- プラチナカードの申込条件を教えてほしい
- プラチナカードの入会審査では、どのような点が重視されるのか?
- プラチナカードは、高所得者や社会的地位がある人にしか持てないのか?
この記事では、プラチナカードを申し込む際に、カード会社が行う入会審査について解説する。
プラチナカードは、一般カードやゴールドカードと比べて、カード利用額の多い人向けのクレジットカードだ。
利用額が多くなれば、カード会社の売上が上がる反面リスクは高まるため、入会審査は他のカード以上に厳しい。
ここでは、プラチナカードの入会審査の内容や、入会審査の際にカード会社が重視している点を説明する。
プラチナカードの申し込みを考えている人は、申し込みを行う前に、ぜひ一読してほしい。
プラチナカードの申込条件とは
一般的にプラチナカードは、社会的地位のある人や高額所得者が持っているクレジットカードと考えられている。
このため申込条件も厳しく、入会審査の基準も非常に高いと思われているが、実際にはどうだろうか?
ここでは、まずプラチナカードの申込条件について解説する。
申込条件は非常に厳しいものではないが、この条件を満たしていなければ、入会審査の段階で審査に落ちる可能性が高い。
カードを申し込む前に、まず自分が申込条件を満たしているのかを、確認することが必要だ。
年齢
2022年4月の民法改正により、18歳からクレジットカードを持つことが可能になった。
しかし社会的地位の象徴であるプラチナカードは、18歳から持つことは難しい。
多くの会社は年齢基準を公表していないが、JCBプラチナでは25歳以上、三井住友カード プラチナでは原則として、満30歳以上で、ご本人に安定継続収入のある方としている。
このことから、20代前半の申し込みは、プラチナカードの年齢基準に達していないと判断するカード会社も多いだろう。
職業
プラチナカードの申込条件には、職業に関しての規定もない。
しかし三井住友カードやJCBの規定では、プラチナカードの申込条件として以下の記載がある。
- 三井住友カード プラチナ
- 安定継続収入のある方
- JCBプラチナ
- 本人に安定継続収入のある方、学生の方は申し込み不可
このことから学生、専業主婦(夫)、フリーター、無職、非正規労働者は、入会が難しいと思われる。
これらの人たちは、「本人に安定継続収入がある人」とは見なされない可能性が高いからだ。
年収
年収に関しても条件が明らかにされていないため、カードの利用可能枠をもとに考察する。
カード側の利用可能枠の下限を超える額だけ、ユーザー側の利用可能枠が設定されなければ、入会審査は通過しないからだ。
OK [カードAの利用可能枠(150万円~300万円)] < [ユーザーの利用可能枠(200万円)] NG [カードBの利用可能枠(300万円~500万円)] > [ユーザーの利用可能枠(200万円)] |
個人の利用可能枠は、割賦販売法により収入に応じて定められており、以下の計算式で算出される。
4人世帯以上 | 3人世帯 | 2人世帯 | 1人世帯 | |
---|---|---|---|---|
持家かつ住宅ローン無or 持家無かつ借賃負担無 | 200万円 | 169万円 | 136万円 | 90万円 |
持家かつ住宅ローン有or 持家無かつ借賃負担有 | 240万円 | 209万円 | 177万円 | 116万円 |
上記の計算式をもとに、三井住友カード プラチナ(利用可能枠原則300万円~)を持つために必要な最低年収は、以下の通りとなる。
4人世帯以上 | 3人世帯 | 2人世帯 | 1人世帯 | |
---|---|---|---|---|
持家かつ住宅ローン無or 持家無かつ借賃負担無 | 534万円以上 | 503万円以上 | 470万円以上 | 424万円以上 |
持家かつ住宅ローン有or 持家無かつ借賃負担有 | 574万円以上 | 543万円以上 | 511万円以上 | 450万円以上 |
出典:三井住友カード株式会社「三井住友カード プラチナ:基本情報一覧」
なおカード会社は、申込者の情報(年齢・職業・在籍年数・役職など)から、申込者が申告した年収に虚偽がないかも検証する。
プラチナカードの入会審査とは
プラチナカードが手元に届くまでには、申し込みから2〜3週間ほどの時間がかかる。
この期間のうち多くの時間は、カード会社での入会審査のために費やされている。
ここでは、プラチナカードの入会審査について解説する。
入会審査の目的
プラチナカード会社での入会審査の目的は、以下の通りだ。
- 売上拡大の判断:プラチナカードを持つことで自社カードの利用額が増える人か?
