- 保険の選び方がわからない
- 加入する保険の保障内容が重ならないようにしたい
- 重複を避け、保険加入のメリットを最大化したい
生命保険は種類が豊富であり、それぞれの商品の保障内容にも違いがある。
そのため、自分にあった保険の選び方がわからない、加入している保険の保障内容が重複しているといった問題を抱える方は多いのではないか。
そこで本記事では、適切な保険選びの方法や保険の重複加入を避けるためのポイント、重複加入を避けることによるメリットについて解説する。
現在保険の加入を考えている方、そして既に保険に加入している方にも、ぜひ本記事の内容を参考にしていただきたいい。
ニーズの重複を避けるために!保険選びの基本
自分にあった保険を正しく選ぶためには、以下の3つの視点を持つことが大切だ。
- ライフプランを見直し必要な保障を見極める
- 保険会社の信頼度をチェックする
- 保険金の受け取りや解約時の条件を把握する
それぞれ見ていこう。
ライフプランを見直し必要な保障を見極める
必要な保障を見極めるためには、ライフプランの見直しが先決だ。
なぜなら、今後のライフプランによって加入するべき保険が異なるからである。
例えば、現在加入している保険が独身時代に加入したものだとしよう。
独身時代は、自分が病気やケガで入院したり手術を受けたりした場合に保障が受けられる医療保険や、働けなくなってしまった場合に保障が受けられる就業不能保険のみに加入しているケースが多い。
しかし、結婚して家族がいる場合、それだけの保障で十分だろうか。
家族がいるのであれば、自分に万が一のことがあった際に残された家族の生活を守るために生命保険(死亡保険)への加入を検討するべきである。
また、今後子どもを望むのであれば、子どもの養育費等にかかる保障も準備しておく必要があるだろう。
このように、将来のライフプランに応じて必要な保障は異なってくる。
家族構成の変化などがあった場合は、その都度保障内容を見直し、必要な保障に無駄なく加入するようにしよう。
保険会社の信頼度をチェックする
正しく保険に加入するためには、保険会社の信頼度をチェックすることも忘れてはならない。
具体的に保険会社の信頼度をチェックするための指標としては、以下の2つがある。
- ソルベンシー・マージン比率
- 格付け
まず、ソルベンシー・マージン比率とは、保険会社の健全性を表すものだ。
保険会社は、契約者から預かった保険料を保険金の支払いに備えて積み立てている。
しかし、予測不能の事態(大規模な震災など)が発生した場合は、保険金の支払いのために積み立てている金額よりも、支払う保険金額の方が多くなる可能性も考えられる。
そこで、予測不能の事態が発生した際に、積み立てている金額に加えて保険会社が保険金の支払いに充てられる資産などがどれほどあるかを示す数値がソルベンシー・マージン比率である。
ソルベンシー・マージン比率が200%を下回ると経営状況に不安があるとみなされ、金融庁からの是正措置命令の対象となる。
また、格付けも保険会社の信頼度を測る上では重要な指標である。格付けとは、格付け会社が行った調査をもとに、保険会社の保険金の支払い能力を評価しているものだ。
格付け会社には、日本格付研究所(JCR)や格付投資情報センター(R&I)、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)などがある。
例えば、格付投資情報センターにおける格付けの定義は、以下のように明示されている。
AAA | 保険金支払能力は最も高く、多くの優れた要素がある。 |
AA | 保険金支払能力は極めて高く、優れた要素がある。 |
A | 保険金支払能力は高く、部分的に優れた要素がある。 |
BBB | 保険金支払能力は十分であるが、将来環境が大きく変化する場合、注意すべき要素がある。 |
BB | 保険金支払能力は当面問題ないが、将来環境が変化する場合、十分注意すべき要素がある。 |
B | 保険金支払能力に問題があり、絶えず注意すべき要素がある。 |
CCC | 保険金支払不能に陥っているか、またはその懸念が強い。支払不能に陥った保険金は回収が十分には見込めない可能性がある。 |
