- 終身保険以外にどの保険に入ればよいかわからない
- 保険は組み合わせた方が良いのかわからない
- 保険の組み合わせによる最適なライフプランの策定をしたい
保険の加入を検討する際、「保険の組み合わせ」で頭を悩ませた経験はあるだろうか?
最適な保険の組合せを設計することで、あなたのライフプランはより豊かになる可能性がある。
しかし、数ある保険商品や異なる保険の種類を適切に組み合わせることは容易なことではない。
そこでこの記事では、保険の組み合わせの中でも、特に「終身保険と定期保険の組み合わせ」に着目し、それぞれの保険の特徴を踏まえた具体的な組み合わせの例も紹介する。
合わせてその他の保険商品の組み合わせについても簡単に触れるので、この記事を自分に最適な保険選びをするための参考としてほしい。
【終身保険と定期保険の組み合わせ】それぞれの特徴と比較
生命保険・医療保険の種類を問わず、保険には終身と定期の2タイプが存在する。
「保険=終身保険」というイメージの人は多いかもしれない。また、保険に加入して以降、見直しをしていない人もいるのではないだろうか。
保険の本来的な目的は「もしもの事態・万が一の事態に備える」ことである。
実際、ライフステージが変化すれば、「もしもの事態」が起きた際に想定されるリスクの大きさも異なるのが通常だ。
にもかかわらず保険を見直すこともなく同じ保険に加入し続けるのは、もしもの事態に正しく備えられているとは言えないだろう。
- 保障内容が手厚すぎて余計な保険料を支払っている
- 保障内容が限定的で、起こり得るリスクに備えられていない
保険を組み合わせることで、保険料を上げずに保障を手厚くできる
状況次第では上記に該当する場合もあるため、保険に対してはそれぞれの違いを理解した上で、正しく選択することが重要なのだ。
終身保険の特徴
終身保険とは、保険期間に定めがなく、保証が一生涯続く保険のことだ。
中途解約すると保障は継続されないが、解約の時期に応じて一定の解約返戻金があるのも特徴の一つである。
保険料は一生涯にわたって変わらず、加入時の保険料が継続されることは押さえておこう。
終身生命保険の場合、契約期間中に被保険者が死亡または高度障害に該当した際に保険金が支払われ、終身医療保険の場合は、該当する病気に罹患した場合に支払われるものだ。
終身保険の場合は解約返戻金があり、早期に解約すると元本割れするケースもある。
死亡時以外にも、解約すれば支払った保険料が戻ってくる点においては、貯蓄として活用できる側面もあることを覚えておこう。
終身保険は定期保険と比べて保険料が高く、一度加入すると見直しがしづらい点はデメリットと言えるだろう。
中途解約しても返戻金の額は限定的で、支払い済みの保険料額のほうが大きいことが大半だ。
死亡保険の選び方に関しては「死亡保険の選び方! 死亡保険の種類別の特徴も合わせて解説」を参考にしてほしい。
定期保険の特徴
定期保険は、所定の保険期間中に被保険者が死亡または高度障害に該当した際、一括で保険金を受給できる生命(死亡)保険だ。
終身保険との最大の違いは保険期間で、「定期」とあるように保険商品によってその期間が定められている。
一般的には、10年更新のタイプに加入するケースが多いだろう。
定期保険は解約返戻金がないのが通常で、いわゆる「掛け捨て型」の保険に該当する。加えて、加入時の状況に応じて保険料が定められるため、保険料は安価に抑えられる。
さらに、10年ごとに更新される性質を活かして、その時々の家計やライフステージ、備えたい保障の範囲を踏まえて見直しやすいのも定期保険ならではだ。
- 子どもが独立するまでは保障を厚くしたい
- 年金の受給開始・退職まではまとまった金額の保障が必要
定期保険はこれらのニーズにマッチする保険商品である。
定期保険に加入すれば特定の期間だけ保障を手厚くできるため、終身保険で最低限の保障を確保しつつ、必要に応じて追加で加入を検討することが重要だ。
収入保障保険の特徴
収入保障保険は定期保険と性質はほぼ同じだが、被保険者が死亡または高度障害に該当した際、保険金を保険期間が満了するまでの間、分割で受給できる点で異なる。
保険期間が経過していくほど保険金の受け取り総額が下がる特徴があり、被保険者に万が一があった際、遺された家族の毎月の生活費代わりとして支払われるイメージだ。
月々の保険料は、加入直後の保険金総額と同額の定期保険料と比べて、収入保障保険のほうが低く設定されている。
- 契約期間中は同額の保険金を用意したい場合は定期保険
- 段階的に保険金を少なくして合理的に保険にしたい場合は収入保障保険
- 保険金を年金のように受け取りたい場合は収入保障保険
これらのような考え方でいずれかを加入するか検討するとよいだろう。
