- 貯蓄型保険の特徴や種類について知りたい
- 20代から貯蓄型保険を利用する必要があるのかわからない
- 20代におすすめの貯蓄型保険が知りたい
貯蓄型保険とは、保障と貯蓄、両方の機能を併せ持つ保険のことだ。
若く健康で、病気のリスクが低い20代の方でも、将来への備えとして加入を勧められることも多い。
しかし、保険料が高くなりやすいというデメリットもある。
そのため、収入が十分でないことも多い20代のうちから貯蓄型保険に加入すべきなのか、判断に迷うこともあるだろう。
そこで本記事では、「20代から貯蓄型保険を利用するべきなのか」という疑問を検証していく。
合わせて20代におすすめしたい貯蓄型保険についても紹介するので、本記事が一つの判断材料となれば幸いだ。
20代から利用するべき?貯蓄型保険の基本を徹底解説!
まずは、貯蓄型保険の特徴を見ていこう。掛け捨て型保険との違いも比較し解説する。
貯蓄型保険の特徴
貯蓄型保険とは、万が一の際の保障を備えながら将来に向けた貯蓄もできる生命保険のことだ。
被保険者が死亡もしくは重度の後遺障害となったときに、保険金を受け取れる。
また、何もなかった場合は解約時か満期時に返戻金として受け取ることができる。
支払った保険料が将来保険金として戻ってくるため「貯蓄型」と言われ、保険料を有効に活用できるのだ。
貯蓄型保険には次のような種類があり、将来設計にあわせて様々な商品を選べる。
- 終身保険:保障が一生涯続く
- 養老保険:老後の資金として役立てる
- 学資保険:子どもの教育費としてたくわえる
- 個人年金保険:年金として準備し老後に受け取る
商品によっては、契約期間中に定められた条件を満たすと「生存給付金」や「祝い金」が支払われるものもある。
貯蓄型保険のポイントは、契約した段階で支払う保険料の総額、将来受け取れる金額が確定しているという点だ。
将来の支出や資産形成が明確になるため、具体的な見通しがつきやすい。
さらに解約には手続きが必要であるため、貯金と異なり簡単にお金を引き出すことができない。
そのため、貯蓄しやすく「手元にお金があると使ってしまう」という方に適している。
掛け捨て型保険との違い
掛け捨て型保険とは、貯蓄型保険とは反対の特徴を持つ商品だ。
満期保険金や解約返戻金はない。
貯蓄性はなく保障機能だけとなっている。
保険期間中にケガをしたり病気にかからなかった場合にも、原則としてそれまでに支払った保険料は戻ってこない。
そのため保険料の払い損になってしまう可能性があるのだ。
ただし、掛け捨て型保険は、貯蓄型保険よりも保険料が安めに設定されていることが多い。
つまり、負担を抑えながら保障を備えることができる点がメリットである。
貯蓄型保険と掛け捨て型保険の違いを以下にまとめた。
貯蓄型保険 | 掛け捨て型保険 | |
---|---|---|
満期後の扱い | 返戻金がある | 返戻金なし |
解約時の扱い | 返戻金がある | 返戻金なし |
資産性 | あり | なし |
保険料 | 高い | 安い |
契約者貸付 | あり | なし |
解約のしやすさ | しづらい | しやすい |
大きな違いは、返戻金があるかないかだろう。
保険に資産性を求めるか、保障を重視するかによって選択は変わってくる。
また、貯蓄型保険には解約返戻金があるが、解約する際にはせっかく払い込んだ保険料が無駄になってしまわないか、今解約するとどのくらいの返戻金があるか、などを考慮して判断する必要がある。
一方、掛け捨て型は一定の期間に保障を受けられるというシンプルな仕組みとなっている。
解約返戻金を考える必要がなく見直しの時に不要と思えば解約しやすい。
そのため、ライフステージの変化に合わせた他の商品への乗り換えも比較的手軽にできるだろう。
貯蓄型と掛け捨て型、どちらの加入者が多い?
