20代の新NISAは毎月いくら?積立額の決め方と始め方

20代で新NISAを始めるとき、最初に迷いやすいのが「毎月いくら積み立てればよいのか」です。

結論からいうと、20代全員に共通する正解はありません。新NISAに回してよいのは、生活費や近い将来に使うお金を確保したあとに残る、長期間使う予定のないお金です。

金額を決めきれない場合は、月5,000円または1万円を仮の開始額にして、3か月ほど家計への影響を確認する方法があります。生活・緊急予備資金が十分にあり、毎月の余裕も安定しているなら、月2万円、3万円と段階的に増やせます。反対に、貯金が少ない、収入が不安定、数年以内に引っ越しや結婚を予定している場合は、月0円から現金を優先しても問題ありません。

新NISAは、投資上限まで使わなければ損をする制度ではありません。大切なのは、上限を埋めることではなく、相場が下がったときにも生活を崩さず続けられる金額にすることです。

目次

この記事の結論

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現在の状況 新NISAの開始額の一例 優先すること
貯金がほとんどない、収入が不安定 月0~5,000円 生活・緊急予備資金を増やす
生活・緊急予備資金を貯めている途中 月5,000円~1万円 現金貯蓄と少額投資を並行する
必要な現金を確保でき、毎月2万~5万円ほど余る 月1万~3万円 近い将来の支出と分けて積み立てる
必要な現金を確保でき、毎月5万円以上の余裕が続く 月3万~5万円以上も検討 目的・期間・値下がりへの耐性を確認する

この金額は、全員に当てはまる推奨額ではありません。あくまで、家計から開始額を考えるための例です。金額を増やす前に、「いつ使うお金か」を分けることが先です。

20代が知っておきたい新NISAの基本

NISAは、株式や投資信託などから得た売却益や配当・分配金を非課税にできる制度です。通常は投資の利益に約20%の税金がかかりますが、NISA口座内の対象商品から生じた利益には税金がかかりません。

2024年からのNISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、併用できます。

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項目 つみたて投資枠 成長投資枠
年間投資枠 120万円 240万円
買い方 定期・継続的な積立 積立・一括のどちらも可能
主な対象商品 長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託など 上場株式、ETF、投資信託など
非課税保有期間 無期限 無期限

つみたて投資枠の年間120万円を12か月で割ると月10万円相当ですが、これは制度上の「毎月の利用目標」ではありません。積立頻度や設定方法は金融機関によって異なり、年間投資枠の範囲内で利用します。

2つの枠を合わせた非課税保有限度額は1,800万円です。このうち、成長投資枠で使えるのは1,200万円までです。商品を売却すると、売った商品の取得金額分の総枠が翌年以降に再利用できます。

ただし、年間投資枠120万円や非課税保有限度額1,800万円は「使うべき目標額」ではなく、制度上の上限です。20代だからといって、月10万円を積み立てる必要はありません。

※制度内容は、金融庁「NISAを知る」(2026年8月5日確認)に基づきます。

「積立NISA」は現在の「つみたて投資枠」を指すことが多い

2023年までの「つみたてNISA」は終了し、2024年以降は新規購入ができません。現在、新しく積立投資を始める場合は、2024年からのNISAにある「つみたて投資枠」を利用します。

旧つみたてNISAで購入済みの商品は、購入した年から最長20年間、旧制度の非課税措置を受けられます。新しいNISAの1,800万円とは別枠で管理されますが、新しいNISAへ移すことはできません。

※旧制度の取扱いは、金融庁「2023年までのNISA」(2026年8月5日確認)に基づきます。

新NISAの20代平均は月約3万円だが、そのまま目標にしない

日本証券業協会が、2025年に新NISAで金融商品を購入した人を対象に行ったインターネット調査では、つみたて投資枠を利用した「20代以下」1,072人の年間購入額は平均36.4万円でした。単純に12か月で割ると、月約3万300円です。

ただし、この数字には注意が必要です。

  • 調査対象は、2025年に実際に新NISAで商品を購入した人に限られる
  • 「20代以下」には18歳・19歳も含まれる
  • 毎月同額を積み立てたとは限らない
  • 年の途中で始めた人や、まとめて購入した人も含まれる
  • 平均値であり、中央値ではない
  • 年代別の人数をおおむねそろえたインターネット調査で、ネット系金融機関の利用者が実態より多い可能性がある

