- 年代別に死亡保険金額の相場が知りたい
- 死亡保険の必要性がわからない
- 60歳以降のシニア世代に必要な保障内容が分からない
60歳は、定年退職やセカンドライフのスタートなど大きな節目を迎える時期と言える。
これからの生涯を健やかに過ごすために、保険に加入したり、見直しをする人も多いのではないだろうか。
その際、特に検討すべきなのは、あなたが亡くなった際に支払われる死亡保険金の額である。
そこでこの記事では、シニア世代に必要な保障内容をもとに、60歳に最適な死亡保険金額について検証する。
あなたが自分に最適な保険を見つけるための参考となれば幸いだ。
60歳に最適な死亡保険金額を知る前に!なぜ死亡保険は必要なのか
「60歳に死亡保険は必要なのか」「子どもも独立したし、保険は不要だと考えている」という人もいるだろう。
ここでは、死亡保険の概要や死亡保険のメリットを紹介する。
死亡保険が不要な人の特徴についても解説しているので、ぜひチェックしてほしい。
死亡保険とは?
死亡保険とは、被保険者が亡くなった場合に死亡保険金が支払われる保険だ。
被保険者が亡くなった際の経済的な負担を軽減するために設計されている。
死亡保険は大きく分けて3種類ある。
- 定期保険
- 一定期間のみ保障される生命保険。掛け捨て型とも呼ばれており、保険期間終了時の満期保険金はない。
- 終身保険
- 一生涯にわたって保障が継続する生命保険。貯蓄型とも呼ばれており、解約返戻金や保険金を受け取ることができる。
- 養老保険
- 貯蓄と保障の機能を兼ね備えた生命保険。老後の生活資金を準備するために設計されている。
それぞれの保険ごとに性質が異なるため、保険選びを始める前に違いを理解しておこう。
死亡保険のメリット
死亡保険のメリットは以下のとおりだ。
- 万が一の場合に保険金が支払われる
- 相続税対策に役立つ
- 生命保険料控除を活用できる
死亡保険の最も大きなメリットは、万が一の場合に保険金が支払われることだろう。
被保険者が亡くなったり、高度障害状態になったりした際に一定の保険金額を受け取ることができる。
遺族の生活費や子どもの学費、葬儀費用などに使われるケースが多い。
相続税対策としても死亡保険は有効だ。
契約者と被保険者が同じで保険金受取人が違う場合、死亡保険金は相続税の課税対象となる。
ただ、「500万円×法定相続人の数」が非課税枠として用意されているため、現預金や株式で相続すると税金が発生する際の対策として生命保険を活用する人もいる。
また、生命保険料控除も対象だ。生命保険料控除とは、支払った保険料に応じて所得税と住民税が減額される制度だ。
支払った保険料による所得税と住民税の控除額は以下のとおりだ。
年間の支払保険料等 | 所得税の控除額 |
---|---|
20,000円以下 | 支払保険料等の全額 |
20,000円超 40,000円以下 | 支払保険料等×1/2+10,000円 |
40,000円超 80,000円以下 | 支払保険料等×1/4+20,000円 |
80,000円超 | 一律40,000円 |
年間払込保険料額 | 住民税の控除額 |
---|---|
12,000円以下 | 払込保険料全額 |
12,000円超 32,000円以下 | (払込保険料×1/2)+6,000円 |
32,000円超 56,000円以下 | (払込保険料×1/4)+14,000円 |
56,000円超 | 一律28,000円 |
年間80,000円以上の保険料を支払うと、所得税の計算から40,000円、住民税の計算から28,000円が控除される。
税金が40,000円、28,000円全額控除されるわけではない点に注意が必要だ。
死亡保険が不要な人の特徴
死亡保険が不要な人の特徴は以下のとおりだ。
- 独身である
- 貯蓄が十分にある
独身の場合、亡くなった際に経済的に困る人はいない。
そのため、死亡保険は不要だ。それよりも自分の医療費が必要になった際の医療保険に加入しておく方が良いだろう。
また、貯蓄が十分にある人も不要である。
家族構成やライフプランによって必要な貯蓄額は異なるが、世帯主に万が一があっても経済的な不安がない状態であれば、貯蓄が十分にあると言えるだろう。
60歳の方必見!最適な死亡保険金額の設定方法を解説
