新NISA・つみたてNISAの相談はどこにするべき?おすすめの相談先と選び方のポイントまで徹底解説

この記事で解決できるお悩み

2024年にNISA制度は大きく生まれ変わった。

より柔軟な運用が可能になった一方で、新NISAへの理解や最適な投資方法の選択に不安を感じている方も多いのではないだろうか。

新NISAを効果的に活用するには、制度の仕組みを深く理解した上で、自分に合った投資戦略を立てる必要がある。

運用初心者にとって、決して簡単なことではないだろう。そこで注目したいのが、投資の専門家への相談だ。

制度開始からまだ日が浅い新NISAだからこそ、豊富な投資経験を持つプロフェッショナルの知見が欠かせない。

専門家のサポートを受ければ、知識不足や手続きの不安を解消し、自信を持って投資を始められる。

この記事では、NISAの第一歩となる相談先の選び方のコツと、最適な相談先を紹介する。

平 行秀

監修者: 平 行秀

証券アナリスト/代表取締役
アドバイザーナビ株式会社

新卒で野村證券に入社し、富裕層1000人以上の資産運用コンサルを担当。2019年に弊社創業し、投資家とアドバイザーをつなぐマッチングプラットフォームを運営。公益社団法人 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)。

目次

おすすめのNISAの相談先3選とそれぞれのメリット・注意点

NISA相談に適切な先として、銀行・証券会社・IFAの3つを挙げる。

それぞれの特徴は以下の通りだ。

スクロールできます
相談のしやすさ知識や専門性提案の幅広さ中立性長期的なサポート
銀行
身近で使いやすい

一定あり

投資信託・債券のみ

系列企業の商品が多い

数年で転勤あり
証券会社
やや敷居が高い

豊富

幅広い

自社や系列企業の
商品が多い

数年で転勤あり
IFA
相談者の知識や投資経験に応じて対応可能

さまざまな分野に
特化した担当者

証券会社をまたいだ
提案が可能

独立の立場で
顧客目線の提案

担当者変更がない
長期サポート

どの相談先もそれぞれ特徴があり、自身のニーズを明確にしながら最適な相談先を選ぶことが重要だ。

各相談先の詳しい内容をみていこう。

銀行での新NISA相談

長年にわたり金融インフラの中心として機能してきた銀行にも、NISAの仕組みを熟知し資産運用のアドバイスを行う専門の担当者が在籍している。

銀行のNISA相談では、主に投資信託と債券を組み合わせ、顧客のライフプランやリスク許容度に応じた提案を行っている。

大きな特徴は、全国各地に支店を持ち、対面での相談が可能である点だ。

多くの顧客にとって馴染み深い存在であり、投資初心者でも気軽に足を運びやすい。

また、既存の預金口座があれば、資産の把握がしやすく運用プランを立てやすいだろう。

NISAだけではなく、住宅ローンや遺言信託など、総合的な金融サービスを一括して提供できる点も特徴的だ。

ただし、NISAを利用できる取扱商品は投資信託が中心となり、株式取引は行っていない。

また、系列会社の商品を優先的に提案する傾向があるため、商品のリスク・リターンや手数料については、慎重な確認が必要である。

証券アナリスト 平行秀

口座情報と一体化した相談ができる銀行なら、資金全体のバランスを踏まえた提案を受けやすいでしょう。ただし、提案商品が偏る場合もあるので、適宜複数の情報源を比較検討しましょう。

銀行への相談が向いている人
  • 対面での丁寧な説明を希望し、安心感を重視する人
  • 複雑な投資商品は避け、シンプルな資産運用を目指したい人
  • 購入したい金融商品がある程度絞られている人

