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【会社で入る生命保険】法人保険の特徴とメリットを解説

この記事で解決できるお悩み
  • 会社で入る生命保険の概要が知りたい
  • 会社で入る生命保険を利用するメリット・デメリットが知りたい
  • 会社で入る生命保険を利用する際の注意点が知りたい

会社が契約者となって加入する生命保険は「法人保険」とも呼ばれ、事業保障リスクへの備えや従業員の福利厚生などへの活用が目的とされている。

一方で、法人保険への加入にあたっては、どのような点に気をつけなければならないのかわからないという方も多いだろう。

そこで本記事では、法人保険の特徴やメリット・デメリット、さらに加入に際して注意すべき点を解説していく。

法人保険への加入を考えている経営者や役員の方は、ぜひ参考にしてほしい。

目次

会社で入る生命保険とは?法人保険の概要

法人保険の概要 生命保険ナビ

ここでは、以下3点について解説していく。

  • 法人保険の特徴
  • 法人保険の種類
  • 法人保険の加入手続き

法人保険の特徴

法人保険とは、会社が契約者となり、経営者や役員、従業員の方が被保険者となる保険のことをいう。

例えば、中小企業の経営者が亡くなったり、病気などによって経営を離れなければならなかったりすると、経営者の信用によって成り立っていた取引が打ち切られてしまう可能性もゼロではない。

大きな取引であればあるほど経営に与えるダメージは大きいため、事業存続の危機に陥ってしまうことがある。

また、後継者へ事業承継する際にも、相続税の支払いなどで高額なお金が必要になるケースも考えられるだろう。

当面の運転資金や事業承継のための資金、これ以外にも経営者・役員の退職金従業員の福利厚生などを備えるのに役立つのが法人保険だ。

基本的な保障内容は個人保険と変わらないが、法人保険ならではのメリット・デメリットも存在する。

この点については後述する。

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法人保険の種類

法人保険には、主に以下の5種類がある。

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種類特徴
定期保険・一定期間の死亡保障が準備できる
・保険期間が99歳までといった長期でも加入可能
・保険金額が徐々に増額していき、最終的には当初の5倍まで保険金額が増額する「逓増定期保険」もある
・解約返戻金が受け取れるタイプもあるため、解約返戻金のピークを退職時期に合わせることで退職金の支払いに備えられる
終身保険・一生涯の死亡保障が準備できる
・解約返戻金を退職金の支払いに活用できる
養老保険・一定期間の死亡保障が準備できる
・保険期間の満期まで生存していれば死亡保険金と同額の満期保険金が受け取れるため、退職金の支払いに備えられる
収入保障保険・一定期間の死亡保障が準備できる
・保険金が年金として受け取れる
・総受取額が年々減少していくため、死亡時を保障する保険の中では保険料が割安
医療・がん保険・保障内容は個人向けの保険と大差なく、病気やケガで入院・手術などをした場合に保険金が受け取れる
・経営者や役員が病気やけがで経営を離れることとなったときに、事業保障リスクに備えられる

上記の表を見るとわかるとおり、商品によってそれぞれ特徴が違う。会社として備えたいリスクによって選ぶべき商品は異なる。

そのため、法人保険への加入を検討する際には、どのようなリスクに備えるべきか洗い出すことが大切だ。

法人保険の加入手続き

法人保険の加入手続きは、個人保険へ加入する場合と大きく変わらない。契約者が手続きを行い、被保険者が告知を行う。

ただ、法人保険は契約者が会社であるため、会社の代表者として経営者が手続きを行う場合が多いだろう。

また、法人保険へ申し込む際には、死亡退職金規定や弔慰金規定などの提出が求められるケースもある。

加入を検討している商品がある場合には、申し込みの際にどのような書類が必要となるのか、あらかじめ保険会社の担当者などに確認しておこう。

必要書類を揃えておくことで、手続きもスムーズに進められるはずだ。

【会社で入る生命保険】法人保険のメリット・デメリット

法人保険のメリットとデメリット 生命保険ナビ

ここでは、法人保険に加入するメリットとデメリットに加え、法人保険を効果的に活用する方法について解説していく。

法人保険を利用するメリット

法人保険を利用するメリットは、大きく3つある。

法人保険を利用するメリット
  • いざというときに当面の運転資金が確保できる
  • 退職金や勇退資金の準備にも活用できる
  • 支払った保険料は一部または全額を損金に算入できる

