- 収入保障保険とは何か知りたい
- 収入保障保険のメリット・注意点を知りたい
- 商品の選び方がわからない
収入保障保険とは、死亡または高度障害状態になったときに毎月一定額が年金形式で支給される生命保険のことだ。
一家の家計を支える大黒柱の万が一のリスクに備え、残された家族の生活費を確保してくれる。
ただ、同じく死亡保障に備える死亡保険とは何が違い、その必要性はどこにあるのだろうか。
重要な役割を担っているからこそ、収入保障保険についての理解を深め、ライフステージに合わせて最適な保障を準備することが必要となるだろう。
そこで本記事では、収入保障保険の基本的情報やメリット・注意点、選び方まで解説している。
収入保障保険への加入を考えている方や見直しに悩んでいる方にぜひ読んでいただきたい。
【生命保険】収入保障保険とは?
自分の身にもしものことが起きると、残された家族の生活が苦しくなるリスクがある。
万が一のリスクに備える方法のひとつとして「収入保障保険」という選択肢が挙げられる。
ここでは、収入保障保険の基本的な特徴や一般的な死亡保険との違い、必要な人の特徴について解説する。
収入保障保険の概要
収入保障保険とは、死亡または高度障害状態になったときに毎月一定額が年金形式で支給される保険商品である。
残された家族が保険金を受け取れる仕組みであるため、一家の大黒柱にもしものことがあっても家族の生活を守れる。
収入保障保険は定期型の商品であり、「10年間」「60歳まで」などと保障期間に定めがあることが特徴だ。
満期は自由に設定できるため、希望のライフプランに合わせて保障期間を決められる。
また、保険期間の経過に伴って受け取れる保険金の総額が減少する点も特徴として挙げられる。
例えば60歳満了で年金月額が10万円の場合、40歳で死亡すると受け取れる保険金総額は「月額10万円×12ヶ月×20年=2,400万円」だ。
しかし50歳で死亡した場合は「月額10万円×12ヶ月×10年=1,200万円」となり、40歳のときよりも減少している。
月々の金額は変わらないものの、トータルで受け取れる金額に差が生まれる。
なお、商品によっては保険金を年金形式だけでなく、一括での受け取りや一括・年金形式の併用も可能だ。
万が一のことが起きた後の生活をイメージし、保険金の受け取り方法を選択しよう。
一般的な死亡保険との違い
収入保障保険は「一定期間の死亡リスクに備える」という点では、一般的な定期死亡保険と共通している。
しかし細かい特徴は異なるため、違いを理解した上でどちらを選ぶべきか検討する必要がある。
両者の違いは以下の表の通りだ。
収入保障保険 | 定期死亡保険 | |
---|---|---|
保険金の 受け取り方 | 主に年金形式で毎月受け取る一括での受け取りや 一括・年金の併用も可能 | 一括で受け取る |
保障内容 | 保険期間の経過に伴って小さくなる | 保険期間中は変わらずに一定 |
保険料 | 定期死亡保険と比べると安い | 収入保障保険と比べると高い |
定期死亡保険は、保険金総額が一定となっており、一括で保険金を受け取る場合がほとんどである。
保障が減少していく収入保障保険よりも保険料は高いが、保険期間中のどのタイミングでも同じ保障を得られる点が魅力の商品だ。
両者の特徴を比較し、どちらに加入すべきか慎重に検討しよう。
収入保障保険が必要な人
収入保障保険に加入すべき人の特徴としては主に以下の3つが挙げられる。
- 幼い子どもがいる
- 夫婦のどちらかが専業主婦(夫)
- 自営業者・フリーランス
幼い子どもがいる場合、両親・保護者が死亡すると教育費や生活費に影響が出てしまう。
収入保障保険を備えておくことで、毎月一定額の保険金で教育費や生活費の負担をカバーできる。
まだ幼い子どもがいる家庭の場合は加入を検討しておくと良いだろう。
また、夫婦のどちらか一方のみが働いており、もう一方が専業主婦(夫)という場合も収入保障保険がおすすめだ。働いている方が死亡した場合、経済的な負担が大きくなる。
「子どもが独立するまでの間」「配偶者が年金を受け取れるまでの間」などを保険期間に設定しておくと良いだろう。
さらに、自営業者・フリーランスの場合も収入保障保険が向いている。
