カードローンは、お金に困ったときにだけ利用すると考えている方がいるかもしれない。
だがその使い道には、いくつかの用途が挙げられる。必ずしもお金に余裕がないから利用しているとは限らない。
では、どのような使い道があるのだろうか。
この記事では、カードローンを利用する際の使い道について、避けるべき使い方はもちろん、メリットとなる利用方法についても説明する。
カードローンの審査に通るにはどうすべきかについても解説しているため、カードローンの使い道について気になる方はもちろん、賢い利用法が知りたい方も、ぜひ参考にしてほしい。
カードローンの使い道は決められていない
よく耳にするローンの中には「住宅ローン」や「自動車ローン」のように借入の目的が限定されているものもある。
しかし、カードローンは基本的に使用目的を限定されることなく借入可能で、使い勝手の良いローン商品となっている。
そのため、使途が限定されているローンでは契約対象とならない借入も、カードローンであればカバーできる可能性が高い。
例えば、「旅行のための出費」「冠婚葬祭費」などの項目が挙げられる。
カードローンの使い道で多い用途は?
カードローンの使い道は決められていないとわかったところで、実際にどのような用途で借入金を利用しているのか見てみる。
当社では、カードローンの利用に関するアンケート調査を実施した。その結果から、カードローンの使い道について、回答数の多い順に5項目ご紹介しよう。以下の通りだ。
生活費の補填
生活費の補填が一番多く、36.2%となっている。
生活費とは、日々暮らしていくにあたって必要な食費、光熱費、衣料費、通信費などが挙げられる。
申込後、審査に通ればスピーディーに借入できるカードローンは、昨今のさまざまな値上げによる出費増加にも対応可能だ。不足した生活費の補填には、強い味方といえるだろう。使い道として選ばれる率が高いことも納得できる。
ただし、借入後は必ず返済しなければならない。日常的にカードローンでの生活費の補填が必要な場合は、家計の見直しが必要だ。
一時的な資金需要
一時的な資金需要の割合は、34.6%だ。生活費の補填とそれほど変わりはない。
一時的な資金需要とは、思いがけない出費に対する借入だ。冠婚葬祭、医療費、家電や車の購入費や修理費用などが考えられる。
普段の生活において、突然の出費への対応が準備できている方は、少ないかもしれない。
必要なときに借入可能なカードローンは、頼り甲斐があるといえる。
趣味・娯楽に関わる出費
趣味や娯楽にカードローンを使う方の割合は、22.6%となっている。
「カードローンの利用は生活が苦しいとき」と考えている方は多いだろう。趣味や娯楽への利用は、意外な使い道といえる。
旅行に出かけたり趣味の費用に使ったり、。資格試験や習い事に利用する場合も考えられる。
趣味や娯楽へのカードローンの活用は、充実した生活を送る手助けになっているかもしれない。
クレジットカードの支払い
カードローンをクレジットカードへの支払いに利用する割合は、4.1%と少数だ。
カードローンを利用することで、クレジットカードの支払い延滞が回避できる。信用情報にも傷はつかない。だが、カードローンの借入も返済は必要だ。
クレジットカードへのカードローンの活用は、その場をしのぐには有効だろう。しかし、長い目で見た場合は、おすすめできないかもしれない。
家賃の支払い
カードローンを家賃の支払いに利用する方は、0.8%だ。その割合は、非常に少ない。
家賃の未納は、賃貸契約の解除や退去を求められるおそれがある。カードローンの借入で回避できるだろう。
だが、家賃のためのカードローン利用は、収支バランスが崩れていると考えられる。家計の再評価が必要かもしれない。
5項目の利用目的について説明した。
カードローンは日常生活を助けるために有効な方法といえるだろう。しかし、家計の収支を考えた利用が大切なのは、いうまでもない。家計の見直しをしながら、利用していただきたい。
カードローンの使い方について詳しく知りたい方はこちら。
カードローンはどんな時に使うと便利?
