- 学資保険は、いつから入るのがいいのか知りたい?
- 学資保険にはいつまで入れるのか、5歳や6歳では遅いのか知りたい
- 学資保険を契約する際の注意事項を知りたい
子どもの将来を考えて、教育資金の準備を検討している方にとって、選択肢の一つとして真っ先に頭に浮かぶのは「学資保険」だろう。
学資保険は、子どもの教育資金を計画的に積み立てるための一つの手段だ。
しかし加入のタイミングによっては、保険料の負担が軽減されたり、より多くのメリットを享受できる場合がある。
よく「学資保険の加入は、早ければ早いほど良い」と言われる。それは、早い段階で加入することで多くのメリットが得られるからである。
しかし、加入が遅くなる場合であっても、すべてのメリットが失われるわけではない。
この記事では、学資保険の加入タイミングに焦点を当て、より賢い契約をするためのヒントを提供する。
この記事を通じて、学資保険の加入についての理解を深めていただきたい。それでは早速、詳細を見ていくことにしよう。
学資保険「いつから」加入するべきか: 基礎項目の整理
ここでは、学資保険にいつから加入すべきかを判断するための基本的な項目を整理する。
子どもひとりにかかる教育費
まずは、子どもひとりにかかる教育費について簡単に確認しておこう。
幼稚園から大学卒業まで、すべて国公立で学ぶ場合が約800〜1,000万円。
すべて私立に学ぶ場合は、文系で約2,200~2,500万円、理系では2,700万円ほどと見積もることができる
進学先に関わらず、教育資金は家計に大きな影響を与えることは間違いない。
この高額な教育費を積み立てる目的で、そして契約者に万一の場合も子どもが教育を確実に受けられるように設計されたのが「学資保険」である。
学資保険は、子どもの教育資金を準備する「貯蓄」機能と、契約者に万一のことがあった場合の「保障」機能が備わる保険商品だ。
契約者が死亡や高度障害状態になった場合、以後の保険料払込は免除されることが多く(※)、満期保険金は満額受け取れる設計になっています。
- 出典:文部科学省『令和3年度子供の学習費調査』
- 出典:日本政策金融公庫『令和3年度 教育費負担の実態調査結果』
※「保険料込免除」は自動で付加される場合と、特約でつける場合とがあり、保険会社や保険商品によって異なる。
学資保険に加入できる「子ども」の年齢
一般的な学資保険の期間満了は18歳(大学入学時)が多い。
しかし、学資保険の契約は、大学入学までにすれば良いというわけではない。
一般的な学資保険の加入年齢
多くの学資保険では、契約できる被保険者(子ども)の年齢を0歳から小学校入学前の6~7歳としている。
満期までの期間が定められているという商品の特性から、運用期間を十分に確保するために学資保険には加入時の年齢制限が設けられているのだ。
妊娠中に加入できる商品が増えつつある
近年、妊娠中でも加入できる商品が増えている。多くの場合、出産予定日の約140日前、すなわち妊娠6ヶ月目から加入が可能である。
これらの商品の多くには、妊娠の経過が順調であるなどの条件が付加されている。
万一、流産や死産となった場合は契約が無効となり、払込済みの保険料は払い戻しされる。
子どもの名前が未定でも、被保険者を子どもにした契約が可能であることが多い。
商品によっても加入可能年齢は変わる
学資保険のなかには、払込時期が短く設定された商品もある。
保険料の払込期間が短いほど、支払保険料の総額が安くなるメリットがあり、子どもが小さいうちに保険料の払込を完了させたいというニーズに対応している。
一部の商品では、「保険期間が2歳まで」など、極端に短い払込期間を設定しているものもある。
学資保険に加入できる「契約者」の年齢
加入する際には、子どもの年齢だけでなく、契約者の年齢も契約に影響する。
契約者にも年齢により契約内容に影響がある
契約者の年齢は、特に「保険料払込免除」がある場合に影響を受ける。
保険料払込免除とは、契約者が死亡や高度障害状態になった場合などに、以降の保険料払込が免除される一方で、契約時に設定した祝金や満期保険金は受け取れるという保障のことだ。
一般的に、年齢を重ねるほど死亡等のリスクが高くなるので、契約者の加入年齢には一定の制限が設けられているのだ。
保険料払込免除は、商品に組み込まれている場合もあれば、特約で付加する場合もある。