証券会社での新NISA相談

証券会社は、資産運用のプロフェッショナルが集う金融機関として、長年の実績とノウハウを持つ。

次々と変化する市場環境に向き合い続けてきた経験から、運用に関する専門知識が豊富で、質の高い投資情報を提供している。

近年は従来の対面型証券会社に加え、手数料の安さや利便性を強みとするネット証券も見逃せない。

最大の強みは、株式を含む幅広い金融商品を取り扱い、商品特徴を把握している点である。

特に自社開発の投資商品については、他社にない詳細な情報提供が可能だ。

一方で、商品の選択肢が多すぎるがゆえに、適切な投資対象を選定するのに時間がかかる可能性もある。

投資初心者にとってはあふれる情報の中から、最適なものを選び抜くことが負担になることも否めない。

さらに、対面の証券会社には担当者の定期的な異動があり、長期の関係構築が難しい。

ネット証券は取引の手軽さが魅力だが、個別相談の体制は限定的である。

証券アナリスト 平行秀

証券会社は情報量が豊富な分、取捨選択の難しさもあります。初心者の方は、何を達成したいかを明確にし、その目的に沿った提案を受けられるようにすると、混乱を防げます。
事前準備が満足度を大きく左右します。

証券会社への相談が向いている人
  • 株式を含む多様な投資商品を幅広く検討したい人
  • 専門的な投資知識を身につけながら運用したい人
  • 大手金融機関の信頼性を重視する人

おすすめの新NISA口座はこちら

IFAへの新NISA相談

IFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)は、特定の金融機関に属さない投資運用のプロフェッショナルである。

多くは銀行や証券会社での経験を持ち、その知見を活かして個別最適な資産運用のアドバイスを行っている。

欧米では医師や弁護士と同等の専門家として広く認知され、個人の資産形成に不可欠な存在だ。

特徴的なのは、特定の金融機関に縛られない中立的な立場である点である。

販売ノルマなどのしがらみがないため、顧客のニーズに真摯に向き合った提案が叶う。

また、金融商品仲介業者として登録をしていることから、投資アドバイスだけでなく、証券取引や投資信託の売買手続きまでワンストップで対応できる。

さらに、担当者の異動がないため、長期的な資産形成において一貫したサポートを受けられる点も魅力である。

一方で、IFAの業務範囲や投資スタンス、得意分野は多岐にわたり、最適な相談相手を見極めるのは難しい。

また、日本ではまだ認知度が低く、信頼できる担当者の情報収集には時間がかかる可能性がある。

選定の際は、技術面だけでなく人柄や信頼性も含めた総合的な判断が必要となる。

証券アナリスト 平行秀

IFAは自由度が高い反面、担当者によって提案の質やスタンスが大きく異なります。複数のIFAと面談し、自分の価値観や将来像に共感してくれる人を選ぶことで、より納得のいく資産運用のパートナーと出会える可能性が高まります。

IFAへの相談が向いている人
  • オーダーメイドの投資プランを求める人
  • 同じ担当者との長期的な関係構築を希望する人
  • 相談から運用まで一貫したサポートを必要とする人バイスしてもらうことをおすすめする。

新NISA・つみたてNISAの相談先はどう選ぶ?

まずは、新NISA・つみたてNISAの相談先の選び方について5つのチェックすべきポイントを見ていこう。

初心者でも相談しやすいか

NISAは仕組みが複雑だ。制度改定もあったことで、最新のルールを基に運用を検討しなければならない。

初心者が新NISAの相談をする場合、分かりやすさや相談のしやすさが重要だ。

まずは、相談先が初心者にも理解できる言葉で説明できているかに注目する。

見極めるためには、積極的に質問をすることが欠かせない。

簡単な質問について真摯に対応してくれるかも重視し、相手がどんな受け答えをするのか確認しよう。

分かりやすさだけではなく、振る舞いや話し方に好感が持てるかどうかも信頼関係を築くうえで重要だ。

担当者とは、しっかりとコミュニケーションが取れ、悩みや不安を打ち明けられるのが望ましい。

証券アナリスト 平行秀

相談相手との相性は信頼関係の構築に直結します。特に投資初心者の場合、分かりやすい説明や丁寧な対応があるだけで、安心感が生まれるものです。最初の対話の印象は軽視できません。

