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厚生年金に国民年金は含まれる?会社員のケースは?年金制度をわかりやすく解説

日本には国民年金と厚生年金という2種類の公的年金制度が存在している。この違いをしっかりと理解し、説明できる人は少ないのではないだろうか。

日本の制度では「2階建て構造」になっているため厚生年金を支払っていれば、国民年金はその中に含まれる。そのため、厚生年金の対象者となる会社員や公務員などは、将来は両方の年金を受け取ることが可能だ。

このように2種類あることで、制度の理解が混乱しやすく説明も複雑になりやすい。普段から知る機会も少ないので、とっつきにくい分野でもあるだろう。

ただ日本で老後を迎える全員に関わってくるくらい重要なものであるので、知っておくべき内容となっている。そこで本記事では、厚生年金について初心者向けにわかりやすく紹介していく。

  • 「厚生年金は支払っているが、国民年金の支払い状況はどうなる?」
  • 「そもそも2種類の制度の違いは何か?」
  • 「厚生年金の加入条件や受け取る条件が知りたい」

上記のような疑問をお持ちの方はぜひ最後までご覧いただきたい。それぞれの保険料に関して知りたい方はこちらの記事で解説している。

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目次

会社員は国民年金を支払っていない?

会社員は国民年金自体は支払っていない。そのためよくある誤解として、以下のようなものがある。

  • 「厚生年金は給料から天引きされて支払っているが、国民年金は支払っていない」
    → このケースでは国民年金は受け取れない

実は厚生年金の保険料の中に国民年金保険料が含まれている。そのため前述したものは勘違いであり、会社員が厚生年金を支払ってさえいれば、実質国民年金保険料も支払っていることになり、将来2つの保険料を同時に受け取れるというわけだ。

以下はそれぞれが払っているものをまとめた表だ。

年金制度サラリーマンフリーランス
厚生
国民

〇が付いていれば、将来も受け取れることを意味する。給与明細を確認しても記載されておらず国民年金に言及されにくいので、会社員の場合は混乱してしまうかもしれないが、厚生年金を支払っていれば両方受け取れると考えていて問題ない。

受け取る際には以下のように名称が変わるので覚えておこう。

受け取る年金の名称

  • 国民年金は老齢基礎年金
  • 厚生年金は老齢厚生年金

名称が変わることも混乱を招く要因の1つであろう。つまり自営業者、フリーランスなど厚生年金を支払っていない人は「老齢基礎年金」のみもらえて、会社員や公務員などは「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の両方を受け取れるようになっている。

厚生年金についての基本知識

厚生年金はサラリーマンや公務員など企業や公的機関に勤めている人が加入する公的年金制度となっている。条件を満たせば加入することになっているため、自営業者や学生、無職でなければ加入しているケースが多い年金制度だ。

ここでは厚生年金の加入条件や特徴、受け取り条件などを確認し、厚生年金についての理解を深めていこう。

特徴

厚生年金の特徴は大きく2つ挙げられ「保険料を会社側(雇用主)に半分負担してもらえること」と「配偶者を第3号被保険者にできる」というものがある。

国民年金の保険料は毎年一定額が設定され、全員が同じ金額を毎月支払うことになる。一方、厚生年金の保険料は18.3%に自分の収入をかけて計算するため個々人で変動する。そのため金額(=収入)が高くなればなるほど、厚生年金の保険料は上昇していくのだ。

たとえば、令和2年9月分からの厚生年金保険料の場合、1万6,104円から11万8,950円まで上下する。本来であれば全額支払うものの、厚生年金は半分の9.15%は雇用主が負担してくれる。つまり、実際に被保険者が支払う金額は、8.052円から5万9,470円と軽減されるのだ。

また厚生年金加入した人で、扶養する配偶者がいれば、その配偶者を第3号被保険者として国民年金へ加入させることができる。この第3号保険者被保険者になれば、配偶者は自分の国民年金保険料を支払わずに将来国民年金を受け取れる。

