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毎月分配型の投資信託は老後の年金代わりになる?定期売却との違いと必要な元本

年金で足りない分を、毎月分配型の投資信託の分配金で補えないかと考えたことはありませんか?

退職して年金生活に入ると、毎月の生活費が数万円足りなくなることがあります。投資信託を売って補う方法もありますが、自分で売ると資産を減らしているようで気が進まないものです。分配金なら、預金の利息のように元のお金に手をつけずに受け取れるように感じられます。

しかし、「分配金は元本を取り崩しているだけ」「分配金が急に減った」という話も耳にします。

毎月分配型の投資信託で、年金の不足を補うことはできます。ただし、分配金は投資信託の資産から払われ、払われた分だけ基準価額※が下がります。運用の利益とは限らず、元本の一部が戻っているだけの場合もあるのです。

受け取り方を選ぶときは、受け取ったあとに残る資産の合計と、毎年かかる費用で比べましょう。

この記事では、配当・分配金・定期売却の違いと、受け取りたい額から必要な元本を出す方法を紹介します。同じ月5万円を受け取ったときに20年後の資産がどう変わるかも、試算で比べました。受け取り方を決める前に参考にしてください。

この記事でわかること
  • 分配金は運用の利益なの?
  • 月5万円受け取るには元本がいくら必要?
  • 定期売却と比べて資産は早く減る?
  • 分配金が減ったらどうすればいい?

※基準価額:投資信託の1万口あたりの値段。投資信託が持っている株や債券の値動きと、分配金の支払いで変わります。

目次

毎月分配型投資信託の分配金は老後の収入になる?

毎月分配型投資信託の分配金は、老後の収入として使えます。ただし、受け取った分だけ投資信託の値段が下がるため、分配金の額と、運用で資産が増えたかどうかは分けて見ましょう。

毎月同じ額が入っていても、資産が増えているとは限りません。

分配金を受け取ると投資信託の値段が下がる

預金の利息は、元のお金を減らさずに受け取れます。分配金も同じように口座へ入ってくるため、元のお金はそのままで、増えた分だけを受け取っているように感じるものです。

しかし、分配金は投資信託が運用している資産の中から払われます。そのため、分配金が払われると、払われた額だけ基準価額が下がります。たとえば、基準価額が10,000円の投資信託が100円の分配金を出すと、分配後の基準価額は9,900円です。

つまり、分配金を受け取ることは、持っている投資信託の一部を現金に替えることと変わりません。自分で売って受け取る方法と比べて、資産が減らずに済むわけではないのです。

この仕組みは、あまり知られていません。毎月分配型の投資信託を持っている人のうち、分配金として元本の一部が払い戻されることもあると理解していた人は37%にとどまりました(投資信託協会「2015年投資信託に関するアンケート調査」。金融庁の資料による)。

受け取った額と残った資産の合計で比べる

では、分配金を受け取りながら、運用がうまくいっているかはどう確かめればよいのでしょうか。見るのは、受け取った分配金の合計と、今の評価額を足した金額です。

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ケース受け取った分配金分配後の基準価額の変化合わせた損益
運用の利益から分配した100円0円+100円
利益だけでは足りず、ためてきた分からも分配した100円−50円+50円
運用で損が出た期間にも分配した100円−200円−100円

※ 出典:日本証券業協会「『毎月分配型の投資信託』とは?」のケースをもとに作成

3つのケースは、どれも同じ100円の分配金を受け取っています。しかし、合わせた損益は+100円から−100円まで分かれます。3つ目のケースでは、毎月分配金を受け取りながら、資産は減ってしまっているのです。

