- 10年という期間で投資をする際の具体的な戦略を知りたい
- 安定したリターンを得るための方法が知りたい
- 長期投資において重視するべきポイントを理解したい
一般的に、投資は長期にわたって行うことで、リスクの低減や複利の効果といったメリットが得られる。
しかし、単に長く運用をするだけで上手くいくわけではない。長期の投資ほど、事前に確認するべきポイントや投資計画を立てることが重要だ。
そこで本記事では、具体的に「10年間の投資戦略」に焦点を当て、資産を着実に成長させるための戦略を提供する。
リスクを管理しながら、安定した利益を得る方法を分かりやすく解説するので、ぜひ参考にしてあなたの投資戦略に役立ててほしい。
10年投資の基本原則とメリット
まずは、10年間投資をするメリットを解説する。
長期運用の効果や、実施前に押さえておきたいポイントも確認しておこう。
長期的な視点を持つことのメリット
時間をかけて行う投資には、次のメリットがある。
専門知識なしで始められる
短期運用の場合、経験やテクニカルな分析を駆使し値動きを争わなければならない。
それに対し、長期運用は企業や経済などの長期的な成長を見越して資産を増やす。
じっくりと変化を確認しながら資産の拡大ができる。
複利効果を活用できる
運用で得た分配金・配当金を再投資することで、資産が雪だるま式に増えていく。
時間を味方につけて長期運用することで、資産の増える力が加速する。
売買コストを抑えられる
長期保有すると取引回数が少なくなるため、金銭的コストを下げられる。
また、売買を検討し手続きをする時間的コストも減少するため、忙しい人にも適している。
精神的に落ち着いて投資ができる
時間的余裕があることから日々の値動きに心を乱すことなく、相場の荒れにパニックになることも避けられる。
時間をかけて冷静に投資判断ができる。
分散投資の重要性
長期運用で欠かせないのが、分散投資である。
投資はリスクをゼロにすることはできないが、値動きや特性の異なる商品を組み合わせることで、全体的なリスクを軽減できる。
分散させるべき要素は、次の3つだ。
- 資産の分散
- 異なる値動きをする資産を組み合わせる。株式と債券、株式と金など
- 地域の分散
- 地政学リスクを低減させるために、地域や通貨が異なるものに分けて投資する
- 時間の分散
- 投資するタイミングをずらす。一定の間隔で一定金額を投資する「積立投資」が有効
特に長期運用においては「時間の分散」を有効活用できるため、投資タイミングに急かされることがない。
焦りに起因する誤った投資行動を防いでくれる効果も期待できる。
長期投資を始める前に確認するべきポイント
長期運用を始める際は、次のような自分の投資プランや投資ルールを確認し定めておきたい。
目的の明確化
投資に期待することや、資産を増やす理由は何かを把握する。
10年後にいくら増やしたいのか具体的な金額を設定する。
投資可能額の確認
投資できる額を正しく計算する。10年間運用できる金額か、取り崩す可能性はないか今後のライフプランと併せて検討する。
リスク許容度の把握
どのくらいの損失までなら受け入れられるのか。現在の資産状況と将来的に発生する支出を算出し、確認しておく。
相場変動時のルール
買値から価格が20%以上下がったら売却する、ポートフォリオの比率が10%以上崩れたらリバランスを行うなど、売買のルールに指数を取り入れ定めておく。
運用前にこれらの計画を立てておくと、長期間投資の中で起こりうる想定外の事態にも冷静に対処できる。
10年間の投資に適した商品選び
長期投資が必ずしも「成功する」とは限らない。
長期運用にふさわしい投資手法を選ぶ必要がある。
ここでは、10年間の投資で考慮すべき点や商品の選定について解説する。
長期投資に適した投資手段
長期投資に取り入れるべき資産クラスを次に挙げる。
株式
事業が成長することで株価が上がり資産の拡大ができるため、時間をかけた運用に向いている。
長期的な成長が期待できる銘柄を選ぶと良い。
配当金による定期収入も魅力的だ。配当金を再投資することで複利効果を高められる。
債権
値動きが小さいため長期間安定的に資産を増やせる。発行元が破綻しない限り満期時に元本が支払われるため、債務不履行リスクが低い。
金利や満期日が固定されていることで、資産形成の計画や管理がしやすい。
REIT(不動産投資信託)
複数の不動産に分散投資し、間接的に所有できる。不動産(=モノ)に投資をするためインフレに強い投資対象として期待でき、長期運用にも効果的だ。
証券取引場に上場しているため、いつでも売買可能で現物不動産より換金性が高い。
投資先選定の際の重要な考慮事項
投資先は、次のポイントを押さえながら検討したい。
投資目的に応じてポートフォリオを組む
投資に何を求めるかによって資産配分が異なる。
分配金が欲しい、積極的に増やしたい、安定した成果が欲しいといった運用ニーズに応じて、各運用商品の特性を理解し適切に組み合わせる。
目標利回りとリスク許容度に留意する
投資額と目指す金額から割り出した目標利回りを元に、投資対象を検討する。
ただし、利回りが高い商品はハイリスクであることが多い。
希望する運用成果だけでなく、安全性と収益性のバランスを考慮し、受け入れられるリスクの範囲内で商品を選定しなければならない。
相続も視野に入れる
不動産や保険は、相続税特例や一定額の非課税制度が適用される。
