カードローンは住宅ローンと異なり、明確な完済期限が設定されていない。
借入条件や返済条件に応じて返済期間が変動し、これらの条件は利子の計算や返済計画の立案にも影響する。
返済期間は支払う利息の総額に大きく関わってくるため、カードローンを活用する際には、返済期間を事前に把握しておくことが重要となる。
適切な返済計画を立てることで、経済的負担を軽減し、無理なく返済を進めることが可能となる。
本記事では、カードローンの返済期間の設定方法や期間を短縮して利息を抑えるコツ、さらに注意すべきポイントに至るまで徹底解説する。
これらの情報を活用することで、日常生活に負担をかけないような返済計画を立てることが可能である。
カードローンの返済期間とは?
返済期間とは、借入日から借入残高が無くなるまでの期間である。これは「特定の期間内に必ず完済しなければならない」という意味ではない。
実際には、借入額を毎月一度任意の金額で返済した場合完済するまでのおおよその期間として見積もられるのが返済期間だ。
例えば、5万円を借りて毎月1万円ずつ返した場合はおよそ5ヶ月で返せると予想できる。
ただし、実際には利息などがつくため、返済期間が5ヶ月よりも伸びる可能性は高い。
借入額や返済金額の変更により、返済期間は変動する可能性がある。
そのため、定期的に返済期間を確認して借金の完済見込みを正確に把握しておくことが重要だ。
カードローンの返済期間で知っておきたい3つの事
カードローン返済で知っておきたいことは次の3つだ。
- 返済期間とは完済までに必要な期間を指す
- 契約期間はカードに記された有効期限のことである
- 返済期限はカードローンにはない
どれも重要事項のため、必ず把握しておいてほしい。
返済期間について
返済期間とは完済までに必要な時間を指す。カードローンでは利用可能額に応じて随時追加借入が可能であり、具体的な返済期間を定めることができないのである。
そのため、返済期間は申込者の借入条件、利用金額、金利、および月々の返済額によって変化する。
契約期間について
契約期間はカードの有効期限を指し、この期間中は借入や返済が可能となっている。カードローンの場合、契約は自動で更新されるため、有効期限の更新手続きを行う必要はない。
ただ、有効期限を過ぎるとカードは無効となりATMでの借入や返済が不可能になる。
カードローンを複数利用している場合は特に注意して管理しておこう。
返済期限について
カードローンには具体的な返済期限が設定されていない。
借入金額と毎月の返済額が契約時に決定されるため、返済期限が固定されているわけではないのだ。
ただし、毎月の返済である約定返済には特定の返済日が設定されており、この返済日を守る必要がある。
経済的に余裕がある場合は追加での繰上返済を行い、返済期間を短縮することも可能だ。
三菱UFJ銀行カードローン バンクイック | みずほ銀行カードローン | 三井住友銀行カードローン | SMBCモビット | アイフル | 楽天銀行スーパーローン | プロミス | プロミスレディース | アコム | オリックス銀行カードローン | 横浜銀行カードローン | |
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(実質年率) | 金利年1.4%~年14.6% | 年2.0%~年14.0% | 年1.5%~年14.5% | 年3.0%~年18.0% | 年3.0%~年18.0% | 年1.9%~14.5% | 年4.5%~年17.8% | 年4.5%~年17.8% | 年3.0%~年18.0% | 年1.7%~年14.8% | 年1.5%~年14.6% |
借入限度額 | 10万円〜800万円 | 10万円〜800万円 | 10万円〜800万円 | 1万円〜800万円 | 1万円〜800万円 | 10万円〜800万円 | 1万円〜500万円 | 1万円~500万円 | 1万円〜800万円 | 10万円〜800万円 | 10万円~1,000万円 |
無利息期間 | ー | ー | ー | ー | 最大30日間 | ー | 最大30日間 | 最大30日間 | 最大30日間 | 最大30日間 | なし |
審査時間 | 最短即日 | 最短当日 | 最短当日 ※1 | 最短30分 | 最短20分 ※申込状況によっては希望に添いかねます | 最短当日 | 最短3分 ※お申込み時間や審査によりご希望に添えない場合がございます。 | 最短3分 ※お申込み時間や審査によりご希望に添えない場合がございます。 | 最短20分 ※申込時間や審査により ご希望に沿えない場合がございます。 | 1週間程度 | 最短即日 |
融資速度 | 最短翌日 | 最短当日 | 最短当日 ※1 | 最短即日 | 最短20分 ※申込状況によっては希望に添いかねます | 最短翌日 | 最短3分 ※お申込み時間や審査によりご希望に添えない場合がございます。 | 最短3分 ※お申込み時間や審査によりご希望に添えない場合がございます。 | 最短20分 ※申込時間や審査により ご希望に沿えない場合がございます。 | 1週間程度 | 最短即日 |
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カードローンの返済期間はコントロールできる?
