- プラチナカードは年収400万円でも持てるものか?
- もしプラチナカードの審査に落ちたらどうなるか?
- 審査が通りやすいプラチナカードを教えてほしい。
30代になれば、入会基準の年齢面で抵触するプラチナカードはなくなるので、カードのユーザーになれる。
国税庁の調査によれば「30代前半の平均年収は400万円」だが、その金額でも十分可能だ。
しかしそのようなことが信じられるだろうか?
この記事では、その答えを解説している。プラチナカードを検討している人は、ぜひ参考にしてほしい。
プラチナカードの審査は甘い?誰でも持てるカードなのか
クレジットカードでは、一般カードの上位グレードのカードとして、ゴールドカードとプラチナカードがある。
この二つのカードのうちプラチナカードの方がステータスは高く、ゴールドカードにはないサービスを持っている。
- レストランやホテルの優待サービスがある
- コンシェルジュサービスが利用できる※1
- 同じサービスを持つゴールドカードと比べて、ワンランク上のサービスが受けられる
- 旅行時の保険:保障内容が手厚い
- 空港ラウンジ:利用可能な空港ラウンジがより多くなる(プライオリティ・パスが利用できる場合もある)※2
- 1:コンシェルジュサービス:目的に応じた最適なレストラン・旅行プランを探し出して、予約を代行してくれるサービス。観光や出張の際のホテル・航空券・新幹線や、音楽・演劇・スポーツ観戦などのチケットも手配してくれる。サービスデスクに電話をすれば、24時間365日対応してくれる。
- 2:プライオリティ・パス:全世界にある1,300ヵ所以上の空港ラウンジが利用できるサービス。
しかしその分、プラチナカードの入会審査は、ゴールドカードと比べて厳しいといわれている。
NTTドコモの調査結果では、ゴールドカードの所有者の62.8%は年収400万円未満だが、プラチナカードはどうだろうか?
ここでは、プラチナカードは誰でも持てるカードか、そうではないのかを解説する。
プラチナカードの所有率は1.4%
フジサンケイグループのリサーチ会社での調査結果によれば、プラチナカードの所持率は1.4%と非常に低い。
この結果から、「プラチナカードは金持ちだけが持てるカード」という印象を持つ人も多いだろう。
しかし会社員や公務員でも持っている人は多い。
一方でMicrosoftの創業者ビルゲイツ、AppleのCEOティムクックは、アメックスのグリーンカードの愛用者だ。
つまりプラチナカードと年収に関係性はない。
- アメックスのグリーンカード:アメリカン・エキスプレスの一般カード。
- 出典:株式会社リビングくらしHOW研究所「2015年1月シティリビング カードに関するアンケート結果」
プラチナカードの所有率が少ない三つの理由
プラチナカードの所有率が低い理由は、以下の三つだ。
- 入会審査が厳しい
- 年会費が高い
- 20,000円〜50,000円ほど。なかには年会費が10万円を超えるものもある。
- プラチナカードのサービスが活きるライフスタイルを送っていない
- 買い物やネットショッピングなどの普段使いだけなら、一般カードやゴールドカードでも事足りる
プラチナカードには、旅行や観光・エンターテインメント・レストランなどでの会食に、嬉しい特典が多い。
さらにコンシェルジュサービス・空港ラウンジ・旅行保険などは、海外出張の多いビジネスパーソンには嬉しいサービスだ。
しかし上記③のように、これらに魅力を感じない人には、このカードを必要に思わないかもしれない。
プラチナカードを持たない理由
残りの98.6%の人たちがこのカードを持っていないのは、上記③が最も大きな理由だ。
プラチナカードの「強み」に魅力を感じている人は、入会審査が厳しくとも年会費が高くとも、気にしないだろう。
98.6%の人たちには、「プラチナカードを持てない人」と「プラチナカードを持つ必要性を感じていない人」が含まれている。
年収400万円でプラチナカードの審査を通過するためには
この98.6%の人たちのなかには「必要と感じているが、このカードが持てることを知らない人」もいるのではないだろうか?