分配金の額だけを見ていると、この減り方には気づけません。それなら、株の配当や、自分で売って受け取る定期売却とは、お金の出どころがどう違うのでしょうか。

配当と分配金と定期売却はお金の出どころが違う

株の配当は会社の利益から、投資信託の分配金は投資信託の資産から、定期売却は自分で売った投資信託から払われます。

毎月や年に数回お金を受け取れる点は同じですが、受け取ると何が減るか、誰が金額を決めるかが違います。

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受け取り方お金の出どころ受け取ると減るもの金額を決める人減る・止まることがあるか税金(課税口座)
株の配当会社の利益株数は減らない会社業績しだいで減配・無配がある20.315%
投資信託の普通分配金投資信託の資産(買った値段を上回る部分)基準価額が分配した分だけ下がる運用会社運用状況しだいで減額・停止がある20.315%
投資信託の元本払戻金(特別分配金)投資信託の資産(買った値段を下回る部分)基準価額と、買った値段(個別元本)が下がる運用会社運用状況しだいで減額・停止があるかからない
定期売却自分が売った投資信託口数が減る自分自分で決めた額を受け取れる(残高がなくなるまで)売却益の部分に20.315%

※ NISA口座では、配当(受取方法の設定が必要)と売却益に税金がかかりません。毎月分配型の投資信託はNISA口座で買えません。

株の配当は会社の利益から払われる

株の配当は、会社が稼いだ利益の一部を株主に配るお金です。配当を受け取っても、持っている株の数は減りません。この点は、分配金や定期売却と違います。

その代わり、配当の額は会社の業績と方針で決まります。業績が悪くなると、配当が減ったり(減配)、なくなったり(無配)してしまいます。景気が悪い時期には、配当が減るのと同時に株価まで下がってしまうこともあります。

分配金の一部は元本払戻金になることがある

投資信託の分配金は、普通分配金と元本払戻金(特別分配金)の2種類に分かれます。どちらになるかは、その人が買った値段(個別元本)と、分配する前の基準価額で決まります。

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項目金額
買った値段(個別元本)10,000円
分配する前の基準価額10,050円
分配金100円
うち普通分配金(10,000円を上回る部分・課税)50円
うち元本払戻金(10,000円を下回る部分・非課税)50円
分配した後の基準価額9,950円
分配した後の個別元本9,950円

※ 1万口あたりの計算例。

元本払戻金には税金がかかりません。非課税と聞くと得に感じますが、自分が払ったお金が戻ってきているだけなので、税金がかからないのです。元本払戻金を受け取ると、その分だけ個別元本も下がります。

同じ投資信託でも、買った時期によって個別元本は人ごとに違います。基準価額が高い時期に買った人ほど、同じ分配金のうち元本払戻金の割合が多くなってしまいます。

毎月分配型は分配金の額を運用会社が決める

毎月分配型の投資信託は、毎月決算を行い、そのたびに分配金を出す方針の投資信託です。分配金の額は、決算のたびに運用会社が決めます。あらかじめ額が約束されているわけではありません。

例として、純資産が約2.8兆円ある「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」は、2026年9月15日の決算で100円の分配金を出しました。基準価額が1万円あまりなので、1か月で約1%、1年に直すと約12%を分配する計算です。

この商品の分配金は、運用会社が基準価額の水準や市場の動きを見て決めます。分配できるお金が少ない場合などは、分配金が出なくなってしまうこともあります。

定期売却は受け取る額を自分で決める

定期売却は、持っている投資信託を、決めた日に決めた額だけ売って受け取る方法です。証券会社の定期売却サービスを使えば、毎月の売却を自動で行えます。

売った分だけ口数は減りますが、受け取る額は自分で決められます。分配金のように、運用会社の判断で受取額が変わることはありません。

税金は、売った額のうち値上がりした部分にだけかかります。定額と定率のどちらで売るかなど、取り崩し方の決め方は「投資信託はどう取り崩す?定額取り崩しと定率取り崩しの違いと積立・運用のやめ時」を参考にしてください。

出どころの違いがわかると、次に気になるのは、毎月いくら受け取るにはいくら持っていればよいかでしょう。

年金で足りない月額から必要な元本を考える

必要な元本は、毎月受け取りたい額と、元本を残したいか使い切ってよいかで決まります。

元本を減らさずに配当や分配金だけで受け取ろうとすると、必要な額は大きくなってしまいます。

まず年金で足りない月額を出す

受け取りたい額は、毎月の支出から年金の手取り額を引いた金額です。総務省の家計調査(2025年)では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯で、毎月の不足額は42,434円でした。

