カードローンを利用する際「金利」に着目している人は多いだろう。
それだけ金利はカードローンを選ぶ際の重要な要素となるのだが、よく分からないといった悩みを抱えている人もいる。
金利を理解する前に、カードローンを利用することはおすすめしない。
本記事では、カードローンの金利や利息の計算方法などについて解説していく。金利の仕組みを理解したい人や、利息を抑える方法を知りたい人は、ぜひ参考にしてほしい。
カードローンの金利とは?仕組みを解説
カードローンを契約する際、必ず確認すべきものに金利がある。ここからは、金利の仕組みについて解説していく。
金利と利息の違い
金利とは、借入額に対して支払う金額の割合を表したものだ。金利の他に「利率」や「借入利率」などの名称が使われるケースもあるが、意味は同じだ。
また、カードローンには「利息」という言葉が使われることも多い。利息とは、借入額に対して支払う金額を指す。
金利は「%」を使って割合を表すのに対して、利息は「円」により支払金額を示すのだ。
金利は上限が定められている
金利は「利息制限法」により、上限が定められている。貸付額に応じて15.0%~20.0%の金利が適用されるのだ。
貸付額と上限金利については、こちらの表を参考にしてほしい。
貸付額 | 上限金利(年率) |
---|---|
10万円未満 | 20.0% |
10万円~100万円未満 | 18.0% |
100万円以上 | 15.0% |
利息制限法を守らなかった場合、上限金利を超える金利部分は無効となる。
金利はカードローン会社によって異なる
金利上限は法律により定められているが、適用金利はカードローン会社が決めている。また、○○%~△△%といったように、幅を持たせた表記となっているケースが多い。
適用される金利は審査後に判明する
適用される金利は、審査が通ったあとに判明するケースが一般的だ。実際の適用金利は、借入限度額によって決まることが多い。
借入限度額が低ければ低いほど、金利が高くなる傾向がある。
一例として、三井住友銀行カードローンの借入限度額と金利を見てみよう。
借入限度額 | 金利(年率) |
---|---|
100万円以下 | 12.0%~14.5% |
100万1円~200万円以下 | 10.0%~12.0% |
200万1円~300万円以下 | 8.0%~10.0% |
300万1円~400万円以下 | 7.0%~8.0% |
400万1円~500万円以下 | 6.0%~7.0% |
500万1円~600万円以下 | 5.0%~6.0% |
600万1円~700万円以下 | 4.5%~5.0% |
700万1円~800万円以下 | 1.5%~4.5% |
三井住友銀行カードローンで50万円を借り入れした場合、12.0%~14.5%の金利が適用されることとなる。また、100万円を借り入れすると、適用金利は10.0%~12.0%となる。
借入限度額によって、上限金利に2.5%もの差が生じることが分かるだろう。
カードローンの利息の計算方法
カードローンの利息を計算することで、堅実な返済計画を立てられる。カードローンの利息の計算式や具体例を見ていこう。
カードローンの利息の計算式
カードローンの利息の計算式はこちらだ。
なお、うるう年の場合は365を366にして計算しよう。
カードローンの利息の具体例
では、実際にカードローンの利息を計算してみよう。本記事では3つのパターンをシミュレーションしてみた。
適用金利と返済期間が違うと、どれくらいの利息を支払うこととなるのかを見てほしい。
シミュレーション1では、10万円を14.5%の適用金利で借り入れしたと仮定する。返済期間は3か月、6か月、12か月の3パターンとした。シミュレーション結果はこちらだ。
返済期間 | 適用金利 | 毎月の返済額 | 総利息額 |
---|---|---|---|
3か月 | 14.5% | 34,142円 | 2,426円 |
6か月 | 14.5% | 17,379円 | 4,274円 |
12か月 | 14.5% | 9,002円 | 8,024円 |