ここでは年収400万円で、プラチナカードを手に入れるために必要なことを解説する。
この説明では「安定した収入・クレヒス・カード利用可能枠」が、重要なキーワードになる。
“安定した収入”を得ること
ほとんどのカード会社では、年収条件を明らかにしていないが、三菱UFJニコスやUCカードには以下の規定がある。
- 三菱UFJカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス®・カード
- 20歳以上でご本人に安定した収入のある方(学生を除く)。
- UCプラチナカード
- 安定した収入があり、社会的信用を有するご連絡可能な方
つまり本人に安定した収入がない専業主婦(夫)・フリーター・無職・非正規労働者などは、プラチナカードの申し込みはできない。
また高所得者であっても、収入に波がある芸能人・スポーツ選手・個人投資家なども、申込対象から外れる可能性がある。
高年収でなくとも、サラリーマンのように安定収入を得ていることが、プラチナカードを申し込むうえでの大前提になる。
堅実な“クレヒス”を積み上げること
プラチナカードの入会審査では、申込者の信用情報として、クレヒス(クレジットヒストリー)が重視される。
クレヒスとはクレジットカードやローンの利用履歴のことであり、これらの信用情報は信用情報機関が登録・管理している。
カード会社は、信用情報機関から申込者の信用情報を照会し、以下の内容を確認する。
- 現在の未払いの有無や、過去の延滞情報
- ローンやクレジットカードなどでの借入金
- 携帯電話料金
- 自己破産などの債務整理の実施有無
- 借金や任意整理を踏み倒しの経験の有無
- 6ヶ月以内での複数カードの申込み
- これまでクレジットカードやローンを利用したことがなく、クレヒスがない※
- 個人の信用力を判断するための情報がないため
安定した収入があっても、これらの情報が悪ければ申込者の信用力は損なわれ、カードの入会審査を通過することは難しいだろう。
上記⑤の場合では、クレジットカードを持っていなくても、スマホの分割払いをすればクレヒスの実績は作れる。
一定額以上の“カード利用可能枠”があること
プラチナカードの多くでは年収条件が公開されていないが、割賦販売法により、その年収に不釣り合いなカードは発行できない。
つまりこの法律で定められる個人のカード利用可能枠が、カードの利用可能枠を超えなければならない。
別のいい方をすれば、下記のようにカード側の利用可能枠の下限を超える額だけ、ユーザー側の利用可能枠が必要となる。
カード発行OK [カードAの利用可能枠(150万円~300万円)] < [ユーザーの利用可能枠(200万円)] カード発行NG [カードBの利用可能枠(300万円~500万円)] > [ユーザーの利用可能枠(200万円)] |
割賦販売法による個人の利用可能枠は、以下の計算式で算出される。
4人世帯以上 | 3人世帯 | 2人世帯 | 1人世帯 | |
---|---|---|---|---|
持家かつ住宅ローン無or 持家無かつ借賃負担無 | 200万円 | 169万円 | 136万円 | 90万円 |
持家かつ住宅ローン有or 持家無かつ借賃負担有 | 240万円 | 209万円 | 177万円 | 116万円 |
年収400万円でJCBプラチナは持てるのか?
結論からいえば、年収400万円でも、多くの場合でJCBプラチナは持てる。
JCBプラチナ(利用可能枠150万円以上)のために必要な最低年収額を、割賦販売法の計算式を用いて算出した。
4人世帯以上 | 3人世帯 | 2人世帯 | 1人世帯 | |
---|---|---|---|---|
持家かつ住宅ローン無or 持家無かつ借賃負担無 | 367万円以上 | 336万円以上 | 303万円以上 | 257万円以上 |
持家かつ住宅ローン有or 持家無かつ借賃負担有 | 407万円以上 | 376万円以上 | 344万円以上 | 283万円以上 |
この結果から年収400万円の人は、上記の黄色塗りした場合を除き、JCBプラチナのユーザーになれる可能性がある。
ただし、割賦販売法の計算式では、家族構成・住宅費の有無によって、求められる年収は変わる。
また上記の算出金額は、クレジット債務があれば、その分をプラスした年収が求められる。
自分のカード利用可能枠も、一度算出してみることをおすすめする。
もしプラチナカードの入会審査に落ちたら
クレジットカード全体では申込者の25%、つまり4人に1人はカード審査に落ちているため、「絶対に持てる」とは言い切れない。
入会審査に落ちると、その記録が信用情報機関に登録される。
誰もその記録を消せないため、その記録がある限り、カード会社は申し込みを受け付けない。
しかし一定期間を過ぎると、その記録は抹消されるので、その間はカードの申し込みを控える必要がある。
6ヶ月間待たなければならない
「入会審査に落ちた」という記録は、信用情報機関に6ヶ月登録される。
申し込みを受けたカード会社が、申込者の信用情報を照会し、この記録を見つければ入会審査は落ちる。
カード会社は、入会審査に落ちてもすぐに別のカード会社に申し込む人を、「多重債務などでお金に困っている人」と疑うからだ。
「審査に落ちた」という記録は、6ヶ月後には消えるので、それまで待とう。
また審査落ちに備えて、同時に複数のカード会社へ、プラチナカードの申し込みをすることも控えるべきだ。
5年以上待たなければならない場合も
カードの申込者に、下記のような「金融事故」が過去にあると、5年以上待たなければならなくなる。
金融事故の内容 | 記録が抹消されるまでの期間 |