ただし、平均の額は目安にとどめ、自分の年金と支出で出しましょう。年金の手取りが月22万円、毎月の支出が27万円なら、足りない額は月5万円です。この記事では、この月5万円(年60万円)を例に計算します。

年金と支出から資産が何歳まで持つかは、「老後資金の取り崩しシミュレーション!年金と生活費から使える額と資産寿命を試算」の計算ツールで確かめてみてください。

元本を減らさないなら大きな元本が要る

配当や分配金だけで月5万円を受け取り、元本には手をつけないとします。この場合、1年で受け取る60万円を、1年の利回りで割った額が必要な元本です。

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受け取りたい額元本を減らさない(税引後2%)元本を減らさない(税引後3%)元本を減らさない(税引後4%)25年で使い切る(年3%で運用)25年で使い切る(運用しない)
月3万円(年36万円)1,800万円1,200万円900万円約633万円900万円
月5万円(年60万円)3,000万円2,000万円1,500万円約1,054万円1,500万円
月10万円(年120万円)6,000万円4,000万円3,000万円約2,109万円3,000万円

※ 利回りは毎年一定とした仮定の計算です。「25年で使い切る場合」は、毎月同じ額を受け取り、25年後(65歳から始めれば90歳)に残高がゼロになる元本。将来の運用成果を示すものではありません。

税引後で年3%の利回りが続くとしても、月5万円を元本を減らさずに受け取るには2,000万円が必要です。配当だけで月10万円を受け取る暮らしなら、4,000万円が要ります。

しかも、利回りは毎年同じではありません。配当が減った年や分配金が下がった年は、元本に手をつけないかぎり、受取額が月5万円を下回ってしまいます。

元本も使うなら少ない元本で済む

一方、元本も少しずつ使っていくなら、必要な額は大きく下がります。月5万円を25年で使い切る場合、年3%で運用できれば約1,054万円、運用しなくても1,500万円です。元本を減らさない場合の2,000万円と比べると、約950万円少なく済みます。

老後の資産は、使うためにためてきたお金です。野村アセットマネジメントも、老後の生活を豊かにするには、資産を「貯める」だけでなく「上手に使う」ことも欠かせないとしています。

元本を全部残したいのか、ある程度は使ってよいのかを、受け取り方を選ぶ前に決めておきましょう。それによって、必要な元本も、分配金にこだわる理由があるかも変わります。

配当と普通分配金には税金がかかってしまう

特定口座や一般口座で受け取る配当と普通分配金には、20.315%の税金がかかってしまいます。税引後で年60万円を受け取るには、税引前で約75万円が必要です。表の利回りを税引前の利回りで考えると、必要な元本はさらに多くなってしまいます。

NISA口座で買った株の配当は、受取方法を「株式数比例配分方式」にしておけば非課税です。ただし、毎月分配型の投資信託は、NISAの成長投資枠でもつみたて投資枠でも買えません。NISA口座で毎月お金を受け取りたい場合は、定期売却を使いましょう。

必要な元本がわかったところで、同じ月5万円を受け取るなら、分配金でも売却でも残る資産は同じなのでしょうか。

分配金と定期売却で20年後に残る資産を比べる

運用の成績が同じなら、分配金で受け取っても、売却して受け取っても、残る資産は変わりません。

残る資産を変えるのは、投資信託にかかる費用と、使う額より多く受け取っていないかです。

次の条件で比べました。65歳で投資信託を2,000万円持ち、毎月5万円を生活費に使います。値上がりと配当・利息を合わせた利回りは、どの投資信託も年3.5%(信託報酬を引く前)とします。