CC | 保険金支払不能に陥っているか、またはその懸念が極めて強い。支払不能に陥った保険金は回収がある程度しか見込めない。 |
C | 保険金支払不能に陥っており、保険金の回収もほとんど見込めない。 |
出典:格付投資情報センター「格付符号と定義」
保険会社の信頼度をチェックするためには、加入する前に各保険会社のHPにてソルベンシー・マージン比率や格付けを確認するようにしよう。
ただ、保険の契約期間は10年、20年など長期にわたることも多い。そうなると、数年の間に保険会社の経営状況が傾く可能性もあるだろう。
ソルベンシー・マージン比率や格付けが高いからといって必ず安心できるわけではないため、上記の指標はあくまでも参考として捉える必要がある。
保険金の受け取りや解約時の条件を把握する
保険に加入する際には、保険金の受け取り方法や解約時に戻ってくるお金(解約返戻金)があるかも把握しておかなければならない。
例えば、万が一のことがあった際に保険金が受け取れる生命保険(死亡保険)は、保険金の受け取り方法が一時金タイプのものと年金タイプのものがある。
また、保険金の受け取り時に、受け取り方法を一時金から年金、年金から一時金などに変更できる場合も少なくない。
実際に保険金を受け取る際に困惑しないよう、あらかじめ受け取り方法の選択肢については確認しておくことをおすすめする。
また、病気やケガで入院・手術などをしたときに保険金が受け取れる医療保険は、多くが掛け捨てだ。掛け捨てとは、解約時に解約返戻金がない保険のことをいう。
「解約したらお金が戻ってくると思っていたのに全く戻ってこなかった」ということがないよう、加入時には解約返戻金の有無についてもチェックしておこう。
保険の重複加入を避けるためのポイント
保険の重複加入を避けるためには、以下の3つのポイントがある。
- 既に加入している保険の内容をチェックする
- 似た保障内容の保険商品を比較する
- 加入すべき保険の優先順位を定める
それぞれ解説していく。
既に加入している保険の内容をチェックする
重複加入を避ける上で最も大切なのが、既に加入している保険の内容をチェックすることだ。
加入している保険の内容を正しく把握していないと、重複加入につながってしまう。
また、人によっては、親が保険を掛けてくれていたことを知らず、自分自身でも似たような保障内容の保険に加入してしまっているケースがある。
既に加入している保険の内容は、契約時に受け取った保険証券にて確認が可能だ。
手元に保険証券がない場合は、保険会社のサービスセンターへ問い合わせをすることで確認できる。
ただ、サービスセンターへの問い合わせは基本的に本人以外は認められていないため注意しよう。
また、自分自身で契約しているもの以外にも加入している保険はないか、今一度確認しておくことが大切だ。
似た保障内容の保険商品を比較する
保険会社によって、販売している商品内容は異なる。
そのため、保険に加入する際には、似た保障内容の商品を複数社で比較することが大切だ。
例えば、がんと診断されたときに一時金が受け取れるがん保険への加入を検討しているとしよう。
A社では1度しか一時金が受け取れないが、B社では前回の一時金受け取りから1年経過していれば再度がんと診断されても一時金が受け取れる、という場合もある。
また、C社では上皮内がん(初期のがん)の診断では契約時に設定した一時金額の10%しか受け取れないが、D社では上皮内がんの診断であっても設定した一時金額満額が受け取れる商品内容としていることもある。
このように、同じ保障内容であっても、保険金が受け取れる回数や保障範囲などは商品によって違いが出てくるのだ。
1社の商品だけではなく、複数社の商品の保障内容や保険料を比較して検討しよう。
加入すべき保険の優先順位を定める
「家族のために生命保険(死亡保険)には加入しておきたいし、病気やケガはもちろん、がんも心配。働けなくなったときの保障も老後資金のための保障も準備しておきたい。」
このように全ての保障を準備しようと考えると、保険料が高額になってしまうだけでなく、必要以上に保険に加入してしまう可能性もある。
それを防ぐためには、加入すべき保険の優先順位を定めることが必要だ。
例えば、がんに備えるためには、必ずしもがん保険に加入しなければならないわけではない。
