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【ドル建て保険と積立NISAを比較する】それぞれの特徴と適切な選び方を解説

この記事で解決できるお悩み
  • ドル建て保険と積立NISAのどちらを活用するべきなのか比較したい
  • ドル建て保険と積立NISAのメリットとデメリットを比較したい
  • ドル建て保険と積立NISAのそれぞれの特徴を理解したい

昨今、各国の金利政策とそれに伴う金利市場の変動などから、ドル建て保険が注目されている。

ドル建て保険とは、保険料の支払いと受け取る保険金が為替相場の影響を受ける保険である。

貯蓄性に優れた商品であるため、運用手段として積立NISAを同時に検討されるケースも多い。

本記事では、ドル建て保険と積立NISAの特徴やメリット・デメリット、それぞれの比較をしたのちに、有効に活用するための考え方について説明する。

ドル建て保険へ加入するか積立NISAを始めるか迷っている方には、ぜひ参考にしてもらいたい。

目次

ドル建て保険とは

ドル建て保険とは 生命保険ナビ

ここでは、ドル建て保険について正しく理解するために、ドル建て保険の概要から特徴、メリット・デメリットについて解説していく。

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ドル建て保険の概要

ドル建て保険とは、保険料の支払いや保険金の受け取り、解約時における解約返戻金の受け取りまで、全て米ドルや豪ドルなどで行われるものをいう。

保険料の支払いはドルであるが、実際は日本円で支払い、保険会社がドルに交換することが一般的だ。

そして、そのドルを用いて運用されている。

また、保険金などの受け取りも基本的にはドルで行われるが、特約を付加することで日本円での受け取りが可能なケースも多い。

商品によって異なるため、事前に確認しておこう。

ドル建て保険の特徴

ドル建て保険の特徴として挙げられるのは、以下の2つだ。

  • 支払う保険料や受け取る保険金などが為替の影響を受ける
  • 円建て保険よりも大きなリターンが見込める

ドル建て保険の最大の特徴は、保険料の支払いや受け取る保険金などが為替の影響を受ける点だ。

例えば、毎月の保険料が200米ドルだとしよう。為替レートは日々変動するため、円ベースで支払うとすると1米ドルが100円の場合は20,000円、1米ドルが130円の場合は26,000円の支払いが必要となるなど、毎月の支払い額が一定ではない。

