1. ホーム
  2. NISA・iDeCo
  3. 60代がiDeCoをするなら?おすすめ商品と活用法を解説

60代がiDeCoをするなら?おすすめ商品と活用法を解説

この記事で解決できるお悩み
  • 60代から始めるiDeCoのおすすめ運用法が知りたい
  • 60代に最適なiDeCo商品が知りたい
  • 60歳以降のiDeCoの運用について知りたい

さまざまな税制優遇が受けられるiDeCoだが、60代からでも始められるのか疑問に思っている方もいるのではないだろうか。

結論、iDeCoは要件を満たせば60歳を過ぎても活用できる。

本記事では、60代におすすめのiDeCoの運用法から60代におすすめのiDeCo商品、そしてNISAとの違いについて解説していく。

iDeCoを活用して資産運用を始めようか迷っている方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてほしい。

目次

60代におすすめのiDeCoの運用法

60代からiDeCoでの運用を始める際には、以下3つを考慮しながら運用戦略を立案し、運用を行ってほしい。

  • 安定志向の投資を行う
  • 資産保全を徹底する
  • 出口戦略を意識する

それぞれ解説していく。

安定志向の投資を行う

60代からiDeCoを活用する場合、安定志向の投資を行うことが重要だ。

投資で大きなリターンを得ようとすると、その分リスクが高い運用となってしまう。

若年層の場合、長期間の運用期間が確保できることから、リスクが高い運用を行ったとしても時間を味方につけて資産拡大を目指すことが可能となる。

しかし、iDeCoは運用できるのは最長で75歳まで(拠出できるのは65歳まで)であるため、60代で始めた場合は長くても15年しか運用期間が確保できない。

リスクの高い運用をして大きな損失を抱えてしまうと、資産が回復しない可能性もあるのだ。

このことから、ローリスク・ローリターンの商品を活用して着実な資産形成を目指してほしい。

資産保全を徹底する

iDeCoの活用有無にかかわらず、60代からの資産運用においては資産保全を徹底することも重要となる。

60代であれば子どもが独立し、金銭的にも余裕がある時期かもしれない。

そのため、高額な投資をして大きなリターンを目指したくなることも考えられる。

しかし、投資には価格変動リスクが伴うことは忘れてはならない。

価格変動リスクとは、商品の価格が変動する可能性のことを指す。

一般的に、株式が最も価格変動リスクが高く、預貯金が最も価格変動リスクが低い。

あらかじめ自身のリスク許容度を把握し、資産を大きく減らさない安定した運用を行うことを徹底しよう。

※どれほどの損失であれば受け入れられるのか、その度合いのこと

出口戦略を意識する

資産運用においては、資産を拡大させることだけでなく、いつまで運用するのかといった「出口戦略」についても意識する必要がある。

投資信託などの金融商品で運用を行った場合、その商品を売却しなければ現金化はできない。

そのため、目標額を達成したら全て売却するのか、それとも一部を売却しながら運用を継続していくのかはあらかじめ検討しておこう。

60代におすすめのiDeCo商品

60代におすすめのiDeCo商品として、以下の3つを紹介する。

  • 債券ファンド
  • バランスファンド
  • 定期預金

それぞれの商品の特徴とおすすめのポイントを解説していく。

債券ファンド

債券ファンドとは、主な投資対象が債券である投資信託のことをいう。

債券は比較的ローリスクな運用商品であることに加え、債券ファンドはさまざまな債券に分散投資されるため、リスクを抑えた安定した運用ができるのが特徴である。

また、運用のプロが投資する債券の種類を選定し運用してくれることから、自分で投資先を選定する必要がない。

一口に債券ファンドといっても、多くの商品がラインナップされている。

国内債券を投資対象とするものもあれば、米国債券や先進国債券、新興国債券を投資対象とする債券ファンドもある。

一般的に、国内債券を主な投資対象とする債券ファンドが最もリスクが低く、新興国債券を主な投資対象とする債券ファンドが最もリスクが高い。

自分のリスク許容度に応じて、適切な債券ファンドを選ぼう。

バランスファンド

バランスファンドとは、複数の金融商品を組み合わせて運用を行う投資信託のことをいう。

投資先は、国内外の株式や債券、REIT(不動産投資信託)やコモディティ(金や石油など)に分散される。

そのため、バランスファンドに投資することで、幅広い金融商品に分散投資できるのが魅力的なポイントだ。

バランスファンドにおいても、商品によって投資対象の組み入れ比率が異なる。

全て同じ比率で構成されているものもあれば、特定の投資対象の組み入れ比率が高くなっているものもあるため、あらかじめそのファンドの投資対象と組み入れ比率を確認することが重要だ。

定期預金

iDeCoの運用先として、最も低リスクなのが元本確保型商品の一つである定期預金だ。

iDeCoを活用して定期預金を行うことで、拠出額が全額所得控除されることから、直接定期預金をするよりも税制メリットが享受できる。

しかし、iDeCoには口座管理に関するコストが毎月発生することを忘れてはならない。

定期預金は安定した運用先である一方、大きなリターン(利息)は受け取れないため、口座管理に関するコストが引かれることで資産がマイナスになってしまう可能性もある点には注意が必要だ。