カードローンには返済期限が設定されておらず、利用者は返済期間を自由に調整できる。
返済については、約定返済として設定されている期日と金額に加え、臨時返済を行うこともできる。
この臨時返済を駆使することで、返済期間を短縮することが可能だ。
カードローンでは借入限度額の範囲内で、追加借入を自由に行うことができる。
ただ、追加借入をすると借入残高は増加する。この時、約定返済額を増やさなければ完済までの期間は延長される。
そのため、利用者は毎月の約定返済を続けるか、可能であれば臨時返済を利用して返済期間を短縮するか選択する。
カードローンを使う時は、無理のない返済計画を立てて上手に活用しよう。
カードローンの返済期間を短縮する方法
返済期間を短くするには、次の6項目を実践してみよう。
- 追加借入しない
- 繰上返済を行う
- 約定返済額を増やす
- 自分に合ったカードローンの返済方式を確認しておく
- 一括払いを行う
- 金利の低いカードローンを選ぶ
いずれも重要なことであるため、しっかりと理解してもらいたい。
追加借入をしない
返済を終える前に追加で借入をしないことは、返済期間を短縮する基本中の基本である。新たな借入を行うと返済負担が増え、返済期間が伸びてしまう。
追加で借入をする前に、支出を見直して現在の返済に充てられる金額を増やせるようにしておこう。
繰上返済を行う
借入期間を短縮したい場合には、繰上返済を検討してみよう。
繰上返済とは、臨時収入があった際に、毎月の返済に加えて臨時の返済を行うことだ。
これにより、通常の約定返済のみで返済するよりも、借入期間を短縮することができる。
約定返済額を増やす
月々の返済額を増やすことも期間短縮に繋がる。返済額が増えるので返済期間が短縮できる。
カードローン会社によっては、返済額を一定の範囲内で調整できる場合がある。毎月の返済を増やしたい場合は、条件をチェックして増額できるか担当者に確認しておこう。
自分に合った返済方式のカードローンを選ぶ
カードローンの返済方式を理解して、自分の状況に合ったカードローンを選ぶことも重要だ。
返済方式としては、以下の3種類があることを知っておこう。
- 残高スライド方式
- 元利定額返済方式
- 元金定額返済方式
残高スライド方式では毎月の最低返済額が借入残高を基準として決められる。
たとえば、借入残高が10万円以下であれば最低返済額は2,000円、10万円超20万円以下の場合は最低4,000円といった形だ。このように、毎月の返済額が借入残高に応じて設定される。
借入残高が低い場合は毎月の返済額も低くなり、借入残高が増えると返済額も増えるため、毎月の返済負担が適切に調整される。
借入残高が低ければ有利になる方式のため、少額融資を希望する場合は優先して選ぶといい。
元利定額返済方式は、借入残高に関係なく、元本と利息を組み合わせた一定額を毎月返済する方法だ。
月々の支払額が固定されるため、家計管理がしやすくなるメリットがある。
ただし、元本に対する支払比率が低い場合は返済期間が長引く可能性があるため、注意が必要だ。
多くのカードローンでは、残高スライド方式と元利定額返済方式をミックスした「残高スライド元利定額返済方式」が採用されている。
元金定額返済方式は毎月一定の元本に利息を加え支払う方法で、元本の返済が早く進み、総利息額を削減できる特徴がある。
ただし、元本部分は一定だが利用残高によって利息額が変動するため、毎月の支払額は一定ではない。そのため、最初の支払額が多くなるデメリットがある。
どの方式であれば自分の返済期間が短くできるか、考えて選ぶことを推奨する。
一括払いを行う
一括払いは返済期間を劇的に短縮する方法である。一括払いは、名前のとおり借りた資金を一度に全額返済することだ。
可能な限り早く返済すれば、支払う利息を削減することができる。
ただし、一括払いをする際は追加の振込や手続きが必要となるため、少し手間がかかることは理解しておこう。
金利の低いカードローンを選ぶ
金利の低いカードローンを選ぶことも、返済期間を短くするのに大切である。低金利であれば、返済総額が減少し返済期間を短縮できる。
また、金利の低いカードローンへの借り換えも有効な手段となる。
借り換えに成功すれば金利負担が減少し、余剰資金で元本を速やかに減らすことができる。
もしも返済期間を短縮したい場合は、別のカードローンも検討してみてもいいだろう。
カードローンの返済方法についての詳しい解説はこちらから。
カードローンの返済期間を短縮することで利息が抑制できる?
