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自由貿易と保護貿易の特性からグローバル経済の行方を考察!

この記事で解決できるお悩み
  • 自由貿易と保護貿易はどのような特性があるのか
  • 今後グローバル経済はどのようになっていくのか

対ドルベースで1ドル137円(執筆時点)まで下落した円安時代の今、経済が持続的に成長していくために必要な戦略とは何か、あらためて再考する時期に来ているのではないでしょうか。

今回は経済が発展するために欠かすことが出来ない「貿易」を軸に、「自由貿易」と「保護貿易」の特徴に焦点を当てて、グローバル経済の行方を考察していきたいと思います。

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目次

自由貿易の特性

自由貿易の特性 わたしのIFAコラム

自由貿易は多くの経済学者も支持しており、特に投資家の方は投資を通じて自由貿易による恩恵を得ていることを実感しているのではないでしょうか。

実際、自由貿易の拡大によって経済は年々グローバル化しています。

例えば1950年時点の世界のGDPにおける輸出額の割合は僅か7%に過ぎませんでしたが、2010年代以降は25%以上の割合を占めるまで規模は拡大しています。

このように国境を越えた自由貿易によって世界経済は拡大を続けているのです。

では自由貿易を通じて具体的にはどのような方法で利益が得られるのかというと、

「絶対優位」「比較優位」「長期的な利益」という3つの手段があります。

絶対優位

ここにA国があるとします。絶対優位とはA国が他国よりも圧倒的な生産性を持ち、商品を生み出している状況を指しますが、これは時間当たりの生産量が高くコストが安い状態を意味します。

具体的な例として、A国が小麦の生産をしてB国が石油の生産をしているとします。

どちらもその分野において絶対優位がある場合、お互いの国が得意分野に特化して生産したものを交換することで、A国とB国を合わせた全体の生産量が高まり、結果的に両国共に経済的な豊かさを最大限享受することが可能となります。

これが絶対優位の考え方です。

比較優位

両国に絶対優位がある場合は分かりやすいですが、例えば様々なセクターで優れたA国と様々なセクターで劣るB国の貿易では比較優位という考え方を用います。

これは経済学者のリカード(1772-1823)が発見した国際貿易の重要な考え方のひとつです。

具体的な例として、A国はハイテク産業で世界をリードしており、教育水準もインフラ整備等も最高水準の国であるとします。

一方、B国はイノベーションが起こるような環境がなく生産性も低い国であるします。

この構図だとA国のみが経済的利益を得るように見えますが、実はそうではありません。

なぜならA国が全ての生産をするよりも得意分野であるハイテク産業に特化して、他の分野の生産をB国が特化したほうが全体の生産量が高まるからです。

こうして出来上がった商品を互いに交換することで、結果的に両国共に経済的な豊かさを最大限享受することが可能となります。

つまりA国とB国のどちらにとっても最大の強みである分野を大きくして、弱みを小さくする、これが比較優位という考え方です。

長期的な利益と規模の経済

次に「長期的な利益」についてですが、「絶対優位」と「比較優位」という考え方は互いの国の生産性が異なることが前提条件の場合に成立します。

ところが実際には同じような生産性を持つ国が複数あるケースが多々あります。

例えば日本の場合、自動車を米国や欧州からも輸入していますが輸出もしています。

仮に貿易相手国が同じような生産性をがあり賃金もほとんど差がなかったとします。

この場合の貿易するメリットはどこにあるのかというと、それは「規模の経済」を活かせることです。

この規模の経済のメリットとは、特に小さな国にとっては自国の経済圏のみでは限界があるため、経済成長を続けるために国境を越えた販売網を構築することが必要です。

なぜなら販路の拡大によって生産量が増えるので、結果的に生産コストの削減へと繋がるからです。

また外国と取引をすることで国内競争が盛んになり技術革新が起こりやすくなることも期待されます。

その他にも規模の経済には生産だけでなく、かつて米国企業がトヨタ自動車の在庫管理手法である「かんばん方式」というアイデアを積極的に取り入れたように、アイデアのやりとりでも成立します。

つまり投資家にとっても、長期的な利益を得るためには「規模の経済」という視点から国や企業を捉えることがとても大切なのです。

保護貿易の特性

保護貿易の特性 わたしのIFAコラム

自由貿易とは異なり外国との競争から自国製品を守ることを保護貿易と呼んでいます。

関税や輸入制限なども保護貿易のひとつですが、なぜ保護貿易を支持する人がいるのかというと自由貿易の導入によって大きく3つの懸念材料があり、この部分は現在でもたびたび争点となるので、経済学的な観点から検証していきます。

