記入するべき内容がわからない

保険加入時には、自分の病歴や通院歴を保険会社に告知する義務がある。

告知漏れがあると、保険金が給付されない場合があるため、注意が必要である。

本記事では、保険加入時の告知の重要性と告知書に書くべき事項・告知漏れを防ぐ具体的な対策について詳しく解説する。

生命保険に加入しようとしている人は、告知漏れ防止のためにもぜひ本記事を活用して欲しい。

目次

告知義務の概要とその重要性

告知義務の概要とその重要性 生命保険ナビ

保険加入者は、保険会社に対して、保険金支払事由の発生可能性に関する重要な事項を告知する義務を有する。

これを「告知義務」という。

保険契約を締結する際に健康状態や職業等の情報を提供することは、保険加入の条件として契約の根幹をなすものである。

これに違反すると、後々のトラブルや保険金給付拒否につながる可能性もあるため、加入者が正しく通知することは非常に重要といえるだろう。

保険加入時の告知義務とは

保険加入者は、契約締結時に自身に関する正確な情報を提供する義務を負っている。

これには、以下のような情報が含まれる。

  • 健康状態

保険加入者の健康状態や既往症、現在の医療治療に関する情報である。

過去に罹患した病気やケガ、通院や投薬の有無、手術や入院の経験、健康診断の結果なども該当する。また、身体の障害の状況や妊娠の有無(女性の場合)についても、回答が必要となる。

  • 職業情報

職業や勤務先に関する情報である。

とくに、危険性のある職業かどうかは、保険会社にとって重要となる。保険会社は、職業によるリスクを評価し、適切な保険料を設定するからだ。

  • ライフスタイル情報

危険を伴う趣味やライフスタイルに関する情報も含まれる。

危険なスポーツやレジャーを楽しんでいる場合や、喫煙や飲酒を習慣としている場合などが該当する。

  • 他で加入済み保険の情報

既に加入している、他の保険に関する情報も提供する。

他社で同じ保障内容の保険や、同じ疾病や傷害に関する保険を契約している場合、リスク評価に影響を与えることがある。

これらの情報提供は、保険会社がリスクを評価し、適切な保険料を設定するために不可欠である。

告知が保険給付に及ぼす影響

告知を怠ることは、保険給付に大きな影響を及ぼす。

たとえば、病歴を隠したり、健康診断での悪い結果を伝えなかったりすると、保険会社は保険契約を無効にし、給付を拒否することがある。

とくに、故意や過失で重大な告知義務違反があると、保険会社はその事実を知った日から、1か月以内であれば、契約を解除することができる。

  • 契約の解除とは、保険会社が該当の保険契約を初めからなかったものとすることをいう。

ただし、保険法では、保険契約から5年以上経過している場合や、保険会社の担当者が告知を妨げたなどの理由がある場合、保険会社は契約を解除することはできない、とされている。

告知の重要性は極めて高く、誠実かつ正確な情報提供が求められる。

保険加入者は、自己の健康状態や生活状況に関して正直に情報を提供することで、将来の保険給付に備えることができるし、保険契約の土台を築くことができる。

告知漏れとは

告知漏れは、保険加入者が告知義務を怠ったり、重要な情報を提供しなかったりした状態を指す。

具体例としては、以下のようなものが挙げられる。

既往症や健康に関する告知漏れ
  • 過去に罹患した病気やケガ
  • 通院や投薬の有無
  • 手術や入院の有無
  • 健康診断の結果
職業や生活習慣に関する告知漏れ
  • 危険性のある職業の場合
  • 危険なスポーツやレジャーが趣味の場合
  • 喫煙や飲酒を習慣としている場合
他社の保険加入状況に関する告知漏れ
  • 他社で契約済みの同内容の保険の情報
  • 同じ疾病や傷害に対する別な保険にすでに入っている場合