したがって、「20代の平均が約3万円だから、自分も3万円にすべき」とは判断できません。家賃の有無、奨学金の返済、収入の安定性、転職予定、結婚や住宅購入の時期によって、無理なく出せる金額は大きく変わります。

平均額は、調査対象者の利用状況を知る参考にはなります。しかし、20代全体の標準額や推奨額ではありません。自分の積立額は、家計と使う時期から決める必要があります。

※調査条件・数値は、日本証券業協会「新NISA開始後の利用動向に関する調査(調査結果概要)」(2026年2月公表)に基づきます。

20代の新NISA積立額は「3つのお金」に分けて決める

毎月いくら積み立てるかは、お金を使う時期で分けると判断しやすくなります。以下の「2年・10年」という区切りは、本記事で安全側に整理するための実務的な目安です。使う時期を動かせるか、値下がりに耐えられるかによって判断は変わります。

1.2年以内に使うお金は原則として投資しない

家賃、生活費、税金、保険料、旅行、引っ越し、車の購入など、2年以内に使う予定のお金は預貯金で確保します。

新NISAではいつでも商品を売却できますが、必要になった時点で価格が下がっている可能性があります。「売れること」と「必要な金額を確実に受け取れること」は同じではありません。

2.2年超~10年未満に使うお金は慎重に分ける

結婚、出産、住宅購入、大学院進学、独立・起業など、数年後に使う可能性があるお金は、すべてを値動きの大きい商品へ回さない方が安全です。

使う時期を延期できないお金は預貯金を中心にし、予定が変わっても困らない部分だけを投資候補にします。

3.10年以上使わないお金を新NISAの候補にする

老後資金や、使う時期を柔軟に変えられる将来資金は、新NISAと相性があります。20代は運用期間を長く取りやすいため、少額でも時間をかけて積み立てられます。

ただし、運用期間が長ければ必ず利益が出るわけではありません。長期投資は、短期の値動きに振り回されにくくするための考え方であり、元本保証ではありません。

生活・緊急予備資金を先に確保する

病気、失業、家電の故障、急な引っ越しなどに備える現金を、生活・緊急予備資金として分けておきます。

本記事における一般的な検討例は、収入が安定した会社員なら生活費の3~6か月分、個人事業主や収入変動が大きい人なら6~12か月分です。これは全員に共通する基準ではありません。家族から援助を受けられるか、勤務先の保障があるか、毎月の固定費がいくらかによって必要額は変わります。

この現金がほとんどない状態で投資額を増やすと、急な支出のたびに値下がり中の商品を売ることになりかねません。新NISAを始めることより、売らずに済む家計をつくる方が先です。

毎月の積立額を出す計算式

新NISAに回せる金額は、次の順番で考えます。

新NISAの積立候補額 = 手取り収入 - 毎月の生活費 - 近い将来に使う現金の積立 - 生活・緊急予備資金の積立 - 予備費

たとえば、毎月の手取りが22万円で、次のように使っているとします。

項目 金額
手取り収入 22万円
家賃・食費・通信費など 16万5,000円
引っ越しなど近い将来のための貯金 2万円
生活・緊急予備資金の積立 1万5,000円
毎月残しておく予備費 1万円
新NISAの積立候補額 1万円

この場合、月1万円から始めると、近い将来の予定や急な支出を守りながら投資できます。給与が増えた、生活・緊急予備資金が目標に達した、固定費を減らせたときに増額を検討します。

毎月の収支が赤字になる金額や、クレジットカードの支払いを翌月へ回さなければ続けられない金額は、積立候補額ではありません。

月5,000円・1万円・3万円・5万円はどんな人に合う?

