- 20代のライフスタイルに合った新NISAの活用法が知りたい
- 少額投資で資産形成を始める方法を学びたい
- 新NISAを活用した長期の投資戦略を立てたい
非課税期間が無期限化された新NISAは、より長期の資産形成に活用しやすい制度となった。
しかし、資産運用に興味はあっても「なかなか始めるきっかけが掴めない」、「一歩を踏み出す勇気がない」という人もいるだろう。
本記事では、20代から資産運用に取り組むメリットや、新NISAを利用する際の注意点について解説していく。
なぜ20代が新NISAを始めるべきなのか
そもそも20代が新NISAを始めるメリットとしては、次の3点が挙げられる。
- 時間を味方につけられる
- 少額投資で始められる
- 経済や税制に関する知識を身につけられる
それぞれくわしく解説していこう。
20代なら時間を味方につけられる
20代から新NISAを利用するメリットとして、時間を味方につけられる点が挙げられる。
株式や投資信託による資産運用は、どうしても損失を負うリスクを伴う。
金融商品は日々価格が変動しており、その動向はプロの投資家でも予測することが難しい。
しかし、運用期間が長くなると、価格変動によって損失を負うリスクが低くなる傾向にある。
リスクを低減するためには、なるべく若いうちから資産運用に取り組むことが大切だ。
また、長期間運用に取り組むことは、「複利効果」を得やすいメリットもある。
複利とは、資産運用で得た利益を元本に上乗せして再度投資に回すことだ。
複利運用は、「利益がさらに利益を生む」という仕組みになるため、長期間運用に取り組むことで効率よく資産を増やすことが可能となる。
20代なら少額投資で始められる
20代から資産運用を始めると、目標金額を達成するための積立金額が少なくて済む。
たとえば、「65歳までに老後資産の2,000万円を貯める」という目標を立てた場合に、毎月必要となる積立金額を比較してみよう。
年利3%で65歳までに2,000万円を貯めるために必要な積立金額
資産運用を始める年齢 | 目標達成に必要な積立金額 |
---|---|
25歳 | 2万1,597円 |
35歳 | 3万4,321円 |
45歳 | 6万920円 |
55歳 | 14万3,122円 |
65歳までに年利3%で2,000万円を貯める場合、55歳に運用をスタートすると約14万円の積立額が必要だが、25歳に始めた場合では約2万円の積立額で達成できる。
同じ目標でも、早く資産運用を始めるほど毎月の負担が小さくて済む。
無理なく資産形成に取り組むためには、20代から運用を始めることが大切だ。
20代から経済や税制に関する知識を身につけられる
資産運用に取り組む際は、経済動向の情報収集に取り組むことが欠かせない。
市場の変動要因が発生すると、自分の保有資産に大きな影響を与える可能性があるためだ。
また、資産運用は税制とも密接な関係があり、税制改正などの情報も取り入れる必要がある。
たとえば、NISA制度についても2014年にスタートした後に複数回の制度改正が行われている。
こうした情報は誰かが教えてくれるわけではないため、日々ニュースや新聞をチェックしながら自ら収集しなければならない。
慣れない人にとっては手間に思えるかもしれないが、経済や税制に関する知識は自分の財産にもなる。
若いうちから経済について学んでおくことで、世の中の動向に関する理解が深まったり、さらに違う分野への知識欲が増したりなど、多くのメリットが得られるはずだ。
20代におすすめの新NISA銘柄選びのポイント
新NISAで運用をスタートするとき、最初の課題となるのが銘柄選びだ。
新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能となっており、より多くの投資対象の中から投資先を選ぶことができる。
これから運用を始めるのであれば、運用はプロに任せられる投資信託がおすすめだ。
ここからは投資信託の銘柄選定のポイントを解説しよう。
20代が投資信託の銘柄選定を行うときは、次の3つのポイントを重視するようにしたい。
なお、ファンドとは投資信託の別の呼び方である。