保険金を受け取る際にも、そのときの為替によって保険金額が増減する点には注意が必要だ。

もう一つ特徴として挙げられるのが、円建て保険(円で運用する保険)よりも大きなリターンが見込める点である。

なぜなら、円よりも高金利であるドルで運用するからだ。

円建て保険よりも貯蓄性が高くリターンが見込めるため、保険で資産形成を考えている方にとってはおすすめな商品だといえる。

ドル建て保険のメリットとデメリット

まず、ドル建て保険のメリットについて見ていこう。

メリットとして挙げられるのは、以下3点だ。

  • 円建て保険に加入するよりも保険料が割安
  • 為替レートによっては為替差益が得られる
  • 資産を分散できる

ドル建て保険は円よりも高金利であるドルで運用するため、予定利率(運用利回り)があらかじめ高めに設定されている。

そのため、円建ての貯蓄性商品よりも安い保険料で保障の準備と資産形成が可能となるのだ。

また、為替レートによっては為替差益が得られる点もメリットとなる。

例えば、1万米ドルの保障を準備するために、合計で100万円支払ったとしよう。

保険金などを受け取る際に1米ドル=120円となっていた場合は、100万円の支払いに対して120万円受け取れることになる。

商品によっては、為替の動きを見て保険金などの受け取り時期を選択可能なものもあるため、商品の特徴をしっかり把握しておくことが大切だ。

さらに、ドル建て保険に加入することで、資産を分散できる点もメリットといえる。

なぜなら、円だけで資産を持つよりも、ドルでの資産も持つことで全体的な資産のバランスが保たれるからだ。

例えば、円だけの資産しか持っていなかった場合、インフレなどによって円の価値が下がってしまうと資産全体の価値が下がるリスクがある。

しかし、円だけでなくドルも持っていたらどうだろうか。

円の価値が下がってしまっても、ドルの価値が上がっていれば資産全体の価値は大きくは下がらないはずだ。

ドル建て保険は貯蓄性が高く、為替レートによっては利益を得られる可能性があることに加えて、自身の資産におけるリスクの分散にもつながるといったメリットがある。

続いて、デメリットは以下の4つだ。

  • 毎回の保険料が変動する
  • 為替レートによっては損失を被る可能性がある
  • 為替手数料が必要になる
  • 利益が出た場合は課税されることもある

先述したとおり、為替レートは日々変動するため、円ベースで支払う保険料が毎回変動するのはデメリットである。

ドルベースでの保険料が大きいと、円ベースでの支払額に大きく影響を与えるため注意が必要だ。

加えて、これはメリットの裏返しでもあるが、保険金や解約返戻金を受け取る際の為替レートによっては、為替差損が出る可能性がある点はデメリットといえる。

例えば、5万米ドルの保険金を受け取れる保険に対して、円ベースで600万円支払ったとする。

実際の保険金受取時の為替レートが1米ドル=80円だった場合、受け取れる保険金は400万円となり、支払った保険料に対して大きな損失を被ることとなるのだ。

また、円での保険料支払いや保険金などの受け取りを希望すると、為替手数料が必要となる点には注意してほしい。

為替手数料は保険会社によって異なるが、最低でも1米ドルあたり0.01円ほどかかる。

なるべく為替手数料が安い保険に加入できるよう、複数商品を比較して検討することが重要だ。

さらに、解約返戻金などを受け取った場合には課税対象となる。

そのため、大きく利益が出た場合は税金が引かれるケースもあるため注意しよう。

ドル建て保険と積立NISAの比較

ドル建て保険と積立NISAの比較 生命保険ナビ

ここでは、積立NISAの基本情報からメリットとデメリット、積立NISAとドル建て保険の違いについて解説していく。

積立NISAとは

積立NISAとは2018年1月から開始された個人投資家に向けた非課税制度のことをいう。

通常、運用によって利益が出た場合は、その利益に対して20.315%の税金が課せられるが、積立NISAの対象商品の運用によって利益が出た場合でも非課税となる。

ただ、注意しなければならないのは、年間の投資金額や非課税で保有できる期間が決められている点だ。

積立NISAの年間投資額は40万円であり、非課税保有期間は20年間である。つまり、最大800万円まで非課税で投資可能だ。

しかし、現行のNISA制度は2023年12月をもって終了し、2024年1月からは新NISA制度が開始される。

新NISA制度の概要は以下のとおりだ。

つみたて投資枠成長投資枠
年間投資枠120万円240万円
非課税
保有期間
無期限化
非課税
保有限度額(総枠)
1,800万円※簿価残高方式で管理(枠の再利用が可能)
1,200万円(内数)
口座開設期間恒久化
投資対象商品長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託
(現行のつみたてNISA対象商品と同様)
上場株式・投資信託等
(①整理・監理銘柄②信託期間20年未満、毎月分配型の投資信託及びデリバティブ取引を用いた一定の投資信託等を除外)
出典:金融庁「新しいNISA」(2023年10月参照)

現行の積立NISAと比較すると、以下の3点に違いがある。

  • 新NISAではつみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能
  • 非課税保有期間が20年→無期限へ
  • 保有する投資信託等を売却すると、その枠が再利用できる

このように、2024年1月からはNISAが抜本的に見直される見通しだ。

資産運用を始めようと考えている人は、新NISAについてもしっかり理解しておこう。

積立NISAのメリットとデメリット

積立NISAにて資産運用を行うメリットとしては、以下の4つがある。

  • 利益が出ても課税されない
  • 少額から始めることが可能
  • 毎月一定額をつみたてていくため最終的な購入単価が抑えられる
  • 初心者でも簡単に分散投資ができる

積立NISAを利用する最大のメリットは、運用益や分配金などに対して課税されないことだろう。

また、少額から始められる点もメリットである。金融機関によって異なるが、100円などからでも始めることが可能だ。

加えて、積立NISAでは毎月一定額で商品を買付していく(ドル・コスト平均法)ため、商品の価格が高いときは購入口数を少なく、価格が低いときは購入口数を増やして買付られる。

