- 法人カードの審査に落ちてしまう主な理由とは?
- 法人カードの審査に落ちたときの対処法を知りたい
- おすすめの法人用デビットカードは?
「法人カードの審査に落ちてしまった…」「法人カードの審査に落ちたときの代替案はあるのかな?」このような疑問をお持ちの経営者の方も多いのではないだろうか。
法人カードはクレジットカードの一種であり、申し込みをすると審査が行われる。
審査に通過しないと、残念ながら法人カードは発行されない。
法人カードの審査に落ちたときに考えられる主な理由は、事業の経営状況が芳しくない、経営者の信用情報に問題があるなどが挙げられる。
もし審査に落ちたのであれば、法人用のデビットカードやプリぺイド型カードの活用がおすすめだ。
こちらの記事で、法人カードの審査に落ちたときに考えられる理由や、落ちたときの代替案としておすすめの法人用のデビットカードやプリぺイド型カードについて解説する。
最後まで読めば、法人用カードで落ちたときの対処法を把握できるだろう。
法人カードの審査に落ちたときに考えられる理由
法人カードに申し込んでも、残念ながら審査に落ちてしまう可能性がある。
以下で、法人カードの審査に落ちてしまう主な理由を解説する。
申し込む前に「自分は大丈夫だろうか」と確認しておこう。
そもそも申込条件を満たしていないから
申込条件を満たしていなければ、そもそも審査に通過する可能性はない。
法人カードの中には、「一定の事業収入」「事業年数◯年以上」などの要件を設けているケースがある。
申し込む前に、自分が要件をクリアできているか確認しよう。
明確な審査基準は公表されていないが、申込条件は申請前に確認できる。
余計な手間と時間をかけないためにも、申込条件は必ず確認しよう。
事業開始・創業から間もないから
事業開始から間もない場合、法人カードの審査に落ちるリスクが高い。
事業開始から間もないと、審査の材料が少なく、事業の信頼性や今後の将来性が判断できないためだ。
法人カードの審査では、事業の運営期間が長ければ長いほど信頼を得やすい。
しかし、法人カードの中には事業開始から間もない法人や個人事業主でも申し込めるカードも存在する。
ホームページで確認して、自分が審査に通る見込みがあるかチェックしてみよう。
ホームページに記載がない場合は、コールセンターに問い合わせることも一つの手段だ。
赤字の状況が続いているから
赤字の状況が続いている場合は、審査に落ちるリスクが高い。
赤字の状況が続いている事業は、収益力が乏しく健全な運営ができていない。
収入以上の支出が発生していることから、カード会社からすると「リスクが高い」と評価せざるを得ないだろう。
赤字の状況が続いていると、今後のキャッシュフローにも不安があるのは明らかだ。
法人カードへ申し込む際には、健全な事業運営を行う意識を持つことが大切だ。
経営者本人の信用情報に問題があるから
経営者本人の信用情報に問題があると、法人カードの審査には通過できない。
具体的には、過去にクレジットカードやローンの返済を遅延したり、債務整理を行ってブラックリストに載っている状態が該当する。
カード会社は、申込者の信用情報について、CICやJICCなどの信用情報機関に照会する。
信用情報に問題があれば、カード会社から「また問題を起こすかもしれない」と評価されるだろう。
そのため、経営者は個人用のクレジットカードでも信用情報を良好に保つことが大切だ。
短期間に複数の法人カードに申し込みを行ったから
短期間に複数の法人カードに申し込みを行ったケースでも、審査に通過できない確率が高まる。
短期間で複数のカードに申し込むと「資金繰りに困っている」という印象を与えてしまうためだ。
返済能力に対する疑問を持たれると、貸し倒れのリスクが高いことから、審査に通過できないのは当然だ。
むやみに法人カードへ申し込むのではなく、ある程度絞り込んでから申し込みを行おう。
また、新規入会キャンペーンを行っている法人カードの場合、「キャンペーン目当てで申し込んでいるのでは?」という疑念を抱かれる可能性がある。
「長期的な利用が見込めない」と判断されてしまうと、カード会社へ悪印象を与えてしまうためだ。
カード会社としては長期的に自社サービスを利用して欲しいと考えるため、悪印象を与えるべきではない。