運用中、相場が大きく動き価格が乱高下する局面に見舞われることもある。

市場が不安定な時に、気軽に頼れる担当者でないと、成果を好転させる機会を逃してしまいかねない。

また、担当者の運用スタイルと自身の投資の希望が合致しているかも大切だ。

担当者のなかにも、積極的な運用が得意な者、安定を重視する者と多種多様なタイプがいる。

初心者向けの運用を得意としていなければ、リスクをとったポートフォリオや運用手法など提案された投資プランにズレが生まれる。

できれば、依頼前に、投資への考え方も確認しておきたい。とはいっても、なかなか見極めは難しいだろう。

ならば最低限、目の前の専門家がきちんと自分に向き合って対話をしてくれるかどうかを見分けられるようにしておこう。

相談先の専門性や経歴は十分か

投資のプロとして十分な知識を持ち合わせていることも選定基準として不可欠だ。

経歴や専門領域、資格をあらかじめ確認し、相談ニーズに合った最適な担当者を見つけたい。

まず、経歴を見ることで、担当者の実務の長さや実績が分かる。

長年の業務に携わっている担当者ほど、あらゆる市場環境を経験しており、深みのあるノウハウの提供が期待できるだろう。

「過去の相談数」や「実績数」はできれば把握しておきたい。次に、専門領域の確認が欠かせない。

お金の相談と一口に行っても、範囲は、投資、不動産、保険、相続など多岐にわたる。

対応可能と謳っていても、プロの中にも得意・不得意の濃淡がある。

担当者の得意とする領域と相談したい内容が合っているか検討し、質の良いアドバイスを受けられるようにしたい。

得意領域を判断する方法の1つとして、保有している資格を確認するのも良い。

例えば、証券アナリストや、FP1級、CFP、宅建、税理士などの資格を保有していれば、一定の専門性が担保される。

提案の選択肢の幅は広いか

扱える商品種類が多様であれば、自分に合った商品が見つかる可能性が高まる。

証券会社や資産種類の枠にとらわれない、多種多様な運用プランを構築できるのが理想だ。

提案の幅広さは、実際に一度相談してみることで明確になる。

優秀な担当者であれば、多様な商品を提案可能であるし、なぜこれを選んだのかもはっきりと説明できる。

不明点や希望はしっかり伝え、ニーズにあった対応ができるかどうかも見極めのポイントとなる。

さらに重要なのは、提案した内容のデメリットや注意点をしっかりと説明できているかどうかだ。

勧められた内容にデメリットはないのか質問し、悪い部分や注意点もきちんと伝えられるかみておこう。

他にも、多様な専門家の人脈を持っているというのもポイントである。

始めは資産運用だけの相談のつもりでも、複数の相談事が生じ、専門的な手続きが必要になることがある。

資産運用だけではなく、税理士や弁護士などと連携できる担当者も心強い。

自分にあう商品を中立的な立場で提案してくれるか

近年、金融機関による顧客本位の業務運営が求められているものの、実際には会社のノルマや方針を優先した営業活動が行われているケースも少なくない。

相談先を選ぶ際には、「中立的」を謳う金融機関やアドバイザーであっても、実際の提案内容は、自社の商品に限られている場合がある。

表面的な「中立性」にとらわれず、具体的な提案内容や対応を精査することが重要だ。

証券アナリスト 平行秀

本当に中立的な提案を見極めるには、「提案された商品以外の選択肢についても説明してくれるか」を確認と良いでしょう。複数の商品を比較した上で、メリット・デメリットを丁寧に説明してくれるアドバイザーは信頼に値します。

