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保険金の支払い実績で何がわかるのか?主要な保険会社を例に重要性を解説

この記事で解決できるお悩み
  • 保険金の支払い実績の重要性を知りたい
  • 主要な保険会社の支払実績を知りたい
  • 自分にとって、最適な保険選びのポイントを知りたい


保険の加入を考える際、判断基準をどうすればいいか悩む人は多い。

保険金支払い実績という項目も一つの判断材料になる。ただ、支払い実績を保険加入前に確認する意味を知る人は意外と少ない。

支払い実績を理解し、適切に活用することは、自分に適した保険選びに役立つ。

本記事では、保険会社の保険支払い実績の重要性について、主要な保険会社の実績を例に出しながら解説する。

保険の加入を悩んでいる方は、ぜひ参考にして欲しい。

目次

保険金の支払い実績を知る重要性

保険金の支払い実績を知る重要性 生命保険ナビ

将来の不測の事態に備えて保険に加入する人は多いが、いざというときに保険金が支給されなければ意味がない。

商品によっては保険金や給付金の支払い条件が厳しく設定されているケースもあるため、どのくらい保険金が支払われているのか実績を確認することは非常に重要といえる。

支払い実績とは

保険会社は加入者が支払う保険料をもとに運用を行って保険金や人件費等を賄っている。

支払い実績は「加入者からの請求に対して過去どのくらい保険金が支払われているのか」を表したものだ。

支払い実績の確認は各保険会社の経営や財務状況を分析し、信頼性や安全性を評価するためにも非常に重要といえるだろう。

支払い実績が示すもの

支払い実績が豊富にあればあるほど、保険会社は加入者と誠実に向き合い、保険金や給付金の支払いが必要となるケースが発生した際に顧客に適切に保険金を支払っているといえるだろう。

保険金の支払い実績が豊富だと過去に多くの保険金を支払っていることを意味するため、経済的にも安定していて、今後も支払事由が発生して必要な手続きを行えば保険金が支払われる安心感にも繋がる。

その一方で、保険会社を設立したばかり等の状況を除き、支払い実績が少ない場合は、将来に不測の事態が発生して保険金が必要となった際に、きちんと支払われるのか顧客から疑念を持たれる可能性もある。

支払い実績が保険選びに重要な理由

そもそも保険に加入するのは「万一の事態が発生した際に必要な保障を受けるため」だ。

例えば定期的な保険料負担が少なく、担当者の説明や資料等に非常に魅力的な商品説明が記載されていたとしても、いざというときに保障を受けられなければ机上の空論に過ぎず意味がない。

保険料の負担の少なさや魅力的な保障内容に惹かれることもあるかもしれないが、将来必要となるタイミングで確実に保険金や給付金、その他サポートを受けるためにも支払い実績は必ず確認しよう。

保険会社や担当者への信頼性や将来確実に保障を受ける安心感を確保するためにも欠かせない部分である。

主要な保険会社の支払い実績の確認

主要な保険会社の支払い実績の確認 生命保険ナビ

ここからは各保険会社の支払実績がどうなっているか具体的なデータをもとに解説する。

今回はアクサダイレクト、損保ジャパン、アフラックに絞って確認するので、特にこれら3社の保険商品への加入を検討している場合は判断材料の1つとして参考にしてみてほしい。

アクサダイレクト

アクサダイレクト生命保険は「これまでのお支払い実績」といった内容でホームページ等で実績を公表している。

2008年4月から2023年3月までの主な実績は下記のとおりだ。

  • 保険金や給付金の支払い件数:8万4,212件
  • 保険金や給付金の支払い総額:151億7,041円

支払いまでにかかった平均日数は2022年の1年間で約10日となっている。保険金や給付金の支払い状況について、2022年度下半期(2022年10月〜2023年3月)を挙げて見てみよう。