他の金融商品と定期預金を組み合わせることで、リターンを目指しながらも安定した運用が可能となるだろう。

60代におすすめなのはiDeCoか、NISAか

60代から資産運用を始めるにあたって、活用するべきなのはiDeCoなのかNISAなのか迷っている方もいるのではないだろうか。

ここでは、以下3点について解説していく。

  • iDeCoとNISAの違い
  • 60代におすすめなのはどちらか
  • 60代がiDeCoとNISAを併用する方法とその効果

それぞれの特徴を把握し、自分にあった制度を選択しよう。

iDeCoとNISAの違い

iDeCoとNISAには、主に6つの違いがある。

  • 拠出(投資)可能額
  • 投資対象の選択肢
  • 利用できる年齢
  • 運用期間
  • 受けられる税制優遇
  • 口座管理等の手数料

表で比較すると以下のとおりだ。

スクロールできます
iDeCoNISA
拠出(投資)可能額年間14.4万円〜81.6万円
※職業や企業年金等の有無によって異なる
年間:360万円
上限:1,800万円
投資対象の選択肢定期預金などの元本確保型商品もしくは投資信託つみたて投資枠:一定の投資信託
成長投資枠:上場株式や投資信託など
利用できる年齢原則20歳〜60歳
※厚生年金加入者や国民年金の任意加入者は65歳まで拠出可能
18歳以上
運用期間最長75歳まで無期限
受けられる税制優遇拠出額:全額所得控除
運用益:非課税
受取時:退職所得控除もしくは公的年金等控除
運用益に対する非課税措置
口座管理等の手数料加入時・運用期間中・受取時いずれも発生無料

まず、拠出(投資)可能額には大きな違いがある。

iDeCoの場合、職業や企業年金等の有無によって拠出できる金額が異なるが、NISAであれば職業等関係なく年間最大360万円まで投資が可能となる。

また、iDeCoで投資対象となるのは、元本確保型の商品もしくは投資信託などの安定的な運用が見込める商品のみとなる。

一方、NISAは上場株式などの比較的ハイリスクな商品にも投資できるため、選択肢が広い。

加えて、iDeCoでは利用できる年齢や運用期間に制限が設けられているものの、NISAでは18歳以上であれば誰でも利用できるだけでなく、運用期間は無期限である。

ただ、iDeCoは受けられる税制優遇が豊富だ。運用益のみが非課税となるNISAと比べて、拠出額に対する所得控除、運用益の非課税、受取時に一時金で受け取る場合は退職所得控除、年金で受け取る場合には公的年金等控除が利用できる。

しかし、iDeCoには運用商品に関するコスト(信託報酬)以外にも、口座管理に関する手数料が発生する点には注意しなければならない。

60代におすすめなのはどちらか

60代におすすめなのはNISAだ。

iDeCoは、厚生年金加入者や国民年金の任意加入者でない限り利用できない。

それに加え、65歳を超えると新たに拠出できなくなってしまう。

その点、NISAであれば60代であっても制限なく投資が始められ、運用期間にも制限がないため、より長期での運用が可能だ。

ただ、iDeCoとNISAはどちらかしか利用できないわけではなく、併用が可能だ。

併用した際の効果については後述する。

60代がiDeCoとNISAを併用する方法とその効果

60代がiDeCoとNISAを併用する場合は、iDeCoに満額拠出し、NISAで積立投資をして運用することをおすすめする。

そうすることで、iDeCoによる所得控除の恩恵を受けながら、積立投資でリスクを分散した安定運用が可能となる。

60代はiDeCoの相談を誰にするべき?