信頼できる相談先の特徴は、顧客一人ひとりのニーズや目的に合わせて、特定の会社や商品に偏ることなく、幅広い選択肢の中から商品を提案できることである。

その際、提案の根拠を明確に説明し、「なぜこの商品が適しているのか」を論理的に解説できることが望ましい。

一方で、顧客のニーズを十分に理解しようとせず、アドバイザー自身の考えを一方的に押し付けるようなアプローチには警戒が必要である。

メディアでも指摘されているように、営業成績を重視するあまり、顧客の利益を軽視する事例も報告されている。

そのため、相談先を正式に決める前に、複数の相談先と面談し、その対応や提案内容を比較検討するのがおすすめだ。

特に、顧客の立場に立って投資プランを策定し、長期的な資産形成をサポートする姿勢があるかどうかを見極めることが、適切な相談先選びの決め手となる。

長期的なサポートが受けられるか

相談先選びで見落としがちなポイントが、長期的なサポート体制の確認だ。

新NISAは長期の資産形成を目的とした制度であり、一度の相談で終わるものではない。

そのため、同一の担当者から継続的なサポートが受けられるかどうかは、大切な判断基準となる。

資産運用を成功に導くためには、ライフステージや市場環境の変動に応じて、適切なアドバイスを受けられる体制が不可欠である。

その時々に合わせて投資プランを柔軟に調整する必要があり、そのためには相談先との安定した関係性が欠かせない。

証券アナリスト 平行秀

資産運用は一度の判断で完結するものではなく、人生や相場の変化に応じて調整していくものです。相談先が将来にわたって伴走してくれる存在かどうかは、安定した資産形成における鍵となります。

具体的には、担当者の異動有無や引継ぎ体制、フォローアップの仕組みなどについて、事前に確認しておくことが望ましい。

これらの仕組みが整っていない場合、長期の資産形成に支障をきたす可能性がある。

資産運用は短期的な成果を追求するものではなく、長期的な視点で取り組むべき課題だ。

そのため、相談先には単なる商品提案だけでなく、資産運用のパートナーとして長期間にわたって一貫したサポートを提供できる能力が求められる。

結婚や子育て、転職・退職といったライフイベントを考慮した、総合的な相談を受け付ける親身な相談先であれば、非常に信頼できると言えるだろう。

初回相談の時点から、長期的な関係を構築できそうかどうか意識し、担当者との相性や信頼関係を慎重に見極めることが、将来の安定した資産形成につながる。

この相談先はNG!NISAの相談は避けるべき先とは

NISAの相談先として、適切とは言えない先もある。

ここで紹介する相談先は資産運用以外の専門性を持っており、投資ニーズをカバーしきれない懸念がある。

詳しく見ていこう。

保険会社

保険会社はケガや病気の保障など、万が一の備えを主体とした商品の扱いに特化している。

変額保険や外貨建て保険など、資産運用の機能を持つ商品も一部提供しているが、あくまでも保険商品のひとつであり、純粋な投資商品とは性質が大きく異なる。

保険機能と投資機能を組み合わせた商品は、一般的に手数料が高額になる傾向があり、投資の観点からは必ずしも効率的とは言えないケースも多い。

そもそも新NISAの相談先として保険会社が適切でない最大の理由は、NISAの口座開設は保険会社では行えない点にある。

保険商品も新NISAの対象となっていない。

また、保険会社の営業担当者は保険商品についての専門知識は豊富だが、金融市場全般への理解や資産運用に関する専門性は、銀行や証券会社の担当者と比較して十分とは言えない場合が多い。

市場動向の分析や投資戦略の構築といった、資産運用に不可欠なアドバイスを期待することは難しい。

証券アナリスト 平行秀

保険には保険の良さがありますが、投資を目的とする場合は“目的に応じた手段を選ぶ”ことが大切です。資産形成の効率性や選択肢の広さを求めるなら、投資に特化した窓口を選ぶ方が有利です。

保険代理店

保険代理店は、保険会社から委託を受けて保険契約の販売や専門的なサポートを提供している。

しかし、NISAなどの投資相談先としては、十分ではない。

大きな問題点は、提案できる商品が保険商品に限定されてしまうことだ。(ただし、金融商品仲介業等を兼務している場合は除く。)

顧客が抱える資産形成の課題に対して、保険商品での解決を優先的に提案する傾向が強い。

たとえば、老後資金や教育資金の準備といった長期的な資産形成ニーズに対しても、保険商品での対応を推奨せざるを得ないといった事情がある。

しかし、保険は本来、予期せぬリスクに対する経済的損失を補填するための商品であり、資産形成を主目的とした商品ではない。

保険代理店では株式や投資信託など、一般的な金融商品を取り扱っていないケースがほとんどである。

結果として提案できる運用方法が制限され、分散投資の観点からも十分な提案を受けることが難しい。

資産形成の目的や期間、リスク許容度に応じた柔軟な運用戦略を構築することができず、結果として効率的な資産形成の妨げとなる可能性が高い。

FP(ファイナンシャルプランナー)

