- 個人事業主が法人カードに申し込んだときの審査でチェックされる内容を知りたい
- 個人事業主が法人カードの審査で落ちる理由とは?
- 個人事業主におすすめの法人カードを知りたい
「個人事業主が法人カードに申し込むと、どのような点を審査されるのかな?」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないだろうか。
法人カードは「法人」という名があるが、個人事業主でも申し込める。
個人事業主が申し込むと、事業の継続年数や個人の信用情報をチェックされるのが一般的だ。
カード会社から一定の信頼を得られれば、法人カードを発行してもらえる。
法人カードの発行を検討している個人事業主の方は、気になるカードがあれば申し込みを検討してみよう。
本記事では、個人事業主が法人カードの審査を通過するためのコツや、具体的におすすめの法人カードを紹介する。
最後まで読めば、個人事業主向けの法人カードを選ぶポイントを把握できるはずだ。
個人事業主が法人カードの審査でチェックされること
個人事業主も法人カードを保有することは可能だ。
しかし、前提としてカード会社の審査に通過する必要がある。
まずは、個人事業主が法人カードの審査でチェックされることを解説する。
事業の継続年数
事業主としての返済能力や信用力をチェックするために、事業年数が審査される。
一般的に、事業の継続年数が長いほど(概ね3年以上)、審査は有利になると言われている。
事業の継続年数が長ければ事業の継続性や安定性をアピールできる。
そのため、カード会社としては「安心してカードを発行できる」という心理になるはずである。
ただし、起業直後や創業して間もない個人事業主でも、審査に通過できる法人カードがある。
収益力や将来性、安定した財務状況などの点をアピールできれば、審査に通過できる可能性がある。
事業の財務状況
法人カードの審査において、個人事業主としての財務状況がチェックされる。
法人カードは事業用の決済で用いられるため、事業が好調かどうかは重要なポイントだ。
具体的には、売上高と経常利益、最終利益などの数字が挙げられる。
カード会社によっては、申込時に財務諸表や確定申告書の提出を求めるケースがある。
売上高や最終利益が黒字であれば、審査において問題視される可能性は極めて低い。
逆に、赤字の場合は、審査においてマイナスとなるのは言うまでもない。
赤字でもカードによっては審査に通過できるケースは存在する。
ただ、安定した財務状況である個人事業主ほど信用を得やすい点は押さえておこう。
個人事業主自身の各種ローンの借り入れ状況
個人事業主が法人カードに申し込むと、個人事業主自身のローン返済状況がチェックされる。
これは、返済能力の有無を審査するためだ。
既に個人として多額のローンを抱えている場合、信用リスクが高いと評価される。
その結果、法人カードの審査に落ちてしまうリスクが高まるのだ。
また、過去に返済遅延や債務整理の履歴がある場合、法人カードの審査に通過するのは不可能となる。
現在のローン残債が少なく、各種ローンの返済履歴が良好で安定した収入があれば、審査に通過できる確率は高い。
現在ローン契約をしている個人事業主の方は、信用情報を傷つけないように意識すべきだ。
個人事業主自身のクレジットカードの利用状況
個人事業主が法人カードに申し込むと、個人としてのクレジットカードの利用状況がチェックされる。
引き落としができない状況に陥った記録やキャッシングの残債など、返済能力を審査する目的で行われる。
きちんとカード代金の支払いを行っており、延滞などの事故を起こしていなければ、特段問題視されないはずである。
また、キャッシングに依存していなければ「お金の管理をきちんと行っている」ことになるため、好印象を与えられる可能性もある。
日ごろから、計画的にクレジットカードを使うことを意識することも大切だ。
個人事業主自身の信用情報
法人カードの審査において、経営者個人の信用情報がチェックされる。
信用情報とは、これまでのローンやクレジットカードの利用状況や返済状況などを含めた、金融に関する幅広い情報を指す。
信用情報は、金融機関や貸金業者が新しいローンやクレジットカードの申し込み可否を判断する際に重要な役割を果たしている。
具体的に「信用情報に問題がある」と評価されるのは、以下のようなケースだ。
- 支払いの遅延を起こした
- 債務整理・債務不履行を起こした
- 連続した借入れの申し込みをした
過去に「お金に関するトラブルを起こした」場合は、信用情報に傷がついているイメージを持たなければならない。
カード会社にとって「リスクが高い」と判断されると、審査に通過できないのだ。
ローンやクレジットカードの使用履歴が良好で、きちんと返済できていれば「信用情報に問題なし」と評価される。
