- 保険特約がどういったものなのかわからない
- 特約にはどのような種類のものがあるかわからない
- 自身のライフスタイルに最適な特約の選び方がわからない
保険を選ぶ上で重要となる「保険特約」。
しかし、特約の具体的な内容やそのメリット、保険特約の種類について詳しく知らないという方も多いだろう。
本記事では、保険特約に関する基本的な知識から、自分に最適な特約の選び方まで詳しく解説していく。
保険特約を理解し、自身の保障をより強固にするために、ぜひ本記事をご活用いただきたい。
保険特約とは何か
生命保険は、基本の幹となる「主契約」と枝の部分になる「特約」に分かれている。
主契約のみの場合、保障される内容は同じだが、特約を付加することで、メインの保障に加えて自分に見合う保障内容にすることができる。
本章では、一般的な保険特約についての基本的な知識や、メリット・デメリットについて確認していこう。
保険特約の基礎知識
特約は、契約する保険のジャンルによって付加できるかどうかが決まる。
たとえば医療保険の場合、以下のような特約が付加できる。
- 入院時にさらに保障が手厚くなる特約
- 三大疾病で保障が手厚くなる特約
- 介護状態になった場合に保障が手厚くなる特約
- 保険料の支払が特定の条件で免除される特約
- 亡くなった場合に保険金が受け取れる特約
こうした特約は主契約の保障内容を充実させる目的で付加することが多い。
そのため、入院時の治療費等の保障以外も検討している場合や、基本的な保障だけでは不安を感じる場合に役立つだろう。
一方、生命保険に加入する場合に付加できる特約は、以下の通りである。
- 余命宣告を受けた場合に保険金が受けられる特約
- 一定期間は死亡保険金が手厚くなる特約
- 保険料の支払が特定の条件で免除される特約
以上から、さまざまな特約においても、あくまでも主契約の保障をさらに手厚くするだけの特約と、保険ジャンルによって付加できる特約の性質が異なる。
保険特約のメリット
特約を付加するメリットとしては、別で保険を契約するよりも保険料が割安になる点がメリットだ。
たとえば、医療保険に三大疾病に手厚くなる特約を付加したとする。
通常は、医療保険と三大疾病に保障される保険を別々で備えると、2つ契約する必要がある。
そのため、特約を付加した場合よりも保険料が高くなりやすい傾向にある。
特約であれば、保障内容を一本化できるので、管理の手間が省け、かつ保険料も割安に準備できるので、メリットといえるだろう。
しかし、一方で特約を付加するデメリットもある。
次に、特約のデメリットについて確認していこう。
保険特約のデメリット
特約を付加するデメリットは、大きく分けると次の2つである。
- 保障額を大きく持てない可能性がある
- 主契約を解約すると特約も消滅する
特約は、あくまでもメインとなる主契約を補う性質が強い。
そのため、主契約の保障額以上に、保障を準備できないケースがある。
たとえば、医療保険に三大疾病に該当した場合にまとまった一時金が給付される特約を付加したとする。
その場合、一時金の給付金額は、主契約の入院給付金の所定の倍率以上に設定できない可能性がある。
たとえば、入院給付金が5000円の場合に、三大疾病の一時金はその100倍の50万円までといった形だ。
そのため、保障額によっては特約を付加しても、不足する可能性がある。
また、主契約を解約した場合に、特約も同時に消滅してしまう点はデメリットだ。
同じく医療保険に三大疾病の一時金特約を付加した契約をした後に、三大疾病一時金だけを残しておきたいと思っても、特約だけを残すことはできない。
その場合は、主契約を解約して、新たに三大疾病の一時金を主契約とする保険商品に、新たに入り直す必要が生じる。
年齢が上がってから契約すると保険料が高くなるので、途中で保険のメンテナンスがしにくい点はデメリットといえるだろう。
保険特約の種類
保険特約の種類は、前章でも述べた通り、契約する保険商品によって付加できる特約が異なる。
本章では、保険商品のジャンルごとに付加できる特約について解説する。
紹介する特約を、以下のジャンルごとに分けて紹介しよう。
- 事故による死亡に備えるもの
- 一定期間の死亡に備えるもの
- 特定の病気に備えるもの
それぞれ確認していこう。
事故による死亡に備えるもの
事故による死亡に備える特約で代表的な特約は「災害割増特約」と「傷害特約」だろう。
災害割増特約および傷害特約は、いずれも不慮の事故を原因として死亡した場合に、通常の死亡保障よりも手厚い保険金が支払われる特約である。
また、それぞれ感染症によって亡くなった場合でも一般的には保険金が支払われる。
ただし、詳細は保険商品ごとに異なるので、気になる人はそれぞれの特約がどうなればお金が支払われるのか確認しておくと良いだろう。
災害割増特約や傷害特約は、生命保険の特約として付加できるケースが一般的だ。
そのため、医療保険やがん保険といった第三分野とされている保険ジャンルには付加できないことが多い。
生命保険のうち、保障が一生涯続く終身保険の上乗せや、一定期間のみ保障されている定期保険の上乗せに使われる。
一定期間の死亡に備えるもの
一定期間の死亡に備える特約としては「定期保険特約」や「収入保障保険特約」が代表的だ。
どちらも、特約として契約する期間中に亡くなった場合に、通常の死亡保障額にプラスして保険金を上乗せする特約となっている。
定期保険特約は、所定の期間中であれば、いつ亡くなっても保険金額は同じである。
一方、収入保障保険特約は、死亡時のタイミングによって給付される金額が異なる。
保障される特約の例としては、以下を参考にしてほしい。
- 定期保険特約:契約期間中に死亡した場合に保障額として定められた保険金を支払う