自由貿易導入における3つの懸念材料

  1. 輸入によって国内の仕事と平均賃金が下がる
  2. 国内労働者が職業転換を迫られる
  3. 国内の所得格差が拡大する

 まず①の意見ですが、代表例として1994年1月に米国、カナダ、メキシコによる3カ国で発効した北米自由貿易協定(NAFTA)を巡って、米国の政治家であったロス・ベロー氏は「米国とメキシコの間で自由貿易を結べばメキシコの仕事が米国に奪われる」と主張しました。

ところが結果的には、メキシコの雇用は減少することなく歴史的にも高水準を維持しながら雇用が拡大しました。そもそも貿易によって失業率が増えるという主張は説得力に欠けています。

なぜなら失業率は景気の変動で上下するものであり、仮に輸入をゼロにしても国内の失業率の問題が残ります。

また貿易をしなければ自国通貨の価値も下がるでしょう。つまり①の主張と貿易は関係ないことがわかるはずです。

 次に②の意見ですが、自由貿易をすることで規模の経済の力学が働き、輸入産業よりも輸出産業が増加するため、国内の労働市場は大きく変化するはずです。

こうした経済のダイナミズムは国の経済発展に欠かせないエンジンとなります。

つまり経済全体で見れば貿易によって職業転換に迫られる人は一定数いるものの、それよりも労働市場そのものが常に変化を続けており、ある特定のセクターに絞っても企業ごとに成長と衰退の明暗は分かれます。そのため②の主張の全てを貿易の責任とすることはできません。

 最後に③の意見ですが、確かに20世紀後半~21世紀の現在までに所得格差は拡大していますが、その大きな要因は貿易ではありません。

例えば米国でも所得格差は拡大していますが、主な要因はGAFAM+Tなどのハイテク技術を用いて次世代産業をリードする企業の台頭によって、テクノロジーの発展と経済成長が加速したことが挙げられます。

そもそも米国の主な貿易相手は先進国であり、米国の産業の3分の2は内需が中心です。

つまり所得格差の主な原因と貿易を結びつけるだけの根拠がないことが見えてくるのです。

むしろ1970年代のブラジルのように、国内のコンピュータ産業を保護したことで技術革新が遅れ、世界基準よりも10年後退した事例があります。

とはいえ保護貿易にも自国の特定の産業を守るメリットがあるため、自由貿易と保護貿易をどのようなバランスにするべきか、それは資本主義国の課題のひとつであり、今後も対話を続けることが必要でしょう。

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グローバル経済はどこへ向かうのか?

グローバル経済はどこへ向かうのか? わたしのIFAコラム

人類がここまで経済成長を続けてきたのは、常に新天地を目指して開拓するフロンティア精神があるからです。

こうした欲望が無くならない限り、今後も経済は加速し、私たちはさらに豊かさを享受できるようになるはずです。

ここからは筆者の仮説ですが、例えば2030年頃に到来する第6世代移動通信システム「6G」が導入されたあとの近未来においては、田園風景などの美しい風景を眺めながら、その自然の裏側では高速ネットワークが駆動することで自動的に生態系が維持され、自然環境とハイテク技術の両方を当たり前のように活用する未来がやってくるはずです。

こうした社会もテクノロジーの発展によって実現可能なビジョンではないでしょうか。

つまりテクノロジーによって自由貿易が加速し、その過程で環境問題などの様々な課題解決に向けた出口戦略も見えてくるはずです。

そして投資家の立場として投資先を検討するならば、グローバル企業が多くテクノロジー技術に強い国を投資先として選ぶことはとても合理的な判断であると考えられます。

もちろんタイミングによっては、しばらく経済がギクシャクすることもあるでしょう。

しかし全体的な方向としては、グローバル経済は今後も拡大していくことは間違いなく、それは投資家としても資産を増やす機会があることに他なりません。

 経済を学んでもすぐに解決策は見つからないかもしれませんが、少なくとも新たな視野を獲得することで、より良い方向に近づくことはできると考えます。

最後に

まとめ わたしのIFAコラム

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※本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。投資家とIFA(資産アドバイザー)とのマッチングサイト「わたしのIFA」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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