- ファンドの種類
- 運用手法
- 運用にかかるコスト
それぞれくわしく解説していこう。
ファンドの種類
ひとくちに投資信託といっても、組み入れる資産クラスによって複数の種類がある。
主な種類は下記の通りだ。
種類 | 特徴 |
---|---|
株式 | 国内・海外の株式を組み入れて運用するファンド 高いリターンを期待できるが、その分リスクも大きくなる |
債券 | 国内・海外の債券のみを組み入れて運用するファンド 値動きが安定している傾向にあるが、高いリターンを狙うことは難しい |
REIT | 投資家から集めた資金をもとに不動産投資を行い、そこから得た利益を投資家に還元する 定期的に分配金を出すファンドが多い |
バランスファンド | 複数の資産クラスを組み合わせて運用するファンド 1つのファンドを通じて分散投資することが可能 |
投資信託にはこのように複数の種類があり、どのようなファンドに投資するかでリスクとリターンが異なる。
たとえば、「リスクを取りながら高いリターンを狙いたい」という人は株式型のファンド、「複数の資産を併せ持ちたい」という人はバランスファンドへの投資を検討してみるとよいだろう。
運用手法
投資信託には、「インデックス運用」と「アクティブ運用」の2つの運用手法がある。
それぞれ違いは下記の通りだ。
運用手法 | 特徴 |
---|---|
インデックス運用 | 目標とするベンチマークに連動することを目指す運用 |
アクティブ運用 | 目標とするベンチマークや市場平均を上回ることを目指す運用 |
インデックス運用はベンチマークとなる指数に連動することを目指すため、値動きが分かりやすいメリットがある。
たとえば、日経平均株価をベンチマークとしている指数であれば、日経平均株価の動きをチェックしていれば、ファンドの値動きを追うことができる。
一方、アクティブ運用はベンチマークや市場平均を上回ることを目指す運用手法だ。
ファンドマネージャーが組入銘柄を選定してくれるため、成長性が高い銘柄に投資できるメリットがある。
インデックス運用はコストが安いことから人気を集めているが、アクティブ運用は指数が下落しているときでも運用益を狙える特徴がある。
2つの運用手法をよく理解して、自分の投資意向に合うファンドを選ぶようにしよう。
運用にかかるコスト
運用にかかるコストも重要なポイントだ。
投資信託には、主に「購入時手数料」と「信託報酬」、「信託財産留保額」の3つの手数料がかかる。
特に重視したいのが「信託報酬」についてである。
信託報酬はファンドの運用や管理にかかるコストで、信託財産の中から日々差し引かれる手数料だ。
ファンドを保有する限りかかり続けるコストであるため、購入前にどれくらいのコストがかかるのか、きちんと確認しておく必要がある。
たとえば、同じ指数をベンチマークとするファンドが複数本ある場合、「どのような違いがあるのか分からない」と悩むことがある。
その場合は、より信託報酬が低いファンドを選ぶのもひとつの方法だ。
なお、信託報酬は「目論見書」の後方のページで確認することが可能である。
目論見書はインターネットでも閲覧できるため、必ず購入前に確認するようにしよう。
20代が新NISAを利用する際の注意点
20代が新NISAで資産運用に取り組む際は、次の3つの点に注意したい。
- 生活に必要な資金を確保する
- 長期の運用計画を立てる
- 定期的に運用意向を振り返る
それぞれくわしく解説していこう。
生活に必要な資金を確保する
資産運用に取り組む際は、「日々の生活に必要なお金」と「資産運用に回すお金」の区別をつける必要がある。
資産運用は、余裕資産の範囲内で取り組む必要があるためだ。
まずは、毎月生活費がどれくらいかかっているかを把握し、それに応じて「生活防衛資金」を確保しよう。
生活防衛資金とは、ケガや病気などによって働けなくなった場合の生活費に充てる資金である。
生活防衛資金は、「1ヶ月あたりの生活費×半年分」が一般的な目安とされている。
仮に毎月20万円の生活がかかる場合、120万円の生活防衛資金が必要ということだ。
