- FXの基本的な仕組みを理解したい
- FXで利益が出る仕組みが知りたい
- FXリスクを防ぐコツが知りたい
FXは少額からでも始められる金融取引だ。しかし、「FXと外貨預金の違いがわからない」「FXのデメリットが知りたい」「FXの口座開設は危険」と疑問や不安を持つ方も多く見られる。
FXは仕組みをきちんと理解していれば、経験が浅い人でもしっかりと利益を狙うことが可能だ。
本記事では、FXの「ドル円」と「円ドル」の違いなどのFXの基本的な概要、FXのスワップポイントなどの利益を得る仕組みや注意したいリスクについて解説していく。
また、数々の専門用語に戸惑う方も多いはずだ。そんなときは下記の記事も参考にするといいだろう。FXの専門用語がまとめられている。
FXの基本的な仕組み
FXは為替市場を活用して収益を狙う金融取引だ。しかし、取引によってはリスクが大きくなるケースもあるため、その仕組みをきちんと理解しておく必要がある。
まずは、FXの基本的な概要やレバレッジ取引の仕組みについて学んでいこう。
FXの基本
FXとは「外国為替証拠金取引」の略で、2つの異なる通貨を売買したときの価格差で損益を得る金融取引である。
基本的な仕組みは「米ドル/日本円」といった通貨ペアを取引することであり、トレーダーは「買い」もしくは「売り」のポジションを保有するところから始める。
その後、為替レートの変動によってポジションを決済したときの差額で損益が決まる。
具体的な例で分かりやすく考えてみよう。
米ドル/日本円のレートが1ドル=155円のときに「買い」のポジションを入れるとする。
その後、為替が1ドル=160円まで変動したときに決済すると、その差額の5円が利益となる仕組みである。
また、FXは現物の通貨のやり取りを伴わないため、「売り」から入れることも大きな特徴だ。これも具体例で考えてみよう。
米ドル/日本円のレートが1ドル=155円のときに「売り」のポジションを入れる。
その後、為替が円高に進み1ドル=150円のときに決済すると、その差額分が利益となる。
現物の取引では「安く買って高く売る」ことで利益を得るため、相場が円高に推移しているときにはトレードのチャンスを掴むことが難しい。
しかし、FXでは売りから取引を始められるため、円高進行する相場でも利益を得るチャンスがある。
レバレッジ取引の仕組み
FXでは、レバレッジ取引ができることも特徴のひとつだ。レバレッジとは「てこの原理」から由来している言葉で、自己資金以上の金額で取引ができる仕組みである。
たとえば、1ドル=150円のときに1万米ドルを購入するためには、通常150万円の資金が必要となる。
しかし、10倍のレバレッジをかけた取引であれば、10分の1である15万円の資金で1万ドル分の取引が可能となる。
その後、為替が1ドル=155円に推移したときにポジションを決済すると、1万米ドル=155万円となり5万円の利益を得られる。
つまり、元手資金15万円に対して5万円の利益を獲得できたという計算だ。
このように、少ない資金で効率よく利益を得られるのがレバレッジ取引の魅力である。
ただし、レバレッジ取引はその分損失を負うリスクも大きくなる。先ほどの例で、1ドル=140円のときにポジションを決済したとすると、10万円の損失が出ることとなる。
元手資金15万円に対して10万円の損失であるため、手元には5万円しか残らない結果となってしまう。
レバレッジ取引は大きなリターンを得られる魅力があるものの、リスクの大きさには十分留意しておくようにしよう。
為替が変動する仕組み
為替相場が変動する要因として、2ヶ国間の金利差が上げられる。基本的に為替相場では、金利が高い通貨に資金が集まりやすい傾向がある。
そのため、中央銀行による金利政策が為替相場に大きく影響し、金利が上がれば通貨高、金利が下がれば通貨安になる。
また、その国の経済指標も為替相場に大きな影響を与える。
