- クレジットカードの支払い方法による違いを知りたい
- 支払い方法を選択するポイントがわからない
- 普段使いにぴったりのクレジットカードを知りたい
クレジットカードには、会計金額をまとめて支払う一括払いのほかにも支払い方法が用意されている。
支出状況に応じて支払い方法を選択することで、家計を管理しやすくなるのだ。
ただ、クレジットカードの支払い方法を選ぶポイントを把握しておかないと、必要以上の金額が発生して支払いが滞ってしまう恐れがある。
そこで本記事では、クレジットカードの支払い方法ごとの特徴と選ぶポイントを解説している。
さまざまな支払い方法が用意されているクレジットカードから、普段使いにぴったりのものも紹介しているので、ぜひチェックしてほしい。
クレジットカードの4種類の支払い方法をそれぞれ解説
クレジットカードの4種類の支払い方法は以下の通りだ。
- 1回払い
- ボーナス払い
- 分割払い
- リボルビング(リボ払い)
それぞれの仕組みについて詳しく説明しよう。
1回払い
商品を購入したり、サービスを利用したりした翌月や翌々月に一括で料金を支払う方法だ。
最も一般的な支払い方法であり、手数料はかからない。
15日締め翌月10日支払いの場合、1月16日〜2月15日に利用した金額を3月10日に支払うことになる。
クレジットカード会社ごとに締日や支払い日は違うため、必ず確認しておこう。
また、利用店舗によっては、1回払いしか受け付けていないケースがある。
ただ、後からアプリやマイページから支払い方法を変更できるクレジットカード会社が多い。
ボーナス払い
決済した次のボーナス時期に一括で料金を支払う方式だ。
一般的に、ボーナス払いも手数料はかからない。夏ボーナスは7月or8月、冬ボーナスは12月or1月に支払うことが想定されている。
JCBの場合、ボーナス払いの利用期間と支払い日は以下のように設定されている。
利用期間 | 支払い日 | |
---|---|---|
夏 | 12月16日~6月15日 | 8月10日 |
冬 | 7月16日~11月15日 | 1月10日 |
利用期間から外れている6月16日〜7月15日、11月16日〜12月15日は、ボーナス払いを選択できない。
多くのクレジットカード会社がボーナス払いの利用期間時期を設定しているので、必ず確認しておこう。
分割払い
分割払いとは、2回以上の支払い回数を決め、複数回に分けて料金を支払う方式だ。
手数料は2回払いではかからないが、3回以上になると回数に応じて必要になる。
大きな買い物をした際に分割払いを選ぶと、月々の支払いを少なくできる。
ただ、分割回数が増えせば増やすほど、手数料が高くなる点に注意が必要だ。
15日締め翌月10日支払いで2回払いを選択した場合、1月16日〜2月15日に利用した金額を3月10日と4月10日に分けて支払うことになる。
15日締め翌月10日支払いで3回払いを選択した場合、1月16日〜2月15日に利用した金額と手数料の合計を3で割った金額を、3月10日と4月10日、5月10日に分けて支払うことになる。
また、ボーナス時期のみ支払い額を増やすボーナス併用払いも選択可能だ。
ただ、すべてのクレジットカードで利用できるわけではないので、事前に確認しておく必要がある。
リボルビング払い(リボ払い)
リボルビング払い(リボ払い)とは、クレジットカードの利用料金や利用回数とは関係なく、毎月一定金額を支払う方式だ。
月々の定額に手数料を加えた金額を支払う「ウィズアウト方式」、月々の定額に手数料を含んだ金額を支払う「ウィズイン方式」がある。
利用金額が同じなら、ウィズアウト方式の方が完済までの期間は短い。
10.0%以上の手数料を設定しているクレジットカードが多く、支払い金額は高額になりやすい。
リボ払いの手数料15.0%のJCBで、12月20日に10万円を利用して月々2万円を返済するケースを想定してみよう。
支払い月 | 支払い金額(円) | 内手数料(円) | 内支払い元金(円) | 支払い後残高(円) |
---|---|---|---|---|
2024年2月 | 21,065 | 1,065 | 20,000 | 80,000 |
2024年3月 | 20,950 | 950 | 20,000 | 60,000 |
2024年4月 | 20,762 | 762 | 20,000 | 40,000 |
2025年5月 | 20,491 | 491 | 20,000 | 20,000 |