- 収入保障保険特約:契約期間中に死亡すると特約の満期まで毎年一定の保険金を支払う
たとえば、定期保険特約を3000万円で付加した場合は、契約期間中にいつ亡くなっても3000万円が支払われる。
一方で、収入保障保険特約は満期まで毎年一定の保険金を支払うので、満期までの期間が短くなればなるほど、保障額は徐々に少なくなる。
特定の病気に備えるもの
特定の病気に備えるための特約としては、次の特約がある。
- 災害入院特約:不慮の事故で入院した場合に手厚くなる特約
- 傷害入院特約:不慮の事故で入院した場合に手厚くなる特約
- 入院一時金特約:入院時にまとまった給付金が受けられる特約
- 長期入院特約:入院が長期化した場合に保障が手厚くなる特約
- 通院特約:通院時に給付金が受け取れる特約
- 女性疾病入院特約:女性特有の病気に対して入院給付金が手厚くなる特約
- 生活習慣病入院特約:生活習慣病で入院した場合に給付金が手厚くなる特約
- 三大疾病特約:三大疾病で所定の状態に該当した場合に給付金が手厚くなる特約
- がん診断特約:がんと診断確定された場合に給付金が手厚くなる特約
- 特定損傷特約:骨折やけがで治療した場合に保障が手厚くなる特約
それぞれ特約が付加できる商品もあれば、付加できない商品もあるので、詳細は保険の専門家やその商品を取り扱う保険会社に確認するのが望ましいだろう。
以上のとおり、特約はさまざまなジャンルの保険商品に付加できる。
保障内容も保険会社の商品ごとに異なるので、特約を付加する場合はどの保険会社の特約が自身のニーズに合っているのか確認すると良いだろう。
保険特約の選び方
保険特約の選び方には、正解がない。
なぜなら、世帯の状況ごとに必要な保障も異なれば、そもそも保険特約で準備するべき保障内容なのかは年齢やライフステージ、資産状況等により異なるからだ。
本章では、一般的に保険特約を選ぶ場合のポイントについて解説する。
特約を選ぶ際は、以下の点に気を付けると良いだろう。
- 特約をつける目的を確認する
- 主契約の保障内容を強化するものを選ぶ
- 保険料とのバランスを見極める
ただし、上記のポイントを踏まえたとしても、必要な特約なのか判断できない可能性もある。
その場合は、個別に保険の専門家に相談したほうがいいだろう。
それぞれのポイントについて確認する。
特約をつける目的を確認する
特約を選ぶ際は、そもそも特約を付ける目的が明確になっているのか、この点をクリアにしてから準備する必要があるだろう。
ただ単に保障が手厚くなるという理由だけで特約を選ぶのではなく、その特約をどういった目的で活用するのかを明確にする。
たとえば、収入保障保険特約や定期保険特約は「遺族への生活費」を目的に付加すると良いだろう。
主契約だけでは遺族の生活資金が補えない場合、必要な期間だけ死亡保険金を上乗せする目的で特約を付加すると良い。
同じく、医療保険に三大疾病で所定の状態になるとまとまった一時金が受けられる「三大疾病特約」は、治療費だけでなく仕事にいけなくなった場合の収入を補てんする目的で加入するといったイメージである。
特約を「何のために」備えるのかを明確にすれば、準備するべき特約も見えてくるだろう。
主契約の保障内容を強化するものを選ぶ
主契約の保障内容を強化する特約を選ぶのもポイントだ。保険商品によっては、主契約だけで想定されるすべてのリスクに対応できるわけではない。
たとえば、医療保険の主契約は「入院」「手術」をした場合に保障される。
しかし、通院では保障してくれない契約の場合、特約で通院の部分にも給付金が出る保障を備えておかなければならない。
また、入院時に保障される主契約でも、あくまでも入院した日数分だけしか給付金を出さないケースがある。
日帰り入院の場合は、その日しか給付金が出ないので、受けられる保障が少なくなってしまう。
しかし、日帰り入院を含め1日でも入院した場合にまとまった給付金を支払ってくれる入院一時金特約があれば、短期入院で終わったとしても、手厚い保障が受けられる。
そのため、主契約の保障だけではカバーできない特約を選んで付加しておくと、さまざまなリスクに対応できる保険商品になるだろう。
保険料とのバランスを見極める
最後に、保険料とのバランスを見極める必要がある。特約は保険料が割安で付加できる分、たくさんつけすぎるとかえって保険料が高くなり、保障内容と保険料のコスパが悪くなってしまう可能性がある。
あくまでも、保障内容と保険料にバランスが取れているか、必要な部分に特約が付与されているのか、無駄のない選び方が必要になるだろう。
とはいえ、このコスパを正しく計算するのは、自分だけではなかなかできないだろう。
というのも、保険商品は各保険会社がそれぞれ独自の商品を販売しており、同じ医療保険でも保険料の考え方や保障される内容の部分が大きく異なる。
そのため、1人でそれぞれの保険会社の特約を見るというのは時間的にも労力が大きいため、おすすめできない。
どの特約を付加するべきなのか、保険料とのバランスが取れているのかについては、保険の専門家に相談して確認してもらうのが良いだろう。
まとめ
本記事では「保険特約」について、基本的な知識から種類、選び方まで詳しく解説した。
理想的な保険選びには、特約の理解と活用が不可欠だ。しかし、混乱や疑問を感じてしまう方も少なくないだろう。
そんな時は保険のプロに相談してみるのもおすすめだ。
ただし、プロであれば誰でもいい、というわけではないだろう。
保険が生活の支えとなる重要な存在である以上、信頼のおける相談先を見つけたいものだ。
そこで、全国の保険のプロの中からあなたの条件や意向にあった担当者が簡単に選べる「生命保険ナビ」を活用してみてほしい。
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