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受け取り方信託報酬(年)毎月受け取る額10年後に残る資産20年後に残る資産
A 投資信託を毎月5万円ずつ売る0.2%5万円2,071万円2,170万円
B 分配金を毎月5万円受け取る0.2%5万円2,071万円2,170万円
C 分配金を毎月5万円受け取る1.5%5万円1,779万円1,509万円
D 分配金を毎月10万円受け取り、使わない5万円は預金に置く0.2%10万円1,961万円
(うち預金600万円)
1,673万円
(うち預金1,200万円)
参考 運用しない−5万円1,400万円800万円

※ 利回りは毎年一定とした仮定の計算。税金は含みません。預金には利息を付けていません。将来の運用成果を示すものではありません。

分配金でも売却でも残る資産は変わらない

分配金で受け取れば資産は減らず、売れば減ると考えている人も多いでしょう。ところが、AとBを比べると、10年後も20年後も残る資産は同じです。

分配金は投資信託の資産から払われ、定期売却は投資信託を売って受け取ります。どちらも、持っている投資信託の一部を毎月5万円ずつ現金に替えている点は変わりません。運用で増える額が受け取る額を上回れば資産は増え、下回れば減ります。

ただし、課税口座では税金のかかり方が違います。分配金は、普通分配金の部分に分配のたびに税金がかかります。定期売却では、売った額のうち値上がりした部分にだけ税金がかかります。

分配金のほうが税金を早く払うため、その分は運用に回らず、残る資産が少なくなってしまうこともあるのです。

信託報酬が高いと残る資産が早く減ってしまう

BとCは、どちらも分配金で毎月5万円を受け取っています。違うのは信託報酬だけです。それでも20年後には、Cの残る資産がBより661万円少なくなってしまいます。

信託報酬は、投資信託を持っている間、毎日引かれる費用です。年1.5%なら、2,000万円に対して1年で約30万円かかります。この費用は分配金の明細には出てこないため、受け取っている額だけを見ていると、気づかないまま払い続けることになってしまいます。

信託報酬は、商品によって大きく異なります。同じ米国株に投資する投資信託でも、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」のように年0.0814%以内の商品もあれば、先ほどのDコース毎月決算型のように年1.727%の商品もあります。

今持っている投資信託の信託報酬は、交付目論見書の「ファンドの費用」に書かれています。手元になければ、購入した金融機関の担当者に聞いてみましょう。

使わない分配金は残る資産を減らしてしまう

分配金が多ければ、そのぶん余裕ができると考えるかもしれません。Dは、信託報酬はAやBと同じ0.2%で、分配金を毎月10万円受け取る例です。生活費に使うのは5万円なので、残りの5万円は預金にたまっていきます。

20年後の預金は1,200万円になります。ところが、投資信託と預金を合わせた資産は1,673万円で、Aより約500万円少なくなってしまいます。

使わない分配金が預金に移ると、その分は運用されずに止まってしまうからです。この試算では、Dの投資信託は89歳でなくなってしまいます。生活費に使う額より多く受け取っても、得をするわけではないのです。

配当だけでは減配の年に足りなくなってしまう

高配当株で配当を受け取る方法は、株数を減らさずに済む点が投資信託の分配金と違います。ただし、景気が悪くなると、配当が減るのと同時に株価まで下がってしまうことがあります。

配当だけで生活費をまかなうと決めていると、減配の年に月5万円に届かず、足りない分を下がった株価で売ることになってしまいます。配当で受け取る場合も、足りない年にどこからお金を出すかを先に決めておきましょう。

今は使わない分配金は再投資にしておく

分配金を受け取る投資信託の多くは、分配金を現金で受け取る「受取コース」と、同じ投資信託を買い増す「再投資コース」を選べます。生活費に使わない分は、再投資にして運用を続けましょう。

ただし、再投資を選んでいても、普通分配金には税金がかかってしまいます。税金を引いた残りで買い増す仕組みです。

生活費に使う額だけを受け取るなら、分配金を出さない投資信託を定期売却で使う方法もあります。一方で、今の投資信託を売って別の商品に替えると、売るときに税金や手数料がかかってしまう場合があります。乗り換えるかどうかは、「投資信託の乗り換えを勧められたら?今の投資信託と提案された商品を比べて判断する方法」で紹介している方法で比べてみてください。

【計算】分配金のままだと20年後にいくら残る?