法人保険を利用する最大のメリットは、やはり経営者や役員にもしものことが起きた場合に、当面の運転資金が確保できる点だ。

「貯金は三角、保険は四角」という言葉が表すように、いざというときに備えて貯金をしようと思うと、大きな金額を貯めるまでに時間がかかる。

一方で、保険は加入した段階で大きな保障を受けることが可能だ。

先述したとおり、経営者や役員に万が一のことがあると、経営が傾いてしまうリスクや後継者への事業承継のために多額の資金が必要となるリスクがある。

事業を継続させるためにも、加入した段階で大きな保障を準備できる法人保険に加入し、もしものときに備えることがおすすめだ。

また、法人保険は貯蓄性がある商品が多いため、受け取った解約返戻金や満期保険金を従業員の退職金や自身の勇退資金として活用できるのもメリットの一つである。

養老保険であれば保険期間の満期を退職時期に合わせたり、定期保険であれば解約返戻金のピークを退職時期に合わせたりするなど、保険期間や保険金額を調整することによって、一つの商品で万が一の保障と退職金の支払いに備えられる。

さらに、支払った保険料の一部または全額を損金として算入できるのは税制上の大きなメリットといえるだろう。

会計処理方法のについては少々複雑であるため後ほど詳しく解説する。

ただし、個人事業主の場合には生命保険の保険料を経費として計上することはできない。この場合は生命保険料控除を活用して税金の負担を軽減するようにしよう。

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法人保険を利用するデメリット

法人保険を利用するデメリットは、主に以下の3つがある。

法人保険を利用するデメリット
  • 解約のタイミングを間違えると損をしてしまう
  • キャッシュフローが悪くなる可能性がある
  • 保険料の会計処理方法が複雑になる場合がある

法人保険は、解約返戻金を退職金の支払いなどに充てることを目的として契約するケースも少なくない。

しかし、加入してからすぐに解約してしまうと解約返戻金がほとんど戻ってこなかったり、戻ってきても払い込んだ保険料よりも少ない金額となったりしてしまう。

また、定期保険は保険期間が経過していくにつれて解約返戻金が貯まっていき、ピークを迎えるとその後は減少に転じていく仕組みだ。

そして、保険期間の満期を迎える際には、解約返戻金が0になる。

そのため、解約のタイミングは間違えないように気をつけよう。

さらに、保険に加入すると保険料払込期間中は、保険料を支払い続けなければならない。

法人保険は一般的に保険金額が高額であることが多いため、それに伴って保険料も高くなる。

高額な保険料の支払いでキャッシュフローが悪くなる可能性がある点はデメリットの一つだ。

加えて、法人保険における保険料の会計処理方法は、商品の最高解約返戻率等によって異なる。

商品によっては会計処理方法が複雑となる場合もあるため、注意しよう。

法人保険を効果的に活用するには

法人保険を効果的に活用するには、法人保険に加入する目的を明確にすることが大切だ。

経営者や役員の方にもしものことが起きたときに備えて当面の運転資金を準備したいのか、もしものことが起きたときに備えつつ退職金準備としても活用したいのか。

目的によって加入するべき商品は異なる。加入する目的を明確にし、適切な法人保険を選択することで、法人保険の効果的な活用ができるはずだ。

なお、こちらの記事ではおすすめの法人保険をランキング形式で紹介しているので、さらに詳しく知りたいという方は参考にしてみてほしい。

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【会社で入る生命保険】法人保険を利用する際の注意点

法人保険を利用する際の注意点 生命保険ナビ

法人保険を利用する際には、3つの注意点がある。

  • リスクに応じて必要な種類の法人保険を選ぶ
  • 節税目的で加入しないようにする
  • 保険料の会計処理方法を理解しておく

それぞれ見ていこう。

リスクに応じて必要な種類の法人保険を選ぶ

法人保険に加入することで備えられるのは、主に以下の4つのリスクだ。

  • 経営者・役員にもしものことが起きた場合の事業保障
  • 経営者にもしものことが起きた場合の相続・事業承継
  • 経営者・役員の退職後の生活に向けた勇退資金の準備
  • 従業員にもしものことが起きた場合の死亡退職金や弔慰金などの福利厚生

例えば、経営者・役員にもしものことが起きたときに備えて、事業保障に必要な資金を準備することが目的であれば、定期保険に加入すれば良いだろう。

しかし、いざというときのときのための保障だけでなく、退職後の生活に備えて退職金も準備したいという目的があるのであれば、貯蓄性が高い終身保険や、保険期間満了時に生存していた場合に満期保険金が受け取れる養老保険に加入するべきだ。

