地球温暖化が深刻な問題になって以来、世界中で地球環境に取り組むプロジェクトが立ち上がっている。
そのための資金集めに関するプロジェクトをグリーンプロジェクトといいますが、近年では投資家もESG投資という地球環境に関することに投資をする動きが拡大している。
この記事では、地球環境を守るグリーンボンドについて誰でも理解できるように解説する。
グリーンボンドが気になる方は、ぜひ参考にしてみてほしい。
グリーンボンドとは?
グリーンボンドの意味は、地球温暖化や環境対策として資金を集めることを目的に発行された債券のことを示す。別名、グリーンボンド債とも言われる。
つまり、企業や国際機関、金融機関、地方自治体などが地球や環境を守るためのグリーンプロジェクトを推進するための資金調達として債券を発行し、環境保護にその資金が使われている。
グリーンボンドは国際復興開発銀行が2008年にこの債券を発行したのが世界初のグリーンボンドで、その後世界中に拡大した。
日本では日本政策投資銀行が2014年にグリーンボンドを発行している。
グリーンボンドを発行するようになってから、ESGに関心が高い投資家が、自分の投資目的が地球環境のためであることを明確に認識できるようになった。
グリーンボンドは何に使われる?
グリーンボンドは、地球や環境を守るための目的に資金が使われます。では、具体的にどのようなことに使用されるのでしょうか?
環境省のグリーンボンド原則によると
資金調達の使途 ・グリーンボンドによる資金調達の対象について例示
・5つの環境目的(気候変動緩和策・気候変動対応策・自然環境保全・生物多様性保全・汚染対策)に適格性があると規定
引用:環境省「グリーンボンド原則(Green Bond Principles: GBP)」
つまり、グリーンボンドは気候変動緩和策、気候変動対応策、自然環境保全、生物多様性保全。汚染対策のために使用すると記載されている。
また、グリーンボンドはICMAによるグリーンプロジェクトの次のようなカテゴリーに分類されている。
- 再生可能エネルギーに関する事業
- 省エネルギーに関する事業
- 汚染の防止と管理に関する事業
- 自然資源の持続可能な管理に関する事業
- 生物多様性保全に関する事業
- クリーンな運輸に関する事業
- 持続可能な水資源管理に関する事業
- 気候変動に対する適応に関する事業
- 環境配慮製品、環境に配慮した製造技術
- プロセスに関する事業
- グリーンビルディングに関する事
- 引用:ICMA 「Green Bond Principles: GBP」
日本におけるグリーンボンドの種類
現在、環境省によるとICMAが発表しているグリーンボンドは4種類がある。
- 標準グリーンボンド
- グリーンレベニューボンド
- グリーンプロジェクトボンド
- グリーン証券化ボンド
これら4つの種類は、それぞれ目的や役割がことなる。そのため、グリーンボンド債を購入する時には、どの債券が適切なのかを確認する必要がある。
グリーンボンドの仕組みとは?
グリーンボンドの仕組みは、いたってシンプルで発行されると企業や地方自治体に投資家が投資をする。その投資について、外部の評価機関が評価することになっている。
その大部分が、再生可能エネルギーである太陽光発電、地熱発電、風力発電、水力発電などの設備投資などに使用されている。
その他の目的としては、気候変動、環境汚染防止、省エネルギーなどの問題解決の資金としても使われる。
現在では、日本国内でもメガバンクなどがグリーンボンドを発行しており、その取り扱い機関は現在でも拡大を続けている。
世界のグリーンボンド市場の現状
Climate Bonds Initiativeのマーケットデータによると2021年、グリーンボンド市場は合計1598.7億ドルにも及び、2021年は2020年に比べてマーケットが飛躍的に拡大した。
このように2021年にマーケットが急激に拡大を示していることから、2022年以降、グリーンボンドに対する投資は、さらに拡大することが予想される。
グリーンボンドのメリットとは?
グリーンボンドを発行するにあたり、3つのメリットがあると考えられる。
- グリーンボンド発行
- グリーンボンドを発行することで投資家の目的が明確になり、ESGに投資をしている投資家か集まりやすくなる。
- そのため、資金が得られやすくなり、良い評価へとつながる。
- 投資面
- グリーンボンドに投資することで、地球環境の改善に向けて実現に貢献することができる。
- 社会や環境面
- 地球や環境問題解決につながり、2050年までの目標を実現することができる。
グリーンボンドのデメリット
グリーンボンドの使用用途は限定的で、必ずグリーンプロジェクトに使用されなければならないために、実際にはグリーンプロジェクトに使用されない可能性もある。
これを「グリーンデフォルト」と呼んでいるが、投資家にしてみればグリーンプロジェクトに投資したにもかかわらず、投資目的に使用されないため実際には環境改善の効果がない債券となってしまう。
そのため、せっかくグリーンボンドを発行しても環境事業に使用されない債券となる。
これを「グリーンウォッシュ債券」とよんでいますが、投資家には無駄な投資とならないように今後、対策が必要となるでしょう。
まとめ
グリーンボンドは地球温暖化や環境を守るために発行されるグリーンプロジェクトのための債券だ。
近年、ESG投資家に注目され2021年には飛躍的にマーケット市場が拡大している傾向にある。
2022年には、さらなる世界のマーケット拡大が期待されている。
しかし、一方ではグリーンボンドの使用目的が限定されているため、目的の事業に資金が使われない可能性もある。
今後は、このようなグリーンウォッシュ債券が発生しないように解決されることでしょう。
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