事業実態・事業内容が不明だから
事業実態や事業内容に不明点が多い場合も、法人カードの審査に落ちてしまう可能性が高い。
収益性や将来性、信頼性を把握するために、どのような事業を行っているのかは大切なポイントだ。
具体的には、収益モデルやビジネスモデルはもちろん、世の中に価値を提供しているかどうかが審査される。
もし、カード会社から「将来性がない」「信頼できない」と判断されると、審査に通過するのは難しい。
申し込みにあたっては、どのような事業を行っているのかをわかりやすく伝えるのはもちろん、将来性の高さをアピールすることも大切だ。
信用情報機関への事故情報が登録される期間
信用情報機関へ事故情報が登録されている期間中は、残念ながら法人カードに限らず金融関係のサービスを利用できない。
信用情報機関に事故情報が登録される期間は、支払い遅延や延滞の場合は、遅延が解消された日から原則として5年間だ。
ただし、遅延の期間や頻度によって影響の度合いは異なる。
規約違反を犯してクレジットカードの強制解約を受けた場合も、強制解約の事実が発生した日から5年間はその旨が登録される。
債務整理(任意整理、個人再生、自己破産など)に関する情報は、手続き完了後5年〜10年間にわたって登録される。
自己破産の場合は事情が重いことから、特に長期間記録されるのが一般的だ。
信用情報機関によって取り扱いは異なるものの、基本的に事故情報が登録されている間は、新たなクレジットカードの申込みやローンは利用できない。
なお、信用情報機関に対して、所定の手数料(数千円程度)を支払えば自分の情報を照会できる。
もし個人カードで問題を起こしたこと・起こした可能性がある方は、申し込み前に照会しておくと良いだろう。
法人カードの審査に落ちたときの対処法
法人カードの審査に落ちたときは、他の手段を講じて対処しなければならない。
法人カードの審査に落ちてしまったときに備えて、具体的な対処法を知っておこう。
他社の法人カードに申し込む
希望している法人カードの審査に通過できなくても、他社の法人カードに申し込む方法がある。
カード会社によって審査基準は異なるため、他社のカードであれば審査に通過できる可能性が考えられる。
複数の法人カードをピックアップしておき、優先順位を付けておくと良いだろう。
ただし、ブラックリストに載っている状態だと、基本的には審査に通過できない点は押さえておこう。
法人用のデビットカードを発行する
法人用のデビットカードは、与信審査が行われない。
そのため、法人カードの審査に落ちたら、デビットカードの発行を検討すると良いだろう。
デビットカードは、利用した分がすぐに指定の口座から引き落とされるため、カード会社が代金を立て替えるわけではない。
カード会社からすると、貸し倒れが発生するリスクがない仕組みだ。
そのため、法人カードの審査に落ちた場合でも、デビットカードであれば保有できる。
デビットカードの中には、クレジットカードと同じくポイント還元をはじめとしたサービスが付いている。
現金決済よりもお得な特典が多いことから、法人カードの審査に落ちたらデビットカードへの申し込みを検討しよう。
法人用のプリペイド式のカードを発行する
法人用のプリペイド式カードも、与信審査なしで利用できる。
法人カードの審査に落ちてしまったら、プリペイド式カードの保有を検討すると良いだろう。
プリペイド式カードとは、事前にカードに残高をチャージして、残高の範囲内で使うカードだ。
チャージした残高の範囲内でしか使えないため、カード会社としては貸し倒れのリスクがない。
プリペイド式のカードの中にも、利用額に応じてポイントが付与されるものがある。
現金決済よりもメリットが多いことから、保有を検討する余地はあるだろう。
しばらくの間は個人用カードを利用して信頼を積み重ねる
しばらくの間、個人用カードを利用して信頼を積み重ねることも検討しよう。
きちんと利用代金を支払い、良好な履歴を重ねることで信用度は高まる。
生活費決済と事業費決済を分ける手間が発生するが、個人用カードで事業関連の支出を行っても問題ない。
ただし、この場合は生活費の支出と事業の支出が、カードの限度額を超えないように注意が必要だ。
