銀行系カードローンとサラ金（消費者金融）の違いは？キャッシング・闇金との違いも解説

カードローンを契約する貸金業者の中には、「銀行」「サラ金（消費者金融）」がある。

銀行・サラ金が提供しているカードローンの違いについて、あなたは理解できているだろうか。

特に審査のスピード・金利に大きな違いがあるのは、重要なポイントだ。

「お金を借りる」ときには、闇雲に借りられるところを探すのではなく、返済時に損しない借入方法を選ぶ必要がある。

そこで本記事では、銀行系カードローン・サラ金の違いなど貸金業者の違いについて解説していく。

「カードローン」と「サラ金」の違いとは？

銀行系カードローン・サラ金には、どのような違いがあるのだろうか？どちらも同じ貸金業としてサービスを展開しているが、それぞれに特徴がある。

ここからは、銀行系カードローン・サラ金の特徴について見ていこう。

銀行系カードローンの特徴

銀行系カードローンとは、メガバンク・地方銀行・ネット銀行などの金融会社が提供しているものだ。

「銀行法」に基づいて貸付けを行っている。銀行では他にも「目的別ローン」として、「教育ローン」「マイカーローン」「住宅ローン」がある。

この場合、ローンの名前にある目的以外に利用することはできない。一方、銀行系カードローンは事業性資金を除き、利用目的は問われないため自由に使うことができる。

そのため、柔軟性が高く利用者にとって都合がいい。また、銀行系カードローンの特徴としてあげられるのは「金利の低さ」だ。

最高金利が15%以下となっており、負担が若干少ない。なお、銀行系カードローンでの融資を受ける場合は、提携する保証会社の保証が受けられないと契約できないことが多い。

サラ金の特徴

サラ金の特徴は、おもに個人向けの融資を取り扱っており、「貸金業法」に基づいて貸付けを行っていることだ。

サラ金の特徴としてあげられるのは、審査のスピードが早く即日融資が可能なことである。

また、最高金利が約20%となっており、銀行系に比べれば多少高く設定されている。

急な出費があって直ぐにでも融資を受けたい場合はサラ金がおすすめだ。

カードローンの比較について詳しく知りたい方はこちら。

カードローン・サラ金とキャッシングの違いは？

カードローン・キャッシングもお金を借りる方法に変わりはないが、借り方・返済方法に細かな違いがある。

ここからは、どのような違いがあるか見ていこう。

キャッシングとは

キャッシングは、クレジットカード付帯のキャッシングサービスのことを指す。クレジットカードに「キャッシング枠」が付帯している場合のみ利用できる。

クレジットカードを申し込んだときに、同時にキャッシングサービスも申し込まないと利用できないことがある。

キャッシングサービスを申し込んでおけば、急に現金が必要になったときに提携ATMでお金を引き出すことができる。

なので、とても便利なサービスといえる。

銀行系カードローン・サラ金との違い

銀行系カードローン・サラ金・キャッシングの違いをまとめたものが、以下の表だ。

	クレジットカード	銀行系カードローン・サラ金
利用枠	ショッピング キャッシング	借入れのみ
金利	年14～18％	年1～20%
利用限度額	100万程度	平均して最大800万円程度
融資のスピード	クレジットカードにキャッシングが付帯していれば即日 キャッシング機能を後付けしたい場合は、申込んでから最短で翌営業日	最短当日～1週間程度
返済方法	一括 リボ 口座引き落としが一般的	リボ払い 臨時払い 提携ATM・口座引落し・振込など多様な返済方法がある