カードローンの返済期間を短縮することで支払う利息の額を抑えられる。
次の2例で説明しよう。
- 完済が早いと利息の抑制になる
- 無利息期間を活用できれば利息負担を0にできる
利息が減れば生活面でもゆとりができる。返済期間を短くすることの重要性を理解してもらいたい。
完済が早いと利息の抑制になる
借入期間が短いほど、支払う利息も減らすことができる。利息は借入期間に比例して発生するため、返済期間の短縮は利息の抑制に直結する。
例えば、10万円を年利15%で借りて、返済期間が30日と120日だったとすると、かかる利息は以下のようになる。
30日の場合→10万円×0.15×30日÷365日=1,232円
120日の場合→10万円×0.15×120日÷365日=4,931円
上記のように、返済期間を短くすることで支払う利息を減らすことができる。
前述したカードローンの返済期間を短縮できる方法を参考に、早期完済を目指そう。
無利息期間を活用できれば利息を0にできる
カードローン会社によっては、一定期間中に利息が発生しない「無利息期間」を提供している。
たとえば、30日間の無利息カードローンを利用すれば、この期間内に借入金を返済すると、利息は0円となる。
このような無利息期間のあるカードローンを賢く活用することで、金利を支払うことなくお得に資金を借りることができる。
無利息期間は、通常新規契約時に限定されることが多いが、カードローン会社毎に利用条件は異なる。利用を検討する際は、事前に条件を確認することが重要である。
このように、カードローンの特典を活用することで、返済期間を短縮しつつ金利負担を減らすことができる。
カードローンの返済期間を短縮するコツ
カードローンの返済期間を短縮するためのコツは、主に次の3点に集約される。
- 無理のない返済計画を立てる
- 返済シミュレーションを立てる
- 余裕のある時は臨時返済を行う
先述した返済期間を短縮する方法と似たような点もあるが、どれも効果があるので参考にしてほしい。
無理のない返済計画を立てる
カードローンの返済には、借入残高・適用金利・自身の返済能力を正確に把握し無理のない返済計画を立てることが必要だ。
月々の収入と支出を見直し、返済可能額を算出することから始めよう。
カードローンは繰り返しの借入や長期の借入を前提とした金融商品であるため、計画的に利用できれば安心して使える。
ただし、過剰に借入をしすぎると支払負担が増大して返済期間の延長につながるため、自己の返済能力とのバランスを保つことが肝心である。
返済シミュレーションを活用する
各カードローン会社の公式HPには返済シミュレーションという便利なツールがある。
このツールを上手に利用できれば、無理のない返済計画を立てやすくなるだろう。
返済シミュレーションを活用することで、毎月の返済額や必要な返済回数を明確に把握できる。
これらの情報があれば無理のない返済計画を立てやすくなるため、返済シミュレーションは非常に役立つサービスだ。
無計画に返済するよりも、計画的に返済をすることでスムーズに完済まで辿り着けるはずだ。
余裕のある時は臨時返済を行う
経済的に余裕がある時は臨時返済を行うことで、返済期間を短縮し、支払う利息を減らすことができる。
特にボーナスや予期せぬ臨時収入があれば積極的に臨時返済すると良い。
臨時返済を行えば、返済総額を減らして負担を軽減しつつ返済期間を短くすることができる。
カードローンの返済期間に関する注意点
カードローンの返済期間について知っておくべき注意点は、主に次の2点となる。
- 追加で借入すると返済期間が伸びる
- 返済期間が長いと利息が増える
追加で借入すると返済期間が伸びる
カードローンは利用可能な限度額内で、何度でも追加借入が可能である。しかし、追加で借入を行うと返済額が増えて返済期間も伸びる。
これらのことから、借入は計画的に行い、返済期間を短縮する意識を持つことが重要だ。
返済期間が長いと利息が増える
返済期間が長びくと、それに比例して支払う利息の総額も増加する。
たとえば、借入額と金利が同じであっても、返済期間が伸びればその分だけ支払う利息も増える。
お金を借りるための利息は、返済期間が長くなれば長くなるほど増える仕組みになっているのだ。
同じカードローン内で追加借入を行った場合は、月々の支払額を同じにすることもできる。ただ、返済期間が延長すればそれは結果として利息の増加につながる。
カードローンの返済期間を短くしよう
カードローンの返済期間を短くすることは、支払総額の抑制に有効である。
記事の中で返済期間を短縮する具体的な方法を述べてきたが、改めて以下の点は意識してもらいたい。
- 余裕があれば繰上返済を行う
- 繰り上げ返済は、利息負担を減らして返済期間を短縮する効果的な手段である
- 臨時収入があって経済的に余裕がある場合には、積極的に返済しよう
- 毎月の返済額を増額する
- 月々の返済額を増やすことで、返済期間が短縮されて利息の総額も減少する
- 収入増加などで余裕ができた場合は、返済額の見直しを検討しよう
- 必要なときに必要な分だけ借り入れる
- 借入額を必要最低限に抑えることで、返済負担を減らして返済期間を短縮できる
- 無茶な借入をしないよう、計画的に利用しよう
- 追加で借入をする際に再度返済シミュレーションする
- 追加借入の際には、新たに返済計画をシミュレーションすることが重要である
- これにより、どれくらい返済期間が伸びるのか・利息がどれくらい増えるかを事前に把握して適切な対策を講じることができる
カードローンは急な出費に対応できる強い味方だ。効果的に活用する場合は、計画的に利用して効率良く返済することが重要だ。
返済戦略を適切に立てて、返済期間を最小限に抑えよう。