告知漏れは、故意によるものと過失によるものに分けられる。

とくに、故意の場合は、保険会社から保険金の支払いが拒否される可能性が高くなる。常に正確で正直に告知することを心がけよう。

なお、ミスを防ぐためには、告知書をよく確認し、不明な点は保険会社に確認することが重要だ。

専門家の指導を受けることも有効といえるだろう。

告知書に記入するべき事項

告知書に記入するべき事項 生命保険ナビ

告知書に記入する事項は、保険の種類や保険会社によっても内容は異なるが、どの場合も正確に記入することが重要である。

保険会社にとってもリスクを適切に評価し、公平な保険契約を提供するための基盤となるため、正しい情報を記入するようにしよう。

ここでは、告知書にどのような事項を記入すべきか、その詳細を掘り下げて説明する。

告知の基本的な流れ

告知のプロセスを理解しておくことは、保険契約において非常に重要だ。

基本的な進め方を以下で詳しく説明しよう。

STEP
提出依頼

保険契約を申し込むと、告知書の提出を求める通知が保険会社から届く。

この通知には、記入すべき事項や提出期限が記載されている。

なお、告知書は、通常、申込書に含まれている場合もあるし、インターネットでの申し込みと同時に必要となるケースもある。

STEP
告知書の記入

保険契約者または被保険者は、必要事項を正確に記入しなければならない。

次項に記載のあるように、既往症や健康に関してや職業や生活習慣に関する事項、他社での加入状況に関して、詳細な情報を提供する必要がある。

これらの情報は、告知書の指示に従って記載または入力するもので、不明な点がある場合は保険会社に問い合わせて明確にしよう。

STEP
審査と判断

保険会社は提供された情報を元に審査し、リスクを評価する。

この審査は、保険契約の条件や保険料を設定するために不可欠だ。記載された内容が完全で正確であれば、審査はスムーズに進むだろう。

しかし、疑義が生じた場合や不正確な記載がある場合は、保険会社から追加の確認や調査を受けることがある。

告知書の提出と情報提供は、公平な契約条件を確保し、将来の保険給付に備えるために非常に重要だ。

告知書をきちんと記入し、審査プロセスを円滑に進めることが、保険契約の成立につながる。

告知書に書く事項の分類とその解釈

告知書に記載する事項は、以下の3つに分類される。

告知書に記載する事項
  • 既往症や健康に関する事項
    • 病歴や現在の健康状況、医師からの治療を受けているかどうか、および服用中の薬に関する情報などが含まれる。これらの情報は、保険会社がリスクを評価する上で重要である。
  • 職業や生活習慣に関する事項
    • 職業、労働条件、喫煙や飲酒の習慣、運動習慣などが含まれる。これらの情報は、保険会社が保険料を設定する際に考慮される。
  • 他社の加入状況に関する事項
    • 保険料を適正に設定するために、加入済みの保険契約に関する情報を必要とする。

告知書に記載する内容は、対象の保険内容や特約などによって異なることもあるが、保険会社によってリスク評価に利用され、保険料の設定に影響する。

なお、保険契約の際は、質問されたことについて告知すればいいだけで(質問応答義務)、自発的に重要事項を告知する義務(自発的申告義務)はない。

告知書の記入における注意点

告知書に記入する際は、事実のまま、すべてを正確に記載することがもっとも重要である。

具体的には、以下の点に注意して記入しよう。

  • 正確性
    • 記載する内容は正確である必要があり、誤った告知情報は契約無効のリスクを招く
  • 完全性
    • 告知の漏れを防ぐため、すべての項目を埋めることが必要である
  • 質問事項の理解
    • 質問事項が理解できない場合、保険会社に確認することが重要である

事実を正確に記載しないと、告知義務違反となる可能性がある。曖昧な表現を避けることで、審査をスムーズに行うことにつながる。不明な点があれば、適宜、内容を確認し、告知漏れとならないようにしたい。

なお、記入の対象は、病気やケガだけでなく、自覚症状がないものや診断がついていないもの、完治したものや現在は薬を服用していないといった状態も含まれる。

また、内科・外科だけでなく、整形外科・婦人科・耳鼻科・眼科・心療内科など、どの診療科に関する内容でも正しく記載する必要があることは注意しておこう。

告知漏れを防ぐための注意点

告知漏れを防ぐための注意点 生命保険ナビ

告知漏れを防ぐためには、以下のポイントに留意することが大切である。

告知漏れは保険契約に大きな影響を及ぼす可能性があるため、注意深く対処することが必要だ。

自分で告知書の確認をする

告知書の記入後、自身で内容を確認し、誤りや漏れがないかを確認することが大切である。

告知書は個人の情報を正確に反映するためのものであり、誤った情報提供は後々のトラブルの元となる。

自分で告知書を再確認する際、以下のポイントに留意しよう。

  • 項目の完全性
    • 告知書の各項目が埋まっているか確認しよう。漏れた情報があると、契約が無効とされる場合がある。
  • 情報の正確性
    • 提供した情報が実際の状況と一致しているか確認しよう。誤った情報を提供することは告知義務違反となる。