クレジットカードを申し込む際にキャッシング機能をつけていれば、利用可能枠の範囲内でキャッシングができる。

ただ、利用可能枠はカードローンに比べて少額であることが多い。また、最低金利が平均14%からと銀行系カードローン・サラ金に比べて高めに設定されている。

一時的に少額の借入を行うのであればクレジットカードのキャッシング機能を使うのもおすすめだ。

ただ、枠を超えての利用を検討するのであれば、銀行系カードローン・サラ金が良い。

カードローン・サラ金と闇金の違いは？

闇金も銀行系カードローン・サラ金と同じく借入れはできるが、これには大きな違いがある。

闇金にもいろいろな種類があり、どうしてもお金が必要だからと手を出してしまうと後戻りができないほど大変なことになる。

それでは、銀行系カードローン・サラ金・闇金の違いについてご紹介しよう。

闇金とは

闇金とは、一般的に国・都道府県に貸金業としての登録を行っていない業者・個人のことをいう。

また、貸金業の登録をしていても、出資法に違反するような高金利を設定している業者も闇金にあてはまる。

闇金では簡単にお金を貸してはくれるものの、法外な利息が請求され、人権を無視した取り立ても行われる。

金利もかなり高く設定しているので、10日で数万円など請求されることもある。

返済が1日でも滞れば、自宅・職場など関係なく取り立てにくることもあるので絶対に利用してはいけない。

銀行系カードローン・サラ金との違い

銀行系カードローン・サラ金は、月に1回の約定返済日があるが、闇金は10日に1回など短期間で返済を求めてくることが多い。

また、闇金は審査をほぼ必要としないため、自己破産などの法的措置をとった人に対して勧誘を行って貸付することもある。

銀行系カードローン・サラ金は企業としてサービスを行っているが、闇金は暴力団組織や個人が経営している。

返済する目処がたっているとしても、闇金から一度借りれば何度も借入するよう催告してくることもある。

一生つきまとわれる可能性も出てくるのだ。自宅にも平気で来ることがあるため、家族に知られたくない方は絶対に利用しないようにしよう。

カードローンとサラ金の違い【申込～契約編】

銀行系カードローン・サラ金を利用したいと考えたとき、まず必ず通る道は「申込」だ。

家族・周りの人に借入れを行うことを知られたくないときは、どちらの方が知られにくいのだろうか。

申込から契約まで銀行系カードローン・サラ金での違いを見ていこう。

申込方法

銀行系カードローン・サラ金での申込方法に違いはあるのだろうか。それぞれの申込方法は以下の通りとなっている。

	銀行系カードローン	サラ金
申込方法	窓口 Web 電話	窓口 Web 電話 無人契約機

銀行系カードローンで申込をする場合、その銀行の口座を開設しなければならないことがある。

一方、サラ金は口座を開設するなどの手間は必要ない。

また、サラ金には無人契約機があるため、対面して申込むのが苦手な方にはおすすめだ。

審査基準

銀行系カードローンは「銀行法」、サラ金は「貸金業法」に基づき審査を進める。

ただ、銀行系カードローンの方が審査は厳しいといわれている。

上記の審査基準に基づき、審査が行われる。銀行系カードローンは保証会社からの保証が受けられない人には融資ができない。

そのため、保証が受けられるかどうかも審査基準の中に入る。また、銀行系カードローンの方が金利が低いこともあり審査のハードルが高い。

そのため、金利が高いサラ金の方が審査は通りやすいともいわれている。

審査スピード

審査のスピードは、銀行系カードローン・サラ金では大きな違いがある。

サラ金は1時間以内での審査が可能で即日融資までできるスピード感があるのに対し、銀行系カードローンは即日審査が難しい。

銀行系カードローンでは、警察庁のデータベースへの照会や保証会社と銀行内での審査が行われる。

これにより、審査に時間がかかるので即日審査が難しいのである。したがって、急な資金繰りで今すぐにでもお金が必要な場合はサラ金を選ぶ方がいい。

対して、金利を重視して安く借りたいなら時間を要しても銀行系カードローンを選ぶのがおすすめだ。

ただし、申込時間によってはサラ金であっても翌日返答になることもある。急いでいる場合は日中に申し込むと良いだろう。

カードローンとサラ金の違い【借入～返済編】

銀行系カードローン・サラ金で借入した場合、気になるのは「借入方法」と「返済方法」だ。また、銀行法・貸金業法の違いがあることから、規制の違いもある。

銀行系カードローン・サラ金での借入から返済までの違いを見ていこう。

どちらで借りた方が自分のライフスタイルに合い、メリットがあるか考えてほしい。

借入方法

銀行系カードローン・サラ金での借入方法は以下の通りとなっている。

	銀行系カードローン	サラ金（消費者金融）
借入方法	口座振替 銀行 ATM アプリをつかってのATM借入 口座へ自動融資	口座振替 提携ATM アプリを使ってのATM借入