返済期間が短いと、毎月の返済額が増える。しかし、総利息額は少なくなることが分かるだろう。
しかし、利息を支払いたくないがために返済期間を短くすると、家計に大きな負担がかかる。返済が滞ってしまうと、返済遅延金の支払いが発生するので注意が必要だ。無理のない返済額を設定するようにしよう。
続いて、シミュレーション2を見てみよう。シミュレーション2では、10万円を18.0%の適用金利で借り入れしたと仮定する。
こちらも返済期間を3パターン用意した。シミュレーション結果はこちらだ。
返済期間 | 適用金利 | 毎月の返済額 | 総利息額 |
---|---|---|---|
3か月 | 18.0% | 34,338円 | 3,014円 |
6か月 | 18.0% | 17,553円 | 5,318円 |
12か月 | 18.0% | 9,168円 | 10,016円 |
毎月の返済額を比較すると、シミュレーション1よりも数百円多く支払うだけだ。しかし、総利息額を見てみると、数百円~数千円もの差が生じる計算となった。
毎月の返済額だけ見れば、そこまで大きな負担にはならないと感じるかもしれない。しかし、結果として多くの利息を支払うこととなるのだ。
シミュレーション3では借入金額を100万円、適用金利が15.0%と仮定した。こちらの結果を見てほしい。
返済期間 | 適用金利 | 毎月の返済額 | 総利息額 |
---|---|---|---|
3か月 | 15.0% | 341,701円 | 25,103円 |
6か月 | 15.0% | 174,034円 | 44,204円 |
12か月 | 15.0% | 90,258円 | 83,096円 |
返済期間を3か月とした場合、毎月の返済額は341,701円となり、かなりの負担額となる。
そこで、返済期間を12か月にすれば、毎月の返済額は10万円以内に収められる。
総利息額は増えるが、無理のない返済ができそうだ。借入金額が大きい場合、総利息額も比例して増えることとなる。
このように、何通りかのシミュレーションをすることで、具体的な総利息額が判明するのだ。
手間だと感じるかもしれないが、カードローンを利用する前にシミュレーションを行うとよいだろう。
なお、上記のシミュレーション結果および実際に支払う利息額は異なるケースが考えられる。
詳しくは、利用するカードローンの商品案内などで確認すると確実だ。
カードローンはカードレスでも使えるのか、知りたい人はこちらの記事も参考にして欲しい。
カードローンの利息を抑える方法
カードローンの利息が増えれば増えるほど、返済が厳しくなることが予測される。確実な返済をするためにも、利息を抑える方法を把握しておくとよいだろう。
カードローンの利息を抑える方法には、下記の5つの方法がある。
- 低金利のカードローンを選ぶ
- 無利息期間を活用する
- 繰り上げ返済を検討する
- ひと月あたりの返済額を増やす
- 金利の低いカードローンに借り換える
低金利のカードローンを選ぶ
利息を抑えるために確認しておきたいのは、金利の低さだ。低金利であればあるほど、利息の支払額を抑えられる。複数のカードローンの金利を比較してみよう。
金利比較をする際は、自身が利用する借入限度額の金利をチェックすることが重要だ。借入限度額が同じでも、カードローンごとの金利が異なるためだ。
金利の低いカードローンの一例として「楽天銀行スーパーローン」がある。
楽天銀行スーパーローンの最高金利は14.5%だ。楽天銀行カードローンの借入限度額と金利をまとめた表がこちらだ。
借入限度額 | 金利 |
---|---|
10万円~100万円未満 | 14.5% |
100万円~200万円未満 | 6.6%~14.5% |
200万円~300万円未満 | 3.9%~14.5% |
300万円~350万円未満 | 2.9%~12.5% |
350万円~500万円未満 | 2.9%~8.9% |
500万円~600万円未満 | 2.5%~7.8% |
600万円~800万円未満 | 2.0%~7.8% |