特に、景気をはかる目安となるGDP成長率や失業率、消費者物価指数の発表前後は為替相場も変動しやすく、景気が好調と見られる結果が発表されると通貨高、低調とみられる場合は通貨安となる傾向にある。
その他、政治情勢や投資家の心理なども為替相場に影響を与えるため、相場動向を把握するためには幅広く情報を確認する必要がある。
FX会社が収益を得る仕組み
投資家は、FX会社を通じてトレードを行う。ただし、国内のFX会社の多くは取引手数料を無料としているところが多く、「何を収益源としているのだろう」と疑問を抱く人もいるかもしれない。
FX会社の主な収益源として、「スプレッド」「スワップポイント」「その他の手数料」の3つが挙げられる。
それぞれくわしく解説していこう。
スプレッド
FX会社では、顧客が売買する為替レートに「スプレッド」と呼ばれるコストを転じている。
スプレッドとは、FX会社が提示する買値と売値の差額のことである。
FX会社は、「インターバンク市場」と呼ばれる市場でカバー取引を行うことで外貨を調達してくる。
カバー取引とは、顧客の注文と同じ、もしくは近い形の注文をインターバンク市場で行うことだ。
たとえば、FX会社が1ドル=150.00円で仕入れた米ドルを買値=150.10円、売値=149.90円などコストを含めたレートで顧客に提示する。
この差額分=スプレッドがFX会社の収益となる仕組みだ。
また、このスプレッドはFX会社がそれぞれ独自に設定しているものであるため、同じ通貨ペアを取引する場合でも利用先によってスプレッドの幅が異なる。
トレーダーがよりコストを抑えるためには、各FX会社のスプレッドを比較することが重要だ。
スワップポイント
スワップポイントもFX会社の収益源のひとつだ。
スワップポイントとは、2ヶ国間の金利差で生まれる損益のことである。
トレーダーは、金利の低い通貨を売って、金利の高い通貨を買うことで、その金利差を利益として受け取ることができる。
トレーダーに付与するスワップポイントはFX会社がそれぞれ設定しているため、FX会社がスワップポイントを経由するときに差額を調整すれば、その分がFX会社の差額となる。
また、金利の高い通貨を売って、金利の低い通貨を買った場合、トレーダーは反対にスワップポイントを支払う必要がある。
この場合も、実際のスワップポイントに差額を設けることでFX会社の収入源のひとつとなる。
その他の手数料
トレーダーは、FX会社を利用する際に「入出金手数料」や「ロスカット手数料」などさまざまなコストを支払っている。
こういった手数料もFX会社の重要な収益源だ。
トレーダーが支払う手数料として、主に次のようなものが挙げられる。
- 口座管理手数料
- 取引手数料
- 入出金手数料
- ロスカット手数料
どのような手数料を定めているかはFX会社によって異なるため、トレーダーはスプレッドと同様に複数のFX会社を比較してコストが安価なところを選ぶことが重要だ。
FXで利益が出る仕組み
トレーダーがFXで利益を得る仕組みとして、主に「為替差益」「レバレッジ」「スワップポイント」の3つが挙げられる。
それぞれどのように利益が発生するのか、くわしく紹介していこう。
為替差益
FXでは、為替差益が利益を得る大きな仕組みだ。
たとえば、米ドル/日本円が1ドル=155円のときに買いのポジションを入れ、その後1ドル=160円のときに決済すると、差額分の5円が利益となる。
また、FXでは現物の通貨を保有しないため、売りのポジションから入ることも可能だ。
1ドル=155円のときに売りのポジションを入れ、その後1ドル=150円まで円高が進んだときに買戻しの決済をすると、差額の5円が為替差益として得られる。
現物取引の場合、下落基調の相場ではトレードの機会が少なくなるため、相場動向が落ち着くまでは静観しておく必要がある。
一方、FXは上昇相場と下落相場のどちらでもトレードを行えるため、利益を得られる機会が広がることが大きな魅力だ。
レバレッジ
