MENU

退職後の持株会の自社株はどうする?売る・残すは資産の割合で決める

退職を前に、持株会で積み立ててきた勤務先の株を持ち続けるか売るか、迷ったことはありませんか?

たとえば、自社株が750万円あり、配当が毎年24万円入っているとします。売れば、その配当は入らなくなります。一方で持ち続ければ、会社の業績が悪くなったときに株価と配当が同時に下がってしまいます。

持ち続けるか売るかは、退職金も含めた資産全体のうち、自社株がどれくらいを占めるかで決めましょう。生活に使うお金まで自社株に頼っているなら、その分から減らしてください。

この記事では、自社株をどれだけ残すかの決め方を、資産に占める割合ごとのケースで紹介します。売る前に確かめておきたい税金や規制もまとめました。持株会の株をどうするか決める参考にしてください。

この記事でわかること
  • 持ち続けるか売るかは何で決める?
  • 配当が半分になると受け取りはいくら減る?
  • 自社株を売ると税金はいくらかかる?
  • 退職後すぐに元勤務先の株を売ってもよい?

※本記事の制度・税率・手続きは2026年9月時点のものです。持株会の規約や手続きの細かな扱いは、持株会ごとに異なります。

持株会以外の投資信託なども含めて見直したい方は、60代の保有資産の見直し方もあわせてご覧ください。

目次

退職後も持株会の株を持ち続けるか迷う理由

持ち続けるか売るかを決めるときに見るのは、株価の先行きではなく、自社株が資産全体のどれくらいを占めるかです。退職の前後に出てくる迷いも、多くはこの割合がわかると答えが出ます。

迷う理由ごとに確かめること

持株会の株について退職の前後に出てくる迷いと、それぞれ確かめることを表にまとめました。

スクロールできます
迷う理由確かめること
長く積み立ててきた株を手放すのはためらわれる退職金も含めた資産全体のうち、自社株がいくらを占めるか
配当が入らなくなるのは惜しい配当が減ったとき、毎年の受け取りがいくら減るか
いま売ったら損をしそう買ったときの値段(簿価単価)と、売ったときにかかる税金
持株会以外で投資したことがなく、売った後のことがわからない売った代金をどこに置くか、何年に分けて売るか
元勤務先の株をいつ売ってよいかわからない退職後1年以内の規制と、会社への申請が必要か

どの迷いも、株を持ち続けた場合と売った場合に、自分の老後のお金がどう変わるかがわかれば判断できます。その出発点が、自社株が資産全体に占める割合です。

【診断】自社株をどれだけ残すか確かめる

自社株の金額と資産全体の金額を幅で選ぶと、割合の目安と、持ち続ける・一部売る・分けて売るのどれに近いかがわかります。配当の使い方と投資の経験も合わせて、次にやることを表示します。

自社株をどれだけ残す?持ち方の目安診断

金額はおおよその幅で選んでください。選ぶと次の質問に進みます。自社株が資産に占める割合の目安と、持ち続ける・一部売る・分けて売るのどれに近いかがわかります。

Q1 持株会で積み立てた自社株は、いまの株価でいくらくらいですか

株数は退会(引出)精算書か、持株会の会員向けページで確かめられます。

何もしなければ株はそのまま持ち続けることになる

退職すると持株会は退会になり、積み立てた株は株のまま自分の証券口座に移ります。現金になるのは100株に満たない端数だけで、何もしなければ、大半の株をそのまま持ち続けることになります。

つまり、売るかどうかは誰かが決めてくれるものではありません。自分で決めなければ、一社の株に偏ったまま老後を迎えることになってしまいます。

ただ、振り替えの前に一つだけ、受け取る口座を特定口座にしておきましょう。一般口座のまま受け取ると、売ったときに自分で利益を計算し、確定申告をすることになってしまいます。

では、自社株は資産全体のどれくらいを占めているのでしょうか。

自社株が資産全体のどれくらいを占めるかを確かめる

最初に出したいのは、退職金や預金も含めた資産全体のうち、自社株が何割を占めているかです。必要な数字は株数・株価・1株あたりの配当で、どれも手元の書類から出せます。

株数と取得単価は退会(引出)精算書で確かめる

持株会を退会すると、振り替えた株数や精算金を記した「退会(引出)精算書」が届きます。株数と、1株あたりいくらで買ったかを示す「簿価単価」は、この書類で確かめましょう。