ここまで双方の特徴と違いについて解説してきたが、貯蓄型と掛け捨て型、どちらの保険を選んでいる人が多いのだろうか。
(公財)生命保険文化センターでは、貯蓄型と掛け捨て型のどちらの保険に入りたいかという調査を行っている。
その結果、貯蓄型は62.8%、掛け捨て型は27.8%となった。
貯蓄型志向の割合は昨年より上昇し、過去5年間で最高となっている。
現在は、6割以上の人が、保険に貯蓄性を求めていることが分かる。さらに20代は、他の世代に比べて貯蓄型志向が強い結果となっている。
貯蓄型に加入したい人は男性69.8%・女性74.8%であるのに対し、掛け捨て型に加入したい人は男性17.9%女性15.7%だった。
このように、若いうちから貯蓄型保険を希望する人は多いのだ。
20代が貯蓄型保険に加入する意義
結論からいうと、貯蓄型保険は20代から検討するべきだ。
若いうちに貯蓄型保険を契約すると多くのメリットがあるためだ。
そこでこの章では、20代のうちに貯蓄型保険に入るメリット、およびデメリットについて整理し、解説する。
また、特にどんな人に貯蓄型保険が向いているのかについても説明する。
20代で貯蓄型保険に加入するメリット
若いときに貯蓄型保険に入ると、返戻金が増える可能性が高い。
早いうちに払い込みが完了すると、支払った保険料を運用する期間が長くなるからだ。保険期間が長いほど返戻率は上昇していく。
したがって20代で貯蓄型保険に加入すると、リターンが大きくなり受け取る金額が増えるというわけだ。
さらに、一般的に保険料は若いほど安くなる。
特に終身保険の場合は保険料が一生涯変わらないので、年齢が若いうちに契約するほど費用を抑えられる。
早い時期に加入しておけば、将来の資金も使い込まずに済む。
保険料は口座から自動的に引き落としがかかるため、貯蓄を仕組化して任せられるのも魅力だ。
また、貯蓄型保険には契約者貸付制度がある。これは、貯蓄型保険の契約でお金を借りられる仕組みである。
自動振替貸付もあり、保険料の引き落としができなかった場合に解約返戻金の限度内で保険会社が保険料の立て替えをしてくれる。
契約者貸付は一般的な銀行等のローンと比べると貸付利率が低い。
返済時期も保険契約期間中であればいつでも良いと設定されていることが多く、万一の資金不足に役立つ制度だ。
デメリットもある
このように20代にとって多くのメリットがある貯蓄型保険だが、デメリットについても理解しておくべきだろう。
特に、解約するタイミングによっては返戻金が払い込んだ保険料総額を下回る可能性がある点には注意が必要だ。
また、加入後に他の商品に乗り換えるメリットが少ないので、加入前に将来の見通しをしっかり立てておく必要がある。
前述の通り、掛け捨て型と比べると保険料は高額で、受け取る保険金の額がほぼ固定されているので、インフレ時には対応できないという弱みもある。
若いうちに貯蓄型保険に入る場合は、保障内容や保険料を十分吟味した上で加入する必要があると言えるだろう。
20代で貯蓄型保険がおすすめな人とは?
特に次に挙げる項目にあてはまる20代の方は貯蓄型保険が向いていると言える。
貯蓄型のメリットを活用できるため、積極的に検討してほしい。
できるだけ早めに、かつ効果的にお金を貯めたい
計画的に資金を準備しておきたいのであれば、20代や独身のうちから貯蓄型保険を選びたい。
若いうちは保険料が安く、また運用期間が長いことから返戻金が増える可能性があるため、有利な条件で加入できる。加入した時点で将来受け取れる金額がわかるため、計画を立てやすく安心だ。
一生涯の死亡保障を確保しながら、将来に向けた貯蓄をしたいという人に貯蓄型保険は適している。
リスクを抑えて手堅く資金を確保したい
貯蓄型保険が不要といわれる理由のひとつに「リターンの低さ」がある。
そのため、投資で資産形成をするべきだという意見もある。
しかしリスクの高い金融商品への投資は、将来必要になるライフイベントのための資金を失ってしまう恐れもある。
その点、貯蓄型保険は契約時点で受け取る金額がほぼ確定している。
安全性を優先し、手堅く資金を準備するには最適な選択肢と言えるだろう。
結婚している・子どもがいる
20代のうちから将来の子供のための教育資金をイメージすることは難しいかもしれない。
しかし、子どもの教育資金を準備することができる貯蓄型保険である学資保険は、子どもが小さいうちから加入しておくことでより大きなメリットを得られる。
また、万が一契約者(親)がなくなってしまった場合、以降の保険料支払いが免除されるため残された家族にとっても安心だ。
時間を味方につけながらお金を貯める選択肢として、20代のうちから積極的に検討してほしい。
20代向け!貯蓄型保険の選び方
20代で貯蓄型保険を選ぶときのポイントは、以下のとおりだ。
保険に入る目的を明確にする
何を目的に保険に加入するのかによって、あなたが選ぶべき保険は変わってくる。
例えば、学資保険であれば進学時、個人年金保険であれば老後に支払われる保険だ。
これらを目的とは違ったかたちで加入してしまうと、必要な時期に資金が確保できないというリスクも考えられる。
目的がはっきりしないまま加入してしまい、後で「やはり不要だった」と早い段階で解約すると、元本割れする可能性もあるため注意したい。
返戻率を確認する
支払った保険料に対し、戻ってくるお金の割合を「返戻率」という。
例えば100万円を払って110万円が受け取れる保険の返戻率は110%となる。
つまり返戻率をみれば、将来どれぐらいの保険金が支払われるのかが分かるのだ。
返戻率は、パンフレットや契約のしおりに記載されている。