FP(ファイナンシャル・プランナー)は、個人の資産形成を総合的に支援する専門家として知られている。

家計の見直しや住宅ローン、税制、相続など、幅広い分野での知識を持ち、顧客のライフプランに応じた資金計画を提案している。

しかし、NISAなどの投資相談先としては、いくつか制約がある。

まず、多くのFPが金融商品の販売や仲介を行う資格を持っていない。

具体的な資産運用の商品の提案や取り扱いは、証券外務員資格を有し、金融商品取引業者または金融商品仲介業者としての登録がない限り関与できない。

また、FPの専門分野は個人によって大きく異なる。

資産設計や保険商品に特化したFPの場合、投資や金融市場に関する専門知識が十分でないケースも少なくない。

そのため、NISAに関する相談をしても一般的な説明に留まり、相場の傾向を踏まえた具体的な戦略や商品選択のアドバイスを得ることは難しい。

さらに、投資相談を行える体制が整っていたとしても、実際の取引は別の金融機関で行う必要があり、相談から実行までの一貫したサポートを受けられない。

証券アナリスト 平行秀

FPは幅広い知識を持つ一方で、具体的な投資商品の提案には限界もあります。資産運用の実行段階までしっかりサポートを受けたいなら、IFAや証券会社など実務対応が可能な相談先を選びましょう。

NISAを相談する時の5つのポイント

相談先選びと同時に欠かせないのが、相談前の下準備だ。

相談者側の準備があらかじめ整っていれば、担当者はニーズに合わせた最適なプランを提案しやすく、運用効果が大きく高まる。

次の5つのコツを掴み、相談のメリットを100%活かせるようにしてほしい。

事前にNISAの概要は理解しておく

相談の前に新NISAの基本事項を自身で理解しておくと、スムーズだ。

どこまで分かっていて、どこが理解しづらいかを把握しておくと質問もしやすい。

そのために、2024年から始まった新NISA制度の主な変更点を3つ押さえておこう。

  • 保有期間の無制限化
    非課税で運用できる期間の制限がなくなり、恒久的に保有できるようになった
  • 投資限度額の拡充
    年間投資枠と保有限度総額が大きくなり、より多くの資金を運用できるようになった
  • つみたて投資枠と成長投資枠の併用
    選択制だった成長投資枠とつみたて投資枠が、併せて利用可能となった

なお、成長投資枠とつみたて投資枠の違いは次の通りである。

成長投資枠つみたて投資枠
投資対象商品国内外の株式、
投資信託、ETF
分散投資と長期運用に適した
投資信託
年間投資枠240万円まで120万円まで
買付け方法積立・都度買付け積立のみ
非課税保有限度額合計1,800万円、成長投資枠のみ1200万円の内枠あり

