「老後資金が足りるか不安」、「少しでも老後資産を増やして安心したい」と考えている方へ。
現在の日本は物価が上昇している局面があり、預金しているだけでは実質的に資産が目減りする可能性がある。
また、厚生労働省の「令和6(2024)年簡易生命表」では、0歳の平均余命(平均寿命)は男性81.09年、女性87.13年とされており、何歳まで長生きするかわからない「長生きリスク」も存在する。
長生きのリスクで老後資金が底をついてしまうと不安を覚える方も多い。
この不安を解消するためには新NISAを活用して、資産運用を始めるのがおすすめだ。
この記事では70代におすすめの新NISA運用方法について解説する。
併せて70代におすすめの運用例も紹介するため、少しでも老後資金を増やしたい、長持ちさせたいという方は参考にしてほしい。
70代から始める新NISA制度の基本

新NISA制度について以下の3つを解説する。
- 新NISAの概要
- なぜ70代が新NISAを始めるべきなのか
- 新NISAと旧NISAの比較とその影響
新NISAの概要
新NISA制度を活用すると、一定の要件のもと、非課税口座のつみたて投資枠・成長投資枠で取得した上場株式等の配当等や譲渡益が非課税となる。
上場株式等の譲渡益などは、原則20%(所得税15%・住民税5%)に復興特別所得税が上乗せされるため、合計20.315%となる。
たとえば10万円でA株式を購入し、30万円に値上がりしたタイミングで売却したとする。
本来であれば値上がり益である20万円に40,630円の税金が引かれ、手残りは159,370円となる。
しかしNISA制度を利用すれば、運用益20万円がそのまま受け取れる。
また新NISAでは非課税保有期間が無期限となった。
加えて非課税保有限度額は1,800万円まで増額された。
なぜ70代が新NISAを始めるべきなのか
70歳で新NISAを始めるメリットは以下の2つだ。
- インフレに対応できる
- 老後資産を長持ちさせられる
インフレに対応できる
日本では物価が上昇している局面があり、日々の生活で値上げを実感する場面もある。
食品や日用品の値上げで、インフレを実感している方も多いだろう。
総務省統計局の公表する「2020年基準 消費者物価指数」によると、2026年1月分の総合指数の前年同月比は+1.5%だった(生鮮食品を除く総合は+2.0%、生鮮食品及びエネルギーを除く総合は+2.6%)。
つまり、当該月のデータでは、物価水準が前年同月より上昇しているといえる。
仮に預貯金のみの場合、日本では長く低金利が続いており、このままインフレが進行すると資産が目減りしてしまう。
新NISAを利用し運用を始めると、物価上昇を上回る運用収益を目指す選択肢が広がる。
つまり新NISAを活用した資産運用は、インフレによる実質的な目減りへの備えの一助となるのだ
老後資産を長持ちさせられる
老後資産は運用しながら取り崩すと、長持ちすると言われている。
65歳から2,000万円を毎月10万円(年間120万円)ずつ取り崩した場合、約16年8ヶ月で資金が底をついてしまう。
最近は人生100年時代と言われており、上記の例でも約82歳前後で老後資金がなくなってしまうため対策が急務だ。
一方で2,000万円を年2%で運用できたとしても、毎月10万円ずつ取り崩す場合は約20年で資金が尽きる計算になる。
要するに65歳から始めた場合でも、およそ85歳前後までの資金を見込む計算になるということだ。
ただ、経済や金融市場の動向によっては、運用成績がマイナスになるケースもある。
新NISAと旧NISAの比較とその影響
NISAは2024年1月に新NISAとして生まれ変わった。
ここでは新NISAと旧NISAの制度の比較を行う。
新NISAと旧NISAの制度の概要は下記の表にまとめた。
新NISA
| つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 非課税 保有期間 | 無期限 | 無期限 |
| 非課税保有 限度額 | 1,800万円※ | (内数)1,200万円 |
| 口座開設期間 | 恒久化 | 恒久化 |
| 投資対象商品 | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 | 上場株式・投資信託など |
| 買付方法 | 積立 | スポット・積立 |
※うち成長投資枠1,200万円
参考:国税庁「No.1535 NISA制度」
旧NISA
| つみたてNISA | 一般NISA | |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 40万円 | 120万円 |