FXでは、レバレッジ取引によって得られる利益もある。レバレッジ取引とは、前述の通り証拠金を預け入れることで、自己資金以上の金額で取引を行えるものだ。
現物取引の場合、自己資金が100万円だと100万円分のトレードしかできないが、レバレッジ取引で10倍のレバレッジをかけると1,000万円分のトレードを行うことができる。
100万円の自己資金で1,000万円分のトレードを行うことで資金効率が上がり、そこから得られる利益も大きくなる効果がある。
ただし、その分発生する損失幅も大きくなるため、むやみに大きなレバレッジをかけることはおすすめできない。
国内のFX会社では最大25倍のレバレッジをかけられるが、最初は低いレバレッジ倍数、もしくはレバレッジなしの取引から始めてみよう。
ハイレバレッジの取引は、FXの仕組みや流れに慣れてきてからチャレンジすることがおすすめだ。
スワップポイント
FXでは、売買以外にスワップポイントで利益を得る方法もある。
スワップポイントは、金利の低い通貨を売って、金利の高い通貨を買うことで得られる利息のようなものだ。
スワップポイントは、ポジションを保有している間ほぼ毎日受け取ることができ、FX会社が提示する金額が口座に入金される。
売買を行わなくても利益を得られるので、長期保有を前提としているトレーダーにも嬉しい仕組みだ。
ただし、スワップポイントは受け取るだけでなく、支払うパターンもあるため注意しておきたい。
トレーダーが金利の高い通貨を売って、金利の低い通貨を買った場合は、反対に金利差を支払い続ける必要がある。
ポジションを長く持つほどコストがかさんでしまうため、取引する通貨ペアの金利差には十分注意しておこう。
スワップポイントを狙える通貨は?
スワップポイントを受け取れる可能性がある通貨として、次のような例が挙げられる。
- トルコリラ
- メキシコペソ
- 南アフリカランド
スワップポイントを狙えるのは、主に金利の高い新興国通貨だ。
ただし、新興国通貨は政治情勢や経済状況の不安定さなどから、短期間で大きく為替相場が変動することも珍しくない。
スワップポイントで毎日コツコツ利益を得ていても、相場の急変によってスワップポイント以上の損失を負ってしまう可能性もある。
スワップポイントを目的に高金利通貨でトレードする際は、リスクの大きさも十分理解しておくことが重要だ。
FXの主なリスク
FXに取り組む際に理解しておきたいのが、リスクの種類についてである。
FXでは、主に次のようなリスクがある。
- 為替変動リスク
- 信用リスク
- 流動性リスク
- 金利変動リスク
- システムリスク
- 強制ロスカットによるリスク
それぞれどのようなリスクか、くわしく解説していこう。
為替変動リスク
外貨で取引を行うFXでは、為替変動リスクを避けることはできない。
為替相場は常に変動しており、時に大きく市場の方向性が変わることも珍しくない。
もし買いのポジションを保有しているときに、為替相場が円高方向へ推移してしまうと含み損が広がることとなる。
FXではレバレッジをかけた取引が可能であることから、レバレッジ倍数によっては証拠金以上の損失が発生することもある。
また、FXはクロス円以外の通貨ペアでトレードを行うケースも多い。
クロス円以外の通貨ペアとは、「米ドル/ユーロ」、「豪ドル/米ドル」、「ユーロ/スイスフラン」など日本円以外の通貨で決済する通貨ペアだ。
この場合、トレードの対象となる通貨ペアの為替変動リスクと、対日本円での為替変動リスクの2種類のリスクを抱えることとなる。
たとえばトレードで収益を得ても、その後円転する際に円高に推移していれば、トレードでの収益を相殺してしまう可能性もある。
クロス円以外の通貨ペアでトレードする際は、為替変動リスクが高まることを理解しておこう。
信用リスク
FXでは、利用するFX会社の財務状況の悪化や経営破綻によって顧客が損失を被る信用リスクがある。
場合によっては預け入れていた証拠金が戻ってこない可能性もあるため、利用するFX会社は慎重に選定したい。