800万円 | 1.9%~4.5% |
さらに、MY ONEネット特約会員の人は、適用金利から0.4%が引かれた金利が適用される。
なお、消費者金融カードローンよりも銀行カードローンのほうが、金利が低い傾向がある。
金利の低さを重要視したい人は、はじめに銀行カードローンの金利を比較することをおすすめする。
無利息期間を活用する
カードローンによっては、無利息期間を設けているケースがある。無利息期間があるカードローンを利用すれば、一定期間の利息が無料となるのだ。
この無利息期間中に完済すれば、利息を支払う必要はない。利息の支払いを避けたい人は、無利息期間を活用してみよう。
なお、無利息期間を利用するには、一定条件を満たしている必要がある、例えば、消費者金融の大手であるアコムには「30日間金利0円サービス」が設けられている。
30日間金利0円サービスを利用できるのは、アコムでの契約が初めての人だ。アコムのリピーターは30日間金利0円サービスの利用はできない。
このように、利用条件を把握しておかなければ、返済計画が狂ってしまう可能性があるので注意しよう。
繰り上げ返済を検討する
カードローンの返済方法の基本は「約定返済」だ。約定返済とは、毎月決まった日にちに返済していく返済方法を指す。
約定返済とは別の方法に「繰り上げ返済」がある。繰り上げ返済とは、契約者の任意のタイミングで追加返済を行うことだ。
繰り上げ返済により、返済期間を短縮できる点が特徴だ。また、繰り上げ返済をすることで、借入金額の減少につながる。結果として、総利息額を減らせる効果も期待できるのだ。
繰り上げ返済には、下記の2種類がある。
- 期間短縮型
- 返済期間を短縮する返済方法
- 返済額軽減型
- 毎月の返済額を軽減する返済方法
また、繰り上げ返済をする方法の一例はこちらだ。
- 口座引き落とし
- ATMによる返済
- 口座振込
- スマホアプリによる返済
では、繰り上げ返済をすると、どのくらいの効果が期待できるのだろうか。繰り上げ返済の具体例を見ていこう。
50万円を金利14.5%で借り入れをして、毎月2万円返済するとしよう。また、毎月2万円の返済と、毎月5,000円の繰り上げ返済をしたとする。
この2つの返済例の総利息額はこちらだ。
毎月の返済額 | 総利息額 |
---|---|
20,000円 | 98,870円 |
25,000円 | 75,781円 |
上記の具体例の場合、毎月繰り上げ返済をすることで、およそ23,000円もの利息を支払わずに済むこととなる。
繰り上げ返済によって、利息を軽減できる効果が分かるだろう。資金に余裕があるときは、繰り上げ返済をして利息を抑えよう。
ひと月あたりの返済額を増やす
繰り上げ返済にもいえることだが、ひと月あたりの返済額を増やせば増やすほど、利息を軽減できる。
収支のバランスを鑑みて、返済額を決定するとよいだろう。
金利の低いカードローンに借り換える
現在契約している会社の金利が高ければ、借り換えも選択肢のひとつとなり得る。低金利のカードローンを探しておき、借り換えの申し込みをしてみよう。
ただし、借り換えにも審査がある。借り換えの審査は、新規借入時の審査よりも厳しくなることが予想される。
借入残高を減らしておく、返済遅延を避けるなどのポイントを把握しておけば、審査に通過する可能性が高くなるだろう。
カードローンの金利の仕組みを把握して利息を抑えよう
カードローンの金利とは、借入額に対して支払う金額の割合のことだ。
金利が高くなれば高くなるほど、多くの利息を支払うこととなる。そのため、金利の低いカードローン会社を探すことが重要だ。
またカードローンの利息を抑える方法には、無利息期間を活用する、繰り上げ返済を検討するなどがある。
利用できそうな方法があれば、積極的に活用してみよう。
カードローンを利用するのであれば、金利の理解は必要不可欠だ。
本記事で解説した内容を参考にして、金利の低いカードローンを利用してみてはいかがだろうか。
カードローンのおすすめランキングについて詳しく知りたい人はこちらの記事も参考にして欲しい。