同じ条件の商品を比較する際は、返戻率に注目するようにしよう。
長期間払い続けられるか検討する
貯蓄型保険の払い込みは長期間に及ぶ。そのため生活に負担のない範囲で保険料を設定するよう気を付けたい。
最低でも返戻率が100%を超えるまでは支払いができるように月々の支払額を計算しよう。
また、あらかじめ資金が必要なタイミングが決まっている場合には、その期間問題なく支払いを続けられるよう、負担額をコントロールしておく必要がある。
20代におすすめの貯蓄型保険を紹介
「貯蓄型保険」と一口に言っても、前述の通り実際には複数の保険がある。
ここでは、20代におすすめの貯蓄型保険の特徴と活用方法を紹介する。
終身保険
終身保険とは、死亡または重度の障害になったときに保険金が受け取れる保険だ。
満期はなく、保障が一生涯続く。保険料は加入時のまま変わらない。
そのため保険料が安い20代のうちに加入すると月々の支払いを抑えられる。
返戻金としては、解約時の返戻金、満期時の保険金や条件がそろえば支払われる生存給付金などがある。
終身保険には次の3種類がある。
通常タイプ
一般的な終身保険のタイプ。契約期間が長ければ長いほど、解約返戻金が増える。
早い段階で解約した場合、返戻金が払い込んだ保険料より下回ることがある。
低解約型タイプ
保険加入後の一定期間、解約返戻金が低く設定されている。通常タイプより70%となっているものが多い。
返戻金を抑えることで保険料が安くなったり、満期返戻金が高くなっていたりする。
無選択型タイプ
持病がある、過去に大病を患った人でも入りやすい。
告知の項目が少なかったり、審査基準が低くなっている。ただし保険料は高めに設定されている。
保険の加入目的が明確で、計画的に保険料を払えそうであれば、若いうちに「低解約型タイプ」を選択するのもおすすめだ。
保険料を抑えながら、手厚い保障とライフイベントに向けての資金準備が叶う。
個人年金保険
個人年金保険は、国民年金や厚生年金に上乗せする形で任意で入る保険である。
60歳や65歳といった一定の年齢まで保険料を積み立て、その後は年金形式で保険金を受け取ることができる。
20代のうちに加入しておけば、時間を味方につけて余裕をもって老後資金の準備ができるのだ。
また、保険料払込中の保障もある。
掛金を積み立てている段階で被保険者が亡くなった場合には死亡給付金が相続人に支払われる。
つまり、保険の機能を備えながら老後の資産形成が同時にできる点が、個人年金保険の最大のメリットである。
なお、受け取り方は年金のように定期的に保険金を受け取る方法と、一括で受け取る方法を選択でき、受け取り期間に関しては次の3種類に分かれている。
終身年金
被保険者が亡くなるまで、一生涯にわたって受け取れる。
確定年金
年金を受け取る期間が5年・10年などとあらかじめ決められている。
被保険者が死亡した場合は、相続人が引き続き年金として受け取る、もしくは一時金として一括で受け取るかを選べる。
有期年金
確定年金と同じく受け取る期間が決まっている。被保険者が死亡すると、支払いは終了する。
学資保険
学資保険は、昔からある貯蓄型保険の代表的な商品の1つで、子どもの教育資金を確保することが目的だ。
保険料を積み立てていき、子どもの年齢や進学などにあわせて、お祝い金や満期保険金を受け取れる。
学資保険は親・子どもともに年齢が若いうちに入るほうが保険料などの加入条件が良くなる他、選択肢も増える。
20代で小さな子どもがいる人や、これから家庭を持つ人は早い段階で、積極的に検討してほしい商品だ。
また、契約者である親や祖父母が死亡または重度の障害状態になった場合、それ以降の保険料は負担する必要がなくなる仕組みが備わっている。
なお、払い込みが免除された場合であっても、お祝い金や満期金は契約通り受け取ることができる。
万一のリスクに備えながら、子どもの教育資金を確実に準備することができるのだ。
あなたにとって最適な選択を
今回は貯蓄型保険に焦点を当て、20代におすすめの保険や加入時のポイントを解説してきた。
しかし、「いつ・どんな人が保険に加入するか」で最適なプランは異なる。つまり、同じ20代であっても、性別や独身・既婚などのステイタスによってその最適解は変わってくるということだ。
年齢別におすすめの保険や20代におすすめの保険をまとめたこちらの記事も参考にしていただくと、より20代のあなたに合った保険を見つけることができるだろう。
20代なら有利な条件で貯蓄型保険に加入しやすい!
本記事では、「20代から貯蓄型保険を利用するべきなのか」という疑問について検証した。
貯蓄がまだ十分ではない20代のうちは、保険料が高くなりがちな貯蓄型保険を利用すべきか悩むことも多いだろう。
ただ、年齢が若く健康であるほど有利な条件で保険に加入しやすくなる。
将来に備えて資金を貯めたいと考えている人は、貯蓄型保険を利用する価値があると言えるのだ。
一方、必要な保険は自分の生活状況によっても変化する。
ライフステージを考慮し、自分に適した保険を選択していくべきだろう。
もし、数ある商品の中から自分に必要な保険を選ぶことに不安があれば、保険のプロへの相談を積極的に検討しよう。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、20代のあなたに必要な保険を的確に選択することができるはずだ。
また、保険のプロは数多く存在し、その中から自分にとって最適な担当を見つけるのは難しいだろう。
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