ビジネスの場面でも法人カードの評価においても、信用は非常に重要と言える。
個人事業主が法人カードの審査で落ちる理由
個人事業主は法人よりも財務基盤が整っていないイメージを持たれやすく、法人カードの審査で落ちてしまう可能性がある。
以下で、個人事業主が法人カードの審査で落ちてしまう主な理由を解説する。
事業開始して間もない
事業開始から間もない経営者や事業主は、法人カードの審査に落ちるリスクがある。
事業開始から間もないと収益力や信用力の情報が不足しており、カード会社としても貸し倒れのリスクを正確に測れないからだ。
一般的に、カードの審査においては事業運営が長期であればあるほど有利となる。
ただし、法人カードの中には事業開始から間もない法人や個人事業主でも申し込めるものがある。
すべての法人カードが「事業開始から間もない=審査に通過できない」というわけではない点は知っておこう。
事業が赤字の状況である
赤字の状況が続いている法人や経営者は、法人カードの審査に落ちるリスクがある。
赤字の状況が続いていると「稼げていない」ことになるため、カード会社からすると「返済能力が怪しい」と評価せざるを得ない。
一般的な家計に置き換えると、収入以上に支出があってカードローンやキャッシングに依存しているような状況だ。
カード会社でなくても「大丈夫か?」という感情を抱いてしまうのは当然である。
このように、赤字の状況が続き財務的な不安定性が数字上にも明らかだと、今後のキャッシュフローにも不安がある。
現在だけでなく、将来の返済能力も疑問視されるので、法人カードの審査に通過できる可能性は低い。
短期間に何枚もカードに申し込んでいる
短期間に複数の法人カードに申し込んでいる場合、法人カードの審査に通過できないリスクがある。
短期間で多数のカードに申し込むと、各カードで抱える債務が増え、返済能力に対する疑問が生じるためだ。
他にも「キャンペーン目当てで申し込んでいるのでは?」という疑念を抱かれる点も、審査においてマイナスとなる。資金繰りに問題がある懸念だけでなく、長期的に利用が見込めないと判断されれば、審査に通過できない確率が高まる。
また、短期間に複数のカードに短期間で申し込んでいると「お金に困っている」という印象を持たれる可能性がある。
その結果、カード会社から「適切な方法で法人カードを利用しないリスクがある」と思われ、審査に落ちる可能性が高まる。
信用情報に問題がある
経営者本人の信用情報に問題があると、法人カードの審査に落ちる可能性が非常に高い。
信用情報に問題がある場合(ブラックリストに載っている状態など)、カード会社から「返済能力がない」と評価される。
カード会社は、新規申し込みを受けたらCICやJICCなどの信用情報機関に申込者の情報を照会する。
照会した結果、過去に支払い遅延や債務整理などの記録がある場合、法人カードの審査には通過できない。
個人としての問題であっても、経営者の信用情報は、事業に対する信用度に影響を及ぼす点は押さえておきたい。
また、信用情報に問題のある経営者は、法人カードを不適切に利用する可能性が否定できないことから、やはり評価上はマイナスとなる。
個人事業主が法人カードの審査に通過するためのコツ
個人事業主が法人カードの審査に通過するためには、カード会社に「信頼してカードを発行できる」と思ってもらう必要がある。
以下で、個人事業主が法人カードの審査に通過するためのコツを解説する。
事業収入が安定しているタイミングで申し込む
事業収入が安定しているタイミングで申し込むと、審査に通過する確率が高まる。
法人カードの審査過程では、収入額や収入の安定度が主にチェックされるためだ。
収入が安定しており財務安定性が高いと判断されれば、カード会社としても安心して法人カードを発行できる。
「きちんとカード代金を払ってくれる」という印象を与えて、信用リスクが低い点をアピールすることが大切だ。
申し込みにあたって、過去の収入を示す書類である確定申告書や納税証明書の提出が求められる法人カードの場合、収入の状況を審査していると考えられる。
書面を通じて安定した収入を得ていることをアピールできれば、審査に通過しやすくなるはずだ。
3年以上の事業年数を重ねてから申し込む
3年以上の事業年数を重ねてから法人カードに申し込むことで、審査通過する確率がアップする。
一定の事業運営年数があれば、事業の安定性や信用を示す材料となるため、審査において有利になる。
「3年」はあくまでも目安の年数だ。ただ、事業を3年以上継続しているとカード会社としては「事業が一定の基盤を築いている」「今後も安定して収益を上げる公算が高い」と判断できる。
「個人事業主として運営年数が短いから不安」という方は、3年以上の事業年数を積んでから申し込むと良い。