月5,000円:投資を経験しながら現金を優先したい人

月5,000円は、家計への負担を抑えながら投資に慣れたい人に向いています。貯金が少ない新社会人、収入が毎月変わる人、投資の値動きに不安がある人の開始額の一例です。

少額でも、口座を開き、自動積立を設定し、値下がりを経験することで、自分がどの程度の変動に耐えられるかを確認できます。

月1万円:現金貯蓄と投資を両立しやすい金額

月1万円は、初めての積立額として考えやすい水準です。年間では12万円なので、つみたて投資枠の上限を気にする必要はありません。

「貯金も増やしたいが、長期投資も始めたい」という人は、余剰資金の全額を新NISAへ入れず、現金と投資へ分ける方法があります。

月3万円:家計に継続的な余裕がある人

月3万円なら年間36万円です。2025年の調査における20代以下の平均年間購入額36.4万円に近い金額ですが、平均に合わせる必要はありません。

月3万円を選ぶ前に、年間36万円を投資しても、引っ越しや転職、結婚などの資金が不足しないかを確認します。ボーナスがなければ続かない金額より、毎月の給与だけで無理なく出せる金額の方が管理しやすくなります。

月5万円:長期目標と家計の余裕が明確な人

月5万円なら年間60万円で、30年間の元本は1,800万円です。売却による枠の再利用をしなければ、30年で新NISAの非課税保有限度額に達します。

20代だから急いで1,800万円を埋める必要はありません。月5万円を積み立てても、現金貯蓄、自己投資、健康、経験、家族との時間を削らないかまで確認することが大切です。

毎月5,000円・1万円・3万円・5万円を積み立てると将来いくらになる?

以下は、毎月末に一定額を積み立て、年率3%または5%で一定運用できたと仮定した単純試算です。実際の運用では価格が上下し、将来の利益は保証されません。投資信託の費用、物価上昇、為替変動なども結果に影響します。

30年間積み立てた場合

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毎月の積立額 元本 年率3%の試算 年率5%の試算
5,000円 180万円 約291万円 約416万円
1万円 360万円 約583万円 約832万円
3万円 1,080万円 約1,748万円 約2,497万円
5万円 1,800万円 約2,914万円 約4,161万円

40年間積み立てた場合

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毎月の積立額 元本 年率3%の試算 年率5%の試算
5,000円 240万円 約463万円 約763万円
1万円 480万円 約926万円 約1,526万円
3万円 1,440万円 約2,778万円 約4,578万円

月5万円を40年間積み立てると元本だけで2,400万円となり、売却による総枠の再利用を考えない場合は新NISAの非課税保有限度額1,800万円を超えるため、表から外しています。

月1万円でも、40年間続ければ元本は480万円です。年率3%の単純試算では約926万円になります。20代の強みは、高い金額を無理に出すことではなく、少額から長い期間を確保しやすい点にあります。

一方、将来額だけを見て積立額を増やすのは危険です。途中で生活費が足りなくなり、値下がり時に売却すれば、長期運用の前提が崩れます。

目標額から毎月の積立額を逆算する方法

「出せる金額」だけでなく、「何のために、いつまでに、いくら必要か」から逆算すると、積立額に意味が生まれます。

たとえば、30年後に1,000万円を目標にする場合、一定の年率で運用できたと仮定した毎月の積立額は次のようになります。

想定運用率 30年後に1,000万円を目指す毎月の積立額
年率0% 約2万7,800円
年率3% 約1万7,200円
年率5% 約1万2,000円

高い運用率を前提にすると、必要な積立額は小さく見えます。しかし、将来の利回りは確定できません。家計計画では低めの想定も確認し、運用が予定どおりでなくても生活や目標が破綻しないようにします。

目標額をすべて新NISAだけで用意する必要もありません。預貯金、勤務先の退職給付、企業年金、公的年金などを分けて考えます。

20代から新NISAを始めるメリット

少額でも運用期間を長く取りやすい

同じ目標額でも、準備期間が長いほど毎月の負担を抑えやすくなります。20代は、今の収入だけで積立額を固定せず、少額で始めて昇給や家計の変化に合わせて増やせます。

利益を非課税のまま再投資できる

投資信託の値上がり益や分配金などを非課税にできるため、課税口座よりも運用益を再投資しやすくなります。ただし、非課税になるのは利益であり、投資そのものの損失を防ぐ制度ではありません。

必要なときに売却できる

NISAの商品は必要に応じて売却できます。老後まで原則引き出せない制度とは異なり、資金の使い道を後から変更しやすい点は20代にとって使いやすい特徴です。

ただし、数年以内に必ず使うお金を投資してよい理由にはなりません。使う時期に値下がりしていれば、予定額を確保できないためです。

お金の管理を早く習慣化できる

毎月の収支を確認し、目的別に現金と投資を分ける習慣は、収入が増えた後にも役立ちます。20代で重要なのは、最初から大きな金額を入れることより、家計を崩さず続ける仕組みをつくることです。