また、配偶者や親子などの家族のほうが、本人の健康状態を客観的に見ていて把握していることも多い。

家族に告知書を確認してもらうことで、見落としや誤りを防げるかもしれない。

自分以外の視点での確認は、追加の安全策となる。

専門家による指導の活用

告知書の記入が難しい場合や専門知識が必要な場合、保険の知識が豊富な保険代理店や医師などの専門家に助言を求めるのもいいだろう。

保険代理店とは、保険を販売するだけでなく、保険会社と顧客とのあいだに立ち、保険契約に関するさまざまな役割を担う専門家のことだ。

たとえば、自身に適した保険の紹介やアドバイスだけでなく、保険の契約事務手続きの手伝い、保障や特約の変更・解約、病気・ケガを負ったときの対応、保険金請求の支援といった多くのサポートを行う。

とくに保険の契約や告知書記載などといった、専門用語を理解しながらの対処が必要な場合には、貴重なアドバイスを提供してくれるだろう。

また、保険会社が指定する医師による診査を受けるのも良い。

診査を受けることで、告知すべき事項が漏れなく記載されているかを確認することができるからだ。

このように、専門家のアドバイスを受けることで、告知書の記入に自信を持ち、誤りや漏れを最小限に抑えることができる。

安心感を持ちながら契約を進めるために、専門家のサポートを有効に活用しよう。

保険会社との適切なコミュニケーション

保険契約手続きにおいて、保険会社と適切にコミュニケーションをとることは、信頼性のある保険契約を築くために非常に重要となる。

告知漏れを防ぐのはもちろんだが、以下では、保険契約手続き全般における、保険会社とのコミュニケーションポイントについて詳しく説明しよう。

  • 疑問解消と理解の確認

保険契約は、しばしば複雑で専門的な言葉が使用される。

契約内容や保険条件が理解しづらい場合、保険会社の担当者に質問して疑問を解消しよう。

どのような状況で保険が適用され、どのような状況で適用されないのかを明確に理解することは、将来のトラブルを防ぐのに役立つ。

  • 個別のニーズに合ったプランの選択

自身や家族の健康状態、ライフスタイル、将来のリスクに合わせて最適な保険プランを選ぶことが大切だ。

保険会社とのコミュニケーションを通じて、どのプランが最適であるかを相談し、プランの詳細を理解しよう。

  • 正確な告知

保険契約においては、告知義務がある。

健康状態、生活習慣、既存の保険について正確な情報をもとに告知を行うことが求められる。

保険会社とのコミュニケーションを通じて、どの情報が必要であるかを確認し、告知漏れを防ぐようにしたい。

自分自身の健康情報を正確に伝えることは、将来の給付をスムーズに受けるために不可欠となる。

  • 変化への対応

健康状態や家族構成、ライフスタイルの変化に対応するため、保険会社とのコミュニケーションを維持しておく必要があるだろう。

新たな保険に加入したり、健康状態に変化があったりした場合、保険会社に適切に報告することも必要だ。

保険会社とのコミュニケーションは、保険契約手続きすべてにおいて欠かせないものだ。

疑問解消、適切なプラン選択、正確な告知、変化への対応といった観点で、保険会社とのコミュニケーションを通じて、信頼性のある保険契約を成立させよう。

その結果、告知漏れを防ぐことにもつながるだろう。

まとめ

まとめ 生命保険ナビ

本記事では、保険の告知義務の重要性と告知書に記入するべき事項、告知漏れを防ぐための対策について解説した。

記事の内容を理解し、実行することで保険の給付を受けられないという事態を防ぐことが出来る。

しかし、一人で実行する際、告知書に記入漏れがないか等を確認するのは、慣れていない人にとって負担が大きい。

そんな時は、保険のプロに相談することで、告知を確実に実行することが可能だ。ただ、保険のプロは数多く存在し、自分にとって良い担当を見極めることは難しい。

保険のプロが集まる検索サービス “生命保険ナビ” を利用することで、自分が希望する条件のプロを探すことが出来る。

無料で利用できるため、是非活用してもらいたい。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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