病気やケガを幅広く保障する医療保険に加入しておけば、がんになっても保険金の受け取りが可能だ。
それでもがんの上乗せ保障が必要となれば、医療保険にがんを保障する特約を付加するという方法もある。
また、民間の生命保険は、公的保障を補完するためのものだ。公的保障には、遺族年金や傷病手当金、障害年金などがある。
自分に万が一のことが起きた際に遺族年金はいくら受け取れるのか、働けなくなったら傷病手当金はいくらもらえるのかなどをあらかじめ計算しよう。
そして、公的保障から受け取れる金額と自身の資産状況を踏まえて、どのような保障でいくら準備すべきか検討することで、無駄なく保険に加入することが可能となる。
重複保険のチェックと適切な保険の選択がもたらすメリット
重複を避けて正しい保険に加入すると、実際にどのようなメリットがあるのだろうか。
メリットとしては、以下の3点が挙げられる。
- 家計の無駄遣いを避け節約につながる
- 安心感が得られる
- ライフイベントの変化に対応した保障が得られる
それぞれ見ていこう。
家計の無駄遣いを避け節約につながる
重複した保障がないか確認してから保険に加入することで、無駄な保険料を支払う必要がなくなる。
例えば、3大疾病(がん・心臓病・脳卒中)を保障する保険に加入している方が、3大疾病を含む7大疾病を保障する保険にも加入を検討しているとする。
そうすると、3大疾病の部分は保障が重複しているため、3大疾病のみを保障する保険を解約することで、保険料の節約につながる。
また、損害保険の重複加入には注意しなければならない。
生命保険の場合は、重複加入していてもそれぞれの保険から保険金が受け取れる。
しかし、損害保険は実際に被害を被った金額のみしか受け取れないため、同じような保障に複数加入していても1つの保険からしか保険金が受け取れない可能性が高いのだ。
保険は基本的に契約期間が長いため、支払う保険料の総額も多くなる。
そのため、生命保険だけでなく、損害保険においても重複加入がないかチェックすることで、保険料の節約につなげられる。
安心感を得ることができる
保険はもしものことがあったときの「お守り」のような存在でもある。
そのため、重複した保障がないか、自身のライフプランに沿った保障であるかをしっかり検討した上で保険に加入することで、安心感が得られるのだ。
ただ、先述のとおり、必要な保障は自身の状況に応じて変化する。
安心感を得るためには、定期的に加入している保険の内容を確認し、本当に必要な保障であるかをチェックすることが大切だ。
ライフイベントの変化に対応した保障が得られる
保険に加入する際には、ライフプランを明確にしておくことが大切だと述べた。
しかし、ライフプランは変更になるケースもあるだろう。
そのようなときは、改めて加入している保障内容や保険期間を確認しよう。
新たな保障を追加したり、いらない保障を解約したりするなど保障を見直すことで、今後想定されるライフイベントに対応した保障が得られるはずだ。
保険は一度加入したら終わりではない。ライフプランの変更やライフイベントの発生に応じて、適切な保険に見直そう。
ニーズが重複した保険がないかを確認して保険加入のメリットを最大限に活用しよう
本記事では、自分にあった保険の選び方や保険の重複加入を避けるためのポイント、重複加入を避けることによるメリットについて解説した。
保険選びは、自身のライフプランや家族構成に応じて必要な保障を見極めながら、重複加入による余計な保険料の支払いを避けることが重要となる。
しかし、既に加入している保険の内容を正確に把握することや、加入する保険の内容を正しく理解するためには、専門的な知識や経験が必要である。
そのため、自分一人で悩むのではなく、保険の専門家の力を借りるのも一つの手だ。
保険のプロに相談することで、一人一人の事情にあわせたアドバイスをもらいながら、加入すべき保険を選択できる。
ただ、保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適な担当者であるかを見極めるのは難しい。
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