「60歳の保険料はどのくらいが最適かわからない」という人もいるだろう。
ここでは、60歳に必要な保障内容や60歳の保険金額を紹介する。
60歳に必要な保障内容
60歳に必要な保障内容は以下のとおりだ。
- 葬儀代や墓地代
- 遺族の生活費
- 子どもの教育
- 住居費
お通夜や告別式、葬儀代は必要になるだろう。
葬儀費用は100万円〜200万円程度必要になるが、分割払いができないためすぐに用意しなければならない。
家族がいる人にとって生活費の確保も必要だ。遺族年金があると言っても、年金だけでは足りないケースもある。
貯蓄を切り崩しながらの生活に不安を感じる人も多いだろう。保険金で備えておくと安心だ。
また、子どもがいる場合は学費も必要だ。
国公立 | 私立 | |
---|---|---|
中学校 | 53万8,799円 | 143万6,253円 |
高等学校 | 51万2,971円 | 105万4,444円 |
大学 | 約450万円 | 約800万円 |
高等学校まで公立に通い大学で私立に進学した場合、1人につき約1,000万円かかる計算になる。
子どもの年齢にもよるが、60歳時点だと最もお金のかかる大学を控えている可能性が高いだろう。教育費の保障も確保しておくべきだ。
また、賃貸に住んでいる場合は住居費もかかる。
住宅ローンを組んで団体信用生命保険に加入していれば、残債が弁済されるため、住居費のことは考えなくて良い。
保険金額を決めるにあたって検討すべきポイント
保険金額を決めるにあたって検討すべきポイントは、「必要な保障内容を満たしているか」だ。
現在の家計状況や貯蓄によって、万が一の場合に必要なお金は違う。被保険者に何かあった場合、どのくらいのお金が必要になるか計算する必要がある。
また、保険料とのバランスも大事だ。
一般的に保障内容を手厚くすると、保険料は高くなってしまう。
毎月の保険料負担が重くて途中で解約しては元も子もない。安定して継続できる保険料に抑えつつ、万が一の場合に備えられる保険に加入しよう。
60歳の死亡保険金額
60歳の死亡保険金額の平均は以下のとおりだ。
2009(平成21)年 | 2012(平成24)年 | 2015(平成27)年 | 2018(平成30)年 | 2021(令和3)年 | |
---|---|---|---|---|---|
60~64歳 | 2,406万円 | 2,078万円 | 2,215万円 | 2,296万円 | 1,789万円 |
65~69歳 | 1,785万円 | 1,540万円 | 1,766万円 | 1,534万円 | 1,375万円 |
60代の保険金額は、年々減少傾向にある。
ただ、現状でも1,300万円以上が平均となっており、死亡時の保障をカバーしている人は多い。
65歳の定年が増加したことにより、保険に頼る人が減ったのが、死亡保険金額の減少につながっているのかもしれない。
60歳におすすめの死亡保険を紹介!
「60歳になってからの保険選びの方法がわからない」という人もいるだろう。
ここからは保険選びに重要なポイントを解説する。60歳におすすめの保険商品も紹介しているので、ぜひチェックしてほしい。
加入目的を明確にする
最初に保険に加入する目的を明確にしてほしい。加入する目的が曖昧な状態で選ぼうとすると、商品の選択肢が多すぎて決めるのが難しいからだ。
目的を明確にしておくと、保障内容に過不足のある商品は削れるため、保険選びをスムーズに進められる。
「どんな状況に備えたいのか」「保障期間はいつまで必要か」「誰の何をカバーしたいのか」などが明確だと、商品が絞れて選びやすくなる。
最初に商品を探し始めるのではなく、「なぜ保険が必要なのか」を必ず把握しよう。
今後のライフプランを検討する
次に大事なのがライフプランだ。ライフプランが定まっていると、必要な死亡保険金額や保険期間を把握できるからだ。
「住宅ローンの繰り上げ返済は考えているか」「子どもの大学は私立か」「そもそも大学への進学意思はあるか」など、なるべく細かい部分まで明確にしておきたい。
加入目的とライフプランが決まったら、いよいよ商品選びだ。
保障内容や保険期間の条件に合っている商品の保険料や払込期間をチェックしよう。保険料負担を無理のない範囲に抑えることがポイントだ。
60歳におすすめの保険商品
60歳で加入するとなると、保障額の大きい掛け捨て型よりも資産性のある貯蓄型の方が良いだろう。