なお、収入保障保険の場合においても一括で保険金を受給できるが、その場合は毎月給付型に比べて受取総額が少なくなる場合がある点には注意が必要だ。
終身保険と定期保険の比較をする
終身保険と定期保険の違いを一覧でまとめると以下の通りとなる。
実際、さまざまな商品があるため、一般論として理解してほしい。
終身保険 | 定期保険 | |
契約期間 | 一生涯 | 10年などの一定期間 |
保険料払込期間 | 一生涯または一定期間 | 保険期間と同じ |
保険金額が同じ場合の保険料 | 定期保険より高い | 終身保険より安い |
更新後の保険料 | 更新はないため保険料は一定 | 更新ごとに上がるのが通常 |
解約返戻金 | あり | なし (あってもわずか) |
主な加入目的 | 葬式費用や相続税費用 | 教育費や子育て費用 |
「どちらかが完全に優れている」わけではなく、一長一短あるのは言うまでもない。
加入目的に合わせて、最適な保険を選ぶことが重要だ。
終身保険と定期保険は組み合わせて考える
終身保険と定期保険は、それぞれの特徴を理解した上で組み合わせると効果を最大化できる。
終身保険は保障が一生涯続く安心感はあるものの、保険料が高いためまとまった金額を用意することには向いていない。
一方、定期保険は保険料を安価に抑えながらまとまった保険金を用意できるものの、更新するたびに保険料は値上がりする。
保障が一生涯続くわけではないため、無保険状態では心許ないこともあるだろう。
だからこそ、2つの保険はライフステージに応じてバランスよく組み合わせることで、最適な保障を受けられるようになるのだ。
以下、状況別の保険の組み合わせ例を紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。
なお、以下で紹介する保険は「生命保険(死亡保険)」を指す。
医療保険の場合も考え方は基本的に同じであるが、内容を簡略化するためあらかじめご了承いただきたい。
終身保険をベースにする
保険を検討する際、まずは終身保険で最低限の保障を用意するのがおすすめだ。
結婚した夫婦や子どもがいる家庭に限らず、独身・単身者においても、自身の葬儀費用は保険で賄えるようにしておくと、両親や親族に迷惑をかけることはないだろう。
終身保険であれば、解約しない限り、保険金支払い事由に該当すれば支払われる。終身保険は保険料が高いため、最低限の保障を用意する際に用いるのがベターだ。
年金における1階部分の国民年金(基礎年金)に該当するのが終身保険のイメージでよいだろう。
保険金額の目安としては、200〜300万円に設定するケースが比較的多い。
もちろん、家計や家族構成などによっても状況は異なるため、参考程度に覚えておこう。
状況に合わせて定期保険を付け足す
終身保険でベースを用意できたら、各自の状況に合わせて定期保険を上乗せすることが重要である。
終身保険だけで保障が足りるなら定期保険の加入は不要だ。
万が一のリスクに備えられない場合は、その金額を算出して定期保険でカバーするという考え方だ。
以下、4つのパターンで具体的に解説しよう。
独身・単身者の場合
独身・単身者であれば、基本的に終身保険さえ加入していれば保障は十分だろう。
結婚を機に保険を見直す際も、一定額の解約返戻金があるため貯蓄的な性質も備えている。
また、将来結婚する予定がある場合は保険を見直す可能性が高いため、保険料を低く抑えられる定期保険に加入してもよいだろう。
もちろん、定期保険を解約しても返戻金はないことが大半であるため、保険の種類の違いによる保険料と返戻金額を踏まえた検討が重要だ。
結婚して子どもがいない夫婦
結婚して子どもがいない2人世帯の場合、共働きかどうかでも考え方が異なる。
共働きで2人とも正社員の場合、いずれかに万が一の事態が起きたとしても生活はしていけるだろう。
そのため、終身保険に加入しているのであれば定期保険の加入は検討しなくてもよいだろう。
共働きであるがパートナーが派遣社員(正社員でない)の場合、専業主婦(夫)の場合は、定期保険への加入を検討すべきだ。
もしもの事態が起きた際、ある程度の保障があると安心できるだろう。子
どもがいる場合に比べてまとまった保険金額を用意する必要はないと考えられるため、遺されたパートナーが生活の基盤を立て直すまでに必要とされる金額を用意するイメージでよいだろう。
子どもを持たない夫婦であれば、パートナーが年金受給年齢に到達するところを期間の満了にして収入保障保険に加入するのも方法として考えられるだろう。
結婚して子どもがいる家族
結婚して子どもがいる家族の場合は、最も手厚い保障が必要だ。
「いくらの保険金を用意するか」の考え方は、以下のようにさまざまである。