| 非課税 保有期間 | 20年 | 5年 |
| 非課税保有 限度額 | 800万円 | 600万円 |
| 口座開設期間 | 2023年まで | 2023年まで |
| 投資対象商品 | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 | 上場株式・投資信託など |
| 買付方法 | 積立 | スポット・積立 |
参考:国税庁「No.1535 NISA制度」
口座開設期間の恒久化と非課税保有期間の無期限化
旧NISAでは口座開設期間が限られていた。
しかし新NISAとなり、口座開設がいつでも行えるようになった。
旧NISAの非課税保有期間は、つみたてNISAが20年、一般NISAが5年だったが、新NISAでは無期限化された。
つまり新NISAはいつ投資を始めても、非課税期間を最大限活用できるように生まれ変わったということだ。
投資枠の併用
旧NISAでは、つみたてNISAと一般NISAのどちらか一方しか利用できなかった。
しかし新NISAではつみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能になった。
70代におすすめの新NISA利用法

70代におすすめの新NISAの利用方法として以下の3つを解説する。
- 70代の新NISAにおけるリスク管理と資産分散の重要性
- 70代に適した投資手法とその選び方
- 70代におすすめな運用例
70代の新NISAにおけるリスク管理と資産分散の重要性
70代で運用に失敗してしまうと、リカバリーが難しくなってしまうため慎重なリスク管理が求められる。
NISAは値動きの激しい株式や投資信託にも投資が可能だ。
ただし、これまで預貯金しか経験のない方だと、値動きに耐えられず、価格が下がったときに売却してしまう可能性が高い。
資産運用は長期で行うものであるため、運用途中での売却は避けたい。
資産運用を継続するためには、資産分散によるリスク管理が非常に重要となる。
資産分散とは、株式・債券・不動産など複数の資産に分散して投資することだ。
1つの資産に投資すると、大きなリターンを狙える一方で、多額の損失を被る可能性がある。
資産分散ができていると1つの資産が暴落しても、別の資産の価格が変わらないまたは上昇によって損失をカバーできる。
70代は現役世代よりも定期的な収入が少なく、損失を補填することが非常に難しい。
そのため資産運用を行う場合、資産分散によって損失を抱えるリスクを最小限にする必要がある。
70代の新NISAに適した投資手法とは
70代の投資手法を選ぶにあたっては以下の要素を考慮したい。
- 資産額
- 定期的な収入の有無
- 投資経験
たとえば資産額が多く、定期的な収入があり、投資経験がある方であれば多少リスクを取った投資手法でも良いだろう。
一方で資産額が少なく、かつ定期的な収入もなく、投資経験のない方は低リスクな投資手法を採用しよう。
70代には利子や配当金、分配金といったインカムゲインを得られる投資がオススメだ。
定期的なインカムゲインが得られると、不足する年金を補填できる。
また定期的な資産収入を得られると、多少の含み損を抱えても、投資を継続できるメリットもある。
70代の新NISAにおすすめな運用例
前項では70代におすすめの運用手法として、利子や配当金などのインカムゲインを受け取る手法を提案した。
ただ投資資金を全て金融資産に変えてしまうのは推奨できない。
仮に値動きの小さい債券であっても、日々価格は変動する。
金融資産の値動きに慣れていない場合、債券の値動きにも驚いてしまう方もいるだろう。
値動きに慣れ、運用を継続するためには、少額投資を実践するのがおすすめだ。
運用例としては、「債券10%+現金90%」といった組み合わせが考えられる。
2,000万円の投資資金があるとした場合、200万円を債券に投資し、残りの1,800万円は現金で保有しておくイメージだ。
値動きに慣れてきたら配分を変え、債券をはじめとした金融資産の割合を増やしても良いだろう。
70代が新NISAで始める積立投資のコツ

充実した老後を送るために、老後資金を増やしたいと考えている方に向けて積立投資について、以下の3つを解説する。
- 積立投資の基本とそのメリット
- 70代における積立投資の意義
- 70代が新NISAで始める積立投資に適した投資商品
積立投資の基本とそのメリット
積立投資とは、事前に決めた商品を同じ頻度で一定額購入する投資方法だ。
たとえば株式を毎月5万円ずつ購入するというイメージだ。
投資する商品は株式や債券など何でもよく、最近は投資信託の積立投資が人気になっている。
