- 収入保障保険がどんな保険なのかわからない
- 独身が入るべき保険が知りたい
- 保険に入る際に注意するべきポイントをおさえたい
収入保障保険という言葉に聞き馴染みはあるだろうか。
収入保障保険は独身であれば加入する必要がない保険であるというのが一般的な言説である。
ただ、保険の必要性や適性は個人の状況によって異なる。
また、もちろん収入保障保険以外にも多種多様な保険があり、これらの中から独身者にとって必要な保険を判断できる人は少ないのではないか。
そこで本記事では、収入保障保険の概要や独身の人が入るべき保険の種類、保険を選ぶ際に注意すべきポイントについて解説する。
独身で、保険を見直したい・新しく保険に入りたいという人は参考にしてほしい。
独身者でも必要?収入保障保険の概要
収入保障保険とは、被保険者に万が一のことがあった場合に、保険金が年金形式で支払われる保険のことだ。
失われた収入を保障する保険であることから、収入保障保険と呼ばれる。
収入保障保険とは
収入保障保険とは、被保険者が死亡または所定の高度障害となった場合に、保険金が年金形式で支払われる死亡保険のことだ。
保険期間が定められているため、定期保険の一種に分類される。
収入保障保険の主な特徴は次の通りだ。
- 保険金が年金形式で支払われる
- 保険金は保険期間満了まで支払われる
- 保険料が安い
収入保障保険は、終身保険や一般的な定期保険と異なり、原則として保険金が年金形式で支払われる。
このため、遺族が生活設計を立てやすいという特徴がある。
保険金は一括、または一部を一括で受け取り、残額を年金形式で受け取ることも可能だ。
ただし、この場合は受け取り金額の総額が少なくなるので注意が必要だ。
収入保障保険の保険金は、契約時に定めた保険期間満了まで支払われる。
例えば65歳を保険期間満了とした場合、仮に被保険者が55歳で亡くなった場合は、10年間保険金が支払われることになる。
また、収入保障保険は、2年あるいは5年という形で「最低支払保証期間」を設定できることが多い。
例えば5年の最低支払保証期間を設定した場合、仮に被保険者が64歳(保険期間終了の1年前)で亡くなった場合でも、5年間保険金の支払いが受けられる。
収入保障保険は同じ掛け捨てタイプの定期保険に比べて、保険料が安いことも特徴だ。
これは、契約から年数が経つにつれて、支払われる保険金の総額が減少していくからだ。
つまり、収入保障保険は、少ない保険料で大きな保障が得られる保険といえる。
収入保障保険の具体例
収入保障保険は、保険期間を定めた有期型の保険だ。一定期間に手厚い保障が得られるため、家計を支える現役世代の方に向いた保険といえる。
続いて次の条件をもとに、収入保障保険の具体例をみてみよう。
- 契約時年齢 : 30歳
- 保険期間 : 65歳まで
- 年金月額 : 20万円
- 最低支払保証期間 : 5年
上記契約で、仮に被保険者が50歳で亡くなった場合に支払われる保険金の総額は次の通りだ。
では、仮に64歳(保険期間満了の1年前)に被保険者が亡くなった場合はどうなるか。
上記契約では5年の最低支払保証期間が設定されているため、支払われる保険金の総額は次の通りとなる。
なお、収入保障保険の保険期間は、被保険者の年金受給開始年齢に設定することが一般的だ。
また、収入保障保険の年金月額は、遺族に必要な生活費のうち、遺族年金でカバーできない金額に設定するのが一般的である。
このため、サラリーマンや公務員に比べて遺族年金が少ない自営業者やフリーランスは、年金月額を高めに設定するとよいだろう。
ただし、必要な年金月額を設定するには遺族年金額だけでなく、家族のライフプランも考慮する必要がある。
このため、収入保障保険の加入を検討する場合は、保険のプロに相談することが望ましい。
独身に収入保障保険は必要か
収入保障保険は特殊な事情がない限り、独身者には不要と考えてよいだろう。
収入保障保険は自分に万が一のことがあった場合に、遺された家族の生活を支えるための保険であるためだ。
また、収入保障保険は掛け捨て型の保険なので、資産形成という意味でも加入は不要といえるだろう。
ただし、保険は健康状態の変化によって、加入できなくなる可能性があるので注意すべきだ。
「まだ健康だから」「まだ若いから」という理由だけで保険加入を先延ばしにするのは得策ではない。
将来的に結婚を考えている場合は、独身のうちに収入保障保険への加入を検討するのも一つの選択肢だ。
なお、独身者が収入保障保険に加入する場合は、契約時に家族(親や兄弟など)を保険金受取人に指定しておき、結婚後に受取人を配偶者へ変更することが一般的である。
収入保障保険は不要!独身者向けの保険選びのポイント
独身者は養っている人がいる場合を除き、原則として死亡保障は不要といえる。
保険に加入する場合は、病気や怪我に備える保険、資産形成に利用できる保険を選ぶべきだろう。
具体的に独身者の方へおすすめしたいのが次の3つの保険だ。
- 死亡保険(養っている人がいる場合)
- 医療保険
- 個人年金保険
これらの保険商品について詳しく紹介していこう。
養っている人がいれば死亡保険が必要
原則として、独身者に死亡保険は不要だが、養っている人がいる場合は話が別だ。
独身でも子供がいる場合や、親の生活費を負担している場合は、死亡保険が必要となる。
特に子供がいる場合は、子供が独立する年齢まで十分な生活費を確保できることが重要となる。
この点、収入保障保険は決められた期間まで、年金形式の保険金が支払われるため、最適な商品といえるだろう。
病気や怪我に備えられる保障内容になっているか
病気や怪我に備えるには、医療保険への加入が必要となる。
医療保険とは病気やケガの際に、入院費用や手術費用を保障してくれる保険だ。