新NISAは、保有期間や投資枠が拡大し、資産の成長をより後押しできるようになった。

特に、長く運用するほど、非課税の効果をより実感できる。

証券アナリスト 平行秀

事前に新NISAを理解しておくことで専門家との会話がかみ合いやすくなり、限られた相談時間を有効に活用できるはずです。
より具体的なアドバイスももらえるでしょう。

手数料体系を確認する

相談に関わる料金についても、あらかじめ確認をしておきたい。

事前に把握しておかないと、実際運用を始めた際に想定外の費用が発生しかねない。

手数料はたとえ数パーセントといったわずかな額でも、積み重ねれば大きなコストとなる。

アドバイザーを正式に依頼する前に、以下の費用について尋ねておくと良い。

  • 相談料はどの時点から発生するか
  • 料金体系(相談時間や資産額によるのか)
  • 成功報酬は別途必要か
  • 売買時の手数料はどのくらいか

アフターフォローや資産運用前の事前相談にも費用が発生するケースがあるため注意するべきだ。

「当然無料だろう」と思う内容であっても、念のため費用について聞いておこう。

手数料についてしっかり把握しておくことは大切だ。

しかし、初期費用や手数料の安さだけを重視し、相談先を探すのは最優先事項ではない。

「自分の理想とする投資」をイメージして実現できるのはどの相談先かを考えるのも大切である。

保有資産を正確に把握する

自分が実際にどのくらいの金額を投資に回せるのか、現在の資産状況についても整理しよう。

資産は「生活資金」「緊急資金」「余剰資金」の3つに分けて考えてほしい。

生活資金は、日々の生活費はもちろん、結婚資金や不動産購入の頭金、子どもの教育資金など、数年以内に必要となる費用も含める。

これらは、投資に回すべきではない資金となる。緊急資金は、突発的な出費や収入減に備えるための資金だ。

目安として、月収の4〜6か月分程度を準備しておくことが望ましい。

この2つの資金を確保した上で残ったものが、投資に向けられる余剰資金となる。

NISAは長期運用が基本となるため、途中で資金を取り崩すことのない金額を見極めることが重要だ。

相談時には、家計の収支状況や住宅ローンなどの利用状況をまとめておくと良い。

すでに金融商品を保有している場合は、取引残高報告書なども用意しておくと、より具体的なアドバイスを受けることができるだろう。

NISAを活用した投資の目的を明確にする

NISA相談を効果的に進めるには、投資の目的を明確にしておきたい。

漠然と「お金を増やしたい」といった目的では、最適な運用方法を見出すことは難しい。

運用の目的によって、選ぶべき金融商品や投資手法が大きく異なってくるからだ。

例えば、老後の生活資金を準備したい場合と、子どもの教育資金を用意したい場合では、目標金額や運用期間が異なり、おのずと取るべき投資戦略も変わってくる。

何のために資産形成をしたいのかが明確になれば、株式や投資信託、不動産など、どの投資手段が適しているかも、およそ見えてくる。

目的の明確化は、適切な相談先を選ぶ際の重要な判断材料にもなる。

事前に投資の目的をしっかりと固めておくことで、相談時により有意義な議論が可能となり、自分に最適な担当者を見つけ出せる可能性が高まるのだ。

リスク許容度にあわせた商品を選ぶ

投資を始める前に、「投資可能額はいくらまでか」「何パーセントまでの損失なら許容できるか」といったリスクに対する具体的な数値を自身で設定しておくことも望ましい。

新NISA制度では年間投資枠が拡大され、より多くの資産形成の機会に恵まれている。

しかし、投資枠が増えることで投資判断が甘くなるリスクもある。

「投資枠を使い切りたい」という思いから、自身のリスク許容度に合わない商品を選ぶ可能性も懸念される。

そのため、NISA口座での投資を始める前に、自身のリスクの受け入れ度合いを正しく把握しておくことが重要だ。

証券アナリスト 平行秀

リスク許容度は、自分の性格や生活状況と深く関わります。
資産額だけでなく、「下落時にどう感じるか」をイメージしておくことが、長期で安定した運用を継続する上での重要な土台になります。