このように、どのようなリスクに備えたいかによって、選ぶべき商品は異なる。

何のために法人保険に加入するのか、その「目的」をはっきりさせることが重要だ。

なお、今回例に挙げた経営者に必要な保険については以下の記事で詳しくまとめている。

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節税目的で加入しないようにする

法人保険は保険料を損金算入できることから、法人税の節税対策として利用されるケースが多かった。

しかし、法人保険は節税のための道具ではなく、あくまでも「保障」を準備するためのものである。

また、保険料を損金算入したとしても、支払事由に該当して実際に会社が保険金を受け取った場合は、益金として計上されることになる。

そのため、法人保険へ加入しても節税の効果は薄く、法人税の支払い時期を遅らせる「繰り延べ」に過ぎない点は覚えておこう。

生命保険と法人の税制に関する詳しい解説は、以下の記事で確認してほしい。

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保険料の会計処理方法を理解しておく

法人保険における保険料の会計処理方法は、加入する商品によって異なる。保険期間が3年以上の定期保険、もしくは医療保険やがん保険に加入した場合は、下表のとおり最高解約返戻率に基づいて会計処理方法が定められている。

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最高解約返戻率資産計上期間資産計上額
(残額を損金参入)
取り崩し期間
50%超70%以下保険期間の当初4割相当の期間を経過する日まで当期支払保険料の40%保険期間の7.5割相当の期間経過後から保険期間の終了の日まで
70%超85%以下当期支払保険料の60%
85%超次のAとBのうちいずれか長い期間まで
A:保険期間開始日から最高解約返戻率となる期間の終了の日まで
B:Aの期間経過後において「(当年の解約返戻金相当額)÷年換算保険料相当額」が70%を超える期間
(注)上記の資産計上期間が5年未満となる場合には、5年間(保険期間が10年未満の場合には、保険期間の当初5割相当期間を経過する日まで)
<保険期間の当初10年経過する日まで>
当期支払保険料×最高解約返戻率の90%

<保険期間の11年目以降残りの資産計上期間>
当期支払保険料×最高解約返戻率の70%
解約返戻金相当額が最も高い金額となる期間経過後(資産計上期間が表内(注)に該当する場合には、(注)による資産計上期間の経過後)から保険期間の終了の日まで
参考:ほけんの窓口「定期保険の経理処理」
※年換算保険料相当額=その保険の保険料の総額を保険期間の年数で割った金額のこと

上記の表を見ると、加入した商品の最高解約返戻率によって損金に参入できる金額や資産計上しなければならない期間が異なることがわかるだろう。

また、保険期間や保険料払込期間によっても会計処理方法が変動する。

なお、保険期間が3年未満となる場合や最高解約返戻率が50%未満の商品へ加入した場合、最高解約返戻率が70%以下で、被保険者一人あたりの全契約の年換算保険料相当額が30万円以下となる場合は、支払った保険料を全額損金に参入することが可能だ。

一方で、終身保険は全額資産計上、養老保険は契約形態によって1/2が損金に参入できるなど、加入する商品によって会計処理方法が大きく異なるため十分注意しよう。

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会社で入る法人保険は事業リスクや従業員の福利厚生に役立つ

まとめ 生命保険ナビ

本記事では、法人保険の特徴やメリット・デメリット、さらに加入する際の注意点について解説した。

法人保険は会社が契約者となり、経営者や役員、従業者が被保険者となって加入する保険である。

事業保障リスクに備えたり、従業員の福利厚生などに活用したりすることが可能だ。

一方で、解約のタイミングを間違えてしまうと解約返戻金が受け取れず、損をしてしまう可能性もある。

法人保険に加入する際は、慎重に運用する必要があるだろう。

ただ、法人保険の導入や管理に関して不安がある方は、保険のプロに相談することも積極的に検討してほしい。

それぞれに状況に合わせたアドバイスをもらうことで、どのような法人保険に加入すべきか判断できるはずだ。

また、保険のプロは数多く存在するため、最適な担当者を見つけるのは難しいだろう。

そのようなときは、個人と保険のプロをマッチングさせるサイトである「生命保険ナビ」の利用をおすすめする。

「生命保険ナビ」を利用すれば、希望に沿った保険のプロを簡単に見つけることが可能だ。

無料で利用できるので、ぜひ活用してほしい。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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