60代からiDeCoを始めるにあたって、誰かに相談したいけれど、誰に相談すれば良いかわからないという方も多いのではないだろうか。

ここでは、以下3点について解説していく。

  • iDeCoを始める際に専門家に相談するべき理由
  • IFAの役割とメリット
  • IFA検索サービス「資産運用ナビ」とは

それぞれ見ていこう。

iDeCoを始める際に専門家に相談するべき理由

iDeCoは、運用期間が制限されていることから、運用目標に応じていくら拠出し、どのような商品で運用するかといった運用戦略が重要なポイントとなる。

しかし、今まで投資経験がない方の場合、どのように運用戦略を立てれば良いのか迷うことも多いはずだ。

自分一人で判断できないときには、専門家に力を借りることをおすすめする。

専門家に相談すれば、あなたのリスク許容度に応じた適切なポートフォリオの提案だけでなく、資産運用に関する疑問や不安を解消してくれる。

iDeCoを活用して着実な資産形成を行うためにも、専門家に相談しよう。

IFAの役割とメリット

IFAとは、独立系ファイナンシャルアドバイザーのことをいい、銀行や証券会社などの金融機関に所属していない資産運用の専門家である。

IFAに相談するメリットは、主に2つある。

IFAに相談するメリット
  • 中立的な立場から最適なアドバイスが受けられる
  • 長期的な相談が可能

金融機関に所属する営業担当者の場合、取り扱える商品が限られているため、提案された商品があなたに最適とはいえないケースもあるだろう。

しかし、IFAはさまざまな金融機関と業務委託契約を締結できることから、金融機関の垣根を超えた幅広い商品の取り扱いが可能だ。

豊富な経験と知識をもとに、あなたにとって最適なアドバイスを提供してくれる点は、IFAに相談する最大のメリットといえる。

また、金融機関の営業担当者は数年ごとに転勤があることが多く、途中で担当者が変更となることも考えられる。

一方で、IFAには基本的に転勤が伴わないため、長期的な相談が可能なのだ。

このことから、相談先としてIFAを選択することをおすすめする。

IFA検索サービス「資産運用ナビ」とは

「多くのIFAの中から自分に合ったIFAを自力で探すのは難しい」と感じている方には、ぜひIFA検索サービスである「資産運用ナビ」を活用してほしい。

「資産運用ナビ」とは、投資家とIFAをマッチングさせるサービスだ。

オンライン上で住んでいる地域や相談内容、性別などの必要項目を入力するだけで、あなたに合ったIFAが簡単に見つけられる。

また、プロフィールや得意な提案領域なども事前に確認できるため、あなたの希望に沿ったIFAに出会えるはずだ。

信頼できるIFAを見つけるためにも、ぜひ「資産運用ナビ」を活用してほしい。

60代からのiDeCoの成功に向けて専門家に相談しよう

本記事では、60代におすすめのiDeCoの運用法から60代におすすめのiDeCo商品、NISAとの違いについて解説した。

60代からiDeCoを始める際には、資産保全を徹底した安定志向の投資を行うためにも「債券ファンド」「バランスファンド」「定期預金」といった比較的ローリスクな商品を選択することが重要だ。

また、60代においては、より長期間の運用が可能となるNISAの方がおすすめだといえる。

しかし、iDeCoと併用することで税制優遇の恩恵を受けながら資産形成を行うことが可能となるため、投資に回せる資金に余裕がある方は、NISAとiDeCoを併用することも検討してほしい。

加えて、60代から始めるiDeCoは、拠出期間や運用期間が比較的短期間となってしまうため、目標を達成するためには適切な運用戦略を立案する必要がある。

どのように運用戦略を立案するべきか、どのような商品で運用するべきか迷ったら、資産運用の専門家であるIFAに相談してみてほしい。あなたに最適な運用戦略を立案するために、力を貸してくれるはずだ。

そして、相談するIFAを探す際には、あなたにぴったりなIFAが簡単に見つけられる「資産運用ナビ」を活用しよう。

IFAへの初回相談は無料であるため、気軽に利用してほしい。

60代のiDeCoに関するQ&A

iDeCoは60歳を過ぎたらどうなりますか?

60歳を過ぎても、会社員や公務員として厚生年金に加入していたり、国民年金の任意加入被保険者であったりすれば、65歳になるまで拠出が可能だ。

ただ、上記いずれのケースにも当てはまらない場合は、拠出をせずに運用だけを行う運用指図者になって運用を継続するか、受け取るかを選択する必要がある。

60代がiDeCoに取り組む際には何に気をつけるべきですか?

60代がiDeCoに取り組む際に気をつけるべきなのは「価格変動リスク」だ。

元本確保型商品である定期預金や保険商品を選択しない限り、市場の変動によって投資対象となる商品の価格が変動する。

価格変動リスクを抑えて安定した運用を行うためにも、分散投資を心がけてほしい。

60歳からiDeCoを始めるのはやめたほうがいいですか?

60歳からであっても、最長で15年間の運用が可能だ。税制優遇措置も充実しているため、始めた方が良いだろう。

ただ、60歳からiDeCoを始めた場合、65歳までしか拠出できない点には注意が必要だ。

60歳以降にiDeCoを受け取る場合、税金はいくらかかりますか?

かかる税金はiDeCoの受け取り方法によって異なる。

例えば、以下の前提条件に基づいて、一時金で受け取った場合と年金で受け取った場合を比較してみたい。

前提条件

  • 受取時の年齢
    • 65歳
  • 受取時の合計所得金額
    • 500万円
  • 勤続年数
    • 35年(iDeCoへの掛金拠出年数)

一時金で受け取る場合には退職所得控除が適用されることとなり、退職所得控除額は1,850万円となる。※800万円+70万円×(勤続年数−20年)

そのため、一時金での受取額が1,850万円未満であれば課税されないのだ。

一方、年金で受け取る場合には公的年金等控除が適用され、受取額が年間110万円未満であれば税金はかからない。

しかし、iDeCo以外にも公的年金を受け取っている場合は、それらも合算した金額に対して公的年金等控除が適用されるため、受取額が年間110万円を超えると税金の支払いが必要になる点は覚えておこう。

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

・本サイト「資産運用ナビ」はアドバイザーナビ株式会社が運営しております。
・本サイトに掲載される情報に関しては、最大限の注意を払っておりますが、金利、手数料、その他商品情報の完全な正確性や信頼性を保証するものではありません。
・本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

目次