プライベートバンク世界ランキング~資産規模及び定性評価の観点から~

世界のプライベートバンクを比較するときは、「預かり資産の大きさ」と「サービスの評価」を分けて見ることが重要です。

預かり資産ランキングではUBSや米国系金融機関の規模が目立ちます。一方、各メディアのアワードでは、デジタル対応、ファミリーオフィス、サステナブル投資、富裕層向けサービスなど、評価されるポイントによって上位の銀行が変わります。

本稿では、世界のプライベートバンクについて、預かり資産ランキングと主要アワードの両面から整理します。

目次

世界のプライベートバンクランキングの見方

プライベートバンクのランキングを見る際は、まず「何を基準にしたランキングなのか」を確認しましょう。預かり資産の大きさと、サービス品質の評価は同じ意味ではありません。

見方わかること注意点
預かり資産ランキング事業規模、顧客基盤の大きさサービス品質や運用成績をそのまま示すものではない
アワード・サーベイ専門分野、顧客対応、デジタル対応などの評価調査主体や評価方法によって結果が変わる
地域別ランキングアジア、欧州、北米など地域ごとの強み日本居住者が利用できるかは別途確認が必要

そのため、ランキングを見るときは「規模を知りたいのか」「サービスの評価を知りたいのか」「自分が利用できる候補を探したいのか」を分けて考えると、比較しやすくなります。

世界のプライベートバンク預かり資産ランキング(ADV Ratings)

以下は、ADV Ratingsが公表している「Top 30 Wealth Management Firms」に掲載された、ウェルスマネジメント関連の預かり資産ランキングです。

預かり資産は米ドル建てで、各社の基準日は2019年1月31日〜2020年6月30日の間で異なります。そのため、最新の決算数値や買収後の連結ベースの規模を示すものではなく、ADV Ratings掲載時点の比較として見る必要があります。

順位会社名本社所在地預かり資産
1UBSグローバル・ウェルス・マネジメントスイス2兆5,900億ドル
2クレディ・スイススイス1兆2,500億ドル
3モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメント米国1兆2,360億ドル
4バンク・オブ・アメリカ GWIM米国1兆2,200億ドル
5J.P.モルガン・プライベートバンク米国6,770億ドル
6RBCウェルス・マネジメントカナダ5,640億ドル
7ゴールドマン・サックス・ウェルス・マネジメント米国5,580億ドル
8チャールズ・シュワブ米国5,063億ドル
9シティ・プライベートバンク米国5,000億ドル
10BNPパリバ・ウェルス・マネジメントフランス4,240億ドル
11ジュリアス・ベアスイス4,235億ドル
12バンガード・グループ米国4,100億ドル
13HSBCプライベートバンク英国3,530億ドル
14招商銀行プライベートバンキング中国3,210億ドル
15ノーザン・トラスト・ウェルス・マネジメント米国3,038億ドル
16BNYメロン・ウェルス・マネジメント米国2,540億ドル
17ピクテ・ウェルス・マネジメントスイス2,420億ドル
18LGTグループリヒテンシュタイン2,402億ドル
19ドイツ銀行ウェルス・マネジメントドイツ2,320億ドル
20中国銀行プライベートバンキング中国2,260億ドル
21ウェルズ・ファーゴ米国2,240億ドル
22中国工商銀行プライベートバンキング中国2,196億ドル
23中国建設銀行プライベートバンキング中国2,132億ドル
24中国農業銀行プライベートバンキング中国1,983億ドル
25J.サフラ・サラシンスイス1,959億ドル
26DBSウェルス・マネジメントシンガポール1,758億ドル
27ノースウェスタン・ミューチュアル米国1,610億ドル
28EFGインターナショナルスイス1,558億ドル
29インドスエズ・ウェルス・マネジメントフランス1,486億ドル
30レイモンド・ジェームズ米国1,454億ドル
31ユニオン・バンケール・プリヴェ(UBP)スイス1,446億ドル
32バンク・オブ・シンガポールシンガポール1,170億ドル
参考:ADV Ratings「Top 30 Wealth Management Firms」
  • 金融機関名の表記は、ADV Ratings掲載名をもとに日本語表記へ調整しています。預かり資産の基準日は行ごとに異なります。
  • クレディ・スイスは2023年にUBSによる買収が完了しています。上表では、ADV Ratingsに掲載された当時のデータとして扱っています。
  • バンガード・グループの数値は、ADV Ratings注記における米国プライベート顧客向けAUMです。

上位にはスイス系と米国系の金融機関が多く、UBS、モルガン・スタンレー、バンク・オブ・アメリカ、J.P.モルガンなどが大きな存在感を示しています。一方で、中国やシンガポールの金融機関もランクインしており、アジアの富裕層ビジネスの拡大も読み取れます。

世界のベストプライベートバンク2026(Global Finance)

Global Financeの「World’s Best Private Banks 2026」では、世界全体のベストプライベートバンクとしてJ.P. Morgan US Private Bankが選ばれています。