なお、申し込みにあたって「創業して間もない方でも!」などの宣伝文句がある場合、3年待つ必要はない。
信頼性の高い事業であることをアピールする
個人事業主が法人カードの審査に通過するためには、信頼性の高い事業であることをアピールすることが効果的だ。
カード会社としては、事業の安定性や将来性はもちろん、信頼できるかどうかもチェックしている。
「信頼性が高い」というと漠然としているが、公序良俗に反していなければいい、というわけではない。
「市場から求められているかどうか」「長期的な需要が見込まれるか」が、審査において重要なポイントとなる。
個人事業主として、責任感を持って社会に役立つモノやサービスを提供していれば問題ない。
「信頼性の高さ」をアピールするには、綿密な事業計画を立てて着実に売上を上げることが大切だ。
継続的に収益を生み出して実績を作れば、カード会社に「信用リスクが低い」という印象を与えられる。
個人の信用情報に傷をつけないように注意する
個人事業主が法人カードの審査に通過するためには、個人の信用情報を良好に保つことが重要だ。
カード会社は、審査の過程においてこれまでのクレジットカードの利用状況やローンの返済状況などの信用情報をチェックしている。
もし支払遅延や債務整理などのネガティブな記録がある場合、個人の信用情報に傷が付いていることになる。
このような金融事故を起こすと、カード会社としては「貸し倒れのリスクが高い」と判断する。
逆に、良好な信用情報を保っている個人事業主は法人カードの審査に通過しやすい。
責任感があり、安定した財務状況で事業運営している証明となるため、信頼を得やすいのだ。
そのため、個人事業主として法人カードの発行を受けたい場合は、個人の信用情報に傷をつけないことが大切になる。
個人事業主におすすめの法人カード
具体的に、個人事業主におすすめの法人カードを紹介する。
自分と相性が良さそうなカードを探してみてほしい。
三井住友カード ビジネスオーナーズ | JCB CARD Biz (一般カード) | NTTファイナンスBizカード レギュラー | アメリカン・エキスプレス・ビジネス・グリーン・カード | freee MasterCard | |
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年会費 | 永年無料 | 税込み1,375円 (初年度年会費無料) | 永年無料 | 13,200円 | 永年無料 |
利用限度額 | ~500万円 ※所定の審査がございます。 | 100万円 | 80万円 | 一律の制限なし | 500万円 |
ポイント還元率 | 0.5%(最大1.5%) ※対象の個人カードとの2枚持ちが条件です。 | 0.1% | 1.0% | 0.5% | なし |
追加カード | 18枚 | 制限なし | 制限なし | 制限なし | 3枚 |
国際ブランド | Visa Mastercard | JCB | VISA | AmericanExpress | Mastercard |
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三井住友カード ビジネスオーナーズ
三井住友カード ビジネスオーナーズは、法人代表者だけでなく個人事業主も発行対象としている。
申し込み条件に事業年数などが設けられていないため、開業届を出して間もない個人事業主でも保有できる可能性がある。
年会費は永年無料なので、初めて法人カードを持つ個人事業主でも、心理的に申し込みやすい。
年会費というコスト負担を回避できるため、法人カードを持つことで利益を圧迫することはない。
ビジネス関連の特典や付帯サービスが充実している点も、三井住友カード ビジネスオーナーズの魅力だ。
取引先がカード決済を受け付けていなくても、三井住友カードが支払いを代行する「請求書支払い代行サービス」をはじめ、会計ソフトやレンタカーなどを優待料金で利用できる「ビジネスサポートサービス」が付帯している。
通常のポイント還元率は0.5%だが、個人用の三井住友カードと2枚持ちをするとポイント還元率が最大1.5%となる。
普段の生活費決済で三井住友カードを利用している個人事業主にとって、好相性なカードと言える。
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\ 新規入会&利用で10,000円相当のVポイントプレゼント! /
\ 新規入会&利用で30,000円相当のVポイントプレゼント! /
JCB CARD Biz(一般カード)
JCB CARD Biz(一般カード)は、法人代表者または個人事業主(フリーランス・副業を含む)を対象としている。