なぜなら会社員や公務員に比べて死亡時に支給される遺族年金の額が少ないためだ。
民間の収入保障保険などを活用し、不足分をしっかりとカバーしておこう。
上記のいずれかに該当するのであれば、加入を検討してみよう。
【生命保険】収入保障保険のメリット・デメリット
収入保障保険には魅力的な側面と注意すべき側面が両方ある。
それぞれを正しく理解しておくことで保険を最大限有効に活用でき、契約後のトラブルも回避できる。
メリットとデメリットをそれぞれ確認しておこう。
収入保障保険のメリット
収入保障保険のメリットとしては主に以下の2点が挙げられる。
- 死亡保障を合理的に準備できる
- 保険金の無駄遣いを防ぎやすい
前述の通り、収入保障保険は保険期間の経過に応じて死亡保障が小さくなるタイプの保険商品である。
残された家族の生活保障という側面から見ると、とても合理的な仕組みであることが特徴だ。
必要な死亡保障は常に一定ではなく、期間が経過するごとに少なくなるケースが多い。
例えば、子どもが小さいときは将来かかる生活費・教育費の負担が大きいものの、成長するにつれて必要な金額は小さくなる。
住宅ローンも返済を続けていけば残高が少なくなり、必要な金額は次第に減少する。
このように遺族に残すべきお金は時間の経過に合わせて変化することが多い。
その変化に合わせて保障内容も小さくなり、その分割安な保険料で保障を準備できるというのは合理的な仕組みであると言えるだろう。
また、収入保障保険で支給される保険金は原則年金形式で支給される。
保険金を計画的に使いやすい点も魅力のひとつだ。
保険金が一括で支給されると使い過ぎてしまう可能性があり、長い目で見て保険金が不足するリスクがある。
保険金の無駄遣いを防ぎたい場合は収入保障保険がおすすめだ。
収入保障保険のデメリット
一方、収入保障保険には以下のようなデメリットもある。
- 貯蓄性がない
- まとまった資金を残しづらい
収入保障保険は、支払った保険料が掛け捨てとなるタイプの商品である。
途中で保険を解約しても解約返戻金は受け取れない。また、生存して満期を迎えた場合も、保険料は戻ってこないため注意が必要だ。
死亡保障を備えつつ、貯蓄性もある保険商品を探している場合は「終身保険」や「養老保険」などが向いているだろう。
ただし貯蓄性がある分、保険料は割高となる。
「保険料の安さ」と「貯蓄性の高さ」のどちらを選ぶか考えて商品を選ぼう。
また、収入保障保険の保険金は年金形式で分割されて支給されるのが一般的だ。
死亡後の葬儀代・墓石代などの整理費用や子どもの大学入学金など、まとまった費用を準備する場合はあまり向いていないと言えるだろう。
なお、保険金を一括で受け取ったり、一括と年金を併用したりすることもできるが、年金形式で受け取る場合に比べると受け取り総額が少なくなってしまう。
希望するライフプランや受け取れる保険金総額を照らし合わせ、適切な受け取り方法を選択しよう。
保険金は課税対象となる
収入保障保険に加入する際、受け取る死亡保険金は課税対象となる。
被保険者・保険料負担者・保険金受取人の関係性によって税金の種類が異なるため注意が必要だ。
保険金を年金形式で受給する場合、課税関係は以下の表のようになる。
被保険者 | 保険料負担者 | 保険金受取人 | 税金の種類 |
---|---|---|---|
A | B | B | 雑所得として所得税が課税 |
A | A | B | 相続税が課税 |
A | B | C | 贈与税が課税 |
相続税・贈与税が発生するケースでは、死亡保険金を年金で受け取る権利に対して課税される。
2年目以降に年金を受け取る際は、いずれも所得税が源泉徴収される仕組みとなる。
死亡保険金を一括で受け取る場合に比べ、税金の関係が複雑になってしまう。
保険契約時に課税関係を確認しておき、万が一のときにスムーズに税金の手続きを進められるように準備しておくと良いだろう。
収入保障保険選びのポイント
具体的な商品選びをする際には、以下の3つのポイントを押さえておくことが大切だ。
- 保険金額をいくらにするか決める
- 保障期間をいつまでに設定するか決める
- 保険金の受け取り方法を選ぶ