20代は新NISAより優先した方がよいこともある

高金利の借り入れを返す

リボ払いやカードローンなど、金利の高い借り入れがある場合は、投資より返済を優先した方が家計を改善しやすいケースがあります。投資の利益は不確実ですが、借入金の利息は契約に沿って発生するためです。

奨学金や住宅ローンのように金利が比較的低い借り入れは、繰上返済、現金確保、投資のどれを優先するかが人によって異なります。金利だけでなく、返済期間と手元資金も確認します。

生活・緊急予備資金をつくる

急な出費に耐えられる現金がないと、投資を長く続けにくくなります。毎月3万円を投資するより、月1万円を投資しながら月2万円を現金で貯める方が、その人の家計には合う場合があります。

仕事や健康への支出を削らない

20代では、資格取得、学習、転職準備、健康維持、住環境の改善などが、将来の収入や生活の安定につながることがあります。

新NISAへ多く入れるために、必要な自己投資や経験を一律に削る必要はありません。金融資産だけでなく、将来の稼ぐ力と生活の質も家計の一部です。

20代が新NISAで選ぶ商品の考え方

新NISAは商品名ではなく、利益を非課税にするための口座です。運用結果は、口座ではなく中で買う商品によって変わります。

投資初心者は、まず「つみたて投資枠」の対象商品から検討すると選択肢を絞りやすくなります。

投資先が幅広く分散されているか

1つの国、業種、テーマだけに集中する商品は、その対象が不調になったときの影響を大きく受けます。世界各国の株式へ幅広く投資するインデックスファンドや、株式と債券などを組み合わせるバランスファンドは、1商品でも分散しやすい選択肢です。

複数の商品を買えば必ず分散できるわけではありません。中身が似た商品を何本も持つと、管理が複雑になるだけで、投資先はほとんど変わらないことがあります。

保有中にかかる費用を確認する

投資信託では、保有中に信託報酬などの費用がかかります。信託報酬は、投資信託を管理・運用するために資産から継続的に差し引かれる費用です。

同じような投資対象と運用方法の商品を比べる場合、費用の低さは確認したい項目です。ただし、費用だけで選ばず、投資先、値動き、運用方針も合わせて確認します。

値下がりしたときに続けられるか

株式の比率が高い商品は、長期的な成長を期待できる一方、短期間で大きく値下がりする可能性があります。

「100万円が一時的に70万円になっても、生活に困らず積立を続けられるか」と考えると、自分の値下がりへの耐性を確認しやすくなります。難しいと感じる場合は、投資額を減らすか、値動きを抑えた資産を含む商品を検討します。

過去の上昇率だけで決めない

直近で大きく値上がりした国、業種、テーマが、今後も同じように上がるとは限りません。SNSの人気ランキングや短期の成績だけで商品を選ぶと、価格が上がった後に集中投資することがあります。

長期で持つ理由を説明できない商品は、急いで買わない方がよいでしょう。

20代が新NISAを始める手順

1.目的と使う時期を決める

「老後のため」「将来の選択肢を増やすため」など、使う目的とおおよその時期を決めます。数年以内に使うお金なら、投資より預貯金が適しています。

2.生活・緊急予備資金と毎月の積立上限を出す

毎月の手取り、生活費、近い将来の支出、必要な現金を確認し、新NISAに回してもよい上限を計算します。

3.金融機関を選ぶ

取扱商品、投資信託の費用、積立方法、入出金のしやすさ、画面の使いやすさ、相談窓口などを比べます。NISA口座は1人1口座ですが、金融機関は年単位で変更できます。変更には手続期限があり、その年にすでにNISAで買付けている場合は、原則として翌年分からの変更になります。

