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iDeCoの始め方を完全解説!必要なものから買い方の手順まで

この記事で解決できるお悩み
  • iDeCoを始めるには何が必要か知りたい。
  • iDeCoでどのように商品を買うのか分からない
  • iDeCoの仕組みを理解したい

iDeCoは、老後に向けて資産形成を図るための私的年金制度として、近年注目が集まっている。

しかし「iDeCoに興味があるが始め方がわからない」「iDeCoでの金融商品の買い方が知りたい」と悩んでいる方も少なくないだろう。

今回の記事では、iDeCoの仕組みや具体的な始め方について詳しく解説する。

iDeCoに興味のある方に向けて、おすすめの相談先も紹介しているため、ぜひ本記事を参考にiDeCoでの資産運用を検討してみてほしい。

目次

iDeCoを始める前に押さえるべき制度の基本

まずは、iDeCoとはそもそもどのような制度なのか、特徴や基本的な仕組みについて確認していこう。

iDeCoの仕組み 

iDeCoは、個人型確定拠出年金ともよばれ、公的年金とは別に将来に向けて資産形成を行う私的年金制度だ。

基本的に20歳以上65歳未満のすべての人が加入できて、公的年金と違って加入は任意となっている。

一定期間運用した後は掛金と運用益の合計額を給付として受け取れるため、公的年金と組み合わせることで、老後の生活を支える資産づくりの手助けとなるだろう。

iDeCoの特徴は以下の3点だ。

  • 自分で掛金を拠出する
    • 自分で掛金を設定して毎月積み立てていく
  • 自分で掛金を運用する
    • 自分で選んだ運用商品で掛金を運用する
  • 原則60歳以降に年金を受け取る
    • 拠出した掛金と運用益を受け取る

毎月拠出できる掛金の上限額は人によって異なるが、上限額の範囲内であれば積み立てる掛金を自分で自由に設定できる。

iDeCoのメリット

iDeCoの最大のメリットは、掛金の「拠出時」「運用時」「受取時」のそれぞれのタイミングで税制面の優遇を受けられる点だ。

iDeCoのメリット
  • 拠出時
    • 積み立てた掛金が全額所得控除の対象となる
  • 運用時
    • 掛金の運用益が非課税となる
  • 受取時
    • 一括受取の場合は退職所得控除、年金受取の場合は公的年金等控除の対象となる

iDeCoに加入すると、掛金の全額が所得控除の対象となる。

所得控除とは、所得税などの税額を計算する際に、所得金額から一定金額を差し引ける制度のことだ。

掛金として支払った金額が所得金額から差し引かれることで、課税所得が減って、結果として当年分の所得税と翌年分の住民税が軽減される。

所得控除の適用を受けるためには、年末調整か確定申告の手続きが必要となる。

また、通常の投資によって得られる運用益や利益に対しては、20.315%の課税がなされるが、iDeCoで運用した分については運用益・利息が非課税となる。

長期運用によって利益が膨らむほど節税効果も高まるため、将来に向けた資産形成を行う上では大きなメリットだ。

iDeCoでは、運用資産の受け取り時にも税制面の優遇を受けられる。

原則として60歳以降に老齢給付金の受け取りを開始できるが、受け取り方法も「一時金」または「年金」のいずれかを選べる。

一時金で受け取る場合は退職所得控除が適用され、年金で受け取る場合は公的年金等控除の対象となる。

いずれの場合も、各種控除が適用されるため、一定額まで老齢給付金を非課税で受け取れるというメリットがある。

加入条件

iDeCoは、原則として20歳から60歳までのすべての方が加入できる制度だ。

ただし、国民年金の加入区分によって、加入資格が定められているため、あらかじめ自分が該当するかどうか確認していこう。

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加入区分加入対象者加入対象とならない方
国民年金の第1号被保険者20歳以上60歳未満の自営業者とその家族
フリーランス
学生など
農業者年金の被保険者
国民年金の保険料納付を免除されている方(ただし障害基礎年金を受給している方は加入可)
国民年金の第2号被保険者厚生年金の被保険者(会社員や公務員等)勤務先で加入している企業型確定拠出年金の事業主掛金が拠出限度額の範囲内での各月拠出となっていない方
マッチング拠出を導入している企業型確定拠出年金(企業型DC)の加入者で、企業型DCでのマッチング拠出を選択した方
国民年金の第3号被保険者厚生年金の被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者
国民年金の任意加入被保険者国民年金に任意で加入した方
60歳以上65歳未満で、国民年金の保険料納付済期間が480月に達していない方
20歳以上65歳未満の海外居住者で、国民年金の保険料納付済期間が480月に達していない方
出典:iDeCo公式サイト iDeCo(イデコ)の加入資格・掛金・受取方法等