保険が不要になったタイミングで解約すると、解約返戻金を受け取れるからだ。
60歳におすすめの保険商品は以下のとおりだ。多くの人が必要となる葬儀費用をカバーできる保障内容で比較する。
- 終身保険RISE(オリックス生命)
- スーパー終身保険(楽天生命)
- アクサダイレクトの終身保険(アクサダイレクト生命)
商品名 (保険会社名) | 終身保険RISE (オリックス生命) | スーパー終身保険 (楽天生命) | アクサダイレクトの終身保険 (アクサダイレクト生命) |
---|---|---|---|
保険期間 | 終身 | 終身 | 終身 |
60歳男性の 月払い保険料 | 6,446円 | 6,720円 | 7,438円 |
死亡・高度障害 の保険金額 | 200万円 (100万円~5,000万円まで選択可能) | 200万円 (100万円~5,000万円まで選択可能) | 200万円 (200万円~2,000万円まで選択可能) |
加入可能年齢 | 15歳~80歳 | 30歳~75歳 | 満20歳~満69歳 |
申し込み方法 | 郵送・対面・オンライン | オンライン | オンライン |
オリックス生命の「終身保険RISE」は、ライフプランに合わせて保険金額を変更できる終身保険だ。
100万円〜5,000万円と幅広く選べるため、さまざまな目的に対応している。
対面やオンラインに対応しており、好きな方法で申し込めるのも良い点だ。
楽天生命の「スーパー終身保険」も、100万円〜5,000万円と幅広く保険金額を選べる終身保険だ。
楽天ポイントを貯めたり、使ったりできるため、楽天経済圏で生活している人には特におすすめだ。
リビング・ニーズ特約が付加されている点も魅力的である。
リビング・ニーズ特約とは、被保険者が余命6ヶ月以内と診断された場合に保険金の一部または全額が支払われる特約だ。
ただ、オンラインにしか対応しておらず、スマートフォンやパソコンを使い慣れていない人には難しいかもしれない。
アクサダイレクト生命の「アクサダイレクトの生命保険」は、保険金額を200万円〜2,000万円で選択できる生命保険だ。
解約返戻金を低くして保険料を安くする低解約返戻金型なので、お手ごろな保険料で加入できる。
また、無料でリビング・ニーズ特約を付加することも可能だ。
ただ、こちらもオンラインのみの対応であり、スマートフォンやパソコンの使用が欠かせない。
使用に不安がある場合は、家族に頼ってみるのも良いだろう。
あなたにとって最適な選択を
今回は死亡保険に焦点を当て、60代におすすめの保険や加入時のポイントを解説してきた。
しかし、「いつ・どんな人が保険に加入するか」で最適なプランは異なる。つまり、同じ60代であっても、性別や独身・既婚などのステイタスによってその最適解は変わってくるということだ。
年齢別におすすめの保険や60代におすすめの保険をまとめたこちらの記事も参考にしていただくと、より60代のあなたに合った保険を見つけることができるだろう。
60歳を迎えたら自分に必要な死亡保険金額の目安を立てて適切な保険に加入しよう
本記事では、シニア世代に必要な保障内容をもとに、60歳に最適な死亡保険金額について検証した。
60歳を迎えると、生活スタイルや体調、備えるべきリスクの変化により、保険金額の見直しを考える方は多い。
自分に必要な死亡保険金額の目安を立て、適切な保険に加入することが最も重要となる。
今回紹介した商品の特徴や保険選びのポイントを参考に、自分にとって必要な保険を見つけるようにしてほしい。
このように、何より重要なことは、保険の特徴を理解した上で、自分自身の生活環境や経済状況、健康状態を考慮して保険を選ぶことだ。
そのため、自分がどの保険に入るべきか、その判断に少しでも疑問や不安があれば、保険のプロに相談することも積極的に検討してほしい。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、保険の必要性やあなたに合った生命保険を見つけることができるはずだ。
また、保険のプロは数多く存在し、その中から自分にとって最適な担当を見つけるのは難しいだろう。
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