これにより、最終的な購入単価を抑えられる。

さらに、積立NISAで投資できる商品は、長期の積立や分散投資に適した一定の投資信託であるため、簡単に分散投資ができるのも嬉しいポイントだ。

分散投資とは、ある一つの投資先に投資するのではなく、株式や債券、不動産などを組み合わせて投資先を分散させることをいう。

資産全体の価値変動リスクに備えるためにも、分散投資を心がけよう。

続いて、積立NISAのデメリットも見ていきたい。デメリットとしては以下の3つが挙げられる。

  • 投資先として選択できる商品が限られている
  • 損益通算ができない
  • 短期間での資産形成には不向き

積立NISAで購入できる商品は、一定の投資信託に限られており、個別株などには対応していない点はデメリットといえるだろう。

また、積立NISAで購入した商品に損失が出た場合でも、損益通算できないのもデメリットである。

損益通算とは、運用によって損失を被った場合に、他の課税口座にて利益が出ている場合はその利益と相殺できる仕組みのことをいう。

積立NISAはもともと利益に対して課税されない制度であるため、損失が出ても他の課税口座との損益通算ができない点には注意しよう。

加えて、積立NISAは毎月一定額で商品を購入していくことを目的としていることから、機動的な投資は不可能だ。

そのため、短期的な資産形成はできない点もデメリットの一つといえる。

積立NISAはドル建て保険の代わりになるのか

結論からいうと、積立NISAはドル建て保険の代わりにはならない。

なぜなら、積立NISAには万が一のときの保障がないからだ。ただ、資産運用のみだけを考えると、ドル建て保険の代わりとなるだろう。

ドル建て保険に加入した場合、現金を得るためには「契約者貸付」もしくは「減額・解約」をしなければならない。

契約者貸付を利用すると、貸付額に利息をつけて返済する必要がある点には注意しなければならない。

一方、積立NISAであればいつでも売却して現金を得ることが可能だ。

したがって、保障を準備するという目的がある場合はドル建て保険、保障の準備でなく資産形成目的なのであれば積立NISAを活用すると良いだろう。

ドル建て保険と積立NISAを有効に活用するには

ドル建て保険と積立NISAを有効に活用するには 生命保険ナビ

ドル建て保険と積立NISAを有効活用するには、あらかじめ以下の3つを意識する必要がある。

  • 保障と運用を切り離して考える
  • 保険加入や運用の目的を整理する
  • 自分のライフプランに適合しているか考える

それぞれ見ていこう。

保障と運用を切り離して考える

ドル建て保険には保障と運用を同時に行えるという特徴があるが、加入を検討する際にはそれぞれを切り離して考えることが重要だ。

例えば、万が一のときに備えたいのであれば、円建ての終身保険などと保険料や条件を比較するべきである。

また、ドル建て保険を運用商品として検討するのであれば、積立NISAやその他運用商品と比較を行い、それぞれの特徴やリスク、自身が目指す投資スタイルとの適性を確認する必要がある。

保障と運用を切り離して、ドル建て保険に加入するか積立NISAを始めるかを検討しよう。

保険加入や運用の目的を整理する

なぜ保険に加入するのか、何のために運用するのかなど、それぞれの目的を整理することも必要だ。

なぜなら、その目的によって選ぶべきものが変わるからである。

保障は十分であるのに、ドル建て保険に加入する必要性は低いだろう。

保障を準備しつつ資産形成を行いたいのであれば、掛け捨て型(解約した際に解約返戻金がほとんどないタイプ)の保険に加入して積立NISAで長期的に資産運用を行うというのもおすすめの方法だ。

自分のライフプランに適合しているか考える

資産運用は、長期にわたって継続することで複利の効果が得られ、利益も大きくなっていく。

そのため、積立NISAの場合はもちろんのこと、ドル建て保険に加入した場合も保険期間は長期にわたるだろう。

家族がいるのであれば、自分に万が一のことがあった場合に備えて、残された家族の生活費や教育費を準備する必要がある。

しかし、子どもが独立すれば養育費に関する保障はいらないため、保険で備えておくべき必要保障額は年々減少するはずだ。

ライフプランにあわせて保障の準備と資産形成を行いたいのであれば、掛け捨て型の保険で保障を準備し、積立NISAで無理なく長期的に資産運用をしていくことがおすすめである。

NISAとドル建て保険のいいとこ取りで資産形成を始めよう

まとめ 生命保険ナビ

本記事では、ドル建て保険への加入を検討されている方へ向けて、積立NISAとの比較を軸にそれぞれの特徴やメリット・デメリット、有効に活用するための考え方について解説した。

ドル建て保険を運用手段と捉え、積立NISAと比較検討されるケースが多いが、その適性を見極めるには保険と運用を切り離して考える必要がある。

しかしながら、目的や個人のライフステージによって適切な選択は異なるため、本記事だけで判断するのが難しいと感じる人もいるだろう。

判断に迷うときは、保険のプロに相談することも検討してほしい。

一人一人の状況に応じたアドバイスをもらうことで、的確に必要な保険を選択できる。

ただ、保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適な担当者であるか見極めることは困難だ。

最適な担当者を見つけるには、保険のプロと個人をマッチングさせるサービスである「生命保険ナビ」を活用することがおすすめだ。

「生命保険ナビ」を使えば、自身の希望に沿った保険のプロを簡単に見つけられる。

無料で利用できるので、是非活用してみよう。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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