今持っている投資信託の評価額と分配金、信託報酬を入れると、今の受け取り方のまま続けた場合と、信託報酬0.2%の投資信託から使う額だけを売った場合で、10年後・20年後に残る資産を比べられます。取引残高報告書を手元に用意して、試してみてください。

計算ツール

分配金のままだと20年後にいくら残る?

Q1

今の年齢は何歳ですか?

投資信託が何歳まで持つかの計算に使います。

歳

Q2

分配金を受け取っている投資信託の評価額はいくらですか?

取引残高報告書や取引画面の「評価額」です。

万円

Q3

そのうち毎月、生活費に使う額はいくらですか?

年金だけでは足りない額です。

万円

Q4

毎月受け取っている分配金はいくらですか?

税金を引く前の額です。分配金のお知らせや取引残高報告書に載っています。

万円

Q5

その投資信託の信託報酬はどのくらいですか?

交付目論見書の「ファンドの費用」に書かれています。いちばん近いものを選んでください。

Q6

値上がりと配当を合わせて、年何%増えると考えますか?

信託報酬を引く前の利回りです。迷ったら3.5%を選んでください。

計算で残る資産が少なくなるとわかっても、今の投資信託を売るか、いつ乗り換えるかは、税金や年金額とあわせて決めることになります。自分で全部確かめるのが大変なら、IFAに相談して一緒に決めてください。

\ 分配金の受け取り方をプロに相談 /

分配金が減ったら生活費はどうする?

分配金が減っても、慌てて投資信託を売らずに、減った分はしばらく預金から出しましょう。

たとえば月5万円だった分配金が3万円に減ったら、足りない2万円を預金から出せば、生活費は今までどおりまかなえます。

預金で生活費をつないでいるあいだに、今の投資信託を持ち続けるか、ほかの受け取り方に替えるかを決めましょう。

分配金は分配できるお金が減ると下がる

分配金を出し続けて基準価額が下がると、運用会社は分配金を引き下げることがあります。運用状況によっては、分配金が出なくなってしまう月もあります。

つまり、分配金が減ったときは、基準価額も下がっていることが多いのです。この時期に慌てて売ると、値下がりした値段で手放すことになってしまいます。

担当者にトータルリターンを見せてもらう

持ち続けるかどうかを決めるには、受け取った分配金を含めて、今までに損をしているか得をしているかを知る必要があります。分配金の額だけを見ても、それはわかりません。

販売会社は、受け取った分配金の合計を含めた損益(トータルリターン)を、年1回以上知らせています。自分で資料を探す必要はありません。購入した金融機関の担当者に、トータルリターンと、これまでに受け取った分配金のうち元本払戻金がいくらだったかを見せてもらいましょう。

トータルリターンがプラスなら、これまでの受け取りは運用の成果の範囲に収まっています。マイナスなら、分配金で受け取ってきた分の一部は、自分の元本が戻ってきたものです。

足りない分をどこから出すか決めておく

分配金が減った分は、預金から出すか、ほかの投資信託を定期売却して補います。どちらから出すかは、預金の残高と、相場が下がっているかどうかで変わります。相場が大きく下がっている時期に売ると、同じ額を受け取るのに多くの口数を手放してしまいます。

取り崩している最中に相場が下がったときの生活費の確保は、「老後資金の取り崩し中の暴落対策!生活費を守る現金の使い方と売却額の見直し方」で詳しく紹介しました。預金、NISA、特定口座のどれから先に使うかも、「NISAと特定口座はどちらから取り崩す?預金も含めた老後資金の使う順番」を参考にあわせて決めておきましょう。足りない月に、どこから出すかで迷わずに済みます。