今回の記事では、カードローンは使い道の自由度が高い点について繰り返し触れてきた。では、実際にどのような場面で活用するのが良いのだろうか。
ここまでの解説でまだ挙げていない例について「こんなときにもカードローンが役立つ」シーンをいくつか紹介しよう。
急な出費が重なったとき
あらかじめ決まっている行事や買い物であれば、前月の出費を抑えて預金残高に余裕を持たせるといったことも可能だ。
しかし、当然ながら急に決まる予定もあれば、生活必需品が壊れてしまい早急に買い替えなければならない場合もある。
このような出費が偶然重なったときに、審査結果が出るまであまり時間がかからず、用途も限定されないカードローンが役立つ。
急病や事故でお困りのとき
急な病気やケガで入院・手術が必要になった場合、数万~数十万円単位での金銭的な負担が予測される。
病気や事故による出費は保険により賄えることも多いが、保険金が下りるまで支払を待ってもらえないケースもある。
また、事故を起こした場合は相手の損害を補償するための出費・レッカー代など、状況によって100万円以上の負担が発生することもある。
自分の体調や相手方の状況なども心配な中で、金銭的な不安を軽減したいときはカードローンの利用も1つの手段となる。
手持ちのお金・口座残高が足りなかったとき
買い物をして既に支払うことが決まっているが「手持ち・口座残高が足りないことに気付いた」経験はないだろうか。
あらかじめカードローンを契約しておけば、ネットバンキング・ATMなどで必要なタイミングですぐに借入することができる。
気軽に利用できるからといって借りすぎないように注意が必要だが、このような状況もカードローンが活用できると言える。
家族・友人に相談しづらいとき
急にお金が必要になった場合、家族・友人などに相談してお金を借りる方法もあるかもしれない。
しかし、親しい間柄の人に金銭的な相談をしたり、お金のことで迷惑をかけるのは心苦しいと感じる方も多いはずである。
このようなときも、カードローンを利用すれば周囲に迷惑をかけずに必要な資金を調達できる。仲の良い人へ相談する時と比べて心理的な負担が軽くて済むため、非常に有効な場面と言える。
ただし、返済が滞って周りに利用が知られてしまった場合は、逆に迷惑をかけてしまうこともある。
あくまでもカードローンは一時的にお金を借りるものであり、借入と返済を計画的に行う必要があることを忘れないでほしい。
借入目的が生活費で借りられる時・借りられない時
ここでは、借入目的を生活費とした場合の、カードローン借入審査通過の可否について説明する。
カードローン申込時には、その使い道、いわゆる利用目的を求められる場合がある。事業資金を除けば、原則、何に利用しても問題はない。
使いみちを生活費とした際、状況によっては審査に通過しない可能性がある。生活費が不足する理由が、安定した収入がないためと見なされるケースだ。
カードローンの借入申込の際には、勤務先、収入状況、勤続年数などの情報が必要となる。
転職したばかりのときは、長期的な安定収入の証明は難しい。お金を貸しても、返済されない可能性があると思われるだろう。
一方、勤続年数が長く、安定した収入が証明されたときは、借入目的が生活費でも審査に通過できるといえる。
必ずしも勤続年数が重視されるとはいえないが、大切なのは、借入後の返済能力に問題がないことだ。
では、どのような使い道であれば審査に通過しやすいのか。
それは、一時的に必要な資金への借入だろう。思いがけない出費に対しての利用であれば、返済の見込みがあると判断される可能性は高い。
使い道の記載は、冠婚葬祭や資格試験、レジャーなどの利用目的が望ましいといえる。
こんなカードローンの使い道はダメ
カードローンの使い道は、事業に使わなければ、原則自由だ。何に利用しても問題はない。だが、借入目的に適さない使い道もある。
ここでは、好ましくない借入目的を3つ取り上げる。ぜひ参考にしてほしい。
他で借りたローンの返済
まずは、他で借りたローンの返済に対してだ。
すでに借りているカードローンの返済に困り、新たな金融機関会社からお金を借りようと考えることもあるだろう。しかし、借金の繰り返しは多重債務となる。
多重債務に陥ると、借入金額は膨らみ利息も増え続けるだろう。また、借入期間の長期化につながるおそれも。最終的には、返済ができない状態になる可能性が高い。
他で借りたローンへの返済の利用は、避けるべき使い道だ。
カードローンでは、複数の金融機関会社から借入している方に対して、借入をまとめる「おまとめローン」という商品を用意している。
2社以上で借りたカードローンの返済は、おまとめローンを利用していただきたい。
ギャンブル
次は、ギャンブルへの使い道について説明する。ギャンブルとは、お金などを賭けて勝負をする遊びだ。
ギャンブルは必ずしもお金が増えるわけではない。負けが続くとさらにお金に困り、返済どころか、借入が大きくなるばかりだ。ギャンブル依存症に陥る可能性もあるだろう。カードローンで借入をしてまでギャンブルにお金を使うのは、とても危険な行為だ。