簿価単価は、売ったときの税金を計算するもとになる数字です。国税庁も、持株会で取得した株の取得費は、「投資等報告書」や「退会(引出)精算書」に記載された簿価単価をもとに計算してよいとしています。

書類が見当たらない場合は、持株会の事務を受託している証券会社の窓口に電話して、株数と簿価単価を聞きましょう。自分で探し回るより早く済みます。

年間の配当額を出す

在職中は、配当を受け取った実感があまりなかったかもしれません。持株会で持っている株の配当金は株の買い付けに回される(再投資される)ため、現金では受け取れないからです。

しかし、退職して株を自分の口座に移すと、配当金は現金で届くようになります。年間の配当は「株数×1株あたりの年間配当」で出せます。1株あたりの配当は、会社から届く配当金計算書か、会社のウェブサイトの株主還元のページで確かめてください。

現金で届く配当は、生活費の足しにしたくなるお金です。ただ、業績が悪くなれば、その配当は減ってしまいます。

退職金と預金を含めた資産全体で割合を出す

株数と株価から自社株の評価額を出したら、退職金、預金、投資信託などと合わせて、資産全体に占める割合を計算しましょう。以下は記入例です。

スクロールできます
項目金額の出し方記入例
自社株株数×いまの株価3,000株×2,500円=750万円
退職金受け取った(受け取る予定の)手取り額2,000万円
預金普通預金・定期預金の合計800万円
投資信託など取引残高報告書の評価額450万円
資産全体上の合計4,000万円
自社株の割合自社株÷資産全体約19%
年間の配当(税引前)株数×1株あたりの年間配当3,000株×80円=24万円

※ 金額はすべて例です。

自社株は毎月少しずつ買ってきたものなので、資産のごく一部だと感じている方も多いでしょう。しかし、配当の再投資で株数が増え、株価も上がっていれば、評価額は積み立てた金額を大きく上回ります。記入例でも、自社株だけで750万円になりました。

割合が出たら、その割合のまま老後を迎えると何が起きるのかが気になるところです。

自社株に偏ったまま老後を迎えると起きること

勤務先の業績が悪くなると、株価と配当が同時に下がってしまいます。しかも退職後は、減った分を給料で埋めることはできません。

業績が悪くなると株価と配当が同時に下がる

退職したのだから、元勤務先の業績と自分の生活はもう関係ない。そう考える方もいるでしょう。

ところが、株を持っている限り、業績の影響は受け続けます。業績が悪くなると株価が下がり、利益が減れば配当も減らされるか、ゼロになってしまいます。

大手企業でも例外ではありません。日産自動車の1株あたり年間配当は、2023年度が20円でしたが、2024年度と2025年度は2年続けて0円でした。

業績の悪化は、株をどれだけ長く持っているかとは関係なく起こります。愛着のある会社であっても、資産の多くを1社の株で持っていれば、その会社の業績しだいで老後の資産が大きく減ってしまうおそれがあります。

配当を生活費に使っていると収入が減る

配当を年金の足しにしている場合、減配になると、そのまま毎月の収入が減ってしまいます。前の表の記入例(3,000株)で見てみましょう。

スクロールできます
配当の状況1株あたり年間配当年間の受け取り(3,000株)月あたり
これまでどおり80円24万円2万円
半分に減配40円12万円1万円
無配0円0円0円

※ 金額は税引前の例です。配当には20.315%の税金がかかるため、24万円の場合の手取りは約19万円です。

配当が減るような業績のときは、株価も下がっていることが多くあります。同じ記入例で株価が3割下がると、自社株の評価額は750万円から525万円に減ってしまいます。受け取る配当と資産の額が、同じ時期にそろって減ってしまうわけです。

配当や投資信託の分配金で年金の不足分を補う方法については、分配金で年金を補うときの注意点で紹介しています。

退職後は給料で穴埋めできない

在職中であれば、株価が下がっても給料が入り、持株会で安く買い増すこともできました。一方、退職後の収入は、年金と資産の取り崩しが中心です。

そのため、自社株が下がったときは、手元の預金かほかの資産を取り崩して生活費を補うしかありません。自社株の割合が大きいほど、下がったときにほかの資産から補う額も大きくなってしまいます。

