- ファミリー向け保険の選び方が分からない
- 家族に対してどんな保障が必要なのかわからない
- ファミリー向け保険の仕組みや内容を理解したい
ファミリー向け保険は、家族の生活を守るための重要な資産である。
しかし、家族の生活を守るためにはどのような保障が必要なのか、またどの保険に加入すれば良いのか迷う方も多いのではないだろうか。
そこで本記事では、ファミリー向け保険の仕組みから家族に必要な保障の考え方、適切な保険の選び方まで具体的に解説する。
自分たちの生活や家族構成に合わせた保険を選び、いざというときに大切な家族をしっかりと守れるようにしてほしい。
ファミリー向け保険とは?
生命保険には、一つの保険で家族丸ごと保障が準備できるファミリー向けの保険がある。
ここでは、ファミリー向け保険に関して、以下3つについて解説していく。
- ファミリー向け保険の仕組み
- ファミリー向け保険のメリット
- ファミリー向け保険の注意点
ファミリー向け保険の仕組み
ファミリー向け保険とは、契約した本人だけの保障ではなく、配偶者や子どもなども保障の対象にできる保険だ。
保障の対象とする家族の範囲によって、「夫婦型」「家族型」など名称が異なる。
例えば、夫がファミリー向け保険の家族型に加入する場合、主たる被保険者(第一被保険者)は夫となり、妻や子どもは従たる被保険者(第二被保険者)という扱いになる。
また「夫婦型」「家族型」で加入すると、主たる被保険者の保障が「主契約」、従たる被保険者の保障が「特約」として付加される。
主契約が保険金の支払い等で消滅すると、付加されている特約もあわせて消滅することとなる点には注意してほしい。
ファミリー向け保険のメリット
ファミリー向け保険のメリットとしては、主に以下の2つが挙げられる。
- 保険料が安い
- 家族全員の契約が一つにまとまっているため管理がしやすい
まず最大のメリットといえるのが保険料が安い点だろう。
また、家族全員の契約が1つの保険にまとまっているため、管理がしやすいのもメリットである。
家族それぞれが異なる保険に加入していた場合、それぞれの保険で保障される内容や受け取れる保険金額、支払う保険料もバラバラになってしまうからだ。
ファミリー向け保険は、保険料を抑えたかったり、契約の管理に手間をかけたくなかったりする人にとっておすすめだといえる。
ファミリー向け保険の注意点
ファミリー向け保険の注意点として挙げられるのは、以下の3つだ。
- 個々人の見直しがしづらい
- 主たる被保険者が亡くなると配偶者や子どもの保障もなくなる
- 従たる被保険者の保険金額は主たる被保険者の6割程度
家族全員の契約がまとまっているため、それぞれの生活状況の変化によって見直しがしづらいのが最大のデメリットだ。
例えば、今までは入院の保障のみであったが通院の保障を追加したいと考えた場合、主たる被保険者の保障内容だけを見直せるわけではなく、契約全体を見直さなければならない。
加えて、従たる被保険者が大きな病気をしてしまっていた場合、従たる被保険者の保障が準備できなくなってしまう可能性もある点には注意しなければならない。
また、主たる被保険者が亡くなってしまった場合、従たる被保険者の保障もなくなってしまう点にも注意しよう。
先述のとおり、一般的に従たる被保険者の保障は「特約」として付加されており、主たる被保険者の保障に紐付くような形になっているためだ。
ただ、保険料払込免除特約といった、主たる被保険者に万が一のことがあった際に保険料負担が免除されるという特約もある。
この特約が付加されていれば、主たる被保険者が亡くなってしまった場合でも、従たる被保険者の保障の継続が可能だ。
さらに、従たる被保険者の保険金額は主たる被保険者の6割程度である点にも注意が必要だ。
ファミリー向け保険の保険料が安くなるのは、これが理由である。
共働きの場合などは、夫婦それぞれの必要保障額に大きな差がないことも多いだろう。
そのため、保険金額を個別に設定したい場合や柔軟に保障の見直しをしたい場合には、家族それぞれで保障を準備することがおすすめだ。
ファミリー向け保険を選ぶなら家族に必要な保障を知ろう
生命保険に加入するにあたっては、まずどのような保障が必要となるのかを把握する必要がある。
自分の家族構成を踏まえて、必要な保障を準備しよう。
死亡保障の重要性
死亡保障は、自分に万が一のことがあった際、残された家族の生活を守るために重要な役割を果たす。
