- 資産運用と定期預金の違いを知りたい
- 資産運用と定期預金のメリット・デメリットを知りたい
- 自分に合っている方法を見つけたい
低金利環境が続く現在では、「定期預金は資産運用に必要ない」といわれることが多い。しかし適切な資産運用に取り組むためには、一部定期預金を取り入れることも検討したい。
この記事では、積極的な資産運用と定期預金の違いや、それぞれのメリット・デメリットについて解説していく。
積極的な資産運用と定期預金の基本的な違い
資産運用では、株式や投資信託などの積極的な運用商品が注目されることが多い。そもそも積極的な運用で用いられる金融商品と定期預金はどのような違いがあるのだろうか。くわしく見ていこう。
積極的な資産運用とは
積極的な資産運用とは、リスクを取りつつリターンを目指す運用方法だ。主に株式や投資信託が用いられることが多く、投資したタイミングより価格が上昇すれば売買によって利益をえられる。
ただし、反対に市況変動を受けて元本割れリスクを起こすリスクもある。積極的な資産運用に取り組む際は、投資した元本が目減りするリスクを十分理解しておく必要がある。
定期預金とは
定期預金とは、あらかじめ満期までの期間を決めて預け入れる預金だ。満期は1ヶ月、3ヶ月などの短いものから、1年、3年と数年にわたるものもある。
金利は「固定金利」と「変動金利」があり、固定金利は満期まで同じ金利が適用されるが、変動金利は定期的に金利が見直されることが特徴だ。
積極的な資産運用のメリット・デメリット
株式や投資信託を活用した積極的な資産運用に取り組む際は、あらかじめメリット・デメリットについて理解しておく必要がある。それぞれくわしく解説していこう。
【メリット】高いリターンの可能性
積極的な資産運用では、高いリターンを得られる可能性がある。たとえば、多くの投資家に人気のファンド「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の直近パフォーマンスは下記の通りだ。
期間 | リターン(年率) |
---|---|
6ヶ月 | 13.62% |
1年 | 16.83% |
3年 | 21.58% |
もちろん常にこれだけのリターンが取れる確約はないものの、低金利環境が続く現在で10%を超えるリターンが得られるのは大きな魅力といえる。
【デメリット】損失を被るリスクがある
ただし、高いリターンが得られるということは、それだけリスクも大きくなるということでもある。市場に変動要因が起きて価格が下落したときは、投資した元本を割り込む可能性があることをきちんと理解しておかなければならない。
したがって、積極的な資産運用は、生活費などに使う予定のない余裕資金で取り組むことが大切だ。
【デメリット】取引手数料がかかる
株式や投資信託では、取引に手数料が発生する。たとえば、株式投資では1回あたりの取引手数料が決められており、売買どちらでも手数料がかかることが一般的だ。
取引にかかるコストを理解していなければ「思ったよりも売買益が小さくなってしまった」ということにもなりかねない。手数料がかかるタイミングや金額については、取引の前にきちんと確認しておこう。
定期預金のメリット・デメリット
普通預金と定期預金の金利に大きな差がない現在では、「定期預金を利用したことがない」という人もいるかもしれない。ここからは、定期預金のメリット・デメリットを学んでいこう。
【メリット】金利が確定している
定期預金は金利が確定していることから、運用計画に見通しがつきやすいメリットがある。株式や投資信託などでの運用は、「1年後にいくら利益が得られるか」ということが不確定であるため、運用計画の段階では平均的な利回りを当てはめて考えるしかない。
その点、定期預金では満期時に受け取る利益が確定していることから、確実な運用計画を立てられる。
なお、変動金利の定期預金は一定期間ごとに適用金利が見直されるが、運用計画に大きな影響を与えるほどの変動が起きるとは考えにくいだろう。
【デメリット】預入期間の制約
一方で、預入期間が制約されることには留意しておく必要がある。
定期預金の適用金利は、「満期まで預け入れた場合」に受け取れる金利だ。中途解約は可能であるものの、その際は中途解約時の金利が適用されるため、受け取る利子が小さくなることがほとんどである。
定期預金に預入する際は、満期まで預けることを前提に預入期間を検討するようにしよう。
【デメリット】金利の低さとインフレリスク
「定期預金は必要ない」といわれる理由のひとつに、金利の低さがある。現在の定期預金の金利はメガバンクでも0.002%で、100万円を1年預けた場合に受け取れる利子は20円(税引前)だ。
もし適用金利以上にインフレが進行してしまうと、預金の価値は実質目減りしてしまうこととなる。
定期預金は利回りを得る目的ではなく、「近いうちに使う予定があるお金」の置き場所として捉えるのがよいだろう。
どちらが自分に合った選択か
積極的な資産運用と定期預金は、どのようにポートフォリオを組むべきだろうか。ここからは、適切な組み合わせ方について解説していく。
積極的な資産運用と定期預金の組み合わせ方
積極的な資産運用と定期預金の組み合わせ方は、ライフステージや年齢、運用意向によって異なる。
たとえば、「現在30歳で、2年後に車を買い替える予定があるが、それ以外は大きな出費の予定がない」という場合、車の買い替え資金は定期預金へ預けておくことが望ましい。すぐに使う予定があるお金は、増やすことよりも守ることを重視すべきためである。
ただし、それ以外の余裕資金については、株式や投資信託などで積極的な運用に回しても問題ないといえる。現在30歳ということを踏まえると、時間を味方につけて運用することが可能であるためだ。
また、定期預金と積極的な資産運用を組み合わせる際は、金融機関が提供するセットプランの利用も検討しよう。セットプランとは、投資信託などの金融商品の購入時に併せて定期預金を預け入れることで、定期預金の適用金利が上乗せされるものである。
ぜひ、いつも利用している金融機関でセットプランの提供がないかチェックしてみよう。
自分のリスク許容度を知る
積極的な資産運用と定期預金の組み合わせを考える際は、自分のリスク許容度を明確にすることも大切だ。リスク許容度とは、「どれくらいのリスクを取って運用できるか」という水準である。
たとえば、「間もなく妻が出産する予定で、一時的に世帯の収入が減る」ということが分かっている場合、余裕資産全てをハイリスク商品に回すことは適切でない。収入が減ることで収支バランスが変化すると、急な出費に対応できなくなる可能性があるためだ。
このようなケースでは、定期預金を活用して、通常時よりも生活防衛費を多く用意しておく必要がある。
リスク許容度は年齢や起こりうるライフイベントなどによって異なるため、まずは自分の抱えるリスクについて書き出してみよう。
専門家の意見を参考にする
積極的な資産運用と定期預金の組み合わせを考える際は、金融の専門家の意見を取り入れることもおすすめだ。豊富な知見がある専門家に尋ねることで、自分では思いつかなかったリスクを指摘してもらえたり、より自分に合ったポートフォリオを提示してもらえるメリットがある。
最近では、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)へ相談する人が増加している。IFAとは、特定の金融機関に属さない金融アドバイザーのことだ。真に顧客目線に立ったアドバイスをもらえるため、ぜひ積極的に活用してみよう。
資産運用に定期預金を取り入れてみよう
資産運用では、株式や投資信託などの積極的な運用だけでなく、定期預金を一部取り入れることも大切だ。特に、「近いうちに使う予定のあるお金」については定期預金で確保しておくとよいだろう。
また、ポートフォリオを組む際の相談は、金融のプロであるIFAを活用することもおすすめだ。顧客目線の立場でアドバイスをしてくれるIFAは、より適切な資産運用に取り組むために必要不可欠の存在である。ぜひこの機会に利用を検討してみよう。
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