2024年6月 | 20,254 | 254 | 20,000 | 0 |
元金は100,000円だが、トータルの支払いは103,522円だ。
手数料として3,522円を支払っていることになる。
利用額が大きかったり、支払い元金が小さかったりして完済までの期間が長いと、トータルの返済額はより大きくなってしまう。
リボ払いは、毎月の支出額を設定できて家計管理がしやすいというメリットがある一方で、利用方法を間違えると生活を苦しめる可能性も秘めている。
利用し過ぎるといつまで経っても残高が減らず、手数料が膨らんで元金の倍以上の支払いが発生してしまうデメリットもある。
支払いに追われて家計が苦しくならないように、リボ払いは計画的に活用しよう。
クレジットカードの支払い方法を選ぶ際のポイント
現金いらずで便利なクレジットカード払いだが、使い方を誤ると返済に追われて生活が苦しくなるかもしれない。
支払いを滞納すると信用情報にキズがついて、ローンの審査に落ちたり、新しいクレジットカードを作成できなかったりする。
そのため、今から紹介するポイントを押さえてクレジットカードを使用してほしい。
- 返済予定に問題はないか
- 割高な手数料が発生していないか
- 初期設定でリボ払いになっていないか
それぞれ解説しよう。
返済予定に問題はないか
支払いが完了しても財布からお金が減らない分、クレジットカードを使い過ぎてしまう人もいるだろう。
しかし、カードの使い過ぎによって自己破産せざるを得ない状況に追い込まれる可能性がある。
そのため、使用する際は返済期限までにお金を用意できるか、必ず確認してから使用しよう。
カード会社によっては後から分割払いやリボ払いに変更もできるが、なるべく使用したくない。
後に伸ばした支払いが、翌月以降に自分の首を絞める可能性が高いからだ。
また、ボーナスが確定していないタイミングで、ボーナス払いに頼るのはやめよう。
不祥事や業績の悪化によって、大幅にボーナスが減額される可能性があるからだ。
また、新型コロナウイルス感染症のような不測の事態も考えられる。
クレジットカードの利用は、1回払いで無理なく返済できる範囲に留めておこう。
割高な手数料が発生していないか
手数料が発生して元金以上の支払いが必要になる分割払いやリボ払いには、注意しておかなければならない。
カードごとに手数料が違うため、高いものを選んでいると支払いがかなり苦しくなる。
分割払いやリボ払いを利用する可能性があるのであれば、手数料が安いものを作成しておきたい。
また、これらの支払いを選択するケースでは手元にお金がない機会が多い。
手数料が上乗せされるとなおさら支払いが難しくなってしまうため、なるべくこれらの支払い方法を選択せずに済む利用範囲に留めておこう。
どうしても分割払いやリボ払いが必要になった場合は、給料が入ったタイミングで繰り上げ返済を行うと手数料を抑えられる。
初期設定でリボ払いになっていないか
リボ払いで苦しんでいる人のなかには、リボ払いを選択したつもりではない人が存在している。
しっかりと確認しないまま申し込みを進めており、初期設定でリボ払いを選択していることに気がついていないのだ。
カードによってはデフォルトでリボ払いにチェックが入っているケースもある。
また、初回設定でリボ払いを選択するとポイントがもらえるキャンペーンにも注意が必要だ。
条件達成後、支払い方法を切り替えられれば良いが、忘れてしまう可能性もある。
どうしてもポイントが欲しい場合は、メモ帳やスケジュール帳に記録して、1回払いに変更するのを忘れないようにしよう。
基本的に、各クレジットカード会社のインターネットサービスやアプリで変更が可能だ。
後で困らないよう、クレジットカードが届いた時点でどの支払い方法が適用されているのか確認しておきたい。
普段使いにぴったりのクレジットカード
普段使いにぴったりのクレジットカードは以下の通りだ。
- 三井住友カード(NL)
- 楽天カード
- JCBカードW
それぞれのカードが向いている人の特徴や魅力的なポイントを解説しよう。
三井住友カード(NL)
- 対象のコンビニ・飲食店を利用する機会が多い
- 日常生活に役立つ保険に無料で加入したい人
- SBI証券でNISA口座を開設している人
三井住友カード(NL)は、年会費永年無料のクレジットカードだ。
基本の還元率は0.5%と高くはないが、還元率アップの特典やキャンペーンが多い。
たとえば、対象のコンビニ・飲食店でスマホのタッチ決済を利用すると、最大7%ポイント還元される。対象のコンビニ・飲食店は以下の通りだ。