また、iDeCoの老齢給付金を受給している人や過去に受給したことがある方、老齢基礎年金を繰上げ受給している方は、iDeCoに加入できないため注意しよう。

iDeCoの始め方〜加入手続き編

iDeCoに加入する場合、どのように手続きを行えばよいのだろうか。

ここでは、iDeCoの加入前に準備するものや、加入申し込みの手順、加入後の確認事項などを解説していく。

加入前に準備するもの

iDeCoに加入する際は、金融機関に「個人型年金加入申出書」を提出する必要がある。

iDeCoへの加入を希望する金融機関から加入申出書を入手し、必要事項を記入した上で添付書類を添えて提出する。

一部の金融機関では、オンラインで加入申し込みを行うことが可能だ。

個人型年金加入申出書と併せて提出が必要な書類は、主に下記の通りとなっている。

必要な書類
  • 事業主証明書(会社員や公務員の場合)
  • 本人確認書類のコピー
  • 年金手帳や基礎年金番号通知書
  • 掛金の引き落とし先の銀行口座情報がわかるもの
  • 銀行届出印(書面での申込の場合)

手続き内容や金融機関によって必要書類が変わる場合があるため注意しよう。

加入申込みの手順

iDeCoへの加入申込の手順は下記の通りだ。

  1. 運営管理機関(金融機関)を選ぶ
  2. 加入申出書と事業主証明書を運営管理機関に提出する
  3. 運営管理機関が国民年金基金連合会へ書類を提出する
  4. 「口座開設のお知らせ」「加入資格確認結果通知」を受け取る
  5. 初回の掛金が引き落とされる

iDeCoに加入する際は、まずは運用を行う金融機関を決めて加入申出書を取り寄せる。

必要事項を記入して添付書類と共に送付すると、国民年金基金連合会での審査が行われる。

申込時に運用商品を指定する金融機関の場合は、加入申出書を記入する時点で運用商品を選択する。

手続きが完了すると、手続き完了の通知と専用ページへログインするためのID・パスワードなどが届く。

必要に応じてWEBサイトでの初期設定を行えば、iDeCoの申込手続きは完了だ。

加入後の確認事項と手続きにかかる時間

iDeCoの申込から運用開始までにかかる時間は、およそ1ヶ月半〜3ヶ月と言われている。

書類に不備がある場合などは、さらに時間がかかってしまうため気をつけよう。

iDeCoに加入した後、以下のようなタイミングでは手続きが必要となる。

  • 氏名や住所を変更したとき
  • 掛金の引き落とし口座や金融機関を変更するとき
  • 掛金額を変更するとき
  • 掛金拠出を停止・再開するとき
  • 運営管理期間を変更するとき
  • 加入者・運用指図者が死亡したとき
  • 勤務先の企業年金制度への加入状況に変更があったとき