積立投資は少額から行えることがメリットだ。
そのため投資初心者であっても継続する間に、株式や債券といった金融商品の値動きに慣れることができる。
また投資タイミングを見極める必要がないことも積立投資のメリットだ。
金融商品には値動きがある。「最適なタイミングで投資をしたい」と考えてしまうと、結局投資を始められないというケースは珍しくない。
積立投資であれば一定の頻度で自動的に買付を行うため、投資タイミングを見極める必要がなく、いつでも投資を開始できる。
70代における積立投資の意義
70代でこれから資産運用を始める方にこそ、積立投資をおすすめしたい。
積立投資は非常に投資初心者に適した方法だ。
- 少額から始められる
- タイミングを読む必要がない
- 常に投資の情報収集をする必要がない
積立投資には上記のメリットがある。
特に老後の生活を充実させたい方にとって、常に情報収集する必要がないというのは非常に魅力的だ。
老後は旅行や趣味などで生活を充実させたいという方が多いだろう。
積立投資は常にニュースや最新情報を追う必要がないため、投資のために時間を取らなくて良い。
老後生活を豊かにしつつ、資産形成したい方こそ積立投資を始めるべきだ。
70代が新NISAで始める積立投資に適した投資商品
たとえば投資信託が該当する。投資信託の中でも70代におすすめなのが、バランスファンドと呼ばれる投資信託で、1つの商品を購入するだけで株式や債券など複数資産に分散投資できる商品だ。
バランスファンドの例として、「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」のような商品がある。
分散投資の対象となり得る資産クラスの例は次のとおりだ。
- 国内株式
- 先進国株式
- 新興国株式
- 国内債券
- 先進国債券
- 新興国債券
- 国内リート(不動産)
- 先進国リート(不動産)
国内外の株式・債券・不動産投資信託(REIT)などに分散投資することで、特定の資産の値動きの影響を抑える効果が期待できる。
また、複数資産に分散している商品であれば、特定の資産の値動きに偏らない運用を目指しやすいのも特徴だ。
どの商品を購入すればいいかわからない、あまり多くの資産は管理できないと悩む方は、複数資産に分散投資するバランス型の投資信託を検討してほしい。
NISAのこと、
誰に相談する?
簡単な質問に回答するだけ!
あなたに合う資産運用アドバイザーを紹介
\ 簡単60秒!相談料はずっと無料 /
70代から始める新NISAはプロに相談しよう!
70代が新NISAを活用した資産運用を成功させるには、専門家にアドバイスを求めるのが近道だ。
ここでは資産運用に関する専門家の役割について解説する。
なぜ新NISAを活用した資産運用に専門家が必要なのか
一言で言えば、新NISAの最適な活用法は投資家一人ひとりで全く異なるからだ。
70代に適した投資手法とその選び方でも解説した通り、投資手法の決定要因には資産額や収入の有無、投資経験などがある。
この点、専門家に相談すれば、新NISAを活用する70代の投資家に対して、それぞれの投資目的や投資経験を踏まえ、最適な運用手法やリスク管理方法をアドバイスしてくれる。
専門家は金融の知識、リスク管理、ライフプランの策定など多岐にわたる専門分野を網羅している。
これらの知識を活用し、投資家に合わせた投資戦略やリスク管理方法をオーダーメイドで作ることが可能なのだ。
また、70代は現役世代よりも運用期間が短く、損失を出すと補填が難しい。
そのため資産運用の専門家のアドバイスを受けることにより、成功確率を高めるのが望ましいのだ。
70代から新NISAを始めよう
本記事では、70代が新NISAを活用して資産を増やす手順、積立投資の利点、70歳前後に適した運用例を整理して解説した。
もっとも、最適な運用方法は投資家の状況によって異なるため、一概の正解はない。
新NISAでの資産運用に不明点や不安がある場合は、専門家から助言を受けることをおすすめする。
関心がある読者は、無料相談などを活用して、まずは相談してみよう。
70代の新NISAに関するQ&A
参考・出典
- 総務省統計局『2020年基準 消費者物価指数 全国 2026年1月分』(公表日/更新日:2026-02-20)
- 厚生労働省『令和6(2024)年簡易生命表の概況(結果のポイント)』(公表日/更新日:2025-07-25)
- 国税庁『No.1535 NISA制度』(公表日/更新日:2025-04-01)
- 国税庁『No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)』(公表日/更新日:2025-04-01)