ただ利便性やコストの安さなどで選ぶのではなく、決算書や財務諸表などをチェックしたうえで健全な財務状況にあるFX会社を選ぶことが重要だ。
なお、多くのFX会社では、顧客から預かった資産と会社の財産を切り離して保管している。
顧客の資産は信託銀行などを通じて信託保全を行っているため、万が一経営破綻などが起きても、顧客の資産は守られる仕組みだ。
FX会社を選ぶ際は、財務状況に加えて「きちんと信託保全が行われているか」といったことにも注意するようにしよう。
流動性リスク
FXの「買い」と「売り」の注文は、トレーダー同士の需要と供給が一致することで取引が成立する。
そのため、市場参加者が少ない=流動性が低い環境では、思うように売買が成立しなくなるリスクがある。
たとえば、日本時間の朝方は市場参加者が少なく、流動性が低くなる傾向にある。
そうした環境下での取引は、狙ったレートで注文が約定しなかったり、スプレッドが開きやすくなったりすることが多い。
結果としてトレーダーに不利な条件で約定する可能性が高くなるため、できるだけ売買を避けることがおすすめだ。
その他にも、主要国が祝日の場合や年末年始、市場のオープン・クローズ前後なども流動性が低くなりやすい。
より快適なトレードを行うためには、こうしたタイミングでの売買は控えるようにしよう。
金利変動リスク
為替相場は、金利の動向によっても大きな影響を受ける。
各国の中央銀行は、経済情勢などに応じて金利政策を決定する。
好景気で金融引き締め、つまり金利を引き上げると通貨高につながりやすく、反対に不景気で金融緩和、金利の引き下げを行うと通貨安につながる傾向にある。
また、金利差のある2ヶ国の通貨ペアでトレードする際は、スワップポイントにも注意したい。
金利の低い通貨を売って、金利の高い通貨を購入するときはスワップポイントを受け取ることができる。
しかし、反対に金利の高い通貨を売って、金利の低い通貨を購入する場合は、スワップポイントを支払わなければならない。
スワップポイントはポジションを保有している間、継続的に発生するものであるため、保有期間が長くなるほどコストがかさんでしまう点に注意が必要だ。
スワップポイントは金利動向に応じてFX会社が決定するので、金利差が拡大すれば支払う金額が増加する可能性もある。
トレードする通貨ペアによっては、スワップポイントの支払いが生じないかよく確認するようにしよう。
システムリスク
FXは、FX会社が提供するシステムを利用してトレードを行う。
しかし、中には通信障害やシステムダウンなどの要因によって取引ができなくなるケースも想定される。
その間の相場動向によっては、トレーダーに損失が発生することもあるかもしれない。
FX会社側でのシステム障害の場合は補償を受けられるケースもあるが、「自分のパソコンの調子が悪い」「通信環境が悪く、なかなか約定しない」といった理由の場合は補償が受けられないため注意が必要だ。
また、多くのFX会社ではオンラインで取引が完結する。
その際は、発注数量や注文方法などを入力して手続きを行うが、誤った内容を入力してしまうリスクもある。
もし約定後に誤入力に気付いても取り消しを行うことはできないので、注文を出すときはしっかりと再確認するようにしたい。
トレードのチャンスが到来しているときは、「早く注文を出したい」と焦る気持ちもあるかもしれないが、そういうときこそ落ち着いて発注手続きを行うようにしよう。
強制ロスカットによるリスク
FXでは「強制ロスカット」という仕組みがある。
相場の変動によって証拠金残高が一定水準以下となった場合、強制的にポジションを決済するものだ。
強制ロスカットはトレーダーの損失が拡大するのを防ぐ役割があるものの、「もう少しポジションを保有していれば、相場が回復したのに」というケースも少なくない。
特に、レバレッジ倍数が大きい場合は、少しの相場変動で強制ロスカットされてしまうこともある。