4.つみたて投資枠の商品を選ぶ

初心者は、投資先が幅広く分散され、保有中の費用を確認しやすい商品から比較します。商品数を増やすことより、何に投資する商品なのかを理解する方が重要です。

5.給与日の直後に自動積立を設定する

余ったら投資する方法ではなく、生活を圧迫しない金額を先に自動設定すると続けやすくなります。ただし、口座残高が不足する設定は避けます。

6.半年から1年に一度を目安に見直す

毎日の値動きだけで積立額や商品を変える必要はありません。半年から1年に一度を目安に、家計、目標、運用期間、商品の中身に変化がないかを確認します。

積立額を増やすタイミング

次の条件が整ったら、月5,000円や1万円ずつ増額を検討できます。

  • 生活・緊急予備資金が目標額に達した
  • 昇給後も数か月間、家計に余裕が続いた
  • 家賃や通信費などの固定費を下げられた
  • 数年以内に使う予定のお金を別に確保できた
  • 目標額と期限から逆算し、増額の必要性を確認できた

昇給額の全額をすぐ投資する必要はありません。現金貯蓄、生活の改善、自己投資にも分けたうえで、無理のない部分を増やします。

積立額を減らす・止めるタイミング

次の状況では、積立額を下げるか、一時停止する判断が合理的です。

  • 収入が減った、または雇用が不安定になった
  • 生活・緊急予備資金を取り崩した
  • 引っ越し、結婚、出産、住宅購入などが近づいた
  • 借り入れが増えた
  • 投資額が気になり、生活や睡眠に影響している

減額や停止は失敗ではありません。家計を立て直したあとに再開できます。相場の下落だけを理由に反射的に止めるのではなく、自分の生活条件や許容できるリスクが変わったかどうかで判断します。

20代が新NISAで避けたい失敗

投資枠を使い切ることを目標にする

年間投資枠120万円や非課税保有限度額1,800万円は上限です。使わなかった枠を見て焦る必要はありません。生活資金を削って枠を埋めると、制度を使うこと自体が目的になります。

近い将来に使うお金まで投資する

引っ越し代や結婚資金などを投資すると、必要な時期の値下がりに対応できません。使う時期を動かせないお金は、値動きのない預貯金を中心にします。

借りたお金で投資する

借入金には返済期限と利息がありますが、投資の利益は保証されません。借り入れによる投資は、値下がりと返済が同時に重なるおそれがあります。

下落時に怖くなって全て売る

値下がりは投資中に起こり得ます。下落時に生活費が必要にならないよう現金を確保し、投資額を無理のない範囲にすることが、売り急ぎを防ぐ対策になります。

商品を増やしすぎる

似た投資信託を何本も買うと、何にどれだけ投資しているか分かりにくくなります。最初は、内容を説明できる分散型の商品を1本選ぶ方法でも構いません。

短期の成績で商品を乗り換え続ける

上がった商品へ乗り換え、下がると売る行動を繰り返すと、高値で買って安値で売る結果になりかねません。商品を変えるのは、投資目的、許容できる値動き、運用方針が変わったときです。

新NISAの注意点

新NISAには税制上の利点がありますが、次の点を理解しておく必要があります。

  • 元本保証ではなく、損失が出ることがある
  • NISA口座の損失は、課税口座の利益と損益通算できない
  • NISA口座の損失を翌年以降へ繰越控除できない
  • 売却時の価格によっては、必要額を受け取れない
  • 投資信託には保有中の費用がかかる
  • 外国資産へ投資する商品は、為替変動の影響を受けることがある

「非課税だから安全」ではありません。税金がかからないことと、価格が下がらないことは別です。

※損益通算・繰越控除の取扱いは、国税庁「No.1535 NISA制度」(2026年8月5日確認)に基づきます。

20代の新NISAに関するよくある質問

20代で月1万円の積立は少なすぎますか?

少なすぎるとはいえません。月1万円を40年間積み立てると元本は480万円です。年率3%で一定運用できた単純試算では約926万円になります。

金額を大きくして途中で止めるより、生活に無理のない額を長く続ける方が計画を立てやすくなります。

20代なら月3万円が平均ですか?

2025年に新NISAのつみたて投資枠を利用した20代以下の年間購入額は平均36.4万円で、12か月で単純に割ると月約3万円です。

ただし、毎月積立だけの平均ではなく、開始時期や購入方法も異なります。自分の目標額ではなく、参考情報として扱ってください。

月5万円は多すぎますか?