- 下の子が大学を卒業するまでの期間を一定額保障したい
- 子の成長に合わせて段階的に保障額は減らしても問題ない
- 子どもに仕送りを渡したいから大学進学時も手厚い保障がほしい
子どもがいる場合の基本的な考え方としては、独立するまでの期間は定期保険でカバーするものだ。
基本的に10年ごとに更新されるため、更新時に教育費の目処が立ってきた場合は保険金額を減らすように見直してもよいだろう。
もちろん、更新時も同じ保障を用意しても問題ない。
保障をどの程度用意するかは人によって考え方が異なるものの、終身保険だけでは明らかに保障が足りないため、不足額を見極めて定期保険の加入を検討しよう。
子どもが独立したシニア世代夫婦
子どもが独立したシニア世代夫婦であれば、定期保険は限定的な保障でもよいだろう。
年金の受給を開始しているのであれば解約してもよいかもしれない。
葬儀費用や相続税を支払う必要がある際に備えて、終身保険だけは加入しておこう。
60代におすすめの死亡保険は「60代におすすめの死亡保険とは? 自分に適した保険の選び方を徹底解説」で詳しく解説している。
定期保険特約付終身保険
「定期保険特約付終身保険」とは、名前を見てもわかるように、終身保険に特約で定期保険の機能が付加されたものだ。
終身と定期が1つになった商品で、保険を一本化できるのはメリットと言える。
しかし、定期保険はあくまで特約となるため、解約すると保障を受けられなくなる点には注意が必要だ。
また、保障内容の見直しに関しても柔軟性に欠けるため、保険は目的に合わせて最適な種類を選ぶのがポイントである。
生命保険の乗り換えに関しては「生命保険を乗り換えるメリットとは 解約返戻金の取り扱いや乗り換え時に重視すべき点も解説」で詳しく解説している。
その他の生命保険の組み合わせ例
定期保険には満期の捉え方で異なるラインナップがあるため、それぞれの組み合わせで用意できる保障も変えられる。
以下、定期保険の種類別で終身保険と組み合わせた場合の効果やメリットなどを解説しよう。
終身保険+定期保険(短期間)
「短期間型」とは一般的な定期保険のことで、保険期間が10年などと定められたものだ。
期間満了の際に更新するため、子育てに追われる若い世代などの場合、ライフステージの変化にも対応しやすいだろう。
終身保険+定期保険(歳満了型)
「歳満了型」とは、55歳、60歳までなどのように、保険期間を年齢で定めた商品のことである。
子どものいない夫婦やシニア世帯などであれば、パートナーが年金を受給するまでの期間に合わせて歳満了型の定期保険を選ぶと、効率よく保障を用意できるだろう。
「子どもが独立するまで」のようなケースにおいても歳満了型を選べるが、保険料との兼ね合いもあるため慎重な判断が求められる。
終身保険+収入保障保険
収入保障保険は、定期保険よりも割安な保険料で、満了に近づくにつれて保険金が減少するものだ。
年金のように毎月支払われるため、生活費として使用できるのはもちろん、子どもが成長して必要な教育資金が減少した場合などにも有効である。
収入保障保険はまとまった金額の用意はできないものの、保険料を抑えながら、もしもの時に月々の収入にプラスアルファの保険金が支払われる合理的なプランと言えるだろう。
組み合わせに迷うときは保険のプロに相談
保険の組み合わせは家族構成や勤務状況、ライフプランなど、条件によって千差万別だ。
リスクに対してどの程度許容できるかも人それぞれであり、一般的な保険のシミュレーションだけでは判断に迷うだろう。
保険の組み合わせを検討する際は、ファイナンシャルプランナーに相談するのがおすすめだ。
ライフプランを踏まえて保険を考えれば、必要な時期に、必要な保障額を支払い可能な保険料で用意できるだろう。
保険のプロから客観的なアドバイスをもらえるのはもちろん、最適な保険商品を提案してくれる。
自分たちで保険を選ぶことも可能だが、比較検討の手間をなくしたい人は保険のプロに頼るのも一つの手段である。
生命保険は目的別に選択すべき!必要な保障に応じて組み合わせてみよう
保険の組み合わせは、自身のライフイベントやリスクを考慮したうえで設定する。
本記事では、終身保険と定期保険を組み合わせる方法やその具体的な組み合わせの例まで紹介している。
ただし、保険の組み合わせには何百通りもあり、自分に最適な保険の組み合わせを一人で考えることは難しい。
よって、具体的な保険選びには専門的知識が必要なため、保険のプロに相談することが最適な道である。
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最適な保険の組み合わせをしたい方は、ぜひ一度「生命保険ナビ」をご利用していただきたい。