店舗形態 | 対象店舗 |
---|---|
対象のコンビニ | セイコーマート・セブン‐イレブン・ポプラ・ミニストップ・ローソンなど |
対象の飲食店 | マクドナルド・モスバーガー・サイゼリヤ・ガスト・バーミヤン・しゃぶ葉・ジョナサン・ドトールコーヒーショップ・エクセルシオール カフェ など |
最高2,000万円(利用付帯)の海外旅行傷害保険も付帯されているが、利用しない場合はほかの保険に切り替えられる。
変更可能な保険は以下の通りだ。
- ゴルフ安心プラン(ゴルファー保険)
- 弁護士安心プラン(弁護士保険)・スマホ安心プラン(動産総合保険)
- 日常生活安心プラン(個人賠償責任保険)
- ケガ安心プラン(入院保険(交通事故限定))
- 持ち物安心プラン(携行品損害保険)
カードを保有しているだけで保険が付帯されるお得なサービスなので、積極的に活用しておきたいところだ。
また、SBI証券のクレジットカード積立で三井住友カード(NL)を使用すると、積立額の0.5%がポイントとして付与される。
※2024年9月10日(火)積立設定締切分(2024年10月1日(火)買付分)までのポイント付与。以降は対象カードごとのカードご利用金額などに応じたポイント付与率になる。
※クレカ積立上限は10万円
1ヵ月ごとに3万円を積み立てていると150ポイントが付与され、年間1,800ポイントを受け取れる計算だ。
貯まったポイントはショッピングに使ったり、株式を購入したりと、さまざまな使い道が用意されている。
※対象のコンビニ・飲食店でのスマホのVisaのタッチ決済・Mastercard®タッチ決済でポイント最大7%還元
※最大7%内訳(通常ポイント0.5%+スマホのタッチ決済利用6.5%)。
※商業施設内の店舗など、一部ポイント加算の対象とならない店舗あり
※iD、カードの差し込み、磁気取引は対象外
※一定金額(原則1万円)を超えると、タッチ決済でなく、決済端末にカードを挿して支払い必要な場合あり
その場合、支払い分はタッチ決済分のポイント還元の対象外となる
上記、タッチ決済とならない金額の上限は、利用店舗によって異なる場合あり
※ポイント還元率は利用金額に対する獲得ポイントを示したもので、ポイントの交換方法によっては、1ポイント1円相当にならない場合あり
※Google Pay™ で、Mastercard®タッチ決済は利用不可、ポイント還元も受けられないので注意
楽天カード
- 楽天グループのサービスを多く活用している人
- 基本の還元率が高いクレジットカードをほしい人
\ 新規入会&利用で5,000ポイントプレゼント /
楽天カードは、楽天モバイルや楽天市場、楽天証券など、楽天グループのサービスを利用している人には必須のカードだ。
サービスの利用実績に応じて、ポイントの還元率が高くなるSPU(スーパーポイントアッププログラム)があるからだ。
楽天カードの保有で+1倍、カードの引き落としを楽天銀行にすると+0.3倍、還元率がアップする。
そのほかのSPUの対象サービスは以下の通りだ。
対象サービス | 倍率 | 達成条件 |
---|---|---|
楽天モバイル | +4倍 | 楽天最強プラン契約 |
楽天モバイル決済 | +2倍 | 月に2,000円以上の料金を支払い |
Rakuten Turbo/楽天ひかり | +2倍 | Rakuten Turboまたは楽天ひかりの契約 |
楽天カード通常分 | +1倍 | 楽天カード(種類問わず)を利用して楽天市場で買い物 |
楽天カード特典分 | +1倍 | 楽天カード(種類問わず)を利用して楽天市場で買い物 |
楽天銀行+楽天カード | 最大+0.5倍 | |
楽天証券 投資信託 | +0.5倍 | 当月合計30,000円以上のポイント投資(※)1ポイント以上を利用したポイント投資が対象 |
楽天証券 米国株式 | +0.5倍 | 当月合計30,000円以上のポイント投資(米国株式円貨決済) |
楽天ウォレット | +0.5倍 | 暗号資産現物取引で月に合計30,000円以上購入(ポイント交換含む) |
楽天トラベル | +1倍 | 対象サービスを月1回5,000円以上予約し、対象期間の利用 |
楽天ブックス | +0.5倍 | 月1回1注文3,000円以上買い物 |
楽天Kobo | +0.5倍 | 電子書籍を月1回1注文3,000円以上買い物 |
Rakuten Pasha | +0.5倍 | クーポンで当月に300ポイント以上獲得し、「きょうのレシートキャンペーン」にて審査通過レシート10枚以上達成 |