銀行系カードローン・サラ金ともに借入方法は似通った部分が多い。ただ、銀行系カードローンでは口座への自動融資が利用できる。

自動融資とは、口座の残高が少なくなっても引落し不能にならないように自動で融資をする「オートチャージ」を行う制度だ。

一方、サラ金は提携ATMが多く、利便性が高い特徴がある。ただし、この借入方法は銀行系カードローン・サラ金の全社が共通して行っているものではない。

借入方法は、それぞれ企業によって異なるからだ。借入方法については、申込前に確認し、自分に合った借入方法であることを確認した方が良い。

金利

銀行系カードローン・サラ金での金利の違いは以下の通りだ。

	銀行系カードローン	サラ金（消費者金融）
金利（年）	約14～15%	約18%

銀行系カードローンのほうが最高金利が低く、サラ金のほうが若干ではあるが高くなっている。

総量規制

銀行系カードローンでは「銀行法」、サラ金では「貸金業法」といったように、法律に違いがある。

これには「総量規制」が関わっており、貸金業であるサラ金は、総量規制の対象となっている。

総量規制とは、年収の3分の1以上の借入れはできないことを明記した法律である。

つまり、サラ金からの借金は年収の3分の1以上借りることはできないのだ。

また複数社から借入を行っていた場合、借入金額を足して年収の3分の1以上になると、新規の借入もできなくなる。

一方、銀行法である銀行系カードローンは総量規制の対象にはならない。

年収の3分の1以上であっても借入を行うことが可能となっている。

ただ、独自に総量規制のようなルールを定めている銀行もあるため、事前に確認することをおすすめする。

付帯サービス

銀行系カードローン・サラ金の付帯サービスといえば、以下のものが挙げられる。

銀行系カードローンでは、長期借入を行った際に借入金に対する保証として「ガン保証特約サービス」を付帯する企業もある。

また、銀行によっては口座へ自動融資を行うサービスや、会員のみが受けられるサービスを提供している。

一方、サラ金は無利息期間を設けている企業が多く、他はこれといったサービスは提供していない。

付帯サービスについては、申し込む前にサービス内容を確認しておこう。

返済方法

銀行系カードローン・サラ金での返済方法は、以下の通りとなっている。

	銀行系カードローン	サラ金
返済方法	口座自動引落し 専用口座へ振込（繰り上げ返済） 銀行ATM	口座引落し 提携ATMでの返済 インターネットバンキング 振込 アプリ