死亡保険金の支払いは37件、高度障害やその他の保険金は6件、合計43件支払われている一方で、6件の不払いが発生している。

不払いの内訳をみると、告知義務違反解除が4件、免責事由該当が1件、その他1件となっている。

次に給付金の支払い状況をみてみよう。

  • 入院給付金:7,381件
  • 手術給付金:1,949件
  • その他給付金:4,655件

合計で1万3,985件支払われている一方で、487件の不払いが発生している。

内訳は下記のとおりである。

  • 告知義務違反解除:164件
  • 重大事由解除:6件
  • 免責事由該当:1件
  • 支払事由非該当:128件
  • その他:188件

保険契約を結ぶ際には本人や必要に応じて家族等の個人情報を保険会社に知らせる必要がある。

年齢や資産状況だけでなく、例えば医療保険の場合は人間ドック等の健康診断の結果、既往歴がある場合はその内容等を告知しなければならない。

故意または重大な過失があり、保険会社や関係機関に本来必要な事実を告知しなかったり、虚偽の内容を伝えた場合は、告知義務違反として保険契約を解除されることもある。

また、例えば契約者や被保険者が死亡しても必ず保険金が支払われるわけではない。

自殺や重大な過失による事故等による影響で死亡した場合は、保険会社が定める免責事由にあたるとして保険金が支給されないこともある。

保険金や給付金を騙し取る目的で故意に事故や事件を起こした場合や、複数の保険商品へ加入して保険金の合計金額が著しく大きくなり、本来の保険制度の趣旨に反すると判断された場合は重大事由として契約解除されることもある。

テレビドラマや映画等でも保険金をめぐる事件や事故が描かれるケースも少なくないが、保険金や給付金の詐取は保険契約を解除されるだけでなく、場合によっては犯罪行為として刑事罰を受けるおそれもある。

以上の不払い事由は「自分はそのようなことをしない、したこともないから大丈夫(関係ない)」と感じるケースが多いかもしれないが、意外に多くの人が当てはまる可能性が高いのが「支払事由非該当」の部分だ。

例えば医療保険の場合、あくまで保険契約締結後に発生した病気やけがによる通院や入院にかかる費用等が対象となる。

そのため、保険契約を結ぶ前から発病しているものについては保障の対象外となるケースがほとんどだ。

病気やけがをして通院や入院が発生すると必ず保険金や給付金がもらえるわけではない。

自分自身は支払われると思っていたが、いざというときに保障対象外で受け取れないとなると、保険料の負担が水の泡となってしまうおそれもある。

この部分は特に誤解が生じやすい部分でもあるため加入前に必ず確認しておきたいポイントだ。

保険金と給付金のデータを合わせると2022年度下半期の支払件数は1万4,028件、不払い件数は493件となり、支払い率は約96%である。

不払い件数は全体でみると数は少ないものの発生していることから、加入者からの申請があれば100%保険金や給付金がもらえるわけではないことが分かる。

損保ジャパン

つづいて損保ジャパンの支払実績について説明する。

損保ジャパンは「損害保険ジャパン株式会社」の略称で、SOMPOホールディングス株式会社のグループ会社の1つである。

SOMPOホールディングス株式会社は損保ジャパン以外にも国内では、セゾン自動車火災保険、損保ジャパンDC証券、損保ジャパンパートナーズ、SOMPOリスクマネジメント、Mysurance、プライムアシスタンス、SOMPOワランティの各株式会社を抱えている。

会社名にもあるとおり主に損害保険の商品を取り扱っているが、グループ会社や提携などを通じて生命保険や医療保険等の各商品が揃っているのが特徴だ。

損保ジャパンも保険金の支払状況をホームページ等で公開している。

今回は2022年度下半期の医療保険、がん保険、その他保険の状況を挙げる。

いずれも医療保険、がん保険、その他保険を合わせて支払件数は11万9,229件となっている。

一方で不払い件数は3,363件となっており、内訳としては告知義務違反解除が44件、支払事由非該当は3,093件、免責事由該当が226件だ。

支払い率は約97%と高いが、不払い件数が約3,300件存在することは無視できないだろう。

アフラック

最後にアフラック生命保険株式会社の支払い実績についてみてみよう。

こちらでも現時点の最新版として2022年度下半期(2022年10月〜2023年3月)のデータが公表されている。

保険金と給付金を合わせて支払い件数は164万4,082件、不払い件数は1万3,912件となっている。

不払い件数の内訳は下記のとおりだ。

  • 告知義務違反解除:876件
  • 重大事由解除:2件
  • 免責事由該当:51件
  • 支払事由非該当:1万2,983件

支払い率は約99%で非常に高いが、それでもさまざまな理由で支払われない事例が存在する点は無視できないだろう。

今回紹介した3社ともに支払い実績は90%台後半と非常に高い数字となっており、特別な理由や事情等がないにも関わらず保険金や給付金が支払われないケースは非常に少ないと考えられる。一方で各社ともに全体に占める割合は非常に小さいものの、不払い件数はゼロではない。