もちろん、遺族年金といった公的な保障も存在する。しかし、遺族年金は子どもの有無や配偶者の年齢によっても異なる。
まず、遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類がある。
例えば、夫が会社員の場合は遺族基礎年金と遺族厚生年金のどちらも支給されるが、自営業やフリーランスの場合は遺族基礎年金のみの支給となる。
さらに、遺族基礎年金は子どもがいないと支給されない。
このように、勤務先によって受け取れる遺族年金の金額が大きく変わる。
自分に万が一のことがあった際に、残された家族が生活をするために必要な金額はいくらなのか、遺族年金はいくら受け取れるのかをあらかじめ確認しておく必要がある。
そして、その差額分を保険で補おう。
傷害・疾病保障の意義
病気やケガをした際の保障の意義は、治療費やその後の生活保障にある。
日本では、「国民皆保険制度」が取られており、日本国民全員がいずれかの公的医療保険(健康保険)に加入しているため、1〜3割の自己負担で治療を受けることが可能だ。
さらに、治療費が高額になったら高額療養費制度を利用することで自己負担額を抑えられる。
そのため、「公的医療保険制度が充実しているから、病気やケガに対する保障は準備しなくても問題ない」と考えている人も一定数いる。
しかし、実際にかかる費用には入院時の差額ベッド代や食事代、保険が適用されない治療など全額自己負担となるものもあるのだ。
全額自己負担となる治療法の例としては、がん治療における重粒子線治療や陽子線治療といった先進医療が挙げられる。
放射線治療の一種であるが、正常な細胞をなるべく傷つけずに、がん細胞のみを攻撃する高度な医療技術のことだ。
これらの治療を受けるためには、およそ300万円の自己負担が必要となる。
資産状況に余裕がない限り、このような治療法を選択するのは難しいのではないだろうか。
ただ、病気やケガを保障する保険に加入していれば、先進医療を受けたときに対する保障も準備可能である。
もしものときに治療の選択肢を狭めないためにも、保険に加入しておくことがおすすめだ。
加えて、大きな病気やケガをしてしまうと働けなくなってしまったり、元通りの生活に戻れなくなってしまったりする可能性もある。
そのようなときには、傷病手当金などの公的保障もあるが、収入を補填するための保障も準備しておくべきだ。
傷病手当金とは、会社員や公務員の方が病気やケガによって会社を3日連続で休業したときに、4日目以降から通算1年6ヶ月支給されるものである。
ひと月あたりに支給される金額は、平均月収のおよそ3分の2だ。
例えば、平均月収が45万円の方であれば、およそ30万円受け取れることになる。
一方、傷病手当金が受け取れるものの、治療にかかる費用の負担もあるため、収入源のダメージは家計にとっても大きい。
また、国民健康保険に加入する自営業者やフリーランスは傷病手当金の支給の対象とはならない点にも注意が必要だ。
これらを踏まえ、病気やケガをした際の治療費の保障(医療保険)だけでなく、働けなくなり収入が減少したときにも備えられる保障(就業不能保険)に加入することが大切である。
子どもの教育費や老後資金のための保障
子どもの教育費や老後資金など、将来必要になるお金に関する保障も準備しておきたい。
まず、子どもの教育費については、公立校を選ぶか私立校を選ぶかによっても大きく異なる。
文部科学省の「令和3年度 子供の学習費調査」によると、1年あたりの学習費用の総額は以下のとおりだ。
区分 | 幼稚園 | 小学校 | 中学校 | 高等学校(全日制) | ||||
公立 | 私立 | 公立 | 私立 | 公立 | 私立 | 公立 | 私立 | |
総額 | 165,126 | 308,909 | 352,566 | 1,666,949 | 538,799 | 1,436,353 | 512,971 | 1,054,444 |
上記の表を元に計算すると、高校卒業までにかかる学習費用の総額は、公立校でおよそ580万円、私立校でおよそ1,840万円になる。
公立校に比べ、私立校の方が3倍以上の費用が必要となることがわかるだろう。
大学へ進学するとなると、さらにお金が必要だ。
子どもの教育費を準備するためには、万が一のときの死亡保障に加え、学資保険に加入しておくことをおすすめする。
学資保険とは、子どもの年齢に応じて、一定の時期に一時金が受け取れる保険のことをいう。
契約者となる親に万が一のことがあった場合には、保険料の負担が免除され、保障が継続される仕組みだ。