長期運用の場合、資産の相続に関わる節税についても理解を深め対策を講じておくと良い。
運用方針ごとの投資プラン例
運用方針ごとの投資例を紹介しよう。
運用方針 | リスクをとって運用成果を大きくしたい |
---|---|
目標利回り | 10%以上 |
国内外の株式、アクティブファンドを中心にポートフォリオを組む。
相場を見ながら個別株にスポット投資を行う。
投資期間が長ければ、短期的に損失が膨らんでも長く運用できるため、リスクをとった投資も選択できる。
ただし、ハイリスク・ハイリターンの投資手法を取る場合、利益を出すために金融や市場動向の知識が必要だ。
投資の相場観を持っていないと継続的な成功は難しい。
運用方針 | 攻めと守りのバランス運用をしたい |
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目標利回り | 7%以上 |
投資信託を積み立てしつつ、業績が安定している企業の個別銘柄を選択する。
余剰資金で国内のREITにも投資。ハイリスク商品は相場をみながら売買し、ローリスク商品は長期保有する。
バランス運用は、リスクの感度を上げ適宜適切な対応が必要だ。
特に。株式は企業の業績や経済情勢によって、ハイリスクにもローリスクにもなりうる。長期運用を行う中で情報をキャッチアップし、対策を取っていきたい。
運用方針 | リスクの低い安心できる運用がしたい |
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目標利回り | 3%以上 |
インデックスファンド中心の積み立て投信と債権への投資で運用する。
基本的には売却は行わず、定期的なリバランスを実施する。
長期的に保有し続けることで資産を増やす方法だ。
低リスク商品を選べばあとは「保有し続ける」が主な手法なので、最低限の知識さえあれば高度な金融知識を学ばなくても運用できる。
投資リスクの管理と資産保全のポイント
長期運用はリスクが低いと言われているが、長期運用ゆえのリスクがある。
ここでは、長い期間投資を行う際に直面する問題を挙げ、対策方法と心構えを解説する。
長期投資におけるリスク要因と対処法
長期運用の注意点や対応方法は次の通りだ。
価格暴落や情勢不安などの危機に直面する
市場は上昇・下降のサイクルを繰り返す。投資を続ける中で時には資産価値が下がり、売却したくなることもあるだろう。
しかし投資期間中は、一時的な価格下落があっても、慌てず保有を継続し状況を分析することが大切だ。
想定以上に増えない
リスクを抑えた長期運用は、リターンが小さくなりやすいというデメリットにも繋がる。
そのため利益が発生する実感が小さく、資産が増えていく醍醐味を味わいにくい。
運用は投資をして終わりではなく、適宜見直しが必要だ。
例えば、運用シナリオが崩れたときは投資先を再検討する、目標値に達した場合は、ローリスクのポートフォリオに組み替えるなど柔軟に対処しよう。
ライフステージの変化
運用を続けていると、ライフステージの変化に直面することがある。
マネープランが変わり、突然支出が発生することも想定される。
流動性の低い不動産や金は現金化しにくいため、換金しやすいREITや株式と併せて保有しておくことで対策ができる。
ボラティリティと対処する心理的準備
ボラティリティとは、金融資産の価格変動の度合いを指す。
価格変動がなければ利益は生まれないため、ボラティリティは一定必要なものだ。
ただ、ボラティリティが高くなると心理的な不安に陥る。
多くの人は、投資元本を目減りさせないよう市場から資金を引き揚げ、その後に最適なタイミングで市場に戻って再投資しようとする。
しかし、将来の正確な予測をし続けるのは難しい。
ボラティリティ上昇時に最良のタイミングで売買しようとすると、長期リターンを逃してしまうという指摘もある。
ボラティリティリスクを巡ってマーケットタイミングを計ろうとする投資家は、市場の長期リターンを逃しているからです。(略)過去25年で市場パフォーマンスが良かった上位10日、20日、30日間を見逃さなければ、S&P500種株価指数において10,000米ドルの成長を見ることができた投資家がいたことを示しています。(※)
※引用:ロードアベット「市場のボラティリティ:恐ろしい時に覚えておくべき3つの事実」
価格変動が大きい局面で意識すべきことは、売買のタイミングではなく市場への投資期間だ。
短期的な動きをして長期目標から逸脱してしまうことのないよう、冷静でいなければならない。
ボラティリティが大きいというのは価格が変動しているサインであり、価格の方向性を判断する指標ではないと心がけておきたい。
成功する投資家のリスク管理戦略
長期間の投資は、感情に揺さぶられることなく投資ルールに沿って厳格に運用するのが望ましい。
そのためには、投資開始時に適切な投資プランを策定することが重要だ。
投資可能額やリスク許容度の把握、商品の選定などを元に客観的な視点で投資ルールを設定しよう。
運用開始後は、日々の値動きに一喜一憂し、個別銘柄の変動に反応する必要はない。
ただし、ポートフォリオ全体の収益バランスは意識しなければならない。
例えば、A銘柄B銘柄50%ずつの配分にしたとしても収益の割合は変化する。
それらのバランスを整える見直しは、適宜行っていく。
目先の利益ではなく、10年後の目標値に視野を広げながら投資を継続してほしい。
投資は誰に相談するべき?