Global Financeのアワードは、単純な預かり資産の大きさだけでなく、各行の提出資料、公開資料、地域での知見、投資商品の幅、専門家の見解なども踏まえて選定されています。つまり、規模のランキングというより、サービス評価を含むアワードとして見るのが適切です。

Global Finance 2026の主な受賞結果

部門受賞機関
世界のベストプライベートバンクJ.P. Morgan US Private Bank
プライベート・エクイティへのアクセスGoldman Sachs Wealth Management
サステナブル投資Bank J. Safra Sarasin
ファミリーオフィスサービスNorthern Trust
世代間ウェルスマネジメントCiti Private Bank
純資産500万ドル以下の顧客Fifth Third Private Bank
純資産500万〜2,500万ドルの顧客BNP Paribas Banque Privée
純資産2,500万ドル超の顧客Goldman Sachs Wealth Management
顧客向けデジタルソリューションDBS Private Bank
アジア太平洋のベストプライベートバンクDBS Private Bank
参考:Global Finance「World’s Best Private Banks 2026」

Global Financeの結果を見ると、世界全体ではJ.P.モルガン、超富裕層向けではゴールドマン・サックス、デジタル領域やアジア太平洋ではDBSが評価されています。自分に合う候補を考える際は、「どの部門で評価されているのか」を確認することが大切です。

Euromoney Private Banking Awards 2026の主な結果

Euromoneyの「Private Banking Awards 2026」では、世界のベストプライベートバンクとしてDBS Private Bankが選ばれています。

Euromoneyの結果は、預かり資産の順位表ではなく、各サービス分野における受賞結果です。プライベートバンクを比較するときは、Global Financeと同様に「どの分野で評価されているか」を見ると理解しやすくなります。

Euromoney 2026のグローバル部門

部門受賞機関
世界のベストプライベートバンクDBS Private Bank
サステナビリティBNP Paribas Wealth Management
デジタルソリューションJPMorgan Private Bank
チーフ・インベストメント・オフィスGoldman Sachs
ファミリーオフィスサービスUBS
ピュアプレイ/ブティックLGT Private Banking
最も安全なプライベートバンクDBS Private Bank
UHNW向けGoldman Sachs
HNW向けSantander
顧客サービスCiti Private Bank
代替投資JPMorgan Private Bank
デジタル資産DBS Private Bank
参考:Euromoney「Private Banking Awards 2026 results」

Euromoney 2026の主な地域別受賞結果

地域ベストプライベートバンク
アジアDBS Private Bank
欧州BNP Paribas Wealth Management
北米Goldman Sachs
ラテンアメリカBTG Pactual
中東Emirates NBD Private Banking
アフリカStandard Bank Wealth and Investment
参考:Euromoney「Private Banking Awards 2026 results」

Euromoneyの結果では、DBS Private Bankが世界全体やアジア、デジタル資産、安全性の分野で目立っています。一方で、JPMorgan、Goldman Sachs、UBS、BNP Paribasなども、それぞれ異なる分野で評価されています。

ランキングを見るときに確認したいポイント

世界的なランキングで上位に入っている銀行であっても、日本居住者が利用できるか、最低預入額はいくらか、どのような商品やサービスが提供されるかは個別に確認が必要です。

  • 日本居住者へのサービス提供に対応しているか
  • 最低預入額や口座維持条件はどの程度か
  • 投資助言、運用一任、融資、相続・承継支援など、どこまで対応しているか
  • 手数料体系が明確か
  • 日本語対応や担当者の体制があるか
  • 海外口座や海外資産に関する税務・法務上の確認を行っているか

特に、海外プライベートバンクは税務、相続、為替、投資規制などの確認事項が多くなります。ランキングだけで判断せず、自分の居住国、資産規模、投資目的に合っているかを確認しましょう。

この記事をまとめると・・・
  • ADV Ratingsの預かり資産ランキングでは、UBSグローバル・ウェルス・マネジメントが1位となっている。ただし、掲載値の基準日は2019年〜2020年であり、最新の連結後データではない。
  • Global Financeの「World’s Best Private Banks 2026」では、世界のベストプライベートバンクにJ.P. Morgan US Private Bankが選ばれている。
  • Euromoneyの「Private Banking Awards 2026」では、世界のベストプライベートバンクにDBS Private Bankが選ばれている。
  • プライベートバンクを比較する際は、預かり資産の規模だけでなく、対象地域、専門分野、最低預入額、手数料、日本居住者への対応も確認することが重要である。

出典

この記事を書いた人

証券会社・証券口座メディア編集部は、ネット証券から対面・外資系証券まで多様な証券会社の選択肢を解説し、投資初心者でも最適な口座を開設できるよう支援している。元証券会社勤務者の知見を活かし手数料やサービス内容を客観的に比較し、おすすめのネット証券や対面証券をご紹介。運営元アドバイザーナビ株式会社は資産運用アドバイザーと投資家のマッチングサービス「資産運用ナビ」を展開し、読者が信頼できる相談先を提案している。透明性の高い情報提供を通じて、資産形成の第一歩を後押しする。