受け取った一時金は進学費用などに充てられる。
また、老後資金を準備するなら個人年金保険や養老保険、終身保険などがおすすめである。
それぞれの保険の特徴について見てみよう。
特徴 | |
個人年金保険 | 契約時に設定した年齢から一定期間にわたって年金が受け取れる |
養老保険 | 保険期間は定期で、万が一のことがあった場合には死亡保険金、保険期間満了時まで生存していた場合には死亡保険金と同額の満期保険金、解約時には解約返戻金が受け取れる |
終身保険 | 保険期間は終身で、万が一のことがあった場合には死亡保険金、解約時には解約返戻金が受け取れる |
老後資金としては、国から公的年金(国民年金・厚生年金)が受け取れる。
しかし、生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、夫婦での老後の生活資金としては、ひと月あたり最低23.2万円必要と考えられている。
さらに、ゆとりある生活を送ろうとすると、必要な金額はひと月あたり37.9万円にも上る。
将来の年金受給額は、毎年届く「ねんきん定期便」などで確認可能だ。
自身の将来の年金受給額を踏まえて準備しておくべき金額を計算し、上記3種類のような貯蓄性のある商品への加入を検討しよう。
ファミリー向け保険の選び方
ファミリー向け保険を選ぶにあたって重要なのは、以下の3つだ。
- 家族構成に合わせた適切な保険を選ぶ
- 保障内容や保険料を比較する
- 信頼できる保険会社を選ぶ
それぞれ見ていこう。
家族構成に合わせた適切な保険を選ぶ
先述したとおり、家族構成によって加入すべき保険は異なる。
例えば、夫婦のみであれば、病気やケガをした際の保障が受けられる医療保険や残された家族の生活を守るための生命保険(死亡保険)、就業不能保険への加入の検討が必要だ。
また、今後妊娠・出産を予定しているのであれば、妊娠・出産のリスクに対応するための保険や子どもの教育費に備える保険への加入の検討も必要になる。
加入する保険を選ぶ際には、将来のライフプランを明確にしよう。
ライフプランに変更があった場合は、その都度保障を見直すようにしよう。
保障内容や保険料を比較する
一口に医療保険といっても、入院した日数に応じて受け取れる保険金額が変わる保険もあれば、入院日数に関わらず契約時に決めた一時金額が受け取れる保険もある。
また、保険は全く同じものは存在しないと考えたほうが良い。
それほど保険会社によって販売している商品内容が異なるのだ。
そのため、準備すべき保障に目星がついたら、様々な保険会社の商品の保障内容や保険料を比較しよう。
信頼できる保険会社を選ぶ
生命保険に加入する際には、信頼できる保険会社を選ぶことも大切だ。
保険会社の信頼度を測る指標としては「ソルベンシー・マージン比率」がある。保険会社は保険金の支払いのためにあらかじめお金を積み立てている。
しかし、予測不能な事態(大規模災害など)が発生した場合には、積み立てているお金以上に保険金の支払いが発生する可能性も考えられる。
その際に、その保険会社にどれほどの支払い余力があるのかを表しているのが「ソルベンシー・マージン比率」だ。
この数字が大きくなればなるほど支払い余力があり、信頼度が高いといえる。
また、保険は万が一のときに迅速に保険金が受け取れるかどうかも大事なポイントになる。
信頼できる担当者から保険に加入することも重要だ。
あなたの家族に合わせたファミリー向け保険を選んで自身と家族の生活を守ろう
本記事では、ファミリー向け保険の基本や家族に必要な保障内容の考え方、それを踏まえた保険の選び方を解説した。
ファミリー向け保険の知識を得ることで、自身と家族の生活を守るための適切な保険選びが可能となる。
ただ、実際に保険を選ぶ際には個々の家庭事情を考慮する必要があり、一人で判断するのは難しいだろう。
判断に迷ったときは、保険のプロへの相談がおすすめだ。
保険のプロがあなたにあった適切なアドバイスをしてくれる。
しかし、保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適な担当者を見極めることは難しい。
そのようなときは、保険のプロと個人のマッチングサービスである「生命保険ナビ」を利用しよう。
「生命保険ナビ」であれば、保険のプロの中から自分のニーズに合った担当者を選ぶことが可能だ。
適切なファミリー向け保険に加入するためにも、ぜひ一度試してみてはいかがだろうか。