銀行系カードローンの返済方法として、口座自動引落しを行っている銀行が多い。

ローンカードを使い、銀行ATM・提携ATMでの返済ができる金融機関もある。

一方、サラ金は返済方法が多種多様で、直接出向かずにインターネットで完結できる方法もある。

また、提携ATMが多く、コンビニなどの身近な店舗で返済できることも多い。

カードローンとサラ金の共通点

銀行系カードローンとサラ金の共通点としては、どちらも基本的に無担保・資金使途が自由な点がある。

銀行系カードローンは保証会社の保証を受けられないと融資が難しい点はあるが、担保をつける必要はない。

この点は、サラ金と共通しているところだ。また、資金使途が自由なので目的別ローンと違って用途は問われない。

自由な使い道ができるといった面では、銀行系カードローン・サラ金ともにメリットといえる。

カードローンとサラ金の違いから見る借入先選択のポイント

カードローンを契約したいと思い立ったなら、銀行系カードローンとサラ金のどちらを選ぶべきなのだろうか。

借入をする状況によっても違いがあるが、借入する額・いつまでに資金が欲しいかをポイントに選ぶのが得策だ。

それでは、銀行系カードローン・サラ金の違いから借入先を選ぶポイントについて解説しよう。

長期的に借入するなら銀行系カードローン

長いスパンで借入するなら、金利の安い銀行系カードローンがおすすめだ。

借入希望額が多ければ多いほど金利は安くなる傾向があり、返済するにしても金利負担がサラ金よりは少ない。

ただし、個人属性・信用情報を基本として審査が行われるので、審査を通過するのはサラ金に比べてハードルが高い。

それでも金利の負担が少ない銀行系カードローンの方が、長い目でみるとメリットが多いと言える。

緊急で高額の借入をするならサラ金

審査スピードがとにかく早いサラ金なら、急な出費で困っているときに役に立つ。

総量規制があるため年収の3分の1以上は借りられないが、一時的に高額な借入の必要があればサラ金がおすすめだ。

ただし、金利は銀行系カードローンよりも高い傾向にある。繰り上げ返済を利用し、早めに返済すれば負担が少なくなるだろう。

突発的な出費があるときは、審査・融資のスピードが早いサラ金を選ぶと良い。

少額借入をするならキャッシング

手元の現金がほんの少し足りず、少額借入をしたい場合は、キャッシングがおすすめだ。

クレジットカードを持っていてキャッシング機能を付帯しているのであれば、提携ATMで直ぐに借入れることができる。

ただし、キャッシング機能が付帯していない場合は、キャッシング機能の申込が必要となる。

その場合は別途審査が必要となって時間を要するため、「急にお金が必要」な場合には不向きだ。

新規でクレジットカードを申込むのであれば、キャッシング機能付帯で申込むと良い。

カードローンやサラ金から借入する際の賢い利用法

お金を借りたのであれば、必ず返さなければならない。

銀行系カードローン・サラ金も同様だが、タダで貸してくれるわけではなく、金利を乗せることで利益を出している。

借りた分だけ返せば良いわけではないので、借入するときには利用方法もしっかり検討することが大切だ。

そこで、銀行系カードローン・サラ金から借入するときの賢い利用法について紹介しよう。

借入目的の必要性をじっくり考える

借入する前に、なぜそのお金が今必要なのか考えることが大切だ。

闇雲にお金が欲しいといった曖昧な理由で借入をすると、返済に苦労し後悔することになりかねない。

お金が欲しいと思っても、結局は借りるだけで増えることはなく、返さなければならないからだ。

子供の教育資金・車の修理代などの突発的な出費はどの家庭でもあり得る。

どうしてもその資金がないと生活に支障が出る場合に限って利用すると良い。

一方、物欲だけで借入れをしてしまうと、どんどん借入が増えていき、最終的には限度額ギリギリになることもある。

借入する前に、お金の必要性についてしっかり検討することが大切だ。

返済の目途を立ててから借入する

「ご利用は計画的に」といわれるように、返済の目処が立たないのに借入するのはおすすめしない。

自分の収支の内訳をしっかり把握し、必ず返せる前提で借入しなければならない。

万が一返済ができなくなったり返済が滞ったりすることがあれば、自宅に督促状が届く。

そうなると、家族に知られたくなくても知られてしまう可能性がある。

銀行系カードローン・サラ金ともに返済能力があることを審査してから契約を交わしている。

返済ができないのは契約違反となるので、返済の目処がたたないのに借入するのはやめておこう。

カードローンとサラ金の違いを知って賢く使い分けよう

本記事ではカードローンとサラ金の違いを解説した。銀行系カードローン・サラ金はお金を借りることができるサービスではあるが、それぞれに違いや特色がある。

金利が低い銀行系カードローンは魅力的だが審査に時間がかかることもあるので、急を要しているときは不向きなこともある。

サラ金は審査・融資のスピードはとても早いが、金利が高く長期的な借入れをすると返済額が増える。

それに伴って、負担も増加する。銀行系カードローン・サラ金どちらにもメリット・デメリットがある。

自分が今どうして資金が必要なのかをしっかり熟考して、賢く使い分けよう。