上記のケースに該当する場合は、必要書類を揃えた上で、運営管理機関に届け出を行う必要がある。

いずれの手続きにおいても、手続きが完了するまでに時間がかかる場合があるため、届け出内容に変更があった場合や運用内容を変更する場合は、早めに手続きを行おう。

なお、掛金の運用方法の配分変更や、これまで積み立てた残高のスイッチングは、オンラインから手軽に行える場合がほとんどだ。

iDeCoの始め方〜商品購入編

iDeCoでは、掛金の運用方法を自分で選択するという特徴がある。

iDeCoで購入できる金融商品の種類や、毎月どのくらい掛金を運用に回せるか、どのように金融商品を購入するかについて確認していこう。

購入できる金融商品の種類

iDeCoで購入できる運用商品は、大きく分けると「元本確保商品」と「元本変動商品(投資信託)」に分けられる。

元本確保商品は、原則として元本が確保されている運用商品のことで、定期預金や保険商品のことを指す。

元本が安全に守られるというメリットがある一方、得られるリターンが小さいのはデメリットとなる。

運用商品や運用状況によっては、得られる利息額を手数料が上回る場合もある。

一方、元本変動商品は、市場環境や経済情勢などの要因によって運用成績が変動する投資信託のことを指す。

投資信託は、投資家から集めたお金をプロが株式や債券などで運用する仕組みの商品で、運用成果が投資額に応じて分配される。

運用がうまくいけば元本確保商品以上の大きなリターンを期待できるものの、運用がうまくいかない場合は損失が発生する可能性もある。

投資信託は、投資対象の種類によって「国内債券型」「外国債券型」「国内株式型」「外国株式型」の4つに分類できるほか、以下のような特徴的な仕組みのファンドも存在する。

  • バランス型
    • 複数の資産をバランスよく組み合わせたファンド
  • 不動産投資信託(REIT)
    • 不動産を投資対象とするファンド
  • ターゲット・イヤー・ファンド
    • 最初は積極的な運用を行いつつ、目標とする年に向けて徐々に安定的な運用に切り替えていくファンド

加入者ごとの月々の掛金

iDeCoの掛金は、国民年金の加入区分によって上限が変わってくる。

まずは、自分がどの加入区分に属しているかを把握した上で、掛金の拠出限度額を確認しよう。

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加入資格対象者拠出限度額
第1号被保険者・任意加入被保険者自営業者、フリーランス等月額6.8万円(年額81.6万円)
第2号被保険者会社に企業年金がない会社員月額2.3万円(年額27.6万円)
企業型DCのみに加入している会社員月額2.0万円(年額23万円)
DBと企業型DBに加入している会社員月額1.2万円(年額14.4万円)
DBのみに加入している会社員月額1.2万円(年額14.4万円)
公務員月額1.2万円(年額14.4万円)
第3号被保険者専業主婦(夫)月額2.3万円(年額27.6万円)
出典:iDeCo公式サイト iDeCo(イデコ)の加入資格・掛金・受取方法等

会社員の場合、企業年金の加入状況によって拠出限度額が大きく異なるため、あらかじめチェックしておこう。

なお、iDeCoは月々5,000円から始められ、拠出限度額の範囲内であれば1,000円単位で自由に設定できる。

毎月拠出することはもちろん、自分で決めた月にまとめて年単位で拠出することも可能だ。

金融商品の購入方法

iDeCoの運用商品は、運営管理機関が取り扱う運用商品の中から自由に組み合わせられる。

加入申込時に運用する商品を選択する金融機関もあれば、手続き完了後に加入者線用サイトで運用商品の配分を入力する金融機関もある。運営管理機関が定める方法に従って、購入手続きを行おう。

ここで重要なのが、自分の運用ニーズに合わせた適した運用商品を選び、資産配分を決めることだ。

年金以外に運用している資産とのバランスを見ながら、運用方針を決めていくと良いだろう。

年齢やライフスタイルに応じて自由に資産配分を変えられるのもiDeCoの魅力だ。

運用に対する考え方や許容できるリスクの度合いが変わったら、iDeCoの配分も都度見直すようにしよう。

iDeCoの始め方や買い方に迷ったら誰に相談するべき?

iDeCoでの運用を始める場合は、資産運用の専門家に相談するのを推奨する。

ここでは、専門家に頼るメリットや、相談先として適切な専門家を紹介していく。

なぜ専門家に相談するべきなのか

iDeCoでの運用は、基本的に長期にわたることが考えられる。

そのため、運用商品を選定する際は、数十年後の人生を見据えた上で運用戦略を決定することが重要だ。

ただし、これからiDeCoでの運用を始める人にとっては、数十年先の未来を想定して運用戦略を決定したり、自分の運用ニーズに最適な運用商品を選んだりするのは難しく感じられるかもしれない。

そこで、資産運用の専門家に相談して、自分に最適な運用戦略や運用商品の選定についてアドバイスをもらうことが大事となる。

プロの目線で自分のリスク許容度や求めるリターンについて評価をしてもらい、適切な運用商品へのアドバイスをもらうことで、長期間にわたって安定して運用を継続しやすくなるだろう。

iDeCoを検討する際は、具体的な商品提案が可能な専門家に相談してみよう。

IFAとは何か

iDeCoを始める際の相談先としておすすめなのがIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)だ。