資産運用に回したお金はすぐに引き出しができないため、生活防衛資金をしっかりと確保したうえで資産運用に取り組むようにしよう。
長期の運用計画を立てる
資産運用に取り組む際は、長期の運用計画を立てることも大切だ。
新NISAでは非課税期間が無期限化され、従来のNISA制度よりも長期運用に活用しやすい制度となった。
その一方で、非課税期間に区切りがないため、自ら売却のタイミングを判断しなければならない。
ただ何となく運用を始めるだけでは、目標とする資産を達成できない可能性もある。
より新NISAを活用するためには、「投資した商品をいつまで保有するか」、「どのようなタイミングで売却するか」といった計画をしっかりと立てて取り組むようにしよう。
定期的に運用意向を振り返る
新NISAで資産運用を始めたら、定期的に運用意向を振り返ることも心がけたい。
特に、20代では今後収支に変化が生じたり、大きなライフイベントを迎えたりする可能性がある。
たとえば、昇進や転職などによって収入が増えた場合は、投資金額を増やすこともひとつの選択肢となる。
また、結婚によって収支が変化した場合は、改めて家計を見直して投資に回す金額が適切か確認する必要がある。
運用意向は年齢と共に変化していくことが多いため、その都度適切な資産運用となっているかチェックすることが重要だ。
また、その際は保有している資産の見直しも同時に行おう。
「資産運用への理解が深まったので、さらに積極的な運用を行いたい」という場合は、保守的な資産を売却してリスクを高めるのもひとつの方法である。
もちろん基本は長期保有ではあるが、投資意向や市場の変化に合わせてポートフォリオを調整することも重要である。
このように、いつ新NISAを始めるかによって適切な運用法は変化する可能性が高い。年代別の新NISA運用戦略についてまとめた記事もあるので、年代ごとのポイントを押さえる際にはぜひ活用してほしい。
20代から始める新NISAの相談は誰にするべきか
20代から新NISAで資産運用を始めるときは、金融のプロに相談しながら取り組むことが大切だ。
特に、近年多くの個人投資家が相談先として選んでいるのが、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)である。
ここからは、IFAへ資産運用の相談を行うメリットや、相談先の探し方について紹介していこう。
初めての資産運用はIFAに相談しよう
新NISAでの資産運用は、IFAへの相談がおすすめである。
IFAとは、特定の金融機関に所属していないことが特徴の金融アドバイザーだ。
IFAに相談するメリットとして、「顧客目線でのアドバイスが得られること」が挙げられる。
IFAは金融機関の職員ではないため、企業利益や営業ノルマに縛られることなくアドバイスが行える特徴がある。
顧客の意向をよくヒアリングしたうえで必要な商品だけを提案してくれるので、投資経験が浅い20代でも安心して相談することが可能だ。
また、IFAは金融商品の提案だけでなく、ライフプラン形成のサポートや、収支管理の方法などお金に関することを幅広く相談できる。
さまざまな悩みがワンストップで相談できるのは、これから資産形成に取り組む20代にとって嬉しいポイントだ。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用がおすすめ
IFAは、所属するIFA法人によって得意とする分野や顧客層が異なる。
自分に合ったIFAを見つけるためには、IFA検索サービスの「資産運用ナビ」を利用することがおすすめだ。
「資産運用ナビ」では、投資経験や資産の状況、居住地域などに応じて相性の良いIFAを紹介してもらえる。
無料で利用できるので、ぜひ気軽に活用してみよう。
20代から新NISAを始めよう
長い運用期間が確保できる20代は、ぜひ新NISAを活用して資産運用を始めたい。
最初は無理のない金額の範囲内で始めてみることがおすすめだ。
また、より適切な資産運用に取り組むためには、金融のプロであるIFAへ相談することも検討したい。
ぜひIFA検索サービスの「資産運用ナビ」を活用して、気兼ねなく相談できるIFAを探してみよう。