払込免除付きでない学資保険商品なら、契約者の年齢上限が高く設定されていることもある。
祖父母でも契約者となることは可能
契約者は親に限るものではないため、契約条件に合致していれば、祖父母であっても学資保険の契約者になることは可能だ。
ただし、祖父母の年齢条件には合致していたとしても、健康状態によっては契約ができないこともある。
学資保険は「いつから」加入するべきなのか
学資保険は、少しでも早いうちに加入するほうが、結果として出費を抑えることができる。
ぜひ早めに検討をすすめていただきたい。
学資保険の加入は早い方がいい5つの理由
「学資保険の加入は早い方が良い」と言われるのは、以下のような理由がある。
毎月負担する保険料の金額が少ない
一般的に、加入から満期までの期間が長くなれば、保険料の払込期間も長くなる。
総額が同じで払込月数が多ければ、毎月支払うべき保険料は安くなる。
保険料の総額が少なくなる
契約時期が早いということは、契約者の年齢も若いということだ。
保険料の計算には子どもの年齢と契約者の年齢が考慮される。よって、早ければ早いほど保険料の総額は少なくなる。
返戻率が高くなる
返戻率とは、払込保険料総額に対する受け取り総額の割合で、貯蓄性を評価する際の指標のひとつだ。
学資保険で積み立てたお金は、満期までの期間に据え置かれているのではなく、保険会社が運用をする。
払い込まれた保険金は通常、リスクの低い商品で運用されるため、運用期間が長ければ長いほど運用益が大きくなる。
結果として返戻率も高くなる。
理由1〜3について、ソニー生命学資保険(無配当)【II 型 大学などの進学資金に】で確認してみよう。
各条件を変更した場合のシミュレーション結果は、以下のとおりである(2023年10月実施)。
条件:受取学資金総額200万円、18歳満期、保険料払込10歳まで月払 | |||
加入年齢 | 子ども: 0歳・男性 契約者: 30歳 男性 | 子ども: 2歳・男性 契約者: 32歳 男性 | 子ども: 3歳・男性 契約者: 33歳 男性 |
月払保険料 | 15,700円 | 20,260円 | 23,540円 |
払込保険料総額 | 1,884,000円 | 1,944,960円 | 1,977,360円 |
返戻率(※) | 約106.1% | 約102.8% | 約101.1% |
子どもが小さいときから「万一の保障」が得られる
学資保険を早いうちに契約すれば、子どもが小さいときから万一に備えることができる。
子どもに教育をを諦めさせないためにも、早いうちから備えておくことをおすすめする。
学資保険につけられる各種特約(払込免除、医療、育英年金)なども検討しておきたい。
商品選択の幅が広い
学資保険は、加入時期のみならず、支払方法、満期をいつにするか、保険金をどのタイミングで受け取るかなどを契約者が決められる。
しかし、契約者あるいは被保険者(子ども)の年齢によっては、これらの選択肢が狭まることがある。
早ければ早いほど、たくさんの保険商品からより良い商品を選択できる。
学資保険に妊娠中に加入する
前述のとおり、学資保険の中には、子どもが生まれる前に加入できる商品がある。
妊娠中に加入するメリットは、以下のようなものがある。
ゆっくり比較検討する時間がある。
新たな家族を迎えるのは、夫婦にとっては一大事だろう。
忙しいことに変わりはないだろうが、出産後に比べれば、出産前は比較的余裕があると言える。
この機会に、夫婦でライフプランや子どもの教育についてじっくり話し合い、学資保険を比較検討することができる。
妊娠中から保障がはじまる
契約内容にもよるが、保障は保険加入と同時に始まるプランが一般的だろう。
出産前に契約者に万が一のことがあっても、子どもの学資金を確実に準備できる点は大きな安心だ。
子どもの健康状態を問われない
学資保険の出生前加入では、子どもの健康状態は問われないケースが多い。
出産後の場合、健康状態によっては、加入延期を求められることもある。
ただし、出生後の家計の変化の見積もりを誤ると、保険料の支払いに苦慮する可能性もでてきてしまう。契約にあたっては、より慎重に、支払うことができる金額を設定しておきたい。
学資保険に1歳を過ぎてから加入する
以下に、学資保険に1歳を過ぎてから加入するケースを整理する。
1〜3歳で加入する
子どもが1〜3歳のときに学資保険に加入する世帯は多い。