さらにこの国民年金保険料は扶養する者が支払う必要はなく、第2号被保険者である厚生年金を支払う全員で負担する仕組みとなっているのだ。将来受け取れる金額は厚生年金を支払っている者よりも下がってしまうものの、保険料を支払わずに国民年金を受け取れるというメリットがある。

加入条件

そんな厚生年金に加入する条件は、常時雇用されていて70歳未満の人が該当する。正社員以外にもアルバイトやパートタイムで働く方も週20時間以上勤務し、1ヵ月の賃金が8万8,000円以上であれば加入しなければならない。ただし日雇い労働者や短期間で終了する雇用契約を結んでいる場合は、厚生年金に加入できないので注意しておこう。

加入手続きは雇用主側が行うので、自身で何か書類を提出しに行く必要はない。自分での手続きは不要なので、手間がかからないという特徴を持つ。

受取条件

厚生年金に加入して退職した後、老後に厚生年金を受け取るためには「10年以上保険料を納めていること」という条件を満たす必要がある。これは厚生年金が丸々10年分でなくとも、国民年金へ5年、厚生年金へ5年加入しても問題ない。

  • OK:厚生10年
  • OK:国民5年、厚生5年
  • OK:国民10年、厚生1年
  • NG:国民1年、厚生5年

さらに免除申請していた期間も計算に加えることが可能だ。

もし60歳までの時点で年金を支払っている期間が免除期間を除いて10年に満たない場合は、残念ながら受け取ることはできない。その場合、60歳以降も国民年金を支払って期間をかさ増しできるようにする「任意加入制度」の利用も視野に入れておこう。

何年納めているかは、毎年郵送されてくる「ねんきん定期便」でチェックできる。自分が受給条件を満たしているかどうか、一度確認してみてはいかがだろうか。

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同時に支払うと二重支払いは起こる?

厚生年金の中に国民年金の保険料が含まれていると説明した。「これらを同時に支払うと、どうなるのか?」という疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれない。

もし国民年金を支払った上で、厚生年金を支払ってしまうと二重支払いが起こってしまう。具体的には国民年金を1年間前倒しで納付していて、年の途中で転職して厚生年金へ加入すれば発生するので、フリーランスなど自営業者は特に注意が必要だ。

その場合は年金事務所から「国民年金保険料還付請求書」が送られてくるので、到着後に必要事項を記入し返送して還付手続きを済ませておこう。書類は自動的に年金事務所から送られてくるので、二重支払いが判明した方は到着を待っておこう。

受け取り方法は基本的に銀行振込のみで、受け取り時期は手続きから1ヶ月から2ヶ月程度かかると思っておくと良いだろう。詳しく知りたい方はこちらの記事で手順を紹介している。請求できる期限などもあるので、早めに手続きを済ませるようにしていただきたい。

公的年金制度を理解して有効活用すべき

今回紹介してきたように厚生年金と国民年金はそれぞれ別の制度である。しかし2階建て構造となっているので、厚生年金を支払っていれば自動的に両方の制度に加入することができる。反対に厚生年金に加入する権利がなければ、当然1種類しか制度に加入できていないので厚生年金は受給資格はないので注意しておこう。

もしフリーランスから会社員、など年度途中の転職を行って年金の二重支払いが起こってしまった場合でも、年金事務所から所定の書類が送られてくる。払い戻し対応もしてもらえるようになっているので、安心していただきたい。

厚生年金には保険料を雇用者に半分負担してもらえたり、配偶者を第3号被保険者にできて保険料を節約できたりするというメリットがある。制度を正しく理解して公的年金制度を、将来に向けてぜひ有効活用していただきたい。

具体的にいくら厚生年金がもらえるか、いくら国民年金年金制度の保険料を支払うか、などについてはこちらの記事で紹介している。保険料に関して知りたい方はご覧いただきたい。

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※本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。投資家とIFA(資産アドバイザー)とのマッチングサイト「わたしのIFA」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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