JCB法人カード専用のサイバーセキュリティデスクが、サイバー攻撃への対策を行っており、セキュリティ面が優れている。
「JCB×Digital Garage」という請求書カード払いサービスも利用できる。
これにより、カード決済を受け付けていない取引先がある場合でも、JCBカードで支払いが可能となる。
これにより、経理事務の負担軽減・キャッシュフローの改善が見込まれる。
また、「弥生会計 オンライン」のベーシックプランまたはセルフプランを2年間無料で利用可能だ。
ただ、これは2024年3月31日までに申し込まないと受けられないサービスとなる。会計ソフトの導入を検討している個人事業主の方は、有効活用してほしい。
NTTファイナンスBizカード レギュラー
NTTファイナンスBizカード レギュラーは、法人・個人事業主向けの法人カードだ。
基本還元率が1.0%となっており、法人カードの中では還元率が高い点が魅力となる。
「Web明細編集サービス」というサービスが付帯しており、費用科目を自分で編集し、必要に応じてメモを書くことができる。
後々になって見返したときに確認しやすいため、経理事務の負担を軽減できるはずだ。
最高2,000万円の国内旅行傷害保険・海外旅行傷害保険が付帯しているため、出張の機会が多い個人事業主にとって心強い。
Visa法人カード会員限定の「Visaビジネスオファー」や、福利厚生サービスの「ベネフィット・ステーション」を優待価格で利用できるなど、ビジネス関連の優待も豊富だ。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・グリーン・カード
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・グリーン・カードは、非常に特典や付帯サービスが充実している法人カードで、個人事業主も発行可能だ。
登記してすぐの事業主でも申し込めるのも嬉しい。
「弥生会計ラインアップ」「クラウド会計ソフト freee会計」とAPI連携している。
カードの利用状況を自動的に取り込んでくれるため、経理事務の負担を軽減できる。
限度額に一律の制限を設けていないことから、適応される限度額は事業主によって異なる。
フレキシブルにカード決済できるため、臨時の出費にも対応しやすい点が魅力だ。
他にも、以下のようにビジネス関連の特典が充実している。
魅力を感じる特典があれば、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・グリーン・カードの申し込みを検討してみてほしい。
- ETCカード年会費無料
- セキュリティソフト「ノートン」を初年度は特別価格で購入可能
- ビジネス情報サービス「ジー・サーチ」の登録・月会費が無料
- 福利厚生プログラム「クラブオフ」のVIP会員年間登録料が無料
- JALオンライン専用運賃「ビジネスフレックス」の利用
- 国内外29空港の空港ラウンジの利用
- 最高5,000万円の旅行傷害保険
- オンライン・プロテクション
- ショッピング・プロテクション
- リターン・プロテクション
freee MasterCard
freee MasterCardは、個人事業主でも発行できる法人カードだ。
設立直後や事業所得が低い状態でも審査に対応しており、申し込み後最短3日で発行される。
会計ソフトのfreeeと連動しているため、経理の効率化が図れる魅力がある。
freee利用者は最低限度額の設定が有利になり、短期で限度額をアップできる可能性もある。
付帯サービスとしては、ライフカードビジネスライトプラスと同じ特典内容が付帯している。
ライフカード提携弁護士との法律相談が1時間無料になったり、福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」を利用できたり、ビジネス関連のサービスが充実している点も魅力だ。
なお、 赤字でも申し込みに対応しているため「一時的に赤字だけど、大丈夫かな?」という個人事業主も、気軽に申し込んでみよう。
個人事業主は審査への準備をしてから法人カードを作成しよう!
個人事業主でも、審査に通過すれば法人カードを保有できる。
信用情報に問題がなく、事業そのものに関する信頼が得られれば、審査に通過できる。
事業開始して間もない個人事業主や赤字の状態が続いている個人事業主は、審査において不利になってしまう点を押さえておきたい。
法人カードに申し込む前に、行える対策は済ませてしまおう。
こちらの記事で紹介した法人カードは、個人事業主の申し込みを受け付けており、実際の評判も良い。
法人カード選びに悩んでいる場合は、ぜひこちらの記事で紹介した法人カードの申し込みを検討してみてほしい。