IFAは、特定の金融機関に所属せずに、資産運用に関するアドバイスや金融商品の提案・仲介を行う専門家だ。

IFAの多くは金融機関出身者であるため、豊富な知識や経験に基づく具体的なアドバイスが期待できるというメリットがある。

特定の会社の都合によって提案内容が左右されないため、中立的な立場から助言してもらえるのも魅力の一つだ。

基本的に会社都合の転勤なども発生しないため、長期運用を前提とするiDeCoの運用についても、長期間サポートしてもらいやすいだろう。

iDeCoや資産運用全般について相談したいという方は、IFAへの相談を検討してみてはいかがだろうか。

IFA検索サービス「資産運用ナビ」の紹介

IFAに相談する上で重要なのが、自分に合ったアドバイザー選びだ。

自分の聞きたいことに精通しているアドバイザーや、自分と相性の良いアドバイザーを選ぶことで、無理せず資産運用を継続しやすい。

とはいえ、自分に合ったアドバイザーをどのように選べば良いかわからないという方もいるだろう。

そのような方には、IFA検索サービス「資産運用ナビ」がおすすめだ。

年齢や住まい、金融資産などを入力するだけで、自分に適したアドバイザーが自動で診断されて表示される。

検索されたアドバイザーの経歴や得意分野はプロフィールページから確認できるため、しっかりと内容をチェックした上で面談を申し込むかの判断が可能だ。

相談料は無料となっているため、ぜひ気軽に「資産運用ナビ」を利用してみてほしい。

iDeCoの始め方を理解して老後資金の準備を始めよう

iDeCoは、自分の老後資金を自分で準備するための私的年金制度だ。

掛金の拠出・運用・受取時に税制優遇を受けられるため、効果的に資産形成を進めやすいというメリットがある。

本記事では、iDeCoの加入手続きの方法や商品の買い方、事前に準備しておくべきことなどを解説した。

iDeCoでは、掛金の運用方法や拠出額などはすべて自分で決定する必要があるため、自分にとって最適な運用方法を見つけるのが重要となる。

IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)を活用すれば、自分に最適な運用方法についてアドバイスをもらえ、運用商品選びをしやすくなるだろう。

IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用すれば、自分と相性の良いアドバイザーが手軽に検索できる。

利用料・相談料は無料となっているため、iDeCoを始めようと考えている方は、ぜひこの機会に「資産運用ナビ」を利用してみてほしい。

iDeCoの始め方に関するQ&A

iDeCoの運用商品はどこで買えますか?

iDeCoの運用商品は、iDeCoを取り扱う運営管理機関(金融機関)で購入できる。

金融機関ごとに取り扱っている運用商品や提供するサービス内容が異なるため、よく比較して検討しよう。

金融機関を選ぶ際は、商品ラインナップやサービスの充実度、運用にかかるコストに注目して選ぶのがおすすめだ。

iDeCoで金融商品を買う時に気を付けるべきことは何ですか?

iDeCoで金融商品を買う際は、自分の運用ニーズに適した商品や資産配分で購入するように注意しよう。

自分のリスク許容度や求めるリターンに適さない商品を選んでしまうと、安定して運用を継続しにくくなるだろう。

iDeCo以外にも運用を行っている場合は、他の資産とのバランスも確認しながら、適切な資産配分を検討するのが重要だ。

iDeCoは途中で辞められますか?

iDeCoは、原則として60歳まで解約することはできない。

掛金の積立をやめたい場合は、iDeCoの加入者資格を喪失する手続きを行い、運用指図者となってそれまでの積立金の運用を継続する。

なお、例外として、国民年金保険料免除者になるなど一定の要件を満たした場合は、脱退一時金を受け取れるケースもある。

iDeCoの運用中に仕事を辞めたらどうなりますか?

iDeCoの運用中に転職・退職を行った場合は、移換の手続きを行うことで、引き続き運用を継続できる。

企業型確定拠出年金に移換するケースや、iDeCoに引き続き加入するケースなど、状況によって手続きが異なるため、運営管理機関に問い合わせるのをおすすめする。

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

・本サイト「資産運用ナビ」はアドバイザーナビ株式会社が運営しております。
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・本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

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