必要な現金を確保したあとも毎月5万円の余裕が安定して残り、10年以上使わない資金であれば、必ずしも多すぎるとはいえません。

一方、月5万円を30年間積み立てると元本は1,800万円です。新NISAの総枠を急いで使い切る必要があるか、近い将来の支出を圧迫しないかを確認します。

貯金が少なくても新NISAを始めるべきですか?

生活・緊急予備資金がほとんどない場合は、貯金を優先する判断が合理的です。投資を経験したい場合も、月500円や1,000円など金融機関が設定できる少額から始め、現金確保を優先する方法があります。

最低積立額は金融機関や商品によって異なります。

20代は成長投資枠も使うべきですか?

必ず使う必要はありません。つみたて投資枠だけでも、長期・積立・分散投資を進められます。

個別株や値動きの大きい商品を買うために成長投資枠を使う場合は、商品特有のリスクを理解し、資産全体の一部に抑えるなどの管理が必要です。

相場が下がるまで待った方がよいですか?

相場の底を事前に判断することは困難です。10年以上使わないお金で、無理のない定額積立を始めるなら、短期の価格予想を続けるより、家計条件が整った時点で仕組みをつくる考え方があります。

ただし、生活・緊急予備資金がない状態なら、相場に関係なく現金の確保を優先します。

NISAの商品はいつでも引き出せますか?

商品はいつでも売却できます。ただし、売却代金はその時点の価格で決まり、元本を下回る可能性があります。

売却した商品の取得金額分の非課税保有限度額は、翌年以降に再利用できます。売却した年の年間投資枠が、その場で戻るわけではありません。

まとめ:20代の新NISAは、少額から始めて家計に合わせて育てる

20代の新NISAで毎月いくら積み立てるかは、平均額や制度上限ではなく、使う時期と家計から決めます。

判断の順番は次のとおりです。

  1. 2年以内に使うお金を預貯金で確保する
  2. 生活・緊急予備資金をつくる
  3. 2年超~10年未満の予定資金を分ける
  4. 10年以上使わないお金から積立額を決める
  5. 月5,000円や1万円など、続けられる額で始める
  6. 家計が整ったら、5,000円や1万円ずつ増やす

月0円から現金を優先することも、月1万円から経験を積むことも、家計に合っていれば合理的です。20代の強みは、最初から大きな金額を出せることではありません。生活を守りながら、長い期間を使って積立額を調整できることです。

参考文献・出典

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本文で確認した事項 出典 公表・確認時点
NISAの非課税対象、年間投資枠、非課税保有限度額、売却後の総枠再利用、口座数 金融庁「NISAを知る」 2026年8月5日確認
旧つみたてNISAの非課税期間、新制度との別枠管理 金融庁「2023年までのNISA」 2026年8月5日確認
家計管理、長期・積立・分散投資、元本割れの可能性 金融庁「資産形成の基本」 2026年8月5日確認
20代以下のつみたて投資枠における2025年の平均購入額36.4万円、調査条件 日本証券業協会「新NISA開始後の利用動向に関する調査(調査結果概要)」 2026年2月公表
NISA口座の損失に関する損益通算・繰越控除の不可 国税庁「No.1535 NISA制度」 2026年8月5日確認
積立試算の計算方法の照合 金融庁「つみたてシミュレーター」 2026年8月5日確認

試算条件

  • 毎月末に同額を積み立てるものとして計算
  • 複利計算式:毎月積立額 × {(1+年率÷12)の積立月数乗-1}÷(年率÷12)
  • 金額は1万円単位または100円単位で四捨五入
  • 将来の運用成果を保証するものではない
  • 投資信託の費用、物価上昇、税制・制度変更、為替変動は個別に反映していない

この記事を書いた人

NISAメディア編集部は、新NISA制度を「最大限に活かす」ための実践知をお届けしています。野村證券出身者・金融機関出身者を中心としたメンバーが、統計データと市場データを読み解きながら、新NISAのおすすめ口座新NISAのおすすめ銘柄新NISAの相談先などの情報を提供。運営元であるアドバイザーナビ株式会社は、資産運用アドバイザーを紹介するプラットフォーム「資産運用ナビ」を展開しており、読者が信頼できる専門家にスムーズに相談できるプラットフォームづくりをしている。