教育等にあまりお金がかからないこの時期から学資保険の支払いをスタートすると、その後の資産形成がスムーズになることが期待できる。
4〜6歳で加入する
学資保険の加入年齢の上限は、多くの場合、小学校入学のタイミングだが、保険会社によっては4〜5歳とする商品もある。
この頃は、子どもが幼稚園や小学校に上がる時期でもあるため、親が復職および就職を検討する時期でもある。
復職等により増えた家計収入を、学資保険の保険料に充てることが可能となる。
ただし、このタイミングでの加入は、他の金融商品や保険商品と比較して、「学資保険」がご家庭のニーズに合致しているかを慎重に検討することが大事である。
学資保険の「確実に貯められる」「定期保険と比較すれば良い利回り」「万一の保障が得られる」点に強く魅力を感じるならば、子どもの教育費の備えの一つの良い選択肢になるだろう。
7歳、8歳、9歳、10歳で加入する
子どもが小学校に上がったあとでも、加入できる学資保険は存在する。
ただし、年齢が上がれば上がるほど、「保険料が高くなる」「返戻率が低くなる」「商品の選択肢が少なくなる」というデメリットが増える。
この時期からなら、教育費を確保するため、そして保障を確保するために、別の金融商品や生命保険商品の活用を検討した方が良いかもしれない。
いつから学資保険に加入するべきなのかがわかったら!契約時の注意ポイント
ここでは、学資保険を契約する際に注意しておきたいポイントについて述べる。
まず、もっとも気になる点であろう「返戻率」をより有利にするための契約の工夫について述べる。
また、無理のない受取保険金額の設定や、児童手当を支払保険料に充てる方法についても述べる。
学資保険の返戻率を高くするための工夫
以下に、学資保険の返戻率を高くするための工夫をご紹介する。
いずれも返戻率を上げるうえでは有効だが、デメリットもあるので、実際に契約を締結するうえでは、多角的に検討して欲しい。
保険料を「一時払い」「全期前納」で支払う
学資保険の保険料は、月払いや年払いのように分割して支払う方法が一般的だが、「一時払い」や「全期前納」のようにまとめて支払う方法もある。
一般的に、まとめて支払う方が保険料は安くなるが、多額の資金が契約に縛られることや、税制優遇に影響するなどのデメリットもある。
受取保険料の設定は大学入学に合わせて見積もる
学資保険は多くの場合、子どもの大学入学費用を前もって準備するよう設計されている。
そのため、学資保険で子どもの教育費をすべて賄おうと考えるのではなく、大学入学に要する金額を受取保険金として設定し、大学入学の時期まで据え置くことで、商品の特性を最大限に活かすことができる。
日本政策金融公庫の調査(2021年12月発表)によれば大学初年度に要する費用は、国公立大学で170.7万円、私立文系で233.8万円、私大理系で272万円である。
親元を離れて一人暮らしを始める場合は、その初期費用も考慮する必要がある。
国公立か私立か、あるいは自宅通学か否かにかかわらず、大学入学時には約200〜300万円かかる想定してし、受取保険料を設定すると良いだろう。
児童手当を保険料に充当する
中学校卒業までの児童を養育する保護者に対して支給される「児童手当」を学資保険の保険料に充てる選択肢も検討する価値がある。
児童手当は、一人あたり月額5,000円から15,000円が支給される制度である。
この手当を利用して学資保険での積立を開始しておけば、教育資金を確実に積み立てておくことができる。
- 出典:内閣府『児童手当制度のご案内』
学資保険にいつから入るべきかの答えは「なるべく早く」
この記事では、「学資保険にいつから加入するべきか」という疑問に対して、多角的な視点から解説を行った。
さらに、学資保険加入について年齢別に整理するとともに、契約時に注意するべき事項についても網羅的にまとめた。
学資保険の加入は、早ければ早いほど多くのメリットがある。
しかし、「教育費の見積もりが難しい」や「学資保険の条件設定がわからない」といったお悩みを持つご家庭は少なくないだろう。
そうした場合には是非、保険の専門家に相談していただきたい。
保険の専門家を探す際には、マッチングサービス『生命保険ナビ』の利用をおすすめする。
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