- プラチナカードは利用限度枠が大きい。しかしカードを利用しない人(自社の売上に貢献しない人)に発行しても、カード会社にはメリットがない。
- リスク管理:滞納や踏み倒しをする人ではないか?
- 貸し倒れすれば、カード会社の負債になる。利用限度枠が大きければ、その分負債額も大きくなる。このため滞納や踏み倒しのリスクがある人には。クレジットカードは発行されない。
- 人物確認:嘘(虚偽申告)はないか?反社会的勢力の関係者ではないか?
- 申込情報に虚偽があれば、カード会社からの信用は損なわれ、入会審査は落ちる。
- 金融庁からの通達(企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針)により、反社会勢力関係者にはクレジットカードを発行できないことになっている。
- 人物確認のため、カード会社は勤務先などに電話して、在籍確認をする。
カード会社は、自社カードの利用額が多く、支払い遅延がない「優良顧客」に招待状(インビテーション)を送ることがある。
この招待状は、自社の一般カードやゴールドカードを利用中の優良顧客を、プラチナカードへの移行を促す案内だ。
招待状が届いたユーザーは、カード会社にとって優良顧客であるため、プラチナカードの入会審査に通りやすい可能性は非常に高い。
入会審査で重視される「クレヒス」
この入会審査の基準も公開されていないが、申込者のクレヒス(クレジットヒストリー)は、審査で最も重要視されていると言われている。
クレヒスとはクレジットカードやローンの利用履歴のことであり、これらの信用情報は信用情報機関が収集・管理している。
カード会社は、信用情報機関から申込者の信用情報を照会し、以下の内容を確認する。
- 現在の未払いの有無や、過去の延滞情報
- ローンやクレジットカードなどでの借入金
- 携帯電話料金
- 自己破産などの債務整理の実施有無
- 借金や任意整理を踏み倒しの有無
- 6ヶ月以内での複数カードの申込みの記録
- クレヒスがない※過去にローンやクレジットカードの利用実績がないと、個人の信用力が判断できない。
安定した高額収入があっても、これらの情報が良くなければ個人の信用力は損なわれ、入会審査は通過しない場合がある。
以上のことから、堅実なクレヒスを積み上げている人が、入会審査に通過しやすいともいえる。
プラチナカードの入会審査に関する誤解
プラチナカードのユーザーは、一般的に経営者・弁護士・医者などの高額所得者と思われがちだが、最近では会社員や公務員も多い。
一方で、高額所得者である芸能人やスポーツ選手は、プラチナカードを持つことが難しいと言われている。
先述した三井住友カードやJCBの規定にもあるように、入会審査では、カード会社は「安定継続収入」の有無を重視している。
スポーツ選手の場合、高収入であっても、引退や契約終了により翌年から無収入になる可能性があるからだ。
つまり高額な収入よりも、収入の安定性をカード会社は重視する。
入会審査が不合格になったときの対処
プラチナカードの入会審査に不合格になっても、すぐに他社のプラチナカードを申し込んではいけない。
カード申し込みの履歴は、信用情報機関に6ヶ月間残され、他のカード会社もその情報を審査の際に確認する。
短期間で複数のカードを申し込むと、多重債務や自己破産などで「お金に困っている」と誤解され、審査通過が難しくなるからだ。
6ヶ月後に同じカードに再挑戦するときは、そのカード会社の一般カードやゴールドカードでの申し込みも考えてみよう。
比較的審査が厳しくないカードでクレヒスを数年間積み上げ、プラチナカードを申し込めば、審査に通過する可能性は高まるだろう。
主要なプラチナカードの入会審査の難度を考察
プラチナカードは多くのカード会社で発行されているため、さまざまな種類のカードがある。
なかにはカードのグレードを分けて、複数の種類のプラチナカードを発行している会社もある。