強制ロスカットが行われる水準は各FX会社によって異なるため、口座開設を行う際は取引ルールを確認しておくと安心だ。
また、短期間で相場が急変した場合は、強制ロスカットが間に合わないこともある。
預け入れた証拠金以上の損失が発生すると、「追証」と呼ばれる追加証拠金の入金が必要となってしまう。
現物取引では元本以上の損失を負うことはないが、FXのレバレッジ取引では自己資金よりも大きな損失を負うリスクがあることを理解しておこう。
FXでリスクを防ぐ仕組み
FXでリスクを防ぐためには、次のような取り組みを行うことが重要だ。
- 自己資金の管理を徹底する
- 通貨ペアを分散する
- 適切なレバレッジ倍数を設定する
- 損切りの水準を設定する
- ポジションサイズを適切に管理する
- テクニカル分析のスキルを身につける
- 継続的に情報収集を行う
それぞれくわしく解説していこう。
自己資金の管理を徹底する
FXでは、自己資金の管理を徹底することが重要だ。
まず、「どれくらいの金額をFXに充てるか」ということを明確にしたい。
FXでは大きな損失を負うこともあるため、余裕資金の中でも特にリスク許容度の高い資金のみをFXに回すようにしよう。
次に、「その資金でどれくらいの損失を許容できるか」というリスク許容度も設定する。
リスク許容度は「投資金額の〇%まで」というように、具体的な目安を設定することが重要だ。
その水準を超えてしまった場合はトレードをいったん取り止めるなど、きちんと投資ルールを設けることで自己資金を守るようにしよう。
また、投資資金は一度にすべて投じてしまわないことも大切だ。
FXでは強制ロスカットによって追加証拠金の預入を求められることもあるため、投資資金をすべてトレードに回していると、追加証拠金に対応できなくなる可能性もある。
投資資金の一部は相場が急変したときの対応資金として、別に確保しておくことがおすすめだ。
通貨ペアを分散する
FXでは通貨ペアを分散することも検討したい。トレードが1つの通貨ペアに偏っていると、相場の急変が起きた際に資産全体が大きく毀損してしまう可能性がある。
しかし、いくつかの通貨ペアに分散していれば、その分為替変動リスクが分散される。
まずはメジャー通貨ペアから始めてみて、相関性の低い通貨ペアのいくつかに分散投資するようにしよう。
通貨ペアの種類はFX会社によって異なるが、主に次のような通貨ペアが取り扱われている。
- 米ドル/日本円(USD/JPY)
- ユーロ/米ドル(EUR/USD)
- 豪ドル/米ドル(AUD/USD)
- 英ポンド/米ドル(GBP/USD)
- 米ドル/スイスフラン(USD/CHF)
- ニュージーランドドル/米ドル(NZD/USD)
- ユーロ/スイスフラン(EUR/CHF)
- 日本円/スイスフラン(JPY/CHF)
- メキシコペソ/日本円(MXN/JPY)
- トルコリラ/日本円(TRY/JPY)
- 南アフリカランド/日本円(ZAR/JPY)
通貨ペアによってスワップポイントやボラティリティなどが異なるため、各通貨ペアの特徴を理解したうえで自分の投資意向に見合うものを選ぶようにしよう。
適切なレバレッジ倍数を設定する
これからFXを始める人の中には、「高いレバレッジ倍数でなるべく資金効率を上げたい」と考えている人もいるかもしれない。
しかし、レバレッジ取引は倍率が高くなるほどリスクも高くなる。
高いレバレッジ倍数はその分自己資金も少なくて済むが、大きな損失を負う可能性が高くなってしまう。
少しの変動で強制ロスカットが執行されることもあるため、初心者にはハードルが高いといえるだろう。
FXでは、より高いレバレッジ倍数での取引を望むのではなく、自分の投資意向に合った適切なレバレッジ倍数を設定することが重要だ。
初めてFXを行う人は、低いレバレッジ倍数、もしくはレバレッジなしの取引から始めることがおすすめである。
高いレバレッジ倍数は、経験を積んでからチャレンジするようにしよう。
損切りの水準を設定する