個人用カードは、法人カードに比べて利用限度額が低いことが多い。
そのため、限度額を意識しつつ、計画的に利用することが大切だ。
6カ月ほどの時間を空けてから再度申し込む
法人カードの審査に落ちたあと、再度申し込む場合は6カ月ほど時間を空けよう。
クレジットカードに申し込みをしたデータは6カ月保管されるため、短期間に申し込んでも審査に通過するのは難しい。
6カ月の期間中に、財務状況の改善を行うと良いだろう。事業計画の見直しや収益性の改善など、可能な工夫を施したうえで再度申し込めば、審査に通過できる可能性がある。
「どうしてもこの法人カードがほしい」という強い希望がある場合は、6カ月ほど時間を空けることを意識してみてほしい。
ブラックリスト入りしている場合は5年以上の時間を空けて申し込む
過去に延滞や滞納、債務整理などをしてブラックリスト入りしている場合、5年以上の時間を空ける必要がある。
信用情報機関に登録されている情報は、一般的に5年(自己破産は10年)保管されると言われている。
ブラックリスト入りしている状態だと、何度申し込んでも審査に通過できない。
むやみに申し込みを行い、審査に落ちた記録があると増えるとさらに信用情報が傷ついてしまう。
そのため、ブラックリスト入りしている期間中は、新たな申込みは行わないほうが良い。
また、債務整理をした会社は「社内ブラック」と言われており、独自にブラックリスト入りしている可能性がある。
社内ブラックの状態だと、当該企業からの信頼は失われていることから、半永久的に審査できないケースも考えられる。
法人カードの審査に落ちた人でも発行できる法人デビットカード
最後に、法人カードの審査に落ちた人でも発行できる、おすすめの法人デビットカードを紹介する。
法人カードの審査に落ちてしまったものの、事業決済用のカードが欲しいと考えている経営者の方は、参考にしてみてほしい。
マネーフォワードビジネスカード
マネーフォワードビジネスカードは、プリペイドカードとクレジットカードに分かれている。
プリペイドカードを選択すれば、与信審査なしで発行できる。
年会費が永年無料で、基本ポイント還元率が1.0%と高く、マネーフォワード関連のサービスでは還元率が3.0%となる。
目的別にカードを何枚でも発行できるため、用途に合わせて複数枚保有することも可能だ。
創業直後の法人や個人事業主でも発行可能で、申込みから最短1週間程度で届く。
ウォレットにチャージしておけば、利用上限なしで決済できるため、高額決済が多い事業主にとっても使いやすいだろう。
三菱UFJ-VISAビジネスデビット
三菱UFJ-VISAビジネスデビットは、年会費無料の個人事業主・企業向けデビットカードだ。
創業間もない会社や個人事業主の方でも、三菱UFJ銀行の普通預金口座があれば作成できる。
利用金額の0.2%が自動キャッシュバックされるため、経費の削減を図れるメリットがある。
最大10枚まで発行可能で、管理責任者はWeb上で全カードの支払明細について一括管理できるため、支出の透明度も高い。
出張やビジネスの場面で活躍する「VISAビジネスオファー」も利用できる。
キャッシュバックをはじめとした経済的な恩恵を受けつつも、会計処理の負担が減らせる点は、三菱UFJ-VISAビジネスデビットの魅力だ。
みずほビジネスデビット
みずほビジネスデビットは、法人だけでなく個人事業主も保有できる年会費無料のデビットカードだ。
新規カードの発行手数料も無料なので、発行にあたってコストが発生しない。
インターネットを含む世界中のVISA加盟店で、24時間いつでも利用できる。
出張やインターネットでのクラウドサービスの利用や、備品の購入などさまざまな経費支出が発生するシーンに対応できるため、利便性は高い。
カードごとに「国内・海外」「1回・1日・1ヵ月」の利用限度額を設定できる。
また、会計ソフトと連携すれば経理業務の効率化が図れるため、資金の透明化を図りつつ事務負担を軽減できるだろう。
法人口座に入金されている残高の範囲内であれば自由に利用できるため、高額決済が必要なときでも安心だ。
GMOあおぞらネット銀行「ビジネスデビットカード」
GMOあおぞらネット銀行「ビジネスデビットカード」は、年会費が無料で還元率が最大1.0%のデビットカードだ。