では、自社株はどれくらいまでなら持ち続けてよいのでしょうか。

自社株をどれだけ残すかは資産に占める割合で決める

自社株を持ち続けるかどうかは、資産に占める割合と、配当を生活費に使っているかどうかで決めましょう。「何割以下なら安全」という決まった線はありません。目安にしたいのは、生活に使うお金まで自社株に頼っていないかどうかです。以下の年齢と金額は例です。

資産の1割程度なら持ち続けてよい

64歳、資産全体が4,000万円で、そのうち自社株が400万円(1,600株)のケースです。生活費は年金と預金でまかなえていて、配当は使わずに貯めています。

この場合は、持ち続けても生活は大きく変わりません。仮に株価が3割下がっても評価額の減少は120万円で、資産全体から見ると3%です。配当が止まっても、生活費は変わりません。

ただし、持ち続けると決めた後も、年に1回は割合を確かめましょう。株価が上がって割合が増えていれば、増えた分を売って元の割合に戻す方法もあります。

資産の3割程度なら半分を売って配当は残す

63歳、資産全体が5,000万円で、そのうち自社株が1,500万円(6,000株)のケースです。年間48万円の配当を、年金の足しとして生活費に使っています。

この場合は、全部を売るか全部を持ち続けるかで考える必要はありません。たとえば半分の3,000株を売ると、750万円(税引前)を預金や値動きの穏やかな資産に移せます。残りの3,000株からは、これまでどおり1株80円なら年24万円の配当が入ります。

こうすると、無配になったときに減る収入を、年48万円から24万円に抑えられるわけです。売った代金のうち、生活費の備えとしていくら預金に残し、いくら運用に回すかは、60代で手元に残す現金と運用に回す額の決め方を参考にしてください。

資産の半分を超えるなら数年に分けて売る

62歳、資産全体が4,000万円で、そのうち自社株が2,200万円(8,800株)を占めるケースです。退職金は1,500万円、預金は300万円。持株会以外で株や投資信託を買ったことはありません。

資産の半分以上が1社の株だと、株価が3割下がるだけで660万円、資産全体の16%以上が減ってしまいます。まずは、この割合を下げていきましょう。

一方で、投資の経験がないまま一度に全部を売り、その代金をすぐにほかの商品に移すのは負担が大きくなってしまいます。そこで、売る時期を分けましょう。たとえば3年に分けて毎年3分の1ずつ売れば、1回の株価で売値がすべて決まることはありません。売った代金もまずは預金に置き、少しずつほかの資産に移していけば、慣れない商品を一度に買わずに済みます。

まとまったお金を一度に投資するか分けて投資するかは、退職金を一括で投資するか分けて投資するかの決め方で詳しく比べているので、参考にしてください。

スクロールできます
比べる点持ち続ける一部を売る分けて売る
自社株の割合(例)1割程度3割程度5割超
配当の使い方生活費に使っていない生活費の一部にしている使い方を問わない
売る量の考え方売らない。株価が上がって割合が増えたら増えた分を売る減配になっても生活費が足りなくならない分を残す割合を下げるまで数年に分けて売る
売った代金の置き場所—生活費の備えは預金、残りは運用まず預金に置き、少しずつほかの資産へ移す
確かめ続けること年1回の割合配当と生活費の関係売る時期と代金の移し先

どのケースに近いかは、退職金をどう使うか、年金がいくら入るかでも変わります。自社株だけを切り離さず、資産全体の中で決めましょう。

\ 自社株をどれだけ残すか相談する /

売ると税金はいくらかかるか

自社株を売って利益が出ると、その利益に20.315%の税金がかかります。所得税15%と住民税5%に、復興特別所得税が加わった税率です。

持株会で長く積み立てた株は買ったときの値段が低いことが多く、売ると利益が大きくなる分、税金も多くかかってしまいます。一部を売るケースの記入例で計算してみましょう。

スクロールできます
項目計算金額
売った金額2,500円×3,000株750万円
買ったときの金額簿価単価1,200円×3,000株360万円
利益750万円−360万円390万円
税金390万円×20.315%約79万円
手取り750万円−約79万円約671万円

※ 売買手数料は含めていません。金額は例です。

特定口座(源泉徴収あり)で受け取っていれば、この税金は売ったときに差し引かれ、原則として確定申告は要りません。一般口座で受け取った場合は、簿価単価をもとに自分で利益を計算し、確定申告をすることになってしまいます。

