- 証券会社が潰れた場合、どのように対処すればよいか
- 顧客資産の分別管理について、どのような資産が対象となるか
- 資金は全額返金されるのか
「証券会社が潰れてしまったら、預けていた資金はどうなるの?」このような疑問を持つ方は少なくないと思います。
大事な資産を証券会社に預ける以上、不安に思うのは当然です。
そこでこの記事では、証券会社が潰れたら資金はどうなるのか、手続きも合わせて解説します。
証券会社が潰れた場合
金融商品取引法では、顧客から預かった資産は、証券会社の資産と「分別管理」するよう定められています。
万が一証券会社が分別管理の義務に違反しており、資産の返還が困難な場合は「日本投資者保護基金」により補償されますが、補償には上限があります。
「分別管理」や「日本投資者保護基金」等のセーフティーネットがあることにより、万が一の場合でも顧客が預けている資産は守られます。
しかし、山一證券のように廃業した場合、その後の手続き等に時間がかかるでしょう。
手続き方法については、当然、証券会社等から説明がなされます。
証券会社が資産を返還できない場合、日本投資者保護基金が弁済困難の認定と公告を決議します。
同基金による支払いが必要となった場合、支払を請求するための書類を提出しなければなりません。
同基金により支払われる補償額は、公告を行った日の市場の終値で評価されます。
過去の証券会社の倒産事例と対応
証券会社が倒産した事例として、山一證券の例を紹介します。
かつて、大手証券会社だった「山一證券株式会社」は、1997年(平成9年)に自主廃業を発表し、その後1999年(平成11年)に破産宣告を受けました。
倒産の原因は、バブル崩壊による証券不況や法令違反等によるものと言われています。
気になるのは顧客が預けていた資産についてですが、結果的に山一證券の顧客の資産は他社口座へ移管されました。
顧客資産の分別管理
金融商品取引法で定められている顧客資産の分別管理についてですが、「分別管理対象の資産」と「分別管理対象外の資産」があります。
分別管理対象の資産
分別管理対象の資産となるのは、保護預り有価証券や代用有価証券、金銭等です。
具体的には、以下のような資産です。
- 株式
- 投資信託
- 債券
- 預り金
- 信用取引保証金
- 先物・オプション取引証拠金
分別管理対象外の資産
分別管理対象外の資産となるのは、以下のような資産です。
- 信用取引の建玉及び評価損益
- 店頭デリバティブ取引
- 外国市場先物取引
- 選択権付債券売買取引
日本投資者保護基金
日本投資者保護基金では、万が一証券会社にて資産の返還が円滑に行われなかった場合、上限1,000万円まで補償されます。
日本投資者保護基金で補償される資産と、補償されない資産について解説します。
補償される資産
日本投資者保護基金で補償されるのは、以下の取引における資産です。
- 株式
- 公社債
- 投資信託
- 株式の信用取引に係る保証金
- 国内取引所の有価証券先物取引や有価証券オプション取引に係る証拠金
- 国内取引所の株価指数証拠金取引に係る証拠金
補償されない資産
日本投資者保護基金で補償されない資産は、以下の取引における資産です。
- 有価証券店頭デリバティブ取引
- 海外取引所の有価証券市場デリバティブ取引
- 取引所の通貨関連取引
- 外国為替証拠金取引
- 信託受益権、組合契約、匿名組合契約、投資事業有限責任組合契約などに基づく権利のような第二種金融商品取引業の金融商品に該当するものの取引
まとめ
万が一証券会社が潰れた場合でも、顧客の資産は守られます。
しかし、一部の取引における資産は補償対象外となるため、各証券会社のホームページ等で補償対象資産を確認しておきましょう。
また上記のように補償されない資産もあるので投資の際には注意しておきましょう。
複数の証券会社に資産を分けるなど、リスクヘッジしておくことも手段の一つかもしれません。
また、資産運用に関して不安でセカンドオピニオンを貰いたい人も多いと思います。
「資産運用ナビ」などで、資産運用のプロを探して無料でセカンドオピニオンを貰うことができる。
資産運用に関して、少しでも不安やお悩みがある方は、無料相談を申し込んでみてはいかがだろうか。