借入目的には、非常に適さないと考えられる。
目的別ローンで指定以外の用途で利用する
最後は、目的別ローンでの避けるべき使い道だ。
目的別ローンとは、借入金の使用が定められているローンである。住宅ローン、マイカーローン、教育ローンなどが挙げられる。
それぞれ、決められた目的に利用しなければならない。カードローンよりも金利は低く設定されているのがメリットだろう。
この目的が決められているローンを、目的以外に使用してはいけない。資金使途違反にあたるからだ。資金使途違反は、申込時の使い方以外に資金を利用するため契約違反といえる。
例えば、マイカーローンを生活費やギャンブルに使うなどだ。
違反が分かった場合、融資先から融資した金額の一括返済を求められるかもしれない。
また、ローン借入時に信用保証協会付き融資の場合、その違反が分かると、今後の信用保証協会の利用が困難となるおそれがある。信頼を失うからにほかならない。
目的別ローンの利用は、その目的でのみの利用をおすすめする。
カードローンに申し込む時の注意点
カードローンは、日常のさまざまな場面で便利に活用することができる。すでに契約を検討中の方もいるのではないだろうか。
そこで、ここからは審査で注意すべき点について解説していきたい。ほとんどのカードローンに共通する内容なので、ぜひ準備の参考にしてもらいたい。
情報は正確に申告する
カードローンの審査では、主に利用予定者がしっかりと返済を行える人かどうかの確認をしている。
そのため「少しでも審査に通りやすくしたい」気持ちから、年収を多めに申告しようと考える方もいるのではないだろうか。
しかし、審査では安定した収入の有無だけを見ているわけではない。当初の契約内容を守り、返済義務をしっかり果たす人物かという点も重要だ。
そのため、実際の収入でも金額的には問題なかったにもかかわらず、事実と異なる申告をしたために審査に落ちるケースがある。
また、悪意がなかったとしても事実と異なる情報が申告されていると、確認に時間を取られて審査に時間がかかる可能性もある。
このような理由から、審査を受ける際は自分の年収などを書類でしっかりと確認したうえで正しい情報を申告すべきといえる。
総量規制を超えていないか確認する
総量規制とは、貸金業者に対して「契約者の年収に応じて貸付額を制限する」規定だ。この規制により、契約者の年収の3分の1を超える貸付は原則禁止となっている。
ちなみにこの規制は消費者金融に適用されるものであり、銀行系のカードローンには当てはまらない。
ただ、銀行系カードローンでは独自に総量規制のような貸付制限を設けている所も多く、基本的に年収の3分の1以上の金額を借りることは難しくなっているのだ。
高額の借入を必要としている・金利の観点から借入限度額を増額したい場合に、総量規制を煩わしいと感じる方もいる。
しかし、この規制は過度な借入から利用者を守るための重要な決まりごとである。趣旨を理解し、事前に希望額が総量規制を超えていないか確認しておこう。
複数社に同時申込をしない
早急にカードローンで借入をしたいときに「審査に落ちても他ローンをすぐ契約できるように」と複数の会社に同時申込をする方がいる。
また、複数のカードローンの利用を前提に「同日申込をすることで他社の契約履歴を確認されず審査が通りやすくなる」説もある。
しかし、実際には審査のタイミング・会社ごとの審査工程の違いなどにより同日に申込をした他社の情報も基本的に確認できる。
こうしたケースでは、かえって不信感を持たれて審査に通りにくくなる場合が多い。そのため、審査結果が不安であっても一社ずつ申込をすることをおすすめしたい。
カードローン利用時の注意点
申し込み後、無事に審査が通れば、あとは好きなタイミングで限度額まで借入をすることができる。では、利用を始めてからはどのような点に注意すれば良いのだろうか。
金利を確認する
契約をした時点で、最終的な自分の借入限度額と金利を再度確認しよう。
確認のポイントは2点ある。まずは契約したカードローンの金利が「法定金利」を超えていないか、そして「予定借入額では利息がいくらかかるのか」だ。
金利の上限は法律で決められている。「大手なら違法なことはしていないだろう」といった心理は働くが、念のため最初に確認しておくと良い。
また、返済計画を立てるうえでも「利息は何パーセントで、元金に加えていくらの返済が必要なのか」は非常に重要となる。
必要最低限の借入に留める
最初は「この費用がピンチだ」と目的を絞ってカードローンを使い始めても、次第に限度額まで「自由に使っていい金額」と誤解してしまう場合がある。
確かにカードローンは、限度額いっぱいまで借りることができる。ただ、限度額は自分の預金残高とは違い「利息を付けて返済しなければならないお金」だ。
無理なくカードローンを利用するためには上記を常に意識して、借入は必要最低限に留めて欲しい。
利用前に返済計画を立てる
必要な金額を借入してから、月々に支払える金額から返済計画を立てる方も多いだろう。しかし、返済計画は利用前に立てることをおすすめする。