ポイントではなく現金還元されるため、事業支出をする際に毎回お得に決済できることになる。
最大1,000万円の不正利用補償やカードロック機能をはじめ、セキュリティ機能が非常に充実している。
カードごとに「1日あたり」「1カ月あたり」の項目で利用限度額を設定できるため、経営者として安心できる機能が付いている。
カード決済の都度、リアルタイムでメールが届くため、不正利用被害を受けたらすぐに気づけるだろう。
送信明細の情報はインターネットバンキングと会計ソフトで確認できるため、経理に関する事務を軽減可能だ。
なお、GMOあおぞらネット銀行「ビジネスデビットカード」の発行にあたっては、あおぞら銀行の口座開設が必要となる点に留意しよう。
楽天銀行「楽天銀行ビジネスデビットカード(JCB)」
楽天銀行「楽天銀行ビジネスデビットカード(JCB)」は、利用金額の1.0%が現金でキャッシュバックされる。
年会費が1枚あたり1,100円かかるが、世界中のJCB加盟店で利用できるため、事業におけるさまざまなシーンで活用できるだろう。
申し込み対象は「楽天銀行の法人口座を所有する法人さま」となっているため、個人事業主は利用できない。
1口座あたりの最大発行枚数上限は9,999枚で、カードごとに異なる利用限度額を設定することが可能だ。
本人認証サービスである「J/Secure」(3Dセキュア)機能が付いており、セキュリティ性能は高い。
国内外で安心して利用できることから、出張が多い法人にとって助かる一枚と言えるだろう。
住信SBIネット銀行「Visaデビット付キャッシュカード」
住信SBIネット銀行「Visaデビット付キャッシュカード」は、審査不要で年会費が無料のデビットカードだ。
0.6%のポイント還元を受けられ、店頭だけでなくネットショッピングでも利用できる。
全世界2,400万以上の場所で使えることから、汎用性は高いと言えるだろう。海外ATMで現地通貨での引き出しや外貨預金から支払うことも可能なので、海外出張が多い経営者と好相性と言える。
紛失や盗難被害に遭ってしまったときは、届出日から30日前にさかのぼり被害を補償してくれる。
安心して利用できる点も、住信SBIネット銀行「Visaデビット付キャッシュカード」の魅力だ。
法人デビットカードを使うときの注意点
法人デビットカードを利用する際には、以下のように注意点がいくつかある。
- 残高不足にならないように注意する
- 残高不足が発生すると、手数料負担が発生する恐れがある
- デビットカードが利用できない店舗・サービスがある
- キャッシュフローの改善効果はない
- ポイント還元率は法人カードより劣る
- 保険や補償サービスは法人カードより劣る
デビットカードは、使用した金額が直ちに銀行口座から引き落とされる。
そのため、常に口座に十分な資金があることを確認しなければならない。
法人カードのように、支払いを後回しにしてキャッシュフローを改善させるメリットは得られないため、注意しよう。
もし口座の残高を超えて決済しようとしても、決済できないか、あるいは追加の手数料がかかる可能性があるため注意しよう。
店舗やサービスによってはデビットカードの支払いに対応しておらず、利便性が低い点も見逃せない。
法人カードよりもポイント還元率は低い傾向にあることから、経済的な恩恵は小さい。
ポイント還元率だけでなく、保険や補償に関してもデビットカードはクレジットカードに劣るのが一般的だ。
場合によっては、法人デビットカードの機能を「物足りない」と感じる可能性がある点には、留意しよう。
法人カードの審査に落ちた場合にはデビットカードなどで代用しよう!
将来的に法人カードが欲しい場合は、信用情報を回復させたり、事業状況を良くしたりする努力が欠かせない。
カード会社からの信頼が得られれば、法人カードを持てる可能性が高まる。
法人カードの審査に落ちた場合は、デビットカードやプリペイド式カードで代用すると良いだろう。
法人カードのようにキャッシュフローを改善する効果はないが、ポイント還元や経理事務負担の軽減が見込まれる。
こちらの記事で紹介した法人デビットカードは、充実した特典やサービスが付帯しており、経済的な恩恵を受けられる。
興味があるカードがあれば、申し込みを検討すると良いだろう。