持株会の株はNISA口座に移せない

自社株をNISA口座に移せば、配当や値上がり益に税金がかからなくなる。そう考える方もいるでしょう。しかし、特定口座や一般口座で持っている株を、NISA口座に移すことは制度上できません。

非課税で運用したい場合は、自社株を売り、その代金でNISA口座から改めて商品を買うことになります。売ったときの利益には税金がかかる点に注意しましょう。NISAを使うかどうかは、60代からNISAを始めるときの注意点で確かめてください。

売ると決めた場合でも、元勤務先の株は、退職してすぐいつでも売れるとは限りません。

元勤務先の株を売る前に確かめること

売る前に、株が自分の口座に移る時期と受け取る口座、退職後1年以内の規制を確かめましょう。ほとんどは持株会事務局への問い合わせで確かめられます。

株が自分の口座に移るまで1〜2か月かかる

持株会で持っていた株は、退会後に次のように扱われます。

スクロールできます
持株会で持っていた株退会後の扱い
100株単位の分本人名義の証券口座に、株のまま振り替えられる
100株に満たない分原則として売却され、残っていた積立金と合わせて現金で返される

※ 100株に満たない分の扱いは持株会ごとに異なります。

振り替えにかかる時間も見ておきましょう。大和証券が事務を受託している持株会では、振り替えは原則として持株会が株を買い付ける日の翌営業日で、申し込みから一般的に1〜2か月程度です。売って現金にしたい場合は、振り替えが終わった後に自分で売り注文を出してください。

受け取る口座は振り替えの前に特定口座にしておく

野村證券は、持株会の株を特定口座で受け取る条件を次のように案内しています。

振替時点でその口座が特定口座であることが必要です

野村證券「持株会会員の皆様 一部引出・退会の申請前にご確認ください。」

一般口座で受け取ると、後から特定口座を申し込んでも、その株は一般口座のままです。そのため、売るたびに自分で利益を計算し、確定申告をすることになってしまいます。

また、持株会の株を特定口座で受け取れる口座は、その持株会の事務を受託している証券会社のものだけです。事務を受託していない証券会社の口座には、特定口座のまま直接移すことはできません。

退職後1年以内はインサイダー取引規制に注意する

退職したのだから、自分の株はいつ売っても自由だと考えがちです。しかし、インサイダー取引規制は退職後も一定の期間続きます。日本取引所グループは、次のように説明しています。

会社関係者でなくなった後1年以内の者も、会社関係者と同様にインサイダー取引規制の対象とされています。

日本取引所グループ「インサイダー取引規制」

在職中に仕事で知った、まだ公表されていない重要な情報(決算の数字、合併や業務提携の話など)があれば、その情報が公表されるまでは売買できません。

また、持株会で毎月決まった額を積み立てて買う分は、この規制の対象外です。しかし、持株会から引き出した株を売るときは、この対象外の扱いは受けられません。持株会の積み立てでは気にしなくてよかった規制が、引き出した株を売る場面では関係してくるわけです。

思い当たる情報がある場合は、その情報が公表されるまで売るのを待ちましょう。売ってよいか迷うときは、元勤務先の担当部署に確かめてください。

会社によっては売る前に申請が必要になる

振り替えた株を売るときに、勤務先への申請が別に必要になる場合があります。申請が要るかどうかは会社ごとに決まっているため、持株会事務局に確かめましょう。

また、持株会を通じて譲渡制限付株式を受け取っている場合は、退職時に制限がどう扱われるかも事務局に確かめてください。制限が解除されるまでは売れない株があるためです。

確かめることを、聞く先ごとにまとめました。

スクロールできます
確かめること聞く先聞き方の例
売る前の申請が必要か持株会事務局「退職後に引き出した株を売るとき、会社への届け出は必要ですか」
100株未満の分の精算と振り替えの時期持株会事務局「端数はいつ、どのように精算されますか。振り替えはいつ終わりますか」
特定口座で受け取れるか持株会の事務を受託している証券会社「振り替え先の口座は特定口座になっていますか」
在職中に知った情報で売買を控えるべきか元勤務先の担当部署「〇月まで在籍していましたが、売ってよい時期に決まりはありますか」

売れる時期と手続きがわかれば、残るのは、売った代金も含めて資産全体をどう配分するかです。

自社株と退職金の配分は無料相談で確かめる

自社株をどれだけ残すかは、退職金をどう使うかと一緒に決めましょう。自社株を減らせば、そのお金をどこに置くかも決める必要が出てくるからです。

自社株と退職金は別々に決めない

退職金の使い道を先に決めてから自社株を考えると、決めた配分をやり直すことになってしまいます。一部を売るケースのように750万円分を売れば、預金か運用に回すお金が750万円増えるからです。