特に支払事由非該当は3社ともに不払いの理由として最も多くなっており、加入者と保険会社の認識に差異があることで支払いが行われないケースもあるだろう。

例えば医療保険は持病の有無、保険契約後も病気やけがの内容や程度が問題となることも少なくない。

将来の不払いリスクを軽減するためにも、あらかじめ不安な部分は保険会社の担当者等に質問し、支払い対象外となるケースは具体的にどのようなものがあるのか過去のデータをもとに確認することをおすすめする。

注意点と見極め方

注意点と見極め方 生命保険ナビ

保険会社や商品を見極めるためにも支払い実績の確認は欠かせないが、判断するうえでいくつか注意したい内容や見極め方のポイントも存在する。

支払い実績の過信は禁物

もちろん支払い実績が豊富にあると安心感に繋がるのは事実だが、これらはあくまで過去のデータに過ぎない。

将来必ず高確率で保険金の支払いが行われるかどうか完璧に予測するのは非常に困難であり、保険制度やその他金融業界をめぐる規制等が大きく変化することもある。

取り巻く環境が変われば支払い実績にも少なからず影響が出ることも考えられる。

そのため支払い実績が豊富にあるからといって今後も絶対に安心とは限らない。

支払い実績が優れていても、自分自身のニーズやリスク対策に合致しているかどうかは別問題だ。

保険選びの総合判断とバランス

保険選びで重要なのは保険金や給付金の規模や支払い実績だけではない。

定期的な保険料負担額等を含む契約内容、万一の際に保障される内容や支払い条件、アフターサポートや質なども総合的に判断する必要がある。

専門家の意見を聞く重要性

世の中には無数の保険商品が存在し、自分に合ったものを選定するのは容易ではない。

保険料や手数料、支払い実績の確認も大切だが、それ以外にも検討すべきポイントは多い。

自身に合った保険選びの戦略を構築し、場合によっては複数の商品を組み合わせてさまざまなリスクに対応する必要がある。

保険料の負担が重くなり、定期的な支払いが困難となってやむを得ず解約することになれば本末転倒だ。

資金管理の徹底はもちろん、ライフステージの変化による見直しも欠かせない。日々変動する保険を含む金融業界の状況も常に確認する必要があるだろう。

このように総合的な視点で保険商品の選定や見直し等を行わなければならないが、保険や金融の専門知識を持たない一般消費者が全て対応するのは難しい。

自分1人でゼロの状態から数多ある保険や商品を全て調査して分析するのは現実的ではない。

当然ながら保険に加入しなければ万一の際に保障を受けられない。

勉強や情報収集の効率化、悩む時間の削減のためにも保険業界に精通した独立系のFPなど保険の専門家の意見を聞くことも重要だ。

専門家の助けを借りることで自身に最適な保険選びの戦略構築やポートフォリオの見直しが可能となる。

まとめ

まとめ 生命保険ナビ

保険の支払い実績は、保険を選ぶ際に自己のリスクを防ぐための一つの指標となる。

しかし、支払い実績だけで判断するのではなく、総合的な視点から保険の選択を行う必要がある。複雑な保険選びを一人で悩むよりも、保険のプロの意見を参考にすることが大切である。

ただ、保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適な担当を見極めることは難しい。

その点「生命保険ナビ」は全国の保険のプロが数多く登録しているため、数多くのプロの中から自分自身に合った担当者を選べるだけでなく、複数のサービスを使って探す時間や手間が省けるのも大きなメリットだ。

自分に最適な保険選びをしたいという方は、ぜひ利用してもらいたい。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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