- 国債とは何か知りたい
- 国債の仕組みや意義を理解したい
- 国債のリスクと利益について詳しく知りたい
国債の中には元本割れのリスクがない金融商品もあるため、投資初心者にとっては安心できる投資先だ。しかし国債の仕組みを理解していない方も多いだろう。
ここでは国債の定義や仕組みまで徹底解説し、投資家が知っておくべきリスクとメリットを紹介する。これから国債への投資を検討している方は、ぜひ参考にしてほしい。
国債とは
そもそも国債とはいつできたのだろうか。ここでは歴史を紐解くのと同時に国債の定義について紹介する。
国債の基本的な定義
国債とは国が発行した債券のことを指す。国は資金不足を賄うため国債を発行し、投資家に購入してもらう。投資家は利子及び元本の返還を受け取ることができる。
国債は「普通国債」と「財政投融資特別会計国債(財投債)」の2つに分かれる。
- 普通国債・・・建設国債や特例国債、復興債まどがあり、税財源による賄われる
- 財投債・・・財政融資資金において運用の財源に充てるために発行される国債
国債の中身は異なるものの、普通国債と財投債は一体として発行され、金融商品としては全く同じものだ。
ただし、財投債は財政融資資金の貸付回収金より償還金や利払いを行うため、将来の租税を償還財源としている普通国債とは異なる点がある。
国債発行の歴史とその役割
そもそも国債が世界で形成され始めたのは16世紀のオランダである。当時フランスとの戦争を控えており巨額の資金が必要だった。
国民が国王や皇帝にお金を融資しても権力などによって踏み倒される可能性もあり、なおかつ王族の寿命によって債務が引き継がれる保証はないという懸念材料があったため資金調達が困難だった。
そこで国王は州議会であれば半永久的な機関であり信用力も高いと考え、ネーデルランド連邦ホランド州で国債を発行して資金を集めたのである。その後世界金融の中心であるイギリスが国債の導入を行い、世界各国で国債が広まった。
日本では1871年の廃藩置県とともに地方債から国債へ切り替えされた時がきっかけだ。1947年には国債発行額が税収を上回ってしまったため、戦後インフレが発生。そのため赤字国債の発行と日本銀行の赤字国債引き受けを禁止し均衡財政主義を取ることになった。
1990年にはバブル景気の税収が大幅に増減したため、一旦発行数が0となったものの、1994年には再開されている。2023年となった現在の国債は、アベノミクスによる量的金融緩和により世界各国と比較しても低金利であるため、投資対象としては人気が低下しているが、元本割れのリスクがないため、安心できる投資先と言えるだろう。
現代の国債市場の概要
現在の日本国債は世界各国と比較すると金利が低い。とはいえ信用度が高い円通貨である日本国債は根強い人気がある。
大きな利益は生まれないものの、元本割れのリスクがないため安心して運用できる。
国債の仕組み
国債はどのような仕組みで発行され、投資家たちに償還されるのだろうか。ここでは国債の仕組みについて解説する。
国債の発行と入札
発行した国債を投資家が購入し、利子と借入金を支払われる流れとなる。発行している国債は以下の表の通り年々増加している。
年度 | 国債発行額 |
---|---|
平成27年 | 805兆円 |
平成28年 | 830兆円 |
平成29年 | 853兆円 |
平成30年 | 874兆円 |
令和元年 | 886兆円 |
令和2年 | 946兆円 |
令和3年 | 991兆円 |
令和4年 | 1042兆円 |
発行される国債は個人向け国債と通常国債に分けられる。通常国債は債券市場で売買することができる。
しかし株式や投資信託のように値下がりすると元本割れのリスクが伴う。そのため投資家は個人向け国債や新窓販国債を購入することが多い。個人向け国債は元本割れのリスクが0であるものの、さまざまな制約が付いている。
途中解約できない期間が存在する他、解約した場合は中途解約利率が適用になり、当初設定されたものよりも低い利率となってしまう点だ。
とはいえ個人向け国債は3年や5年、10年と期間を選ぶことができるため、これらを資金計画とうまく組み合わせれば制約にぶつかる可能性は低いだろう。
国債の 利回りと価格
個人向け国債は1万円から購入することができ、上限金額は設けられていない。満期が来る前に売却することもできる新窓販国債は、最低購入価格が5万円からとなっており、上限は3億円までと設定されている。
個人向け国債は0.05%の最低金利保証がついているため、償還期限まで保有していたとしても元本割れのリスクはない。新窓販国債は、「固定2年」「固定5年」「固定10年」に分かれており、それぞれ利回りが異なる。
詳しくは以下の図を参考にしてほしい。
国債の償還と再投資