反対に、自社株を持ち続けるなら、退職金の運用では値動きの大きい株式を増やしすぎない、という考え方もできます。自社株と退職金を一つの資産として見て、どこにいくら置くかを決めましょう。

資産全体の配分はIFAに相談する

持株会の事務を受託している証券会社は、振り替えや売却の手続きの窓口です。一方で、自社株をどれだけ残すか、売った代金と退職金をどう配分するかは、あなたの資産全体を見て考えることになります。

この相談は、持株会の窓口と同じ会社でなくてもかまいません。IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)は、特定の銀行や証券会社に所属せず、資産運用の相談に乗る担当者です。自社株、退職金、預金を合わせて、どこにいくら置くかを一緒に決められます。相談のときは、退会(引出)精算書と、退職金の金額がわかる書類を見せてください。新しく資料を作らなくても、それだけで話を始められます。

銀行や証券会社、FPなど、相談先ごとの違いは、60代の資産運用の相談先の選び方を参考にしてください。

相談するIFAを探すなら、資産運用ナビが便利です。金融機関に属さない資産運用アドバイザー(IFA)を無料で紹介しています。元勤務先の株をどれだけ残すか、あなたの退職金と保有資産をもとに相談してみてください。

\ 自社株と退職金の配分を見てもらう /

退職後の持株会・自社株についてよくある質問

退職した後も持株会を続けることはできますか?

持株会は在職中の社員を対象にした制度のため、退職すると退会になるのが一般的です。細かな扱いは持株会の規約で決まっているため、持株会事務局に確かめましょう。

引き出した自社株を家族に渡すことはできますか?

株を家族の口座に移すことはできますが、無償で渡すと贈与にあたります。暦年課税では、受け取った人がその年に受けた贈与の合計が110万円を超えると、贈与税がかかります。渡し方や時期は、税理士に相談してから決めましょう。

自社株を売ったら確定申告は必要ですか?

特定口座(源泉徴収あり)で売った場合は、税金が差し引かれているため、原則として確定申告は要りません。ただし、ほかの口座の損失と相殺したい場合などは申告が必要です。一般口座で売った場合は、退会(引出)精算書の簿価単価をもとに利益を計算し、確定申告をしてください。

役員として退職した場合も同じように考えてよいですか?

割合や配当の考え方は同じです。ただし役員は、在任中に自社株を売買すると財務局への報告が必要で、6か月以内の売買で得た利益は会社から返還を求められることがあります。退任後にいつから売れるかは、元勤務先の担当部署に確かめましょう。

【まとめ】自社株は資産に占める割合で残す量を決める

持株会の株を持ち続けるか売るかは、株価の先行きではなく、退職金も含めた資産全体のうち自社株がどれくらいを占めるかで決めましょう。何もしなければ、株は自分の口座に移ったまま、一社に偏った状態で老後を迎えることになってしまいます。

生活に使うお金まで自社株に頼っているなら、その分から減らしてください。全部を売る必要はなく、配当を受け取りたい分は残し、割合が大きい場合は数年に分けて売る方法もあります。売る前には、退職後1年以内の規制と会社への申請の要否を、持株会事務局に確かめておきましょう。

自社株をどれだけ残し、売った代金と退職金をどこに置くかを自分で決めきれないときは、金融機関とは別の立場の専門家に相談してみてください。

\ 自社株をどれだけ残すか相談する /

出典

※ 本記事は2026年9月時点の情報にもとづいて作成しています。試算は計算のための例で、将来の運用成果を示すものではありません。個別の銘柄の購入や売却を勧めるものではありません。

この記事を書いた人

資産運用メディア編集部は、初心者から上級者までが「将来に備える確かな運用判断」を得られるよう、公的統計や最新市場データに加え、自社アンケートを基に中立的な情報を発信しています。記事は資産運用アドバイザーと投資家を結ぶプラットフォーム「資産運用ナビ」を運営するアドバイザーナビ株式会社が監修。おすすめの資産運用やおすすめのIFAなど、読者が自身に最適な資産運用の相談先を見つけることができるよう、適切な情報発信に努めている。

目次