お金の計算が不得意な方は、Webの「返済シミュレーションツール」で、元金・金利・返済回数だけでも入力してみると良い。
計算してみると「月々の返済額が意外と多い」「この返済期間だと利息の総額がこんなにかかるのか」など具体的に返済のイメージが湧くはずだ。
情報をもとに、借入額を抑える・返済回数を調整するなど無理ない計画へ修正することが安全で賢い利用に繋がる。
返済遅滞を絶対にしない
各金融機関で定められている返済日には、必ず返済をしていただきたい。返済の遅れは、幾つかのリスクをもたらすからだ。
カードローン利用の際は、その利用状況が信用情報機関に登録される。返済が遅延した場合、その情報が信用情報機関に異動情報として記載されてしまう。
返済能力に問題があると見なされ、今後の借入ができなくなってしまうおそれがある。
家族にカードローンの利用を知られたくない方も、返済遅滞には注意が必要だ。
郵送物が自宅に送られないように手続きをしていても、返済が遅れすみやかにこれに応じなかった場合は督促状が郵送され、家族に知られてしまうだろう。
返済の遅れは、総支払額の増加にもつながる。遅延損害金が発生するからだ。遅延損害金の金利は金融機関によって独自に定められている。
借入時の金利より高く設定している会社がほとんどだ。返済をすると通常の金利に戻るが、延滞期間中は多く支払うことに変わりはない。
上記の理由から、返済の遅延は避けるべきだ。
余裕があれば繰上げ返済も検討する
繰上げ返済は、決められた返済日とは別に、自分の好きなタイミングでお金を返済する方法だ。
繰上げ返済したお金は、元金の支払いに充てられる。利息は元金を基に計算されるため、利息の減少につながるだろう。
また、返済期間も短縮されるため、メリットにほかならない。
ここで気をつけるべきは、お金にゆとりがあるときだけの利用に留めることだ。早く返そうと考えて無理をし、普段の生活に悪影響を与えてはいけない。
繰上げ返済は、ボーナスなどの臨時収入を利用していただきたい。
カードローンを利用するメリット
カードローンは、リスクの高い使い方をすればトラブルにつながることもある。
しかし、適切に利用すれば資金不足による不安を軽減できる便利なサービスだ。
ここからは「お金が足りない!困ったな」というときに、借入先としてカードローンを選ぶメリットについて解説していく。
担保・保証人が不要
お金を借りる場合、担保・保証人が必要となるケースも多い。
しかし「周りの人には言いたくない」などの理由で保証人を立てられない方もいるはずだ。
その点、多くのカードローンは利用者が保証人を立てるのではなく保証会社が入るため、担保・保証人は不要となっている。
借入手続きが比較的簡単
目的が決まっているローンでお金を借りる場合は、何にどれくらいお金を使うのかを示す「見積書」の提出を求められる。
そのうえで、見積もり金額と契約希望者の年収も踏まえて「これくらいの融資が可能ですよ」と提示されるのが一般的な流れだ。
しかし、カードローンの場合はそもそも使用目的を限定していないため、見積書などの作成・提出は必要ない。
このように、カードローンは契約が完了するまでに必要な審査の工程が少ない。
また、用意しなければならない書類も少ないため、比較的簡単に手続きが行える。
さらに、一度契約した後はATM・専用機で自分の口座からお金を引き出すときのように好きなタイミングで手軽に借入できる。これも大きなメリットと言える。
クレジットカードのキャッシングより金利が低め
会社により金利には差があるものの、カードローンの金利はキャッシングと比べて低く設定されていることが多い。
ちなみに、カードローンは低金利な傾向にあるが、借入限度額により金利の幅が広い点には注意が必要だ。
たとえば、キャッシングの場合は金利の幅が15〜18%程度となる。
一方、カードローンでは、同じ商品の中で1.5〜14%など10%以上の差があることも珍しくない。
一般的には借入限度額が高いほど金利は低く設定されていることが多い。
金利を抑えたい場合は利用限度額の増額を検討するのも良いだろう。
カードローンは使い道を明確にし、賢く利用することが大切
カードローンの使い道は、生活費や一時的な出費への対応が多いと分かった。
しかし、趣味や習い事など、自分自身のスキルアップのために利用している人も多く見られる。必ずしもお金に困っているために、カードローンを利用しているとはいえないだろう。
カードローンの魅力は、使い道が自由な点といえる。だが、ギャンブルや他のローンへの返済のために使うことは、さらなる債務につながるリスクがあり、避ける必要があるだろう。
カードローン利用時の注意点を理解し、借入の際は、無理のない返済計画を立てて利用することも大切だ。返済の遅延は、最も避けるべき事項だろう。
カードローンのメリットを活かすためにも、使い道を明らかにすることは重要だ。賢く利用し、カードローンを味方につけ、豊かな生活を送っていただきたい。