また、NISAは、他の投資口座との損益通算ができないという特徴がある。

一般口座や特定口座では投資による利益と損失を相殺できるが、NISA口座で発生した損失はそのまま確定してしまう。

NISA投資の成功は、適切なリスク管理にかかっている。

投資枠をめいいっぱいを利用するよりも、自身の許容度に合った堅実な投資判断を優先すべきであることを、忘れてはならない。

新NISAで買うべきおすすめ銘柄はこちら

新NISA投資の相談先は「資産運用ナビ」で探せる

NISAの相談先について迷いがある方におすすめしたいのは、運用のプロを選べるツール「資産運用ナビ」だ。

この章では、NISA相談で活用してほしい先と、アドバイザーの探し方について解説する。

一番おすすめの相談先はIFA

新NISA・つみたてNISAの相談先として、銀行・証券会社・IFAの3つを紹介した。

その中でもおすすめなのは、資産形成の相談先として重要な要素を最も広く満たしているIFAである。

銀行は身近で相談しやすい反面、取扱商品に限りがあり、同一金融グループの商品に限定して扱っていることが多い。

証券会社は投資の専門家として豊富な知識を持つものの、担当者の異動により、長期的な関係構築が難しいというデメリットがある。

さらに、証券会社自体の販売方針が提案内容に影響与えることも否定できず、完全な中立性という点では課題が残る。

一方、IFAは特定の金融機関に属さない独立した立場からアドバイスが可能だ。

担当者の異動がないため、時間をかけて信頼関係を築きやすく、一貫した投資方針でのサポートが叶う。

平日夜間や休日の相談、自宅やオンラインでの面談など、顧客のライフスタイルに合わせた柔軟な対応も可能だ。

投資初心者にとって、信頼できる相談相手を見つけることは資産形成の第一歩である。

そのため、専門性と中立性を兼ね備え、長期的な伴走者となれるIFAは、NISAの相談先として最適な選択肢と言える。

IFA選びのポイントと探し方

銀行や証券会社での運用相談は、担当者を自由に選べないという大きな制約がある。

また、定期的な異動により、同じ担当から継続的なサポートを受けられない可能性が高い。

一方、IFAは投資家自身が担当者を選択でき、長期的な関係構築が可能だ。

しかし、IFAを選ぶ際は慎重な判断が欠かせない。

IFAはそれぞれ得意分野や主要な顧客層があり、相談ニーズがマッチしていなければ、適切なアドバイスを受けられない可能性がある。

例えば、初心者が資産数億円の富裕層に特化したIFAに依頼をしても、実践的な助言は得られにくい。

最適なIFAを選ぶには、自分と同じような資産背景の顧客を持つアドバイザーを探すことが大切だ。

多くのIFAは初回無料相談を実施しているため、実際に話して担当者の専門性や対応力を確認することが望ましい。

できれば複数のIFAと面談し、多くの情報や視点を得た上で、最適な相談相手を見つけたい。

しかし、個別に情報収集や比較検討を行うのは容易ではない。

そこで「資産運用ナビ」という効率的にIFA選びを進められる、専門サービスがある。

資産運用ナビについて

IFA検索サービス「資産運用ナビ」は、全国のIFAデータベースから、あなたの希望条件に合った担当者を無料で紹介している。

利用方法はシンプルで、専用フォームに希望条件を入力するだけだ。

資産状況や運用目的はもちろん、投資への考えを考慮した上で、最適なIFAを選定する。

紹介されたIFAはプロフィールが公開され、経歴や得意分野、主な顧客層など確認できる。気になれば、相談依頼をするという流れだ。

面談は、オンラインにも対応しているため、忙しい方でも自宅にいながら気軽に専門家のアドバイスを受けることが可能である。

紹介料・相談料は原則かからず、複数のIFAと初回面談を行っても費用は一切発生しない。

じっくりと時間をかけて相性を見極められるため、長期的なパートナーとして信頼できるIFAとの出会いが期待できるだろう。

新NISA・つみたてNISAを活用した資産形成を検討している方は、「資産運用ナビ」で無料相談を試してみてはいかがだろうか。

証券アナリスト 平行秀

中立性と継続的な支援がIFAの強みですが、得意分野や提案スタイルはそれぞれ異なります。「どんなサポートが受けられるか」「どんな姿勢で話をしてくれるか」に注目し、自分にとって信頼できる相手かを見極めましょう。

新NISAの相談は専門家と進めよう

新NISA・つみたてNISAを活用した資産形成は、専門家のサポートを受けることでより効果的な運用成果が期待できる。

投資に関する不安や悩みは1人で抱え込まず、プロの客観的なアドバイスを得て、最適な投資方針を見つけてほしい。

本記事では適切な相談先として、銀行・証券会社・IFAを紹介した。

3つの相談先には異なる特徴があり、投資家の状況や目的に応じて最適な選択肢は変わってくる。

その中でも長期的な資産形成を目指すNISAにおいては、中立的な立場で継続的なサポートが受けられるIFAを頼るのが有力な選択肢だ。

とはいえ、IFAならどの担当者でも良いというわけではない。

投資方針や相性など、様々な観点から自分に合ったアドバイザーを選ぶ必要がある。

資産形成は、長きにわたる挑戦である。

だからこそ、信頼できるパートナーとの出会いが欠かせない。

ぜひ「資産運用ナビ」であなたの資産形成を支えてくれる最適なアドバイザーを見つけ、着実な資産形成を実現してほしい。

新NISAの相談に関するQ&A

新NISAに関する相談はどこでできますか?