---|---|
カード支払いの滞納(61日以上) | 借金完済から5年間 |
任意整理 | 手続き完了から5年間 |
自己破産・個人再生 | 手続き完了から5年間(KSCでは7年間) |
これらの個人情報を管理している信用情報機関は、自分でも確認できるので、心配な人は問い合わせてみよう。
信用情報機関 | 加盟企業 |
---|---|
CIC (株式会社シー・アイ・シー) | クレジットカード会社や消費者金融などが加盟 |
JICC (株式会社日本信用情報機構) | 消費者金融から銀行まで、さまざまな金融業者が幅広く加盟 |
KSC (全国銀行個人信用情報センター) | 銀行・信用金庫・信用組合が加盟 |
年収400万円で申し込みできるプラチナカード3選
ここでは年収400万円でも持てる可能性があるおすすめのプラチナカードを紹介する。
審査基準は年収だけではないが、カード会社が入会可否を判断する重要要素のひとつであることにはかわりない。
ここでは年収が高額でなくてもよい、つまりカード側の利用可能枠の下限額が低いプラチナカードを紹介する。
カードを選ぶうえでの参考にしてほしい。
TRUST CLUB プラチナマスターカード
年会費(税込) | 3,300円 |
---|---|
発行会社 | 三井住友トラストクラブ株式会社 |
レストランやホテルの優待サービス | 〇 |
コンシェルジュサービス | △※1 |
空港ラウンジ利用(プライオリティ・パス付帯) | × |
旅行保険の最大保障額(カード会員本人) | 3,000万円 |
利用可能枠 | 30万円~100万円 |
出典:三井住友トラストクラブ株式会社「TRUST CLUB プラチナマスターカード」
このカードは、入会の目安を「22歳以上・年収200万円以上」としており、年収400万円でも持てるプラチナカードだ。
さらに一般的なプラチナカードの年会費と比べても、このカードの年会費は割安だ。
ただしコンシェルジュサービス・空港ラウンジ・旅行保険の内容は、他のプラチナカードと比べて劣っている。
また利用可能枠の上限は100万円までと低いので注意しなければならない。
三菱UFJカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス®・カード
年会費(税込) | 22,000円 |
---|---|
発行会社 | 三菱UFJニコス株式会社 |
レストランやホテルの優待サービス | 〇 |
コンシェルジュサービス | 〇 |
空港ラウンジ利用(プライオリティ・パス付帯) | 〇 |
海外旅行傷害保険の保障額(カード会員本人) | 最高1億円(自動付帯5,000万円+利用付帯5,000万円) |
利用可能枠 | ~500万円 |
\ 新規ご入会特典で最大10,000円相当のポイントプレゼント※ /
※1ポイント5円相当の商品に交換した場合 ※特典には条件があります
このカードは利用可能枠の下限が50万円とJCBプラチナよりも低い。
コンシェルジュサービス・空港ラウンジ・旅行保険の内容は、一般的なプラチナカードと同レベルだ。
またこのカードはポイント還元率が高く、下記の対象店舗でカード利用すれば、最大19%の還元率でポイントが得られる。
対象店舗一覧
- コンビニエンスストア(セブン‐イレブン、ローソン)
- コカ・コーラ自販機(タッチ決済、Coke ON®)
- ピザハットオンライン
- 松屋
- 松のや
- マイカリー食堂
※Coke ON®はThe Coca-ColaCompanyの登録商標です。© The Coca-Cola Company
年会費もプラチナカードのなかでは高額ではないため、これらの店舗を積極的に利用すれば年会費も回収できるだろう。
【注意事項】
※還元するポイントは、1ヶ月の利用金額合計1,000円ごとに算出
※各社の利用金額の合算、集計は行わず、各社単位での利用金額に応じてポイントを付与
※各社においても各利用方法ごとの利用金額に基づくポイント付与となる(一部例外や対象外となる店舗あり)。
JALアメリカン・エキスプレス®・カード
年会費(税込) | 34,100円 |
---|---|
発行会社 | 株式会社ジャルカード |
レストランやホテルの優待サービス | 〇 |
コンシェルジュサービス | 〇 |
空港ラウンジ利用(プライオリティ・パス付帯) | 〇 |
旅行保険の最大保障額(カード会員本人) | 1億円 |
利用可能枠 | 50万~500万円 |
JALのプラチナカードには、「JAL・JCBカード」もあるが、ここで紹介するカードは利用可能枠を50万円以上としている。
このカードもJCBプラチナよりも低い金額であるため、年収400万円でも審査に通過できる可能性は高い。
コンシェルジュサービス・空港ラウンジ・旅行保険の内容は、こちらも一般的なプラチナカードと同じく整っている。
JALマイルは効率的に貯められ、ビジネスクラス・チェックインカウンターも利用できるなど、JALの特典も豊富だ。
出張や旅行で航空機を多く使う人には、おすすめのカードだ。
審査のコツを理解して自分のライフスタイルに合ったプラチナカードを作ろう
この記事では、30代前半の平均年収である400万円でも、プラチナカードを持てることを解説した。
プラチナカードを持つには、「安定した収入・クレヒス・カード利用可能枠」が重要であることも説明した。
プラチナカードを持てたとしても、自分のライフスタイルに合っていなければ、意味がない。
そうでなければ、プラチナカードの申し込みを検討しよう。
自分のライフスタイルに合ったプラチナカードが、あなたの生活をこれまで以上に豊かにするだろう。