これらのことから、入会審査の基準はカード会社やカードごとに異なり、入会審査の難度もそれぞれ異なるものと考える。
ここでは、アメリカン・エキスプレス、三井住友カード、JCBといった日本の主要カード会社のおすすめのプラチナカードを取り上げる。
これら3社が発行するプラチナカードの入会審査の難度を考察する。
アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カード
審査難度:高
年会費(税込) | 165,000円 |
---|---|
発行会社 | American Express International, Inc. |
レストランやホテルの優待サービス | 〇 |
コンシェルジュサービス | 〇 |
空港ラウンジ利用(プライオリティ・パス付帯) | 〇 |
旅行保険の最大保障額(カード会員本人) | 1億円 |
このプラチナカードは、2019年4月までカード会社から招待状が送られてきた人にしか申し込みができなかった。
現在は招待状がなくとも申し込みできるが、カード会社はこのカードのブランドやステータスを下げたわけではない。
つまり、以前まで招待状を送っていたユーザーと同程度の人でなければ、入会審査が通過することは難しいと考える。
また年会費も高額だが、その金額を気にせず払い続けられる人にしか、カード発行はされないだろう。
三井住友カード プラチナ
審査難度:高
年会費(税込) | 55,000円 |
---|---|
発行会社 | 三井住友カード株式会社 |
レストランやホテルの優待サービス | 〇 |
コンシェルジュサービス | 〇 |
空港ラウンジ利用(プライオリティ・パス付帯) | 〇 |
旅行保険の最大保障額(カード会員本人) | 1億円(自動付帯) |
\ お買い物から食事の手配、旅行先での対応まで /
このカードを発行している会社は、三井住友フィナンシャルグループに属しており、このカードはいわゆる「銀行系カード」だ。
一般的に銀行系カードは信頼性やステータスが高い反面、入会審査は厳しいと言われている。
なお先に述べた通り、このカードの利用可能枠は原則300万円~と明示されている。
これは「カードの年間利用額が300万円未満の方は、グレードが下位のカードをお申し込みください」というメッセージにも受け取れる。
JCBプラチナ
審査難度:中
年会費(税込) | 27,500円 |
---|---|
発行会社 | 株式会社ジェーシービー |
レストランやホテルの優待サービス | 〇 |
コンシェルジュサービス | 〇 |
空港ラウンジ利用(プライオリティ・パス付帯) | 〇 |
旅行保険の最大保障額(カード会員本人) | 1億円 |
\最大64,500円キャッシュバック※/
※キャンペーン期間:2024年10月1日(火)~2025年3月31日(月)
このカードの利用可能枠は、150万〜300万円と明示されている。
つまりこのプラチナカードは、年間利用額150万円以上のユーザーをターゲットにしていると考えられる。
なおJCBは「海外で使える店舗が少ない」と言われて敬遠されていたが、現在では世界4,300万の店舗で使える。
アメリカン・エキスプレスやアメリカ第3位のカード会社Discover Cardと提携し、利用店舗を増やしているからだ。
審査の難易度が高いため、自分に適したプラチナカードを申し込もう
この記事では、プラチナカードの申込条件や、入会審査の内容について解説した。
入会審査の難度の高いカードほど、社会的地位が求められる。
さらに、アメリカン・エキスプレス、三井住友カード、JCBの各社が発行する、各プラチナカードの入会審査の難度も考察した。
これら以外にも、さまざまなプラチナカードがあり、それぞれに魅力的なサービスが付帯している。
そのサービスが、最も自分に合ったプラチナカードを選び、申し込んでほしい。