それぞれのポイントを確認し、最適な保険商品を選択しよう。
保険金額をいくらにするか決める
まず、もっとも重要となるのが「保険金額をいくらに設定するか」という点だ。
設定する保険金額によって保険料なども変わってくる。
無駄な保険料を支払うことを防ぐためにも、必要な分だけ保険金額として備えることが重要である。
必要な保険金額は「将来の支出から収入を差し引いた残りの金額」で計算可能だ。
想定される月々の支出が20万円で収入が5万円であれば、残りの15万円を保険で準備しておく必要がある。
将来の支出は食費や水道光熱費、住居費、子どもの教育費用などを踏まえて計算する必要がある。
今後のライフプランや子どもの教育プランなどを早めに設計し、必要な支出を計算しておこう。
また、将来の収入は残された家族の収入や遺族年金、企業年金、個人年金などが挙げられる。
事前にどの程度の金額を受け取れるのか把握できれば、将来の支出に足りない分の計算も可能だ。
このように、将来の支出と収入の金額を明確にすることで死亡保険金額も決定できる。
具体的な保険選びに進む前にライフプラン・教育プランの設計を行い、万が一の際に必要な保障額を明確にしておこう。
保障期間をいつまでに設定するか決める
保険金額の設定と同じくらい重要となるのが「保障期間をいつまでに設定するか」という点である。
残された家族はいつまで保障があれば生活を送っていけるのか考え、保険の満期を設定しよう。
保険期間の満期として設定されることが多いタイミングは主に以下の3つだ。
- 被保険者本人が退職するとき
- 子どもたちが全員独立するとき
- 配偶者が年金を受け取り始めるとき
被保険者が退職する場合、まとまった退職金が受け取れたり、年金の受給が始まったりすることで手厚い保障の必要性は低くなる。
一般的には退職のタイミングと保険の満期を合わせるケースが多い。
また、子どもたちが全員独立するまでの期間に手厚い保障を準備するパターンもある。
教育費や生活費の負担が大きい間は死亡保障の必要性が高いが、独立後は手厚い保障が不要となるケースが多いためだ。
そして、配偶者が年金生活に入るまでの期間を保障するというのもひとつの手である。
安定した収入源となる年金が受給できるまでの間、収入保障保険でカバーするという考え方だ。
上記はいずれも「死亡保障の必要性が低くなるタイミング」を保険の満期に設定している。
今後のライフプランをイメージし、死亡保障の必要性が低くなる時期を見極めて保障期間を考えよう。
保険金の受け取り方法を選ぶ
万が一のことがあったとき、どのような形で保険金を受け取るのかという点も決めておく必要がある。
保険金を受け取るのは基本的に配偶者や子どもになるため、家族としっかりと話し合っておくことが大切だ。
前述の通り、収入保障保険は年金形式での受給が基本となるが、一括で受け取ることもできる。
保険金の使い道に合わせ、どちらの受け取り方法を選ぶべきか考える必要がある。
年金形式での受給は、計画的に保険金を使いたい場合におすすめだ。
分割して保険金を受け取ることで、無駄遣いを防ぎながら毎月の出費を賄える。
一括での受給は、自由な用途で保険金を使いたい場合に向いている。
一度にまとまった金額を受け取れるため、月々の生活費以外にも整理費用や大学の入学資金などへの活用も可能だ。
受け取り方法ごとの特徴を考え、自分の希望する使い道に適した受け取り方法を選択しよう。
万が一の時に頼りになる収入保障保険は遺された家族のための準備
収入保障保険は、万が一の事態に備えて我々の生活を支える重要な役割を果たす。
保険金が無駄になりにくいなどのメリットがある一方、貯蓄性がない点などはデメリットとなる。
今回紹介した特徴や保険選びのポイントを参考に、その必要性については個人での判断が必要となる。
ただ、保険選びには保障内容や保険期間、保険料など検討すべき事項が多く、専門的知識が必要である。
また、膨大な数の商品があるため、全てを自身で理解するのはなかなか難しいだろう。
そんな時には、保険のプロへの相談が有効だろう。
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