国債は金融機関や証券会社で購入することができ、満期を迎えると償還金を受け取れる。ゆうちょ銀行や郵便局が支払い場所となっている場合、振替預入でも可能だ。
もちろん償還金期限に関係なく、新たな国債へ再投資することも可能。ただし新窓販国債は上限が定められているため注意してほしい。
国債のリスクと利益
個人向け国債であれば元本割れのリスクがないものの、金利市場の影響を受けやすい点は理解しておくべきだ。ここでは国債のリスクとメリットを紹介する。
国債のリスク要因
国債は金利変動に伴う収益の増減がある。2006年8月の10年国債の金利は2%だったものの、2023年6月現在では0.4%まで低下している。金利が低下すると得られる利益も減るため、想定より収益が得られない可能性も高い。
とはいえ世界各国と比べて日本の国債金利が低いため、今後上昇することも考えられる。金利は世界各国と差額が生じると為替にも影響が出ることが多い。現在アメリカの10年国債の金利は3.6%、イギリスの10年国債の金利は4.1%だ。世界を見ても日本の金利が低いため円安になり物価高が生じている。
また投資対象が海外の国債になってしまうため、今後日本の金利の動向にも注目していたほうが良いだろう。
国債投資のメリット
国債へ投資するメリットは以下の3つが挙げられる。
- 銀行預金より金利が高い
銀行の預金金利は年0.0010%であるのに対し、金利が最も高い個人向け国債の変動金利10年型は0.28%である。
- 少額から投資ができる
不動産投資などと比べると少額から始めることが可能だ。
- 個人向け国債は元本割れのリスクがない
元本割れのリスクがないため、投資額がマイナスになることがない。
国債のリスク管理方法
国債のリスク管理を行うには専門家に相談しておくことがおすすめだ。国債は元本割れのリスクがないものの、金利変動によってその収益は大きく異なる。アメリカやイギリスなどでは利上げを行っているものの、「金利が高くなりすぎているのでは」という声も多い。
日本が金利を上げる前に世界各国が利下げすると、日本の金利も下落し国債にも影響が出る可能性もあるだろう。そのため常に金利市場や経済市場の動向を確認しておく必要がある。
とはいえ専門性が高く知見がなければ判断が難しいだろう。そのため次で紹介するIFAのサポートを受けることをおすすめする。
IFAが提供できる国債投資のサポート
IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)は顧客の資産をサポートしてくれる。ここではIFAをおすすめするメリットを3つ紹介する。
国債投資の適切なアロケーション
IFAは、国債だけでなくさまざまな投資へのアロケーション(配分)を提案してくれる。国債は元本割れのリスクが少ないものの、金利が低いため利益も微小だ。仮に100万円で10年国債を購入しても、得られる利益は2,800円だ。
そのため、他の投資にも資金を分配して利益を生み出すことが望ましい。投資にはさまざまな方法があるが、各投資家によって資産状況や投資の目的が異なるため、適切な方法も異なる。
IFAは、顧客の属性から適切な投資方法のアドバイスを行ってくれる。
リスク管理とリターン最適化
IFAは、顧客に合わせたリスク管理とリターンの最適化を提案してくれる。投資を始める際、目標金額を設定することはあっても、損失まで考慮できていないことが多いだろう。
100%増えるという投資はないため、必ずリスク管理が重要だ。IFAに相談すれば、国債を含め、投資方法ごとのリスクとリターンについてアドバイスしてくれる。
投資家のニーズに合わせたアドバイス
IFAは、独立系の資産運用アドバイザーであり、金融機関の販売意向やノルマに追われない。そのため、投資家のニーズに合わせてさまざまな提案や戦略立案などを行ってくれる点がIFAのメリットだ。
投資内容の「向き・不向き」は、投資家によって異なる。自分では合っていると思って始めたものの、思うような利益が生まれないこともあるだろう。IFAに相談すれば、顧客の資金や性格などからおすすめの投資方法を紹介してくれる。
またキャッシュフロー管理表や投資戦略などのアドバイスも行ってくれるため、投資初心者にとっては心強い味方となるだろう。
まとめ
中世のヨーロッパが起源となった国債は、日本でも根強い人気がある。日本国債は元本割れのリスクがなく、少額から始めることが可能だ。
しかし常に金利変動しているため、当初予定している利益より減少する可能性もあるだろう。そのため国債を投資する際は、IFAなどの専門家に相談することが大切だ。
「わたしのIFA」を活用し、IFAに相談すれば、急激な金利変動に対処できるだけでなく、顧客に合わせた投資方法も紹介してくれる。
本記事では国債について紹介したが、ほかにもさまざまな投資方法があるため、ぜひIFAに相談してみてほしい。