がんや心疾患、脳血管疾患など特定の疾病を患った場合に、手厚い保障が受けられる商品もある。
ただし、日本では健康保険の高額療養費制度が利用できるため、自己負担額が高額になることは少ない。
このため、医療保険のかけすぎには注意すべきだ。
医療保険はおもに、貯蓄が十分ではなく、医療費の支払いに不安がある方に向いた保険といえる。
資産形成ができるか
保険を選ぶ際には、将来へ備えた資産形成ができるかどうかもポイントになる。
資産形成に最適な保険商品は個人年金保険だ。
個人年金保険とは、老後資金を蓄えるための貯蓄型保険である。
一定の期間保険料を払込み、老後に年金形式または一括で保険金を受け取ることが可能だ。
個人年金保険は、原則として月払いで保険料を収めるため、計画的に貯蓄をするのが苦手な方に向いた保険商品といえる。
また、必要に応じて解約返戻金を取り崩すこともできるので、不意の出費に備えることも可能だ。
個人年金保険は、公的年金だけでは老後が不安な自営業者やフリーランスの方や、退職してから年金受給開始まで期間が空く方におすすめの保険といえるだろう。
なお、独身者に必要な保険については以下の記事でも解説したので、あわせてチェックしていただきたい。
独身者が収入保障保険以外の保険選びで失敗しないための注意点
保険選びを失敗しないためには、次の点に注意すべきだ。
- 定額給付型と実費給付型の違いを理解しよう
- 保険の満期や解約についての理解も必要
- 保険以外の資産形成も念頭に置く
それぞれの内容を詳しく解説していこう。
定額給付型と実費給付型の違いを理解しよう
医療保険やがん保険には、「定額給付型」「実費給付型」と2種類の保険があるので注意が必要だ。
定額給付型とは、入院や通院の日数、手術の有無によって、決められた保険料が支払われる保険だ。従来型の保険といってもよいだろう。
定額給付型の場合、「治療費の自己負担額<給付金額」であれば、治療費以外の交通費や入院準備にかかった費用などもまかなえるため、利便性の高い保険といえる。
これに対して、「治療費の自己負担額>給付金額」であれば、不足する治療費を預金などから捻出する必要がある。
このため、定額給付型の医療保険やがん保険に加入する場合は、保障額を慎重に検討する必要があるだろう。
一方、実費給付型とは、治療費の自己負担額が実費で支払われる保険だ。
保険金に上限のある商品もあるが、医療費を気にせず治療が受けられるのは大きなメリットといえる。
また実費給付型の中には、差額ベッド代や介護人の手当など、入院で必要な諸費用が給付される商品もあるのが特徴だ。
ただし、実費給付型の医療保険やがん保険は、契約期間が「定期タイプ」の場合が多い。
「定期タイプ」の保険は更新手続きが必要で、年齢が上がるたびに保険料があがるので注意が必要だ。
保険の満期や解約についての理解も必要
保険選びに失敗しないために、注意したいのが「満期」と「解約」である。
一般的に保険は、満期まで継続することを前提に加入するものだ。このため、満期で保険金を受け取る場合は特段問題はないだろう。
しかし、何らかの理由で保険を中途解約する場合は、次の点に注意する必要がある。
- 解約返戻金がある保険の場合、いくら戻ってくるか
- 解約時点で保障がなくなってしまう
- 再び加入できるとは限らない
まず、解約返戻金がある保険の場合、解約時にいくら戻ってくるのか確認するべきだろう。
解約のタイミング次第では、解約返戻金が払込保険料を大きく下回る場合があるからだ。
もし、「一時的にまとまったお金が必要」という理由で中途解約するのであれば、契約者貸付制度の利用を検討すべきだ。契約者貸付であれば審査なしで貸付が受けられ、保険契約も継続できる。
一方、保険は種類に限らず、解約すればすべての保障がなくなってしまう点にも注意が必要だ。
特約として付加されている保険も、主契約を解約すると同時に保障がなくなってしまうため、解約は慎重に検討すべきである。
なお、別の保険へ乗り換えるために解約する場合は、空白期間が空かないよう注意すべきだ。
乗り換え先の保険契約が成立してから解約することが大切といえるだろう。
また、保険を解約した場合、後になってまた保険が必要になっても、健康状態によっては再加入できないこともある。
仮に、再加入できた場合でも、年齢が上がっているため保険料が高くなるので注意が必要だ。
保険以外の資産形成も念頭に置く
保険は、自分や家族の保障を得られるだけでなく、資産形成にも活用できる優れた金融商品だ。
しかし、保険は基本的に資産運用を主目的とした商品ではないため、運用成果を追求するのであれば、他の商品を念頭におくのがよいだろう。
例えば、2024年から大きく内容が変わる「新しいNISA」は、資産形成を考える上で大きなメリットがある。
「新しいNISA」は、非課税保有期間が無期限化された上、年間に投資可能な額が大きく引き上げられるなど、資産形成に最適な制度となる。
ぜひ、保険だけではなく「新しいNISA」も資産形成の手段として検討してみてはいかがだろうか。
収入保障保険は独身者には基本的に不要!その他の自分に必要な保険を選ぼう
本記事では、収入保障保険の概要や、独身の人に必要な保険のポイント、保険を選択する上での注意点について解説した。
独身者にとって基本的に収入保障保険は必要ないが、養う家族がいる場合は必要になる時がある。
自身のライフスタイルやリスクを理解し、それに合わせて必要な保険を適宜選べば、より安心な生活を送ることが可能となるだろう。
ただし、保険選びは専門的な知識を必要とするため、不確かな情報に左右されず、信頼できるプロの助けを借りることが重要となる。
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