FXに取り組む際は、損切りの水準を設定することも重要だ。
実際に取引を始めてみると、ポジションを決済するタイミングが想像以上に難しいことがわかる。
相場の動向が予想とは反対の方向に動いているときでも、「きっとすぐに戻るはずだ」と考えてしまうことも少なくない。
結果として、損失が膨らんでしまい、強制ロスカットが執行されるケースも見られる。
リスク許容度の範囲内に損失を収めるためには、損切りを行う水準を具体的に決めておくようにしよう。
「レートが〇%変動したら損切りする」など、具体的に設定しておくことがおすすめだ。
事前に具体的な目安を設定しておけば、損切りのタイミングに悩まずにポジションを決済することができる。
FXでは「このレートに到達したら、自動でポジションを決済する」と事前に注文を設定しておくこともできるので、そうした機能を活用するのもよいだろう。
ポジションサイズを適切に管理する
FXに取り組む際は、ポジションサイズを適切に管理することも重要だ。
ポジションサイズとは、「どれくらいのロットでトレードを行うか」ということである。
たとえば、「あまり大きなリスクを負いたくない」と考えている人が、自己資金のほとんどを投じてしまったり、ボラティリティの大きい通貨ペアに偏ったポートフォリオとなるのは適切とはいえない。
反対に、「リスクを取ってリターンを狙いたい」という人が小さなロットで取引するのも、投資意向に合っているとはいえないだろう。
大切なのは、自分の投資意向に合ったポジションサイズとなるように調整しながらトレードすることだ。
その際は、レバレッジ倍率の大きさやポートフォリオのバランスも投資意向に照らし合わせるようにしよう。
テクニカル分析のスキルを身につける
FXは、勘や直感だけで利益を積み上げていくことはできない。
市場の動向を理解してトレードを行うためには、テクニカル分析のスキルを身につけることが必要不可欠だ。
テクニカル分析とは、チャート分析などを用いて将来の値動きを予測することである。
投資経験が浅い人にとっては、「難しそう」「理解できるか自信がない」と感じることもあるかもしれない。
しかし、テクニカル分析にはさまざまな手法があり、中には初心者でも取り組みやすいものも多い。
たとえば、「移動平均線分析」はチャートに線を引くことで、相場の方向性やトレンドを掴むことができる。
ひと目で動向を掴みやすいので、テクニカル分析の入口として使われることも多い。
FX会社によっては、デモトレードの機能を提供しているところもあるため、そうした機能を活用してテクニカル分析を行ってみるのもよいだろう。
継続的に情報収集を行う
常に相場が変動している為替市場では、継続的に情報収集を行うことも欠かせない。
次のような経済指標の発表についてはリアルタイムで情報を得ることがおすすめだ。
- 中央銀行による金融政策
- 雇用統計
- GDP成長率
- 消費者物価指数
特に、中央銀行による金融政策の発表は、為替動向に直結しやすいポイントである。
金利の引き下げ・引き上げなどが発表されると一気に相場が急変することもあるので、できればリアルタイムで情報をチェックしておきたい。
また、情報の掴みやすさも重要なポイントだ。欧米主要国の動向は日本メディアでもリアルタイムで情報を得られることが多いが、中には「英語の情報しかない」ということも少なくない。
通貨ペアを選ぶ際は、情報へのアクセスのしやすさも検討することが重要だ。
なお、主要な経済イベントはFX会社がカレンダー形式で提供していることも多いので、ぜひ情報収集に役立ててみよう。
FXの仕組みを理解して利益を狙おう
FXとは、異なる通貨ペアを売買したときの価格差で利益を得る仕組みの金融取引だ。
その他にもレバレッジやスワップポイントで利益を得る方法もあり、取引する通貨ペアもさまざまである。
トレード手法にも多くの種類があるため、まずはFXの仕組みをしっかりと理解して、自分に合った取引方法を探してみよう。