ここまで、長期投資で考慮すべき事項や戦略を解説した。
しかし、効果的な投資プランは個々の事情や運用方針を考慮する必要がある。
投資は第三者に相談してこそ最適化される。
この章では、専門家に相談するメリットやIFAの役割について解説する。
投資を専門家に相談する重要性
運用のプロは、最新の経済や市場の動向に精通している。
相談をすれば、知識や不足している経験を補えるだけでなく、新たな知識や投資手法を得ることができる。
自分では気付かなかった斬新な投資戦略に出会えるかもしれない。
長期運用は、始めの準備が大切だ。投資前に専門家からアドバイスを受けることで、その後の運用成果に大きな差が生まれる。
長い運用の間に、市場の悪化や情勢不安に陥ることもあるだろう。
そんな時にプロの分析があれば、自分の資産状況を客観視し、感情にとらわれない合理的な運用方法を検討できる。
精神的な安心感という意味合いにおいても、専門家から資産拡大のサポートを受ける意義は大きい。
IFA(独立系金融アドバイザー)の役割、およびメリット
IFA(独立系金融アドバイザー)は、投資に関する相談やアドバイスをする専門家だ。
運用提案や資産管理の経験を持つ金融業界出身者が多く、専門的な投資知識を備えている。
単なる商品の紹介ではなく、個々に応じたコンサルティングを中心に資産形成をサポートしている。
ポートフォリオの設計や、各種資産クラスを組み合わせた運用戦略の策定を得意としているため、商品の垣根を超えたオーダーメイドの提案が可能だ。
IFAは金融機関から独立した立場であるため、異動による担当者変更がない。
投資を開始してからも現状報告や運用方針の確認、手続きについて同じ担当者が対応する。
10年間の運用は、長期的なサポートが不可欠だ。
そのため時間をかけて共に資産を育てていくIFAを利用すれば、安定的に資産形成を行える。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用方法
長期の投資相談でIFAを選ぶ場合は、幅広い業務に通じているかを重視したい。
株式や投資信託だけでなく保険や不動産などのアドバイスができれば心強い。
複数の商品を取り扱い、担当顧客を多く持つIFAが良いだろう。
「資産運用ナビ」は、自分に合ったIFAを探すことができるプラットフォームだ。
地域や相談内容に応じて、さまざまなIFAを検索し依頼ができる。
IFAのプロフィールには経歴や保有資格、連携証券会社、得意領域などが掲載され人物像も把握しやすい。
担当顧客層についても、年齢・性別・資産額・職業を閲覧でき、自分と同じような資産背景の顧客を担当しているか判断可能だ。
信頼できる資産運用のパートナーを探し、成功する投資のスタートを切って欲しい。
まとめ
「10年間の投資戦略」に焦点を当て、資産を着実に成長させる手法について解説した。
投資は、10年など長い期間行うことにメリットがある。
長期投資で成功するには、適切な投資先の選定と分散投資を軸に安定したリターンを目指す戦略と心構えが重要だ。
いくつかおすすめの運用法も紹介したが、その最適解は個人によって異なる。
運用成果をより高めるための手段として、まずは運用の専門家に相談するのも戦略の1つだ。
資産形成のプロであるIFAに頼れば、投資や運用の専門的な知識を活かしながら効果的な長期運用が叶う。
現在検討している投資プランやポートフォリオの構成が、投資目標やリスク許容度に合致しているかどうか見極めることも可能だ。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」で適切なアドバイザーと出会い、利益が最大化できる運用戦略を共に練ってみてはいかがだろうか。