新NISAに関する相談は銀行や証券会社のアドバイザーやFP(ファイナンシャルプランナー)、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)などに相談ができる。

なかでもIFAへの相談がもっともおすすめだ。

IFAとの相談で期待できることは何ですか?また、新NISA投資において具体的にどのようなサービスを提供してくれますか?

IFAは自社で金融商品を取り扱っていないため、特定の商品を販売するようなノルマ・方針に縛られることがない。

中立な目線から見た本当に必要な商品の提案を期待できる相談先だ。

また、転勤制度なども設けられていないため、長期的にサポートしてもらえる点も大きな魅力である。

自分のことをよく知るアドバイザーが一貫した運用方針で運用を支え続けてくれる。

新NISAの運用戦略はどのように策定するべきですか?

新NISAにおいては「分散投資」「長期投資」の2点を踏まえた運用戦略を立てることが重要だ。

投資先を分散させることでリスクを分散し、運用期間を長く設定することで安定したリターンで効率的に運用できる。

また、新NISAには「非課税枠の再利用」というメリットがあるため、ライフプランやリスク許容度の変化に合わせた枠の再利用も戦略に取り入れておくと良い。

IFAなどの専門家にサポートしてもらいながら、自分に合った運用戦略を策定しよう。

新NISAで運用を始めるために必要な手続きを具体的に教えてください。

新NISAで運用を始めるためには、金融機関で新NISA口座を開設する必要がある。

口座開設先として人気の楽天証券で新NISA口座を開設する際の手順は以下の通りだ。

  • HPの「口座開設」ボタンから申込開始
  • メールアドレスに送信されたURLからスマホで本人確認
  • 審査が完了するとログイン情報を確認できるようになる
  • ログイン後に初期設定とマイナンバー登録を済ませる
  • 税務署での審査が完了すると新NISA口座の開設が完了する

新NISA口座の開設には通常の口座開設に税務署の審査が加わるため、開設完了までに2週間〜3週間程度を要する。

なるべく早く運用を開始したい場合は、なるべく早めに手続きを済ませよう。

新NISA投資におけるリスクについて詳しく知りたいです。

新NISA投資におけるリスクには、価格変動リスクと為替リスク、カントリーリスクがある。

価格変動リスクとは株価の変動によって資産が増減する不確実性、為替リスクは円と他国通貨の強弱関係によって資産が増減する不確実性、カントリーリスクは投資した国の法制度変更や情勢によって資産が増減する不確実性のことを指す。

日本株を購入している場合は価格変動リスクに注目するだけで良いが、海外の銘柄を保有する場合は為替リスクやカントリーリスクも考慮しなければならない。

新NISAで非課税枠を使い切るにはどれくらいの期間が必要ですか?

新NISAで非課税枠を使い切るには、最短でも5年(つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円)はかかる。

非課税枠を使い切るまでの期間をイメージできるように、年間投資額ごとに非課税枠を使い切るまでにかかる期間をシミュレーションしよう。

新NISAの非課税枠を使い切るべきか、もし迷っているならこちらの記事も参考にしてみてください。

年間投資額非課税枠を使い切るまでに
かかる期間
36万円50年
45万円40年
60万円30年
90万円20年
180万円10年
360万円5年

IFAを選ぶ際のポイントは何ですか?

資産運用のプロフェッショナルであるIFAは、人によって得意な分野が異なる。

そのため、IFAを選択する際は運用目的や投資対象、家族構成、年齢などの条件に見合ったIFAを選択しよう。

資産運用ナビ」であれば条件を入力することで、適したIFAを紹介してもらえる。

IFA選びに困っている人は、ぜひ一度活用してみてはどうだろうか。

新NISAの運用中、市場の大暴落などで予期せぬ事態が発生した場合はどのように対処すれば良いですか?

新NISAの運用開始後に市場の大暴落が発生すると、損失が大きくなるのが怖くて購入をストップする人もいるだろう。

しかし、長期を前提とした運用ではリーマンショックやコロナショックのような市場の大暴落時に購入することが非常に大切だ。

株価が下がっているタイミングで買い増すことによって、株式や投資信託を安く購入できるからだ。

運用中に大暴落が発生すると不安になる気持ちもわかるが、焦って商品を売却したり、購入をやめたりするのは避けよう。

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