Rakuten Fashionアプリ | +0.5倍 | Rakuten FashionアプリでRakuten Fashion商品を月1回1注文5,000円以上買い物 |
楽天ビューティー | +0.5倍 | 月1回3,000円以上利用(※)クーポン割引後の税込金額 |
また、NISA口座を楽天証券で開設しているなら、楽天カードを使用した積立購入がおすすめだ。
人気商品に多い代行手数料が年率0.4%(税込)未満のファンドを購入していると、0.5%のポイントが還元される。
さらに、基本の還元率が1.0%なのも魅力的だ。ほかの2つのカードは基本の還元率が1.0%を切っているため、特典やキャンペーンを考慮しない場合は楽天カードが最も還元率が高いと言える。
そのため、タイミングや利用先を気にせず、クレジットカードを使いやすい。
JCBカードW
- ポイント還元率を重視する39歳以下の人
- Okidokiポイントの仕組みを理解できている人
\最大15,000円キャッシュバック※/
※キャンペーン期間:2024年10月1日(火)~2025年3月31日(月)
JCBカードWは、18歳以上39歳以下限定で作成できる年会費無料のクレジットカードだ。
一番の魅力は高い還元率だ。
常に通常のJCBカードの2倍の還元率を誇り、Okidoki ランドやJCB ORIGINAL SERIESを活用すると、さらにポイント付与倍率がアップする。
OkidokiランドはJCBが運営するポイント優待サイトで、インターネットショッピングの前に経由するだけでポイント倍率が追加される。
Okidokiランドに登録されているのは、以下のオンラインショップだ。
オンラインショップ | ポイントアップ率 |
---|---|
さとふる | 4倍 |
ビックカメラ.com | 3倍 |
Apple公式サイト | 2倍 |
ユニクロオンラインストア | 2倍 |
Amazon.co.jp | 2~9倍 |
Amazonや楽天市場のような総合通販のほか、ふるさと納税や旅行ジャンルにも加盟店がある。
ネットショッピングをする際は、購入前にOkidoki ランドを活用できるかチェックしておきたい。
また、JCB ORIGINAL SERIESの加盟店であれば、事前にエントリーしておくとクレジットカード決済のポイント付与倍率がアップする。
JCB ORIGINAL SERIESの加盟店は以下の通りだ。
優待店 | ポイントアップ率 |
---|---|
スターバックス (オンラインカードへのチャージ) | 最大30倍 |
Amazon.co.jp | 4倍 |
ミニストップ | 3倍 |
セブンイレブン | 3倍 |
ローソン | 3倍 |
オリックスレンタカー | 6倍 |
時期によって優待店のラインナップやポイント倍率が変動するため、定期的に確認しておくと良いだろう。
JCB ORIGINAL SERIESのページの一番上にある「JCBからのお知らせ」に、キャンペーン情報や新規加盟店が表示されており、情報を入手しやすい。
このようにOkidokiランドとJCB ORIGINAL SERIESを活用できると、JCBカードWは還元率の高い優秀なクレジットカードだ。
ただ、Okidokiランドはショッピング前の経由、JCB ORIGINAL SERIESは事前エントリーが必要なため、サービスを毎回確認するのが面倒な人には向いていないだろう。
自分に合った支払い方法を選んでクレジットカードと正しく付き合おう
ここまでクレジットカードの4つの支払い方法について紹介してきた。
1回払いと2回払いは手数料がかからないが、分割払いとリボ払いは手数料が発生してしまう。
元金以上のお金を払って家計が苦しくなるのを防ぐために、支払いを選択する際はなるべく2回払いまでに留めておきたい。
ただ、どうしても分割払いやリボ払いが必要になるケースもあるだろう。
そのような場合に備えて様々な支払いを選択できるクレジットカードを選んでおくと良い。
支払い方法のバリエーションが豊かかつ還元率の高い普段使いにおすすめのクレジットカードは以下の通りだ。
- 三井住友カード(NL)
- 楽天カード
- JCBカードW
クレジットカードの中には費用(年会費など)がかかるものもあるが、どれも年会費無料ながら、一定以上の還元率を確保できるクレジットカードだ。
それぞれのカードごとに相性の良いサービスや店舗が違うので、自分との相性を考えて申し込んでみてほしい。