受け取り方に迷ったらIFAに相談する

分配金、配当、預金をどう組み合わせて年金を補うかを自分で決めきれないときは、保有している資産をまとめて見てもらえるIFAに相談しましょう。

受け取り方の違いがわかっても、自分の場合にどれをいくら使うかまで一人で決めるのは簡単ではないでしょう。

口座ごとの相談では受け取り方が決まらない

銀行で買った毎月分配型の投資信託、証券会社で持っている株の配当、NISA口座の投資信託と、お金を受け取る口座が分かれていることは少なくありません。口座ごとに相談すると、全部で毎月いくら入り、資産が何年後にいくら残るかは、自分で合計するしかなくなってしまいます。

また、購入した金融機関に分配金が減ったと相談すると、別の商品への乗り換えを提案されることもあります。提案が自分に合っているかを確かめたい場合は、「銀行で勧められた投資信託は買ってよい?購入前に確認したい費用と仕組みについて」を参考にしてください。

IFAなら年金と保有資産をまとめて相談できる

IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)は、特定の銀行や証券会社に所属せず、資産運用の相談に乗る担当者です。年金額と毎月の支出、今の分配金と投資信託の残高をもとに、分配金のまま受け取るか、定期売却と組み合わせるかを一緒に決められます。

相談の前に、新しく資料を作る必要はありません。取引画面や取引残高報告書で持っている投資信託と受け取った分配金を見せ、年金額を伝えれば話を始められます。銀行や証券会社、FPなど、相談先ごとの違いは「60代の資産運用はどこに相談する?IFAがおすすめな理由と選び方」で紹介しています。

資産運用ナビは、金融機関に属さない資産運用アドバイザー(IFA)を無料で紹介するサービスです。年金を補うお金をどう受け取るか、無料相談で比べてみてください。

\ 年金を補う受け取り方をプロに相談 /

毎月分配型の投資信託についてよくある質問

毎月分配型の投資信託はNISAで買えますか?

買えません。NISAの成長投資枠では、毎月分配型の投資信託は対象外です。つみたて投資枠の対象商品にも含まれません。

NISA口座の投資信託から毎月お金を受け取りたい場合は、証券会社の定期売却サービスを使いましょう。

隔月分配型や年1回分配型なら問題ないですか?

分配の回数が違うだけで、分配金が投資信託の資産から払われ、その分だけ基準価額が下がる仕組みは同じです。回数にかかわらず、受け取った分配金と今の評価額の合計、信託報酬で比べましょう。

今持っている毎月分配型はすぐ売ったほうがよいですか?

すぐに売る必要はありません。課税口座で値上がりしている場合は、売ると税金がかかってしまいます。

受け取った分配金を含めた損益と信託報酬を確かめたうえで、持ち続けるか、一部を売るかを決めましょう。売る時期の考え方は、「60代の投資信託・株の売り時は?利益確定・損切りと保有継続の判断」を参考にしてください。

分配金の受取コースから再投資コースに変えられますか?

販売会社によっては変更できます。変更できるかどうかや時期、方法は販売会社ごとに違うため、購入した金融機関で確かめてください。

毎月分配型で年金を補うなら残る資産と費用で比べる

毎月分配型の投資信託で、年金の不足を補うことはできます。ただし、分配金は投資信託の資産から払われ、運用の利益とは限りません。同じ額を受け取るなら、分配金でも売却でも残る資産は同じで、変わるのは信託報酬と、使う額より多く受け取っていないかです。

月5万円を元本を減らさずに受け取るには、税引後3%でも2,000万円が必要です。元本を残したいのか、使ってよいのかを決めたうえで、受け取り方を選びましょう。

\ 受け取り方をプロと一緒に決める /

出典

この記事を書いた人

資産運用メディア編集部は、初心者から上級者までが「将来に備える確かな運用判断」を得られるよう、公的統計や最新市場データに加え、自社アンケートを基に中立的な情報を発信しています。記事は資産運用アドバイザーと投資家を結ぶプラットフォーム「資産運用ナビ」を運営するアドバイザーナビ株式会社が監修。おすすめの資産運用やおすすめのIFAなど、読者が自身に